September 26, 2023

南アルプス 信濃俣河内 3日目:稜線への詰めと長い下山(1700m幕営地〜茶臼岳〜畑薙第1ダム)

信濃俣河内の3日目の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

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いよいよ最終日である。この日は稜線への詰めと長い下山が待っている。長い1日となりそうだ。最終日の朝も焚火を熾すことから始まった。結局、全ての炊事は焚火で行い、ガスを使うことはなかった。

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ちょっと出発が遅れて、7時18分に出発となった。

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幕営地を出発してすぐに5m滝から始まる小滝の連瀑となる。この連瀑が魚止となっているようで。、連瀑の上ではイワナの魚影は見なかった。

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この滝のヘツリで釜にドボンしてしまう。朝からの水泳で、一気に目が覚めた。

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斜面では、オスジカが草を食んでいた。

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小滝はつづく。

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小滝の連瀑が終わると、正面に3段の15m滝が現れる。

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3段15m滝は左岸から巻く。

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巻きは容易であった。

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2000m二俣は左俣へ進む。

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2段10m滝が現れる。

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2段10m滝は右岸から高巻く。

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高巻きを終えると、今度は10m滝が待っていた。10m滝の高巻きは、滝の下が二俣になっているので、まずは左俣を少し登ってから、右へトラバースしていく。

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10m滝の高巻きを終えて、沢に戻ると、一気に源流部の様相となる。

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そのまま詰めていくと、

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源頭となる。

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流れがなくなったら、いよいよ最後の詰めに入る。シカ道を利用して登るが、斜度があって息が上がる。キツい登りが続く。

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最後はハイマツを少し漕いで、

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正午過ぎに、希望峰と仁田岳の間の稜線に出ることができた。残念ながら山々は雲に覆われて、展望はなかった。沢装備を解除したら、5時間以上と思われる長い下山が待っている。仁田岳を往復してきたと思われる軽装の女性登山者が、休憩中の我々の前を通って行った。

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希望峰を通過する。

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最後の詰めで疲れ切った重い足で茶臼岳へ登る。今回の最高地点であったので、Yukaと記念撮影をする。山頂には登山者が1人休んでいた。

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茶臼岳からは下りメインとなる。茶臼小屋への分岐を過ぎる。シルバーウィークでありながらも、南アルプスの最深部ということもあり、すれ違う登山者は少なく、たいへん静かな下山であった。

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茶臼小屋を通過する。ここで1泊したいところだが、要予約らしい。テン場でくつろぐ登山者を横に見ながら、下降を続ける。

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樹林帯に入ると、急下降が続く。下りは若者には勝てない。

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横窪沢小屋を過ぎ、危うい橋で横窪沢を対岸に渡る。

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ウソッコ沢非難小屋手前で、橋を渡る。沢には滝がかかる。ウソッコ沢避難小屋に着いた時には時刻は17時を過ぎていた。覚悟はしていたが、ヘッデン下山となることは間違いない。ヤレヤレ峠への登りに入ったところで、ヘッデンを点ける。ここからヤレヤレ峠までは、沢の遡行で疲れた足にはしんどい登りとなる。この登りで、私はヘトヘトである。若いYukaは余裕があるのか、ヒルに献血のサービスまでもしていた。誰も来ないと思っていたら、後ろからヘッデンの灯りが近づいてくる。

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その灯りは、我々がヤレヤレ峠に着いたところで追いついた。1人の男性で、格好的にトレイルランナーのようだったが、どうやらTJARコースの試走をしているようだ。私もトレイルランニングの経験はあるが、アキレス腱の故障があるので、もう山は走れない。大いに頑張ってほしいものである。

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ヤレヤレ峠からは下りになり、畑薙大吊橋までは15分ほどだった。前真っ暗の中で畑薙大吊橋を渡ったが、幸いなことに、下は暗くて何も見えなかったので、高度感は感じずに済んだ。沼平駐車場に着いたのは20時であった。

できればその日のうちに汗を流しかったが、温泉はすでに営業時刻を過ぎていたので入れなかった。疲労で長距離の運転も厳しい。コンビニで夕食とビールを買って、道の駅なかかわね茶茗舘で車中泊をすることにした。7年前の敗退の時も、ここで車中服した。なかなか暑くて寝付けなかったが、疲労もあり、朝方には寝入ってしまった。

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翌朝は、静岡県の磐田市にある朝5時から営業している磐田ななつぼしで汗を流した。朝風呂時間帯の入館料は500円で、土日祝日料金よりも150円安かったのは有り難かった。おかげでは気持ちよく帰路につけた。

久しぶりに2泊を要するハードな沢登りであったが、無事に遡行できたことで、7年前のリベンジができたという達成感は大いにあった。信濃俣河内は南アルプスの入門沢とはいえ、やはりアルプスの沢だけあり、沢のスケールは大きかった。徒渉、登攀、ヘツリ、巻き、ルーファイなどそこそこの総合力が要求された。私はもう還暦近い歳なので、これからはハード系よりもまったりした沢泊を楽しみたいが、いずれにしても体力の維持が課題だ。同行のワンゲル部前主将のYukaにとっては、初めてのアルプスでの沢登りだったこともあり、たいへん良い経験になったのではないかと思う。一方で、信濃俣河内で釣れたイワナがすべて白斑のある個体ばかりで、純系のヤマトイワナに会えなかったのは残念であった。ほとんどの個体はヤマトイワナとニッコウイワナのハイブリッドなのだろう。大峰の弥山川ではヤマトイワナ系統であるキリクチには出会ったことはあるが、南アルプスや木曽御嶽山など東海地方で太平洋に流入する河川では、まだ純系のヤマトイワナにはお目にかかったことがない。ヤマトイワナを探し求める沢旅もぜひ行ってみたい。

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南アルプス 信濃俣河内 2日目:核心部を越える(オリタチ沢出合〜第2ゴルジュ〜第3ゴルジュ〜西沢出合)

信濃俣河内の2日目の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

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5時に起床し、焚火を熾し、お湯を沸かす。若いYukaはなかなか起きてこない。Yukaが起きてきたところで、コーヒーを入れる。米は前日に多めに炊いておき、朝は残ったご飯をお茶漬けにしてしまうのが手っ取り早い。目の前の流れの中を泳ぐイワナを見ながらの朝食タイムだった。

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7時過ぎに幕営地をスタートする。この日は核心部である第2ゴルジュと第3ゴルジュを越える。若い山仲間がここから1日で稜線に抜けて下山したらしいが、トレランをしていた10年前の私ならまだしも、還暦近いこの歳では無理なことである。

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すぐに両岸が狭まり、ゴルジュの様相となる。いよいよ第2ゴルジュの始まりである。

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第2ゴルジュは第1ゴルジュよりも狭く、壁も高いため、険悪な様相で、恐怖すら感じる。

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すぐに水線通しの突破が難しい箇所が現れる。巻くならば、第2ゴルジュは全巻きとなってしまう。

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右の壁に残置スリングがかかっている。かなり悪そうだが、ここをロープを出して登るしかなさそうだ。ここのリードはYukaに任せる。Yukaが空荷で登って突破し、カムで支点を構築した。まずは Yukaのザックを上げて、それから私が確保されて登った。反対側にはクライムダウンでなんとか下りることができた。

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あとは、狭い廊下をほぼ水線通しに、ヘツったりなどして進むことができた。

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最後の出口の滝は、どう突破すべきか迷ったが、右側の水中にはスタンスがあり、ヘツって回り込むことができる。しかし滝右の岩を越えるにはスタンスがほしい。まずはYukaを岩の上へ押し上げて、上からYukaにスリングを下ろしてもらい、それを頼りに突破した。第2ゴルジュは険悪ではあったが、距離は短く、1時間15分ほどで突破できた。

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次は第3ゴルジュであるが、その前に待望の釣りタイムを設けた。テンカラ釣りにて最初に釣れたのは、外見的には白斑のあるニッコウイワナだった。入れ食いというほどではなかったが、25cm以上の良型ばかりがそこそこ釣れる。

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いきなり強い引きが。上がったのは、35cmの尺イワナだった。この個体も白斑はあるが、ヤマトイワナとニッコウイワナのハイブリッドだろうか。

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Yukaも調子よく釣っている。

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Yukaも尺イワナを釣り上げた。これもハイブリッドだろうが、ヤマトイワナらしさがある。

いつまでも釣っていると先に進めないので、1時間ほどで釣りタイムは終了とした。ここではまだ午前中ということもあり、全てリリースとした。

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しばらく進むと、両岸が狭まってきて、再びゴルジュの様相と化す、いよいよ第3ゴルジュへの突入である。

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水流の強そうな小滝が現れる。

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この小滝は、右の岩の間を倒木を潜りながら上に抜けた。

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深い釜をもつ小滝も右から越える。

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第2ゴルジュは距離が長い。

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正面に1条の大きい滝が現れたが、左からも、もう1条の滝があった。2条15mぐらいの滝であった。右岸のルンゼ上方にフィックスロープがあったので、そこから高巻くことにした。

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2条15m滝の高巻きは、フィックスロープのところから高度感のある嫌らしいトラバースになる。念のためロープを出して通過することにし、2条15m滝の落口に出る。

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続く2m滝とCS3m滝は左岸から高巻いたが、

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高く上がりすぎてしまい、

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2回の懸垂下降で沢に戻った。第3ゴルジュは第2ゴルジュほどの険悪さはなかったが、高巻きが嫌らしかった。

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その後もヘツりあり。

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7m滝は右から越える。

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第3ゴルジュも終了となり、その通過に3時間ほどを要した。

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西沢出合から夕食用の釣りタイムとする。

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すぐに泣尺サイズのイワナを釣り上げる。ヤマトイワナらしさはあったが、白斑はあるので、ニッコウイワナとのハイブリッドだろう。食べる分だけの4匹のイワナを釣り上げた。次は幕営地探しだ。

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西沢出合から少し進んだ標高1700m地点に幕営適地があったので、そこで2日目の行動を終えることにした。ツエルトを設営し、薪を集めたら、早速、焚火を始める。前日もそうだったが、薪は結構乾いているようで、すぐに火がついた。イワナは前日と同じく2匹は塩焼きに、もう2匹は刺身にし、残ったあらはあら汁とした。

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前日の残りの日本酒とジム・ビームが今宵のお酒であった。

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にわか雨に備えてタープも張ったが、結局雨は降らなかった。適度に酔いがまわったところで就寝とした。2日目の移動距離は7.6km、行動時間は8時間14分、累積標高差は519mだった。核心部の通過ということで、距離はあまり進めなかった。

南アルプス 信濃俣河内 3日目につづく

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南アルプス 信濃俣河内 1日目:7年前のリベンジ(畑薙第1ダム〜第1ゴルジュ〜オリタチ沢出合)

信濃俣河内は南アルプスの入門沢である。7年前にその遡行を計画したが、渓時に滑落して、お尻を岩に打ち付けて負傷した。それでも第1ゴルジュの手前までは行ったみたが、とてもそれ以上は進めずに敗退した。今回、その7年前の敗退のリベンジを果たしたが、信濃俣河内はさすがにアルプスの沢だけあり、スケールは大きく、徒渉、登攀、ヘツリ、巻き、ルーファイなど総合力が要求される沢だった。

【日程】2023年9月15日(金)〜17日(日)
【山域】南アルプス
【渓谷名】大井川水系 信濃俣河内
【メンバー】Yuka、マメゾウムシ
【天候】9/15 曇りのち晴れ、9/16 晴れ、9/17 晴れのち曇り
【コー スタイム】
9/15 沼平駐車場6:59〜林道信濃俣線入口7:19〜信濃俣大吊橋下降点7:52〜埋まった堰堤9:01〜アシ沢出合10:17〜三俣11:33-52〜オリタチ沢出合15:59〜1270m小屋跡16:05(泊)
9/16 1270m小屋跡7:14〜第2ゴルジュ入口7:31〜第2ゴルジュ終了8:46〜第3ゴルジュ入口10:46〜西沢出合14:17-32〜1700m15:28(泊)
9/17 1700m7:18〜2000m二俣9:09〜稜線12:08-50〜希望峰12:59〜茶臼岳13:47-14:08〜茶臼小屋14:30〜横窪沢小屋16:09-15〜ウソッコ沢避難小屋17:17-32〜ヤレヤレ峠18:37-43〜畑薙大吊橋19:11〜沼平駐車場20:04

信濃俣河内については、7年前に遡行を計画したことがある(2016年8月の記録)。その時は、入渓時に滑落して、お尻を岩に打ち付けて負傷した。それでも第1ゴルジュの手前までは行ったみたが、とてもそれ以上は進めずに敗退した。今回はその7年前のリベンジと、大井川水系ということで純系のヤマトイワナに出会うことも目的とした、愛弟子のワンゲル部前主将のYukaをパートナーにして、親子ほどの歳の差ペアで挑戦することにした。当初の天気予報では、午後はにわか雨の予報が出ていたが、そこは自分の晴れ男ぶりを信じることにした。

前日の18時に堺を発ち、新東名の島田金谷ICで高速道路を下りる。畑薙第1ダムまでは下道で80kmもある。畑薙第1ダムの沼平駐車場にはトイレがないので、車で1時間ほど手前にある道の駅奥大井音戯の郷で車中泊とした。車中泊といっても、翌朝は4時起床なので、3時間ほどの仮眠程度であった。

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6時を過ぎたぐらいに沼平駐車場に到着し、共同装備の振り分け、パッキングを行って、沼平駐車場をスタートできたのは7時であった。

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20分ほどダム湖沿いの車道を歩き、ダムを対岸に渡る。

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林道信濃俣線に入る。

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林道を30分ほど歩くと、吊橋へ下降する踏み跡があるので、そこを下る。

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吊橋は渡らずに、そのまま踏み跡を沢まで下る。7年前と同じく、ここには水流がなかった。

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7年前は水流が現れるまで結構歩いた気がするが、今回はすぐに水流が現れた。7年前の方が渇水だったのだろう。埋まった堰堤を越える。

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アシ沢出合を越える。下流部にこの辺りは結構水圧が強かったので、2人でスクラムを組んで徒渉を繰り返した。

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西河内沢出合を越える。三俣の手前で、幕営準備をしている釣人3人パーティーと会ったが、シルバーウィークの1日前の平日がスタートだったこともあり、沢の中では他には誰も会わなかった。後でわかったことだが、この時の釣人3人のうちの1人は、8年前に富士山の山頂でお会いし、一緒に小御岳流しをスキーで滑ったヂュンさんであった(2015年5月30日の記録)。

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廊下状を経て、7年前に撤退した地点である三俣に到着する。この三俣を越えると、いよいよ未知の領域である第1ゴルジュに入る。

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次第に両岸が狭まり、ゴルジュ状とんる。いよいよ第1ゴルジュへの突入だ。

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すぐに現れた深い釜をもつ2m滝は左岸を高巻くことにした。

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2m滝の巻きでのトラバースが嫌らしく、途中からロープを出して、最後は懸垂下降で沢に戻った。釜の右をへつるか、泳いで越えるのが正解だったようだ。この高巻きで、だいぶ時間を無駄にした。

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行ける限りは水線を進むことにする。

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大岩がある。

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ヘツリもあり。

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またヘツって。

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4m滝。

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登れなそうな滝は巻く。

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また滝を巻く。

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4m滝が現れる。

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4m滝は左を登る。

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第1ゴルジュをようやく抜ける。第1ゴルジュを抜けるのに4時間を費やした。

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オリタチ沢出合を越えると、右岸に半壊した小屋があり、幕営適地となっていた。時刻も16時を過ぎていたので、1日目はここで泊まることにする。ツエルトを設営し、薪を集めると、もう17時を過ぎていた。すでに暗くなりかけていたが、テンカラ竿をもって食糧調達へ行くことにした。

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最初は駄目かとも思ったが、何とか短時間で4匹のイワナを釣り上げた。暗くなるとイワナは毛鉤には反応しなくなるようで、暗い林冠の下では釣れず、釣れたのはまだ明るいオープンな場所だった。写真の一番上のイワナだけにはヤマトイワナらしさはあったが、基本的にどの個体も白斑のあるニッコウイワナの外見であった。大井川水系ということで、ヤマトイワナの純系を期待していたのだが、ほとんどの個体がニッコウイワナとヤマトイワナのハイブリッドなのだろう。これで夕食のおかずと酒のアテを確保でき、一安心ではあったが、ヤマトイワナの純系でなかったのは残念だった。

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イワナ2匹は焚火で塩焼きにする。薪は湿り気味とも思ったが、比較的すぐに火はついた。

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残りのイワナ2匹は刺身にし、残ったあらはあら汁にした。ザックには缶ビールを2本入れていたが、無理なパッキングで1本に穴が空いていた。防水袋の中にビールが溜まっていた。もったいないことをした。そんな訳で、ビールは1晩目で飲み干してしまった。塩焼きで残った骨はさらに焼き直して、日本酒の熱燗に入れて骨酒とした。

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適度に酔いがまわったところで就寝した。1日目の移動距離は17.2km、行動時間は9時間4分、累積標高差は560mだった。水平移動の長い1日目だった。

南アルプス 信濃俣河内 2日目につづく

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September 13, 2023

ワンゲル部山小屋でハチ退治と新規沢開拓

先週末は、1ヶ月ぶりに奥美濃にあるワンゲル部山小屋に入った。いきなりの最初の作業は、山小屋の外壁内に巣を作ったキイロススメバチの駆除だった。

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つい1ヶ月前に入舎した時は全く気づかなかったが、知らないうちに外壁内にキイロスズメバチが巣を作っていて、トイレの外側の土台と外壁の間からハチが出入りしていた。巣が大きくなったことにより、ハチの出入りも盛んになり、かなり危ない状況だった。

駆除方法は、まずは出入りしているスズメバチをスズメバチ用の殺虫剤で駆除して、それからハチが出入りしている穴へ殺虫剤を噴射した。外壁内なので全容が見えず、全て駆除できたかがなんとも言えないが、棒で突っついても中からハチは出てこなくはなった。それでも外出中のハチは帰ってくるので、翌日も駆除を継続した。危惧するのは、外壁内にまでうなく殺虫剤が噴霧されたかである。女王バチが生きていれば個体数は回復するかもしれない。しばらく様子を見て、ハチの出入りが確認されるならば、ハチ駆除の専門業者に駆除を委託することになるだろう。

そんなことはあったが、本来の山小屋に入舎した目的は、渓流釣りと沢登りのための新規の沢の開拓である。初日はスズメバチの巣の駆除もあったので、渓流釣りのための沢を調査することにした。山小屋の近くの沢については、ほぼ調査済みなので、少し離れた沢に行ってみることにした。

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藪沢だったが、なんとかテンカラ竿を振れる。よく行くA谷やB谷に渓相は似ている。

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まず釣れたのは小さなアマゴだった。その後に良型のアマゴが釣れた。

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しばらく連れない状態が続いて、ようやく釣れたのがイワナだった。

今回は下流部の調査だけとしたが、全体的にそれほど魚影は濃くなく、魚もスレている感じだった。沢に沿って林道があるので、釣人も入るのだろう。上流部まで行けば状況は変わるかもしれないが、上流部の調査は次の機会とした。

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沢沿いの林道では、ハンミョウが我々を案内するかのように、先行して飛び歩いていた。

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オニヤンマ

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早々と山小屋に帰り、ジンギスカンなど肉料理で宴を始めた。翌日は、沢登り目的で新規の沢を調査する。

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August 20, 2023

ワンゲル部山小屋でスローライフ

ワンゲル部山小屋滞在も5日目を迎えると、山小屋の維持作業はほぼ終了である。午前中は、久しぶりに下界へ買い出しに下りた。

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現役部員たちは、山小屋から徒歩にて、白山縦走へ出発する。

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山小屋を出発するワンゲル部員たち。本合宿は南アルプスでの長期縦走だが、そのための予備合宿として白山の南から北へ縦走する。現役部員のサポートに入っていたOBのAさんも帰路についた。

私は本日は休養日とし、翌日まで1人で山小屋に滞在し、中央アルプスの細尾沢へ転進する予定である。今日明日はスローライフと決め込む。

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沢臭くなった沢服を水洗いした。

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テンカラ毛鉤作りも行い、尻尾のある逆さ毛鉤を作ってみたが、はたして釣果に影響するだろうか。

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山小屋滞在中に紛失した毛鉤よりも多くの毛鉤を作り、今後の釣行に備えるとする。

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夕食は、買い出しで購入した生野菜、カレイの唐揚げ、寿司を、飛騨の地酒のアテにし、1人宴とした。

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翌朝はのんびり起床し、翌日からの沢泊山行のためのパッキングを行う。ここでコンパスを紛失していることに気づく、まあ、GPSとアップルウォッチをコンパスの代用としよう。正午過ぎには山小屋の戸締まりを済ませ、山小屋を発った。6日間も山小屋に滞在すると、山小屋への愛着も沸くもので、少々寂しさを感じた。

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ワンゲル部山小屋ベースでテンカラ釣り第5弾:1週間前のリベンジでC谷へ

ワンゲル部山小屋滞在4日目は、C谷を釣行してきた。

いつもよく行くA谷やB谷は渇水がひどく、テンカラ釣りではなかなか厳しい状況である。それに対して、C谷は谷が大きく、平水時でもそれなりの水量がある。渇水のこの時期でも、C谷の豊富の水量は、テンカラ釣りの不利さを充分にカバーしてくれるにちがいない。1週間前にC谷へ行ったときは、残念ながら先行者がいて、ひじょうに渋い釣果だったが、そのリベンジもしたい。山小屋の維持作業はワンゲル部員に任せて、単独にてC谷に釣りに入ることにした。

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渇水時期にもかかわらず、C谷にはそれなりの水量があった。

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幸先よく1匹目がすぐに釣れた。

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ポンポンとまではいかないが、そこそこ釣れていく。

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A谷やB谷で反応のよかったフライ用の毛鉤カディスをSくんからいただいていて、それも試したが、ほぼ毛鉤の種類に関係なく釣れた感じだ。

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C谷とはいえ、平水よりは水量が少ないこともあり、毛鉤をじっくり見て、無視する輩もいた。いつものC谷よりは渋めの釣果だったが、ツ抜けは達成でき、1週間前のリベンジはできた。

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C谷の下流部の流心から外れた溜まりには、1週間前と同様に、100匹を越えるであろう魚影があった。この場所に魚が溜まる理由があるのだろうか。

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脱渓後は、4日ぶりの温泉に入り、4日間の汗を流した。入浴後は、よく冷えた生ビールで喉を潤した。

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山小屋に戻ってからは、お酒のアテとして、C谷で採ってきたミズをお浸しにした。宴は続くのであった。

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August 18, 2023

ワンゲル部山小屋の維持作業とテンカラ釣り第4弾

速報で報告済みだが、8月5日から10日まで、奥美濃にワンダーフォーゲル部が所有する山小屋に滞在していた。主な目的は山小屋の維持作業としての夏ワークだが、それは現役部員に任せて、私は近くの渓にテンカラ釣りに行ったりして、山小屋ライフを楽しんでいた。

山小屋滞在1日目と2日目には、フライマンのSくんが遊びに来てくれたので、一緒に近くの渓へ行くことにした。Sくんとは、この1週間前にもD谷で釣行を一緒にしている。

1日目はワンゲル部員も2名同行して、いつも裏切らないA谷へ行くことにした。

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しばらく雨が降っていないこともあり、A谷は驚くほどの渇水状態で、流れもゆっくりである。

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序盤にイワナは釣れたが、いつものようにポンポンとは出てくれない。渇水で流れもゆっくりということもあり、イワナは毛鉤をしっかり見てくる。イワナは毛鉤には反応は示すが、餌でないと認識すると、さっさと走って逃げてしまう。こんな感じで、自分が使っているテンカラ毛鉤はほとんどが見抜かれていた。

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ところが、同行のフライマンのSくんが使っているフライ用の毛鉤であるオレンジ色のカディスはしっかり咥えてくる。こういう時は、虫に精巧に似せているフライの毛鉤の方がよいようだ。翌日に行ったB谷では、さらにその傾向が顕著だった。

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初めてテンカラ釣りをするワンゲル部員が、試しにそのカディスを借りて使ったところ、なんとイワナがかかる。残念ながらバラしてしまったが、毛鉤の種類でこうも釣果が変わるのは源流では珍しい。流れの速い源流では、イワナは水面に落ちたものを見極める時間がないので、反射的に咥えてくる。それを利用したのがテンカラ釣りだが、流れが緩くなった渇水の時はそうはいかない。状況によって釣果が変わるのも、渓流釣りの面白いところではある。平水に戻るまでは、流れが緩い小さな藪沢に入るのは控えた方がよいかもしれない。

話は変わるが、A谷での釣行中に、前のめりに転倒して、右のまぶたの上を岩にぶつけて、怪我してしまった。かけていたサングラスにはヒビが入った。ぶつけたところからは、たらたらと出血して、まさにプロレスの流血試合というような様相で、同行者の方がむしろ驚いていた。幸いなことに、バンダナで傷口を押さえたら、すぐに止血できた。竿を持ちながらの沢歩きは、岩で滑ったり、浮石でバランスを崩しやすいので要注意だ。

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天気にも恵まれて、山小屋の維持作業の方は順調に進んでいた。

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薪ストーブの煙突の煤取りは、屋外と屋内とから行う。山小屋の壁のペンキ塗りも無事終わったようだ。

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山小屋周辺の草刈りは、自分たちが歩きやすくするだけでなく、クマが山小屋に近づかないようにする意味でも重要である。

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August 16, 2023

2023年夏休みの山行と釣り(速報)

2023年の夏は、8月5日〜13日の9日間の夏休みを取り、渓流釣りと沢登りを楽しんできた。そのうちの前半6日間は奥美濃にあるワンダーフォーゲル部の山小屋をベースにし、後半は中央アルプスへ転進し、木曽駒ヶ岳へ詰め上がる細尾沢を遡行した。

以下が概要であるが、各日の釣りや山行の詳細については、後日にアップする予定である。

8月 5日(土) ワンゲル部山小屋入り 石徹白A谷にて渓流釣り

8月 6日(日) 石徹白B谷にて渓流釣り、釣り場の新規開拓

8月 7日(月) 前谷川支流 矢谷川にて、ワンゲル部員の沢登り入門

8月 8日(火) 石徹白C谷にて渓流釣り

8月 9日(水) 休養日(洗濯、毛鉤作り)

8月10日(木) パッキング、木曽へ移動

8月11日(金) 中央アルプス 細尾沢

8月12日(土) 中央アルプス 細尾沢、帰阪

8月13日(日) 休養日

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細尾大滝40m

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August 01, 2023

ワンゲル部山小屋をベースにテンカラ釣り第3弾:渋い源流釣行!

奥美濃にあるワンダーフォーゲル部の山小屋をベースに、周辺の谷でテンカラ釣りを行っている。そのために、石徹白漁協の年券を毎年購入している。今シーズンも6月4日〜5日7月15日〜16日で釣行を行った。今回はその第3弾として、週末にさらに源流部への釣行を計画した。

1日目は、テレ仲間のテンカラ師どうちゃんと、1年ぶりのC谷へ入渓した。

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C谷の下流部であるが、流心から外れた溜まりに、100匹を越えるであろう魚影があった。イワナだろうが、こんなにたくさんの魚がこの場所に群れているのを見るのは初めてである。

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C谷は堰堤と滝を越えてから釣り始める。いつもならば爆釣りできる渓だが、今回は不思議と釣れない。魚影を見ることも少ない。ひょっとしたら先行者がいるのかもしれない。

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そんな中で待望の1匹目が出た。しかし、その後も渋い状態は続く。

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2匹目は出たが、竿抜けポイントと思われる場所である。

私は計3匹のイワナを釣り上げたが、同行者には待望のアタリはあったが、残念ながらバラしてしまった。かなり上流部まで進んだ所で、上から釣り人が下りてきた。釣果を聞いたところ、20〜30尾は釣れたとのこと。それは釣れなくて当然だ。C谷で初めて先を越されたのは悔しかった。

林道を引き返す途中で、堰堤と堰堤の間にでも竿を振ってみた。私だけ小さなイワナが1匹釣れたが、残念ながら同行者は釣れなかった。1日だけしかない同行者に釣ってもらえなかったのは、たいへん残念であった。

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石徹白は、夏の特産物として、トウモロコシが有名である。石徹白集落内の露天の直売にて購入できる。脱渓後に、石徹白の集落に「とうもろこしあります」の看板が出ていたので、覗いてみた。場所は民宿「上村彦左衛門」で、購入する分だけ、畑からトウモロコシを採ってきてもらった。生で試食させてもらったが、粒はやや小ぶりで、糖度が高い。生でも食べられるのも凄いが、こんな質の高いとうもろこしが1本200円というのも安い。3本購入して、山小屋に戻ってから軽く茹でて食べることにした。石徹白産のとうもろこしは、他に、満天の湯や、白鳥から石徹白に向かう岐阜県道314号線沿いにある桧茶やでも購入できる。

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山小屋に帰ってら、別グループが入舎していた。夕食時に馬刺しなどご馳走いただき、お酒が進む。お返しにトウモロコシやサイコロステーキを差し入れしたら喜ばれた。21時過ぎに、翌日に同行するフライマンのSくんも山小屋に到着し、2次会となり、お酒がさらに進む。少々飲み過ぎた。

2日目は、フライマンのSくんと、3年ぶりにD谷に入渓することにした。

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D谷は、まず堰堤を2つ越える。

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それから滝が2つかかるゴルジュを抜ける。写真は10m滝である。ゴルジュを抜けてからも、さらに、もう1つ滝を越えなければならない。

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それからようやく竿を出せる。

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最初の1匹が釣れた。同じ場所でSくんもドライフライで釣り上げる。お腹がオレンジ色のきれいなイワナである。

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次に出たのは大きかった。無事ネットに取り込んで一安心。ちょうど尺サイズのイワナであった。ここまではよかった。その後は渋い状態が続いた。

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3匹目は釣れたが、あとは渋い状態のまま終了となった。アタリは2回ほどあったが、うまくかけることはできなかった。源流部まで来ていながら、2人合わせてもツ抜けできずだった。全体的にそれほど魚影が濃くない感じだった。それでも尺越えが1匹出たことで、釣果の悪さを相殺はしてくれた。

2日間の釣行は、源流部まで行きながら渋い釣果だったが、美しい渓の景色には癒やされた。2日連続の源流部への遡下降で、歳のせいか、だいぶ疲れが残った週明けとなった。

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July 21, 2023

ワンゲル部山小屋をベースにテンカラ釣り

7月の3連休は土日だけだが、奥美濃のワンゲル部山小屋に滞在し、テンカラ釣りメインでマッタリしてきた。

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入舎した金曜日の夜は雨で、テンションが下がる。翌日は遅め出発でいいやということにして、早速、飲むことにする。1時間ほど宴を楽しんでから就寝した。

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翌朝は雨は止んでいたが、山小屋の周囲は霧に覆われていた。ゆっくりと朝食を食べてから、沢行きの準備を始める。遅め出発ということで、あまり人が入らないと思われる石徹白のB谷に行くことにした。同行のワンゲル部前主将は沢にも行かずに、1人で山小屋に居残ってスローライフを決め込む。学期末試験前の息抜きらしい。

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ワンゲル部OBのHくんと2人で、いつもよりB谷のだいぶ下流部に入渓してみた。B谷に入るのは実に久しぶりであるが、人があまり入らないのは、藪が濃いめで竿を降りにくいからである。テンカラ釣りでは、当然ながら苦労する谷である。

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すぐに1匹目を釣り上げた。その後は、毛鉤をひっかけまくり。釣れないわけではないが、イワナのサイズも小さく、ストレスが溜まる釣りになる。唯一かかった良型は取り込み直前でバラしてしまった。

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思うようにテンカラ竿を振れないこともあり、早めに切り上げて、山小屋にてテンカラ毛鉤作り教室の開催となった。

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夜は、炭火にて肉や野菜を焼き、宴となったのは言うまでもない。

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日曜日は、少々二日酔い気味の状態で、いつも裏切らないA谷へ入ることにした。

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A谷では、期待通りに気持ちよくイワナが出てくれた。

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A谷は基本的にイワナの谷なのだが、下流部では稀にアマゴが釣れる。久しぶりに良型のアマゴが1匹釣れた。

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A谷では、アメマスのような白斑が目立つイワナが時々出る。

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最後の魚止では、前回の尺越えに引き続き、またも35cmのイワナを釣り上げた。

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リリース時に大イワナを水中撮影。

最終的には、A谷では期待通りに20匹越えの釣果で、前日にボウズだったHくんも初のツ抜けを達成できた。

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