KGWV部との戸隠山小屋交流の2日目は、戸隠スキー場からのアプローチで飯縄山へ登り、山頂から戸隠神社中社へ滑走した。
【日程】2025年1月4日(土)
【山域】妙高・戸隠
【場所】飯縄山
【メンバー】主将、前主将、1回生、マメゾウムシ(OMUNWV部)(別パーティでKGWV部4名)
【天候】曇り時々雪
【装備】テレマーク3、スプリットボード1(KGWV部は全員ATスキー)
【コースタイム】瑪瑙山10:03-07〜コル10:09-35〜飯縄山12:31-13:00〜飯綱神社(飯縄山南峰)13:18-29〜南・西登山道分岐13:39〜萱ノ宮15:07〜西登山道入口15:29〜戸隠神告げ温泉湯行館16:03
私が顧問をしているOMUNWV部では、他大学のワンダーフォーゲル部との交流を進めている。その一環として、KGWV部と山小屋交流を行うことになった。双方のワンゲル部が持つ山小屋をお互いに行き来し、技術交流などを行うのである。まずはKGWV部が戸隠にもつ山小屋を我々が1月3日〜5日の日程で訪問した。
ワンダーフォーゲル部や山岳部など大学の山岳系クラブでは、コロナ禍での弱体化、指導者がいない、パートナーがいない、部員不足などの問題を抱えているところが多い。大学間の連携などクラブを越えての技術指導や交流は、学生たちの安全の向上やレベルの底上げにつながると思われる。
1日目は戸隠スキー場にてスキー練習を行い、2日目に飯縄山での山スキーを行った。メンバーはKGWV部精鋭4名と、我がOMUNWV部の3名に顧問のマメゾウムシが加わっての計8名である。こちらは1回生が1名入るので、KGWV部と同じ行動はできないだろう。仮に山行中は一緒に行動するとしても、計画では別パーティとした。

飯縄山へのアプローチは、戸隠スキー場からリフトを利用して瑪瑙山へ上がる。瑪瑙山まではリフトを2本乗り継ぐので、1回券600円が2回分必要となる。また中社からスタート地点である越水ゲレンデに戻るのにリフトに1回乗る必要があるので、計3回分の1回券が必要である。3回分1800円分のリフト券は1枚のICカードに入れてもらえる。

ゲレンデトップから板を担いで少し登れば瑪瑙山である。もう12年以上も前の話であるが、信越五岳トレイルランニングレースに参加した時に通った最後のピークが瑪瑙山だった(信越五岳トレイルランニングレース完走!の記録)。

瑪瑙山からは飯縄山とのコルへの滑走となる。残念ながら最初のシュプールは先行の他パーティ2名に取られてしまったが、その次にトップで滑らせてもらった。激パウと言える軽い雪だったが、少々まだ藪が濃い。それでも結果的にここが最も気持ち良く滑走できた斜面であった。

すぐにKGWV部の精鋭4名も滑り下りてきた。うちのメンバーも下りてきたが、やはり新雪滑りに慣れていない1回生は転倒したりして時間がかかった。
先行他パーティ2名に聞いたのだが、コルの北側の斜面にオープンバーンがあるようだ。確かに飯縄山に登って行く途中でオープンバーンが見えた。ただし、地形的に先は狭い谷になるので、登り返すことになるのだろうか。その後に高デッキ山方面へのルートも取れそうだが、実に興味深い。なお、戸隠周辺は例年並みの積雪量のようだ。後日にヤマレコでそのパーティの記録を拝見したが、やはり高デッキ山方面にルートを取っていた。

コルからは飯縄山への登りとなる。こちらは1回生が遅れたので、KGWV部パーティに先に行ってもらい、その後の連絡は無線での定時連絡とした。KGWV部精鋭たちはどんどんと登っていくのは流石であった。

我々も登り始める。

想定していた以上に藪が濃く、シール登行は急なライン取りを強いられる。シール登行に不慣れな1回生は、後ろにズレ落ちたりでシール登行に難儀する。

途中、岩が出ているところがあり、スキーを脱ぐこともあった。

シール登行に難儀する1回生のシールが徐々に剥がれてくる。剥がれたシールに新雪が付着すると、接着力を失う。こうなるとダクトテープでシールをスキーに固定するしかない。

シールをダクトテープで固定して登る1回生。

シールトラブルもあり、山頂まではかなりの時間を要してしまった。そんな状況でもKGWV部のメンバーは山頂で待っていてくれた。飯縄山の山頂は2010年8月に登って以来なので、実に14年以上ぶりのことである(2010年8月11日の記録)。冬型が弱まったのか、風もなく、山頂でのんびりとできる。

おかげでみんなで山頂にて記念撮影をすることができた。山頂には他に登山者のパーティもいた。

飯綱神社(飯縄山南峰)まではシールで進み、ここから中社への長い滑走が始まる。私が新雪滑りに不慣れな1回生と一緒に滑り、他のメンバーは先に滑ってもらう。3グループに分かれるので、無線での定時連絡とした。

雪は軽く快適なパウダー滑走を期待するが、少々藪が濃い。

中社方面の眺め。

積雪が少ないのか、想定以上に藪が濃い。それでも自分にとっては問題なく滑れるのだが、やはり初心者にはキツい。1回生は転倒を繰り返す。途中、積雪が少ないために岩が出ているところもあり、板が悲鳴をあげる。雪質はよいのだが、もう少し藪が埋まってくれないと快適には滑れない。1回生は転んでも転んでも起き上がってくる。まさに若さと体力のなせる技であり、自分が山スキーデビューした当時の同様な状況を思い出してしまう。斜度が緩むと登山口は近かった。

登山口に出たら、シールを貼って平坦な林道を中社方向へ進む。

冬は閉鎖している忍者村の裏を通り、戸隠神告げ温泉湯行館の駐車場に出て終了となった。残念ながらリフトの最終にぎりぎり間に合わず、同行のOBに車で迎えに来てもらい、山小屋へ戻った。
先に下りていたメンバーは湯行館でそばを食べたようだ。山小屋に着いたのは先行メンバーとほぼ同じ時刻だった。1回生には今回のスキー山行は修行となってしまったが、多くのベテラン山スキーヤーも通過したことであり、この経験は今後の糧になるだろう。

最終日は黒姫山での山スキーを考えていたが、同行のOBの体調が思わしくないため、早めに帰路につくことにした。
今回は、合宿後も我々のために山小屋に残ってくれたKGWV部の4名のおかげで、戸隠の山小屋で快適な3日間を過ごすことができた。彼らには心からお礼を申し上げたい。戸隠に山小屋のある環境は実に素晴らしい。快適な山小屋で過ごし、春夏秋冬を通じて周辺の山で登山やスキーを楽しめる。KGWV部から精鋭の山ヤが輩出される理由がよくわかった。我々も彼らを手本にレベルアップを目指したい。次は2月に我々の山小屋に彼らを招待する。山小屋の設備は劣るが、奥美濃も戸隠に劣らない素晴らしい環境である。
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