July 15, 2025

アマゴと戯れる

福井の某谷にて、テンカラ渓流釣り。

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滝の釜で一投目で出た良型アマゴ。うっすらと朱点がある。

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淵にてのんびり泳いでいるアマゴがいたので、なんと手掴みにて捕獲できた。1回釣られた魚なのか弱っていた感じだった。

ここは日本海側の河川なので、本来はヤマメの渓である。そこにアマゴがいるのは、移入起源に違いない。アマゴの魚影は滝上どころか、結構上流部まで見られた。イワナは確認できなかった。

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沢の上部は木々の枝葉が覆っていて、テンカラ釣りには不利な渓相だった。それでも釣ってみせるのが腕の見せどころだ。

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July 11, 2025

2週連続でのワンゲル部山小屋をベースにテンカラ釣り

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飛騨川橋谷の下山後は、月火と早めの夏休みを取得していたので、奥美濃にあるワンゲル部山小屋へ移動し、山小屋をベースに2週連続でのテンカラ釣行となった。

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山小屋の周辺では、ササユリやヤマオダマキなどの花が咲いていた。

先週は石徹白川の本支流を回ったが、今回は週末明けということもあり、週末に入った釣り人の影響が残っていそうだ。そうなると週末明けの月曜日は秘密のプライベート釣り場しかない。今シーズン初の巡視へ行ってみることにする。

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プライベート釣り場はアプローチが容易でないことから、一般の釣り人と競合することはまずもってない。藪沢ではあるが、テンカラ竿を振れる場所はそこそこある。

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今シーズン初ということで、イワナがまだスレていないのか、まずますの釣果だった。ただし、上流部は渇水気味で急激に毛鉤への反応が悪くなった。全体的に平水よりやや水量は少ない。増水するほどの雨が降っていないのか、岩が結構ヌメっていて、ラバーソールの沢靴だと結構滑る。先シーズンの大雪で倒木も結構多く、障害物を乗り越える場面が多かった。のんびり1日かけての釣りとなった。

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日中の気温が高かったこともあり、夕方にはにわか雨が降った。太陽が出ていての夕立だったので、狐の嫁入りの様相であった。

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夕立で涼しくなったので、早速、飲み始めることに。焼肉で独り夏休み宴会の予定だったが、年齢のせいか、前夜の寝不足のせいか、すぐに満腹となり眠気が襲ってきた。早々の就寝となったが、深夜に目が覚めてしまった。夜にまた降り出した雨は結構な降水量で、朝方まで続いた。

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翌日は、午後からは雨予報だったので、午前中だけの釣りとし、早めに帰路につくことにした。平日ということもあり、C & R 区間に入ろうと最下流部に向かうが、すでに車が1台駐まっていた。少々遅めの出発だったので先を越されたようだ。先行者は本流に向かっているかもしれないが、まだ入ったことのないC & R 区間の中流部で釣ってみることにする。前夜の大雨による増水が心配されたが、ほぼ平水であった。岩のヌメリも酷く、これまで増水するほどの雨は降っていないのかもしれない。

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この日はおニューのテンカラ竿も試してみた。柔らかめの竿だが、まあまあいい感じで振れる。

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あいかわらず厳しいC & R 区間だった。良型のヤマメを1匹釣りあげたところで終了とした。

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July 02, 2025

石徹白釣行記:ワンゲル部山小屋をベースにテンカラ釣り

今年はホームの高天谷にて沢シーズンをスタートしたが(2025年6月8日の記録)、雨天や仕事が入ったりで、その後は行けていない。6月の最後の週は天気も良さそうなので、休日出勤の代休を利用して金曜日からの3日間で、本格的には今シーズン初となる渓流釣りに行くことにした。行き先はワンゲル部山小屋がある奥美濃で、山小屋をベースに周辺の渓でテンカラ毛鉤を振る。なお、今シーズン最初のイワナは、ゴールデンウィーク明けに山小屋の衣替えに同行した際に、近所で山菜採りのついでに残雪の残る渓で釣り上げている。

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奥美濃にあるワンゲル部山小屋はちょうど分水嶺に建っており、日本海に流れる九頭竜川水系と太平洋に流れる長良川水系の両方の渓に気軽に行ける立地である。なお、山小屋の水源は長良川水系である。今回は九頭竜川水系である石徹白川の本支流を回ることにした。石徹白川の本支流で釣りをするならば、石徹白漁協で遊漁証を購入する必要がある。

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初日は平日の金曜日ということで、アプローチが容易な石徹白川支流のキャッチ&リリース区間に入ることにした。週末には競争の激しい渓ではあるが、平日であれば一番で入れる可能性は高い。周辺には田んぼがあり、田植え後の稲が若々しい緑色で美しい。

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午前中は下流部を探る。水に入ると、まだ結構冷たい。梅雨時ということもあり、やや水量も多い感じはする。

しばらく毛鉤を振り続けていくが、水温が低いのかなかなか反応がない。そのうちにアマゴらしいアタリは出るようになる。アマゴはすぐに毛鉤を放すようで、なかなかフッキングできない状況が続く。そんなときにアタリにアワセるとズシリと重い引きがあり、まったくラインが動かない。かなりの大物のようであり、持久戦を覚悟したが、突然毛鉤が外れてバレてしまった。たいへん残念だったが、逃した獲物は大きかったようだ。この辺りでは昨年の夏に尺ヤマメを釣ったことがあり、その時の光景が頭の中に蘇った。

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気を取り直して、毛鉤を降り続けると、アタリがあり、アワセると先ほどではないが、再び強い引きで結構魚が走る。取り寄せると、なんと尺サイズのニジマスだった。石徹白でニジマスを釣ったのは初めてだったので、昨年の尺ヤマメ以来となる驚きだった。あとで地元のテンカラ釣り師に話を聞く機会があり、大物のニジマスもいるようで、先ほどバラした大物もニジマスだったのかもしれない。

しかし、釣り人が喜ぶとはいえ、本来はこの河川にいない魚を放すのはどうかと思う。過去にダムができたことでヤマメが絶滅し、その後に長良川産のアマゴを放流し、それが定着した。最近は、元々生息していた九頭竜川産のヤマメを放流しているようだが、生物多様性の保全という点では問題がある。なぜならばアマゴとヤマメは容易に交雑してしまい、遺伝的におかしな系統が誕生してしまう。なぜヤマメが絶滅したのかという原因を考えてほしい。いろいろな魚種を放すのは種間競争という問題もある。この場所ではイワナが減った気がするのだが、どうだろうか。釣れる魚種や個体数だけでなく、生物多様性の保全という観点も漁協には考えてほしいと思う。

午後は上流部でも竿を出したが、アタリはあるものの、フッキングはできず、小さなアマゴが1匹釣れただけであった。

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早めに山小屋に戻ると、ワンゲル部OBのTさんたちが屋外ですでに飲んでいた、屋外の薪置き場にはアオダイショウが日向ぼっこをしていた。アオダイショウは山小屋内のネズミを食べてくれるので、山小屋の主としてOBOGたちから大切に扱われている。

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山小屋周辺に生えているウドはすっかり成長していたが、新芽を採ることはできた。

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夕食はTさんたちに飛騨牛のすき焼きをご馳走になった。ウドの新芽をすき焼きに入れてみたが、まるで春菊のような味になり、意外とすき焼きに合って美味しかった。

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2日目は、現役部員のスキー指導をしてくれているスキーヤーであり、私の教え子でもあり、フライマンでもあるSくんが合流し、石徹白川支流の山岳渓流に入ることにした。溪までのアプローチは長いが、その分、他の釣り人との競争は回避できる。

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山岳渓流ということもあり、テンカラの方がフライよりも分があり、イワナ祭りとなった。堰堤の巻きもあったりで、沢登り並みの運動量となった。

帰る時に本流でも竿を出したが、すぐに水量の多さで行き詰まり、それで終了とした。

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夕食は焼肉であったが、お互いに肉を買いすぎており、食べきれない量であった。

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最終日は、午前中だけということで、石徹白川本流に入った。本流の下流部は里川的で、川幅もあり、流れも緩いところが多く、遠投のできるフライの方が圧倒的にテンカラよりも有利であった。私もフライフィッシングの経験はあるのだが、こういう状況ではフライをチョイスしてもよいのかもしれない。

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私の釣果は、最初にテンカラ向きのポイントで出た良型のイワナだけだった。

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Sくんは4〜5匹ほどの釣果だった。源流部ではテンカラが有利だが、本流や広く緩い流れの支流ではフライが有利性を発揮できる。フライの方がテンカラよりも技術的には難しいが、河川の状況に応じて二刀流もありかもしれない。

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山小屋の網戸にとまっていたミドリヒョウモンのオス。

3日間ともボウズなしで、まずまずの渓流釣りのスタートが切れたように思う。今シーズンは沢登りと渓流釣りを同時並行で楽しんでいきたい。

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May 15, 2025

ワンゲル部山小屋の春:今シーズン初の渓流釣りとクマ遭遇

北海道・東北2025GWスキーツアーから帰ってきたばかりであるが、ゴールデンウィーク明けの週末の5/10-11に、私が顧問をしているワンダーフォーゲル部が奥美濃に所有する山小屋に1ヶ月以上ぶりに行ってきた。今回は、現役部員による冬仕様から夏仕様への衣替えの作業に同行させてもらった。

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ゴールデンウィーク明けは、例年ならば山小屋周辺には雪はほとんど残っていない時期であるが、例年にない大雪だった今シーズンだったこともあり、いまだ日陰や谷には残雪が多い。残雪の上には、シカかカモシカの足跡が残されていた。

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春の到来も例年より1週間以上は遅いようで、例年ならば山小屋周辺ではコシアブラの芽が旬なのだが、今年はまだ早いようだ。膨らんだものだけを少しばかり採取した。

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山小屋の前庭ではザセンソウが咲いていた。

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林道脇にはタムシバの花が咲き始めていた。

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ショックな出来事が2件あった。山小屋敷地内のタラの芽がすべて採られていた。どうやら無断で侵入した人がいたようだ。普段は山小屋は無人にしているので、管理は難しいところである。関係者以外立入禁止の看板設置を検討する必要はあるのかもしれない。

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もう1件は、山小屋の玄関前にあったハリギリの木が折れていた。これは雪害によるものと思われる。折れた枝からは芽吹いていたが、食べるにはまだ早い感じであったが、1つだけ頂いた。この後、ハリギリがうまく復活してくれるとよいのだが。

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コゴミ(クサソテツ)は出始めで、食べるにはちょうどよい感じであった。

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他にはフキノトウが採れ、それらの山菜は天ぷらにして夕食のおかずと酒のアテになった。

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翌日は山小屋周辺の渓に偵察に。谷には残雪多しで、登山靴にて。

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新緑が美しい。

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倒木と残雪で道は歩きにくい。人の足跡はなかったので、今年はまだ誰も通っていないのかもしれない。

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雪融けで水量多めの渓にて毛鉤を流してみた。浮く毛鉤には反応がなかったので、沈む毛鉤に替えたらイワナがすぐに釣れた。今季初のテンカラ釣りの釣果であった。

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山小屋より標高を200m下げたこともあり、この辺りのコシアブラの芽は旬であった。

釣りの方は切り上げて、コシアブラを採ろうと、谷から尾根に出ると、登ってきたのとすぐ反対側の斜面の茂みの中で、大きな動物が逃げていく音がした。カモシカかなと思ったが、道のすぐ下方を2頭の子グマが横切り、茂みの中に消えた。子グマといっても、1歳児と思われるので、そこそこ体は大きかった。近くには親グマもいるのかもしれない。子グマが入っていった茂みに近づいてみると、茂みの中から威嚇の唸り声が聞こえた。どうやら茂みの中にクマが潜んでいるようで、慎重に来た方向に引き返し、そのまま山小屋に戻ることにした。あのまま進んでいたら襲われたのかもしれない。クマ撃退スプレーを持っていたとはいえ、白兵戦は避けたかった。

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岐阜県道314号線沿いにある霞ヶ滝も普段は水量が少ないのだが、さすがにこの時期は水量が多かった。

次に山小屋に行くのは渓流釣り目的となるだろうが、5月いっぱいは残雪が多そうなので、6月に入ってからが無難だろうか。

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September 15, 2024

葛根田川・大深沢継続沢登り:3日目(大深沢北ノ又沢出合〜大深山荘〜三ツ石山〜滝ノ上温泉)

葛根田川・大深沢継続沢登りの3日目の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

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3日目の朝は曇りがちの天気であった。そのためか朝はそんなに冷え込まなかった。焚火を熾してからお湯を沸かし、前日に引き続き、茶漬けで簡単な朝食を取る。

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疲れが溜まっているのか、前日より少し遅めの出発となった。

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出発して北ノ又沢をしばらく行くと、7m滝が現れる。

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7m滝は左からシャワーを浴びながら越えたが、その上にも2m滝があった。流れを横断して左岸から越えた。

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しばらく進むと、巨大なスダレ状の滝が見えてくる。ナイアガラの滝20mである。幅は30mはある。

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ナイアガラの滝は、一番左側の滝の右をフリーで越える。

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ホールドとスタンスは豊富だったので、ロープは出さなかったが、初心者がいる場合はロープで確保した方がよいだろう。

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滝上は景色が一変し、ナメが続く。

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ナメを歩いて行くと、仮戸沢・東ノ又沢・北ノ又沢が合流する三俣に到着する。真ん中の北ノ又沢を進む。その後もナメと滝が現れるが、滝は簡単に越えられた。

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枝沢2段20m滝(左)と北ノ又沢の6m滝(右)

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6m滝は左から越えた。

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6mナメ滝は右から越える。

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4m幅広滝。

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6mナメ滝。

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標高1250m付近から沢の傾斜が急になり、流れが滝状になる。

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急な流れの最後は5m2条滝。

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シャワーを浴びながら越えるワンゲル部員たち。

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滝上は水量が減り、湿原の中の流れとなり、源頭の雰囲気となる。イワナは5m2条滝が魚止かと思ったが、源頭部の緩い流れの溜まりに3匹ぐらい良型イワナがいた。

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やがて水流がなくなり、藪になる。そのまま沢沿いに進んで行くと、どんどん大深山荘から離れてしまうので、途中から大深山荘に向けてのトラバースに入る。これが激しい藪漕ぎになり、なかなか進まない。トータル1時間半ほどの藪漕ぎでようやく登山道に出た。ちょうど大深山荘のすぐ下であった。

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休憩のために大深山荘に立ち寄ると、どこかで見覚えのあるお顔の人がいるではないか。テレマークスキー界では有名なDVD「ゆきむし」のすーさんでした。登山道の維持作業での滞在とのことで、こんなところでお会いできるとは実に驚きのことであった。大深山荘で沢装備を解除し、ランチタイムとする。

大深山荘から滝ノ上温泉に下山するには、裏岩手縦走路の長い縦走を要する。そう長居はできない。すーさんにお別れを言い、下山に向けて出発する。

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まずは大深岳の山頂を踏む。今回の最高地点1541.4mである。

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長い裏岩手縦走路を進む。

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小畚山を越える。

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登山道上になぜかコウモリがいた。種類まではわからなかった。

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小畚山の次の小ピーク1448.1mを越えると、山頂の岩が特徴的な三ツ石山が現れる。3日間の疲れと股ずれでペースが上がらない。急にガスが出てきて、小雨がパラつく。

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スキーで2回ほど来たことのある三ツ石山に到着する(2009年3月16日2021年2月21日の記録)。

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エゾオヤマリンドウの白花が咲いていた。

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道しるべのようにウソ(メス)が先頭を進む。

三ツ石山荘に16時14分に到着する。ここから滝ノ上温泉まではコースタイム1時間半の下りだけだが、完全に足が逝ってしまっているし、股ずれも悪化している。コースタイムの2倍はかかりそうである。

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急下降に入ると、天使の梯子が現れる。

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自分のペースが上がらないので、途中からワンゲル部員2名には先に進んでもらい、マイペースで下りることにした。途中で日没となり、ヘッデンを点けて歩く。滝ノ上温泉駐車場に着いたのは19時を過ぎていた。先に下山したワンゲル部員は途中で木の上にいたクマに遭遇したそうだ。人に気づいたクマはすぐに木を下りて逃げたらしい。事故にならず、なによりだった。

下山後は、22時まで営業している雫石プリンスホテルにある雫石高倉温泉で汗を流した。入浴料は800円であった。中国人観光客がここでも多かった。

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夕食は遅くまでやっていそうなお店が多い盛岡まで出ることにした。調べて見つけたのは0時まで営業している盛岡食堂だった。私は焼肉丼に盛岡まで来たのだから盛岡冷麺を注文した。ボリュームもあって美味しかった。ワンゲル部員2名もガッツリ食べた。

今回は初めての北東北の沢だった。長い下山はキツかったが、美しいナメと自然に癒やされた3日間だった。今回はワンゲル部員たちと同行したが、彼らにとっては事故遭遇に加えて、初めての沢泊に、沢継続、激しい藪漕ぎ、美しいナメと滝、食糧の現地調達、下山に縦走を要し、クマが出没するなど、たいへん貴重な経験となったのではないだろうか。このような経験を積み重ねていくことで、山ヤとしても成長していくだろう。今後の活躍を期待したい。今回はイワナの入れ食いを期待したが、そこまで釣れなかったのは残念だった。下山時に大深山荘の近くで東ノ又沢を遡行してきた2人組にお会いしたが、彼らもあまり釣れなかったとのこと。「最近に大水があったようで、その影響があるのではないか」とも言っていた。週明けの入渓ということで、週末の入渓者の影響が残っていたのかもしれない。あとでわかったことだが、1日前に入渓者はいたようだ。今回はイワナが減ったのではなく、たまたまと信じたい。自然はこちらの思い通りにはならないものである。美しい自然が永久不変であることを願いたい。東北の沢は遠いが、また再訪したいと思う。その前にバックカントリースキーで行く可能性は高いが。

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葛根田川・大深沢継続沢登り:2日目(幕営地〜八瀬森山荘〜大深沢関東沢下降〜北ノ又沢出合)

葛根田川・大深沢継続沢登りの2日目の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

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2日目の朝は5時起床で、火を熾す。朝食を簡単にお茶漬けで済ませ、6時半に幕営地を出発した。

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3mCS滝を越える。

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すぐに二俣に着き、入口が10m滝となっている左俣に入る。右俣を進むと大白森に出て、明通沢を下降して滝ノ上温泉に戻れる。9月8日の事故は、この明通沢下降時に起こったようだ。あとでわかったことだが、事故を起こしたのは、東京の3人パーティーで、1名が滑落し、1名が下山して救助要請をし、残った1名は滑落者とともに現場で1泊し、翌朝に無事ヘリコプターで救助されたようだ。

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10m滝の上は小滝の連瀑となる。

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連瀑を越えると、標高を稼いだこともあり、水量は一気に減り、樹林の中の緩い流れとなる。

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ナメが連続する。

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ポットホールもある。

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左俣に入って2時間ほどで10m滝が立ち塞がる。右岸の枝沢から巻こうとしたが、これが失敗で本流から方向的に離れていってしまう。途中からトラバースで本流に復帰したが。余計な藪漕ぎと小さい沢の横断を何度か繰り返した。10m滝のすぐ左側を登るのが正解だったようだ。

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水流のない小滝を超える。

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平坦になると、大場谷地湿原に出た。

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少々はっきりしない登山道に出て、左へ進むと八瀬森山荘があり、しばらく休憩とした。

大深沢への下降は、登山道を少し戻ったところから、湿原を左(北)方向へと下りていく。湿原には秋の花が咲いていた。

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オクトリカブト

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エゾオヤマリンドウ

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ウメバチソウ

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しばらく進むと水量が次第に増えていく。はっきりとした沢になると、イワナの魚影が走るようになる。

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4m滝は右岸から下りる。

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関東沢出合まではイワナの魚影は濃かった。釣りをするならば、魚に見られやすい下降釣りにはなるが、この範囲で行うべきであったかもしれない。なぜか関東沢出合より下流は魚影が極端に減ってしまった。

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大きな深い釜をもった4m滝に進路を塞がれる。

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右岸側を少し登ったところに、残置のスリングがあったので、それを支点にして、懸垂下降で下りた。今回の沢行で唯一ロープを使った箇所である。この懸垂下降の前にいきなり左腕をハチに刺される。ハチの種類を判別できなかったが、痛さ的にスズメバチの感じがした。しばらく痛かったが、行動に支障はなかった。

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岩にミヤマサナエがとまっていた。

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八瀬森山荘から3時間ほどで大深沢北ノ又沢出合に到着する。ナイアガラの滝上にある三俣まで行く時間はあったが、快適そうな平坦地が右岸にあったので、2泊目の幕営地とした。

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幕営地近くで釣りをしてみたが、毛鉤への反応がやけに悪く、2匹しか釣れなかった。魚影の濃かった関東沢出合付近で竿を出すべきであった。やはり幕営地近くはみんな竿を出すので、魚影が薄くなるだけでなく、魚もスレてしまったのかもしれない。

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大深沢のイワナは黒みの強い個体だった。

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この日の薪はよく乾いていて、すぐに火がついた。釣った2匹のイワナは塩焼きにして3人で分けて食べた。前日よりもうまく焼けていて、外パリパリ、中はフワフワで実に美味かった。

葛根田川・大深沢継続沢登り:3日目につづく

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葛根田川・大深沢継続沢登り:概要と1日目(滝ノ上温泉〜葛根田川遡行〜幕営地)

初めての北東北の沢である葛根田川を遡行し、継続して大深沢も遡行してきた。同行したワンゲル部員たちにとっては初めての沢泊経験であっただけでなく、入渓前日に他パーティーにより事故があったり、下山時にクマに遭遇するなど実に盛りだくさんの内容であった。

【日程】2024年9月9日(月)〜11日(水)
【山域】八幡平・岩手山・秋田駒
【渓谷名】北上川水系 葛根田川、雄物川水系 大深沢
【メンバー】ワンゲル部主将、主務、マメゾウムシ
【天候】9/9 晴れ、9/10 曇り時々晴れ、9/11 曇り
【コー スタイム】
9/9 滝ノ上温泉駐車場5:58〜お函7:50〜葛根田大滝下10:15〜滝ノ又沢出合12:56-13:21〜幕営地14:12(泊)
9/10 幕営地6:29〜二俣6:34〜八瀬森山荘9:31-50〜関東沢出合11:01〜大深沢北ノ又沢出合12:44(泊)
9/11 深沢北ノ又沢出合6:43〜三俣7:41〜大深山荘12:22-57〜大深岳13:28〜小畚山14:32〜三ツ石山15:41〜三ツ石山荘16:14-35〜滝ノ上温泉分岐17:15〜林道出会18:20〜滝ノ上温泉駐車場19:07

休日出勤3日分の代休と残っていた夏季特別休暇1日分を利用して、ワンゲル部主将と主務の2名と初の北東北の沢へ行ってきた。当初に予定していたのは黒部川上ノ廊下だったのだが、そのための練習としての沢の計画がことごとく雨で中止になり、泳ぎや徒渉の練習がほとんどできなかった。致し方なく、沢のレベルを落とすことにした。日程は予備日を含めて6日間を空けていたので、移動に2日使って、行ったことのない北東北の沢に行くことにした。そこで沢の候補に上がったのが、癒やし系の沢の代表である葛根田川であった。葛根田川だけだと1泊2日で終わってしまうので、大深沢への継続とし、2泊3日の計画とした。

9月7日(土)の23時に堺を発ち、夜通し運転して、雫石の市街に着いたのは、翌日の13時半ぐらいであった。ここまで堺から14時間の時間を要していた。スーパーで買い出しを終えたら、入渓地となる滝ノ上温泉へ向かった。

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雫石市街から滝ノ上温泉へは、距離20km、30分ほどの移動で着いてしまった。滝ノ上温泉駐車場には休憩舎を兼ねたきれいなトイレがあり、そこそこ涼しく、車中泊には快適な場所であったが、スマホの電波は入らなかった。

夕方に消防車やパトカーが何台もサイレンを鳴らしながらやってきた。何事かと思ったら、どうやら明通沢で滑落事故があったとのこと。まもなく日没を迎えるので、救助活動は翌朝からのようで、暗くなる時間には消防車やパトカーは戻っていった。

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翌朝は早い時間から騒々しく、救助隊やマスコミ関係者が駐車場に集まっていた。救助に向かう救助隊の出発を見送ってから、我々も出発した。

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水蒸気が上がる地熱発電所沿いの林道を進む。林道終点には消防車やパトカーなど救助関係者の車が駐まっており、出発の準備をしていた。我々は両サイドに救助隊メンバーがいる真ん中を「気をつけて」と言われながら、入渓地点への踏み跡へ進んだが、何とも変な感じだった。

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踏み跡を進むと、葛根田川に出て、そこから遡行開始となった。

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入渓地点から30分ほど進むと、エメラルドグリーンの美しい渓が始まる。

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事故のあった明通沢の出合を過ぎる。

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左岸の枝沢からナメ滝7mが落ちる。

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最初の大きな淵が現れる。

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大きな淵を右岸から通過すると、葛根田川のハイライトであるお凾が早速始まる。

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お凾の中の2m滝。

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お凾をヘツリながら通過するワンゲル部員。

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きれいなナメ、切り立った岸壁を流れ落ちる滝、エメラルドグリーンの淵を見ながらゴルジュ状を進む。お凾を過ぎても、ナメや美しい淵は続き、実に癒やされる。

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大石沢出合。

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ナメ。

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淵にはイワナの魚影もある。

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3m滝を越える。

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沼ノ沢出合。

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中ノ又沢出合。

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左岸の枝沢にかかる3段20m滝を過ぎると、

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正面に2段15mの葛根田大滝が姿を現す。

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葛根田大滝は左岸から高巻く。

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高巻きの下降箇所にはお助けロープがついていた。

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葛根田大滝の上の2m滝を越える。ここから幕営予定地である滝ノ沢出合まで釣りタイムとした。

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いきなり最初に釣れたのが少し痩せ気味の尺イワナだった。

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その後もイワナは釣れたが、ポンポンとは出てくれない。やはり直前の週末に多くの遡行者がいた影響だろうか。食べる分だけのイワナは確保できたが、ツ抜けまではいかなかった。

滝ノ又沢出合には13時に到着。先に進むか迷う。とりあえず、良いテン場が周辺か先にないか、分かれて探すことにした。出合から少し戻った左岸に快適な幕営地を私は見つけたが、ワンゲル部主将が次の二俣の近くに適地を見つけたというので、そちらへ行ってみることにした。

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滝ノ又沢出合の先のCS3m滝を左から越える。

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現場に着いてみると、確かに砂地で平らなのだが、明らかに川からの高さがなく、おまけに沢地形の下であり、雨が降ったら明らかに水に浸かる場所であった。そこは沢泊が今回初めての学生ということもあり、幕営地の見極めは甘かった。滝ノ又沢出合まで戻ることも考えたが、3mCS滝を越えたこともあり、少々面倒臭い。

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砂地の上方に台地がありそうなので、様子を見に登ってみると、やや傾斜があるが、幕営できそうな台地があった。近くには水流もあり、本流まで下りずに水も得られる。多少不快でもここを今晩の幕営地とした。集めた薪はやや湿っていたが、なんとか火はついた。近くで山菜のミズも採れた。

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釣ったイワナを塩焼きと刺身とあら汁にし、お酒と共に味わった。焚火を囲む一時は沢登りの醍醐味とも言える。

葛根田川・大深沢継続沢登り:2日目につづく

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August 17, 2024

奥美濃の自然とテンカラ釣り

ワンダーフォーゲル部が奥美濃に所有する山小屋周辺の周辺には渓流釣りできる渓が多くある。今回の山小屋夏合宿においても、周辺の渓にてテンカラ釣りを行ってきた。

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今シーズンは先行者がいたりして、納得のいく釣果を上げていなかった。まず行ったのは、過去によい釣果のあったA川であった。最初に20cmほどの良型のイワナを釣り上げる。

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続いて25cmと、その後も良型が続いた。平日ということもあり、他の釣り人との競合がなかったのもよかった。

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最後に今シーズン初の尺イワナをあげた。これで名誉挽回である。A谷のイワナは赤みが強い個体が多い。

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ヒメシャジンの花が咲いていた。

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次は、B川のC&R区間へ。大きな淵のある流れ込みに毛鉤を落とすとアタリがあった。もう一度流すとガツンと大きなアタリが来た。重い! なんとかタモに収めると、人生初の32cmの尺越えヤマメだった。イワナと違ってヤマメは体高があるためか、実にいいファイトだった。今シーズン一番の忘れられない釣果になるかもしれない。なお、最近、石徹白周辺で釣れているヤマメは九頭竜川産の個体を放流したものらしい。

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続いて釣れたのは、20cmほどの良型アマゴだった。釣れるのは嬉しいが、1つの河川でヤマメとアマゴの両方が釣れるのは疑問を感じる。過去においては、石徹白ダムができるまではサクラマスが石徹白まで遡上していたらしい。それがダムができてからは、河川残留型のヤマメだけでは再生産率が低いためか、絶滅したらしい。その後、長良川産の銀化しにくいアマゴを放流して、峠川では定着した。そのような経緯があるのに、ヤマメを復活させたいという意図で九頭竜川産のヤマメを放流したらしいが、ヤマメとアマゴは容易に交雑してしまう。純粋なアマゴもヤマメもいなくなってしまうことを危惧するが、漁協はそういう生物学的な理由はわかっているのだろうか。

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C谷へも行った。なかなか釣れなかったが、最後に堰堤下の溜まりでアメマスのような白斑だけの良型イワナが釣れた。

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最後はD谷へ。この日は3連休中ということもあり、本流などメジャーな渓は競争が激しい。D谷は藪沢ということもあり、まずもって他の釣り人との競合はない。あまり数は釣れないが、ボウズで終わることはない。

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最近ボウズ続きだった同行者のフライマンもしっかりイワナを釣り上げた。

山小屋周辺は夏盛りということで、夏のキノコや昆虫なども観察できた。

Shiro

未同定の白いキノコ

Tamago

タマゴタケ

Chichitake

チチタケ

Akiakane

アキアカネ

Kimadara

ヤマキマダラヒカゲ

Tateha

山小屋の壁にタテハチョウの仲間の蛹がついていた。

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ワンゲル部山小屋夏合宿2024(概要)

多忙のため、ブログの更新が滞っている。ようやく時間が取れたので、先週に行われたワンゲル部山小屋合宿の概要のみ報告しておきたい。

山小屋夏合宿は、ワンダーフォーゲル部が奥美濃に所有する山小屋の維持作業を目的に行われるが、山小屋周辺において現役部員への沢登りなどの技術指導も行われる。維持作業としては、ペンキ塗り、水源の補修、薪作り、草刈り、煙突掃除などがある。今回はOBOG会主催によるコロナ禍以降初めてとなる「夏の山小屋を楽しもう」というイベントとも日程が重なり、現役部員は多くのOBOG等との交流の場も持つことができた。

 

以下が、日程と概要である。

8月 6日(火) 移動と入舎

8月 7日(水) 倉谷川カンバタ谷にて沢登り訓練

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8月 8日(木) 山小屋維持作業(私は執筆仕事)

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8月 9日(金) 山小屋維持作業(私は釣りへ)

8月10日(土) 午前:荒倉谷川のアラクラ滝にて登攀訓練

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         午後:イベント(夏の山小屋を楽しもう)

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8月11日(日) 午前:イベント(夏の山小屋を楽しもう)
            (私は釣りへ)

         午後:現役部員は本合宿に向けての予備合宿実施のため、徒歩にて白山へ出発

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8月12日(月) 掃除・戸締まりと帰阪

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July 27, 2024

ワンゲル部山小屋周辺にて沢遊び

すでに1週間前のことであるが、先週末は下界の暑さを逃れて、奥美濃にあるワンゲル部山小屋をベースにして沢遊びをしてきた。

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1日目は、石徹白川本流にて、久しぶりのフライフィッシング。水量は多めで、石や岩は結構滑っていて、ラバーソールの沢靴ということもあり、釣りながら上流に進むのも難儀であった。仕方なく、フエルト草履を沢靴に装着した。

始めだしてすぐに急なにわか雨となり、車に撤退となった。東海地方は梅雨明けが発表されていたが、奥美濃地区はどちらかというとまだ梅雨明けしていない北陸地方に気象条件が近い。おまけに天気は不安定で、雨が降ったり止んだりであった。

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雨が上がったところで、峠川のキャッチ&リリース区間に移動した。こちらでは使い慣れたテンカラでの釣りとした。本流と違ってヌメリもなく、ラバーソールの沢靴でも安心であった。午後からということで、既に先行者がいたためか、アタリはあるものの魚はかからない。適当なところで終了とした。

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ヒヨドリバナ

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山小屋に戻り、早々と屋外にてバーベキューを始めた。現地で購入した石徹白産のとうもろこしは甘く、たいへん美味であった。

バーベキュー中に、山小屋の玄関左上の壁に空いた穴からチャイロスズメバチが出入りしているのを発見した。おそらく内部に巣がある。翌朝に穴の中へ殺虫剤散布で駆除した。次回入舎した際にハチの出入りがなければ、駆除は成功したことになるが、はたして...

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2日目は、石徹白のナメ天国である某川を途中まで遡行してみた。昨年の夏に来たときは渇水であったが、今回は梅雨明けで水量多めだった。ヌメリはほとんどなく、ラバーソールの沢靴でも安心であった。

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ナメは癒やされる。

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マスタケ

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オオゾウムシ

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カジカガエル

この後に、別な沢で釣りもしてみたが、アタリはあるものの釣果はなし。先行者がいたのか、毛鉤への反応が極端に悪い2日間だった。

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