June 01, 2023

金剛山 イワゴノ谷:ヌメリと倒木が酷い! ダイトレまで詰めずにヒロセ道を下山!

5月最後の土曜日は、イワゴノ谷をワンゲル部主将と遡行してきた。2週連続の金剛山の沢であったが、前週に行った高天谷と同様にイワゴノ谷もヌメリが酷かった。おまけに倒木にも悩まされた。今回の遡行の成果は、核心部を終えた標高870m地点から下山できるルートを確認したことだった。

【日程】2023年5月27日(土)
【山域】生駒・金剛・和泉
【渓谷名】大和川水系 イワゴノ谷
【メンバー】ワンゲル部主将、マメゾウムシ
【天候】曇り
【コー スタイム】高天彦神社駐車場9:16~最初の堰堤9:46-10:00~15m滝下10:40~830m二俣12:22~標高870m遡行終了地点12:30~郵便道合流13:15~高天彦神社駐車場13:47

イワゴノ谷は昨年の8月一昨年の6月にも遡行しているが、ダイトレに出るまでの最後の詰めが急登でキツい。金剛山のバリエーションルートを調べると、イワゴノ谷の左岸側にヒロセ道というのがあるらしい。今回はダイトレに抜けずに、このヒロセ道を使って下山することにしたが、難なくヒロセ道に抜けられるかが問題であった。

Img_5386

高天彦神社の駐車場には9時ぐらいに到着したが、前週と同様にほぼ満車状態だった。車と車の間にかろうじて車が1台駐められる空間があったので、なんとかそこに駐めることができた。今回のパートナーは、ワンゲル部主将のMくんである。

Img_5387

高天彦神社からイワゴノ谷へ行くには、尾根を1つ越える必要がある。その道中、民家や畑の前を通るのだが、そのの石垣にユキノシタの花が満開だった。

Img_5389

尾根を越えると、水流がほとんどないイワゴノ谷に出る。谷を渡ると、伏見の集落に出る。正面に伏見道の入口を見て、右へ進むと、イワゴノ谷への林道に出る。獣柵があるので、扉を開けて中に入る。

Img_5390

林道をそのまま進むと、イワゴノ谷の入渓地である堰堤に出るので、ここで沢装備を整える。堰堤は右から越える。

Img_5391

小さな堰堤をさらに越えて進むと、最初の滝である12m滝が現れる。イワゴノ滝と言うらしい。イワゴノ滝は左岸から高巻く。

Img_5393

高巻きは踏み跡を辿るが、そのまま進むと巻きすぎるため、懸垂下降でイワゴノ滝の落口に下りることにした。前回は木を掴みながらロープを使わずに下りたが、やはり懸垂下降が安全である。

Img_5394

イワゴノ滝の上はゴルジュ状となり、小滝を超えていく。

Img_5395

谷が開けると、イワゴノ谷最大の15m滝が現れる。この滝はみそぎの滝と言うらしい。過去2回は右岸の泥壁を登って、落ち口ノすぐ上に出たが、今回は左岸の巻き道を辿ってみることにする。

Img_5396

これがなかなかスリルのある高巻きとなった。滑落したらまずは助からないだろう。巻き道は15m滝のすぐ上のCS3m滝も巻いて、その落口に出た。

Img_5398

古い堰堤を越えると、しばらく平凡な流れとなるが、倒木が煩い。昨年の8月に遡行した時には、ここまで倒木は多くなかった。

Img_5399

平凡な流れが終わると、連瀑が始まるが、ここにも倒木があり、登攀の支障となる。岩のヌメリも酷く、ラバーソールでは滑る。このような状況なので、滑りそうな滝は無理して直登はせずに巻いた。

Img_5400

倒木に悩まされる主将。

Img_5401

斜滝は問題ないが、滝はつづく。

Img_5402

CS3m滝からの連瀑はまとめて右岸から巻いた。

Img_5404

横見の滝とよばれる2条12m滝が現れる。この滝は、上部を右から回り込んで登ると容易である。シャワーがを少々浴びるが、まだ水温が低く冷たい。

Img_5405

倒木と土砂でわかりにくい720m二俣を越える。

Img_5406

以前はもうちょっとナメがあったはずが、土砂で埋まってしまったのかもしれない。

Img_5407

2段7m滝で核心部の滝が終わる。この滝はヌメリが酷かったので、左から巻き気味に登った。フエルトソールの主将も無理せずに巻きを選んだ。

Img_5408

830m二俣も倒木と土砂が酷かった。

Img_5410

核心部は越えたので、標高870mあたりで左岸の尾根に取り付きやすどうだったので、ここからヒロセ道に逃げることにする。

Img_5411

崩れやすい斜面を登る主将。

Img_5412

尾根に上がると踏み跡がついていた。この尾根はイワゴノ谷北尾根というらしい。上へ登ると湧出岳へ、下方向へはヒロセ道を経て郵便道へつながる。

Img_5413

踏み跡程度のヒロセ道は郵便道方向へのトラバースとなり、谷を3つ越える。谷を越える箇所は高度があるので、スリップに要注意である。途中、藪漕ぎもあったが、無事、郵便道に出た。

Img_5414

郵便道を下っていくと、前の週に遡行した高天谷の高天滝の前に出る。高天彦神社の駐車場はここからすぐである。

今回のイワゴノ谷は、倒木とヌメリが以前よりも酷く、沢が土砂で埋まっていた箇所も多かった。前の週に遡行した高天谷もヌメリが酷かったが、このヌメリはしばらく大雨が降っていないことが原因と思われる。沢靴がラバーソールだったこと、水温もまだ低かったこともあり、今回はやむを得ず、滝の登りは巻きを選択することが多かった。ちょうど核心部を終えた標高870m地点に、左岸の尾根に取りつきやすそうなところがあり、そこがヒロセ道へのルートであった。ヒロセ道は、途中、滑落に注意が必要なところと、藪漕ぎを要すところがあるが、踏み跡を見失わないように進めば郵便道に出られる。ダイトレへ詰めるよりもだいぶ楽に高天彦神社に戻れるので、イワゴノ谷の下山ルートとしてはお勧めかもしれない。

Photo_20230601172701

以前に作成した遡行図を修正しました。

| | Comments (0)

May 21, 2023

金剛山 高天谷 左俣:ワンゲル部員と今シーズン初の沢登り

今シーズン初の沢登りで、ホームの金剛山の高天谷を、ワンゲル部女子部員2名と一緒に遡行してきた。まだ体が沢に慣れていないせいか、体が少々重く、まだベストな状態ではなかったが、今シーズンの沢登りのスタートを切ることができた。

【日程】2023年5月20日(土)
【山域】生駒・金剛・和泉
【渓谷名】大和川水系 高天谷左俣
【メンバー】ワンゲル部員2名、マメゾウムシ
【天候】曇り
【コー スタイム】高天彦神社駐車場9:30~高天滝下9:40~10m大滝下10:00~二俣11:45~郵便道(920m地点)13:11-21~高天彦神社駐車場14:15

P5200001

スタートとなる高天彦神社の駐車場は、前日の雨で大きな水たまりができていて、そこだけ車が停まっていなかったが、後から来た車は、満車のため、やむを得なく水たまりの中に駐めていた。高天彦神社のトイレが改装されていたのは良かった。以前は男女の区別がされていなかったが、男女別の区切りができて、きれいになっていた。

P5200003

高天滝6mから入渓する。この日は前日の雨から天気が回復して気温も上がる予報だったが、入渓時でまだ雲が厚く、涼しいぐらいであった。

P5200005

高天滝は、左岸に設置されているハシゴを使って巻く。

P5200006

高天滝の上はゴルジュとなる。高天谷は平水時の水量が少ないので、多少増水する程度がちょうど良いのだが、前日の雨にもかかわらず、水量はほぼ平水だった。

P5200007

3m滝とその背後に堰堤が現れる。

P5200008

ワイヤーがフィックスされている右岸からまとめて巻く。

P5200009

上部が開けた先にかっての10m大滝が現れる。滝壺が埋まってしまい、現在は8mぐらいの高さである。

P5200010

いつも通りに左岸から高巻く。

P5200011

崩壊地の通過となる。

P5200012

再び流れは植林の中へ入っていく。ここからが核心となる。

P5200013

次々と出てくる滝を直登していく。

P5200014

上部に倒木のかかる5m滝が現れる。これも直登するが、2回生のために上からロープを垂らした。

P5200018

ゴルジュチックとなる。

P5200019

いつもちょっと手こずる小滝が現れる。シャワーを浴びる覚悟があれば、それほど難しくはないのだが、まだ水温が低いので、私は左から巻き気味に越えた。

P5200020

部員たちは右から越えた。

P5200022

再びゴルジュ状となると、

P5200023

5mトイ状滝が現れた。

P5200025

ここはシャワーは避けられないので、覚悟を決めて、シャワーを浴びながら越える。

P5200027

滝が一段落したところで、壊れた古い堰堤を通過する。

P5200029

倒木で埋まった二俣に到着する。倒木を掻い潜って、左俣へ入る。

P5200031

大滝2段20mがすぐに現れる。ここは念のためロープを出して確保した。陽が出てくれないので、確保中は体が冷える。

P5200033

大滝の落口に出る。

P5200034

4m滝を越える。

P5200035_20230521131101

最後の4m滝を越えると、

P5200037

植林の中の緩い流れに変わる。

P5200039

そのまま詰めていくと、左上に郵便道とよばれる登山道が現れるので、登山道まで登ったら遡行終了である。ここで沢装備を解除する。

P5200041

そのまま郵便道を下山すると、高天滝の前に戻る。

まだ体が沢に慣れていないせいか、体も少々重く、まだベストな状態ではなかったが、今シーズンの沢登りのスタートを切ることができた。実際に体重は増えていたのだが、これまでと変わらずにいつもの滝たちを直登できたのには多少安心した。まだまだ老け込むわけにはいかない。沢泊に備えて、調子を上げていきたい。

| | Comments (0)

May 17, 2023

ワンゲル部立山スキー合宿4:大走り尾根滑走と下山

ワンゲル部の立山スキー合宿の4日目(5月5日)の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

Img_5323

最終日である4日目の朝を迎える。怪我人がいたようで、富山県警の雪上車で搬出されていった。前日に歩き方のおかしい女性が気になったが、その人であった。転倒か滑落で怪我をしたようだ。

P5050073

正午前には撤収して下山したいので、この日は近場で軽く滑るだけとする。現役部員4名はテン場前にある斜面、通称ゲレンデで滑走練習をするとのこと。

P5050074

私と前主将で大走り尾根を滑りに行くことにする。

P5050075

雷鳥沢キャンプ場から1時間ほど登った標高2500m地点から滑ることにする。まだ雪が緩んでおらず、斜度もそこそこある。

P5050076

私は特に問題はなく滑れたが、前主将が無事滑れるか危惧する。やはり転倒! ヒヤリはしたが、滑落することなく下りてきたのでホッとする。

P5050077_20230516081401

斜度が緩めば問題はなかった。下部は快適ザラメとなっていた。

P5050079_20230516081401

10時にテン場に戻り、テントを撤収する。

P5050080_20230516081401

多少遠回りにはなるが、すべてシールで行けるブル道から室堂に下山することにする。

13時前に室堂に下山できた。混雑のため高原バス乗車時にケーブルカーの整理券が発行されたが、美女平ではそれほど待ち時間もなくケーブルカーに乗ることができた。立山駅に下山後は、現役部員4名は公共交通機関にて帰路についた。

Img_5324

マイカーの私と前主将は、亀谷温泉白樺の湯で汗を流した後に、立山町の台湾菜館にてボリューミーな夕食を取った。

Img_5329

台湾菜館からは、剱岳・立山方面の山並みを見ながらの食事ができた。

ワンゲル部立山スキー合宿は滞在中4日とも天気と雪に恵まれた。個人的にはもう少し斜度のある斜面を滑りたかったが、後進の育成も重要である。ワンゲル部員たちには良い経験になったに違いない。ワンゲル部にとって、今シーズンは創部以来の山スキーの伝統を復活させたという点で、今回のゴールデンウィーク合宿はたいへん記念すべき合宿と言えるだろう。

滑走シーンを編集した動画のリンクです。

| | Comments (0)

May 16, 2023

ワンゲル部立山スキー合宿3:雄山谷と山崎カール滑走

ワンゲル部の立山スキー合宿の3日目(5月4日)の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

P5040054_20230515102301

立山滞在3日目も良い天気であった。この日は、一ノ越方面の斜面を滑ることにした。

P5040056

雷鳥沢キャンプ場からブル道を進み、途中からブル道を離れて浄土沢を詰めていく。

P5040057_20230515102501

登山者やスキーヤーなどで賑わう一ノ越に到着する。

P5040059_20230515214101

まずは雄山谷にドロップする。メローな雄山谷は個人的には物足りないが、ワンゲル部員にとってはレベル的にちょうど良い。

P5040063_20230515214301

それでも転けるのはいたが、恐怖感なしに滑れたようだ。

Img_5314

大岩まで滑って休憩とする。

P5040064_20230515214501

いつの間にか大岩でボルダリング大会となっていた。

P5040065

一ノ越へ登り返す。疲れが溜まっているのか、登り返しに1時間15分もかかってしまった。現役部員たちはもう少し速く登っていた。

P5040068

元気な現役部員3人は、雄山谷をもう1本滑った。

P5040070_20230516075401

現役部員3人の登り返しを待ってから、浄土沢を少し落として、山崎カール側にトラバースする。

P5040072

山崎カール側の大斜面を滑る。こちらも快適ザラメだ。

Img_5315

雷鳥沢キャンプ場まで滑り込んで、3日目の行動は終了。物足りない現役部員4名は、さらに大走り方面へ滑りに行った。

Img_5318

私は前主将と、早速、柚子豆乳鍋をアテに立山最後の宴を始める。

Img_5319

明宝ハムを焼く。

Img_5321

最後の立山の夕陽である。持ってきたお酒を全て飲みきったところでお開きとした。

ワンゲル部立山スキー合宿4:大走り尾根滑走と下山につづく

| | Comments (0)

May 15, 2023

ワンゲル部立山スキー合宿2:剱御前岳からの剱沢滑走と雷鳥沢滑走

ワンゲル部の立山スキー合宿の2日目(5月3日)の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

全員無事に入山できたワンゲル部であるが、いよいよ2日目からが本格的な活動となり、早速、合唱のハイライトである剱沢滑走の予定だ。

Img_5309

日の出は6時30分頃だった。

P5030017

8時を過ぎたぐらいに雷鳥沢キャンプ場を6人全員(顧問含む)で出発する。

P5030018

雷鳥沢右岸をシール登行で登るが、まだ雪は緩んでいない。

P5030020

滑落のリスクがあるので、シール登行の技術がない者は早めにシートラに移行してもらう。

P5030021_20230514212501

クトーがあれば問題ないが、ベテラン山スキーヤーはクトーなしでもシール登行で登る。それでも剱御前小屋手前のトラバースでシートラにせざるを得ず、ナイフリッジの通過は緊張感があった。

P5030022_20230514212801

剱御前小舎に到着して一服する。ここで聞いたことのある話し声がする。立山のガイドさんで、テンカラ仲間のかわさんだった。ガイド中で今日中にハシゴ谷乗越を越えるとのこと。6月のテンカラ仲間の集まりでの再開を約束する。

P5030024_20230514213301

剱御前小舎からは、スキー技術の高い者は剱御前山に登って剱沢への滑走、スキー技術に自信のない者は直接に剱沢滑走とした。

P5030027

前主将、現主将、顧問の3人で剱御前山へ登り、残りの2回生3人は先に剱沢へ滑り込んでいった。剱御前山からの剱岳。

P5030028_20230515071501

剱沢への滑走を前にして、ガッツポーズを取る現主将。

P5030029_20230515071601

前主将は剱岳をバックにVサイン。

P5030031_20230515071801

快適ザラメを滑る。

P5030036_20230515071901

剱岳に向かって滑る。最高のロケーションである。

P5030037_20230515071901

剱沢キャンプ場まで滑ってランチタイムとする。多少の雲はあるが、天気も良かった。

P5030039_20230515072001

50分ほどのマッタリとしたランチタイムを終えたら、剱御前小舎へ登り返す。

P5030040

2度目の剱御前小舎に到着。

P5030041_20230515072401

次は雷鳥沢の滑走である。少し夏道を下った所から、スキーを履く。

P5030042_20230515072501

スプリットボードの主将がドロップする。

P5030043_20230515073301

スキー技術に自信のない2回生3人は、出だしの急斜面はスキーを担いで高度を下げる。

P5030044_20230515073401

斜度が緩んだ所からスキーを履いて、全員での滑走へ。

P5030046

登山者を避けるために雷鳥沢の中へ滑り込む。

P5030050

上部はまずまずのザラメ雪だったが、

P5030051

下部は雪が緩みすぎて、やや重めだった。転けても滑落の心配はない。

P5030052

うまく滑れたかどうかは別にして、全員無事にキャンプ場に戻ることができた。

Img_5313d

2日目の晩は焼肉にて一杯。展望に恵まれた剱沢と雷鳥沢の滑走は、ワンゲル部員たちにとって、いい経験になったに違いない。

ワンゲル部立山スキー合宿3:雄山谷と山崎カール滑走につづく

| | Comments (0)

May 14, 2023

ワンゲル部立山スキー合宿1:室堂山滑走

顧問をしているワンゲル部の立山スキー合宿に技術指導のために同行してきた。主将を除く全員がテレマークスキーでの参加で、雷鳥沢キャンプ場をベースに4日間しっかり滑ってきた。滞在中は天気と雪に恵まれて、部員たちには良い経験になったにちがいない。

概要
【日程】2023年5月2日(火)〜5日(金)
【山域】北ア立山
【場所】立山
【メンバー】ワンゲル部員5名、マメゾウムシ(ワンゲル部顧問)
【天候】全日晴れ
【装備】テレマーク5、スプリットボード1
【コースタイム】
5/2 立山室堂9:08〜室堂山荘9:17〜雷鳥沢キャンプ場9:47-11:44〜みくりが池温泉12:29〜室堂山13:54-14:14〜雷鳥沢キャンプ場14:41
5/3 雷鳥沢キャンプ場8:05〜剱御前小舎10:42-11:13〜剱御前山11:23-39〜剱沢キャンプ場11:49-12:40〜剱御前小舎13:34-14:06〜雷鳥沢キャンプ場15:08
5/4 雷鳥沢キャンプ場8:03〜一ノ越山荘9:52-10:29〜雄山谷2320m地点10:38-11:45〜一ノ越山荘13:01-14:00〜雷鳥沢キャンプ場14:24
5/5 雷鳥沢キャンプ場8:22〜大走り尾根2500m地点9:21-35〜雷鳥沢キャンプ場9:58-11:07〜室堂山荘12:10〜立山室堂12:19

ワンゲル部にとって、ゴールデンウィークに行う合宿は、私が顧問になってから初めてのことである。スキーをするならば、天気が安定して雪質もザラメ雪となったゴールデンウィークは、本来合宿にふさわしい時期である。創部当時は山スキーや雪山の活動をしていたワンゲル部だったが、私が顧問を引き受けた時点では無雪期の縦走しかしないクラブになっていた。コロナ禍で活動のできない時期もあったが、なんとか全員が山スキーを行うところまでもってきた。厳冬期には、奥美濃にある山小屋をベースにスキー練習を行ってきた。3月末には、奥美濃の和田山牧場跡をベースにして、スキーと雪上訓練を中心とした春山合宿を行うことができた。今回の立山合宿は、一連のスキー山行の最後の仕上げの場として計画した。ワンゲル部にとって、創部以来の山スキーの伝統を復活させたという点で、たいへん記念すべき合宿と言えるだろう。

**********
1日目(5月2日)

Img_5299d

前主将と私の2人で先発し、立山駅7時20分発のケーブルカーに乗車する。後発隊4名は11時台のケーブルカーに乗車とのことなので、この日は後発隊とは別行動とする。

Img_5300

1年ぶりの立山入山である。昨年は11月の立山に入れなかった。

P5020001_20230514124801

重荷なので、室堂山荘横のブル道から雷鳥沢へ向かうことにする。ブル道は多少遠回りだが、アップダウンがなく、全体的に緩やかな傾斜なので、重荷でもなんとか進める。

Img_5301

たまたまテントを撤収した人がいたので、その場所を譲り受けてテントを張る。深く掘ってあって、ブロックも積んであり、風に安心なテン場である。自分たちで掘るとなると、まだ雪が締まっていて硬く、かなりの労力を要したに違いない。実に感謝なことである。テント代は1人1泊1000円で、1人3000円を管理事務所で支払った。

Img_5302

3泊分のお酒であるが、ほぼ1人分の量である。

Img_5303

一息ついたところで、室堂山に足慣らしに行くことにする。みくりが池温泉経由の夏道で行ってみたが、雪が繋がっていなかった。

P5020004

雷鳥沢キャンプ場から2時間ほどで室堂山に到着する。定番の日本オートルートの眺めを楽しむ。

P5020007

反対側には剱岳の眺めである。

P5020008_20230514130501

シールを剥がして滑るとする。昨年も来たが、その時は気温が低く、カチカチ山であった。今回は充分に雪は緩んでいる。

P5020010_20230514130601

思った以上の快適ザラメであった。前日に降ったと思われる新雪も板が走る。

P5020015_20230514130801

テレマーク2シーズン目の前主将も楽しそうに滑っている。そのまま浄土沢に滑り込んだ。

雷鳥沢キャンプ場へ戻ると、時間的には当然着いているだろう後発隊はまだ着いていなかった。やけに到着が遅いなと思って、目の前の雷鳥荘下の斜面に目をやると、何やら苦労しているテレマーカーたちがいる。それが後発隊だった。重荷でまともに滑れず、転倒を繰り返していた。「ブル道を使え」とアドバイスしたのに、わからなかったようで、アップダウンのある夏道を素直に来たようだ。

Img_5304

後発隊も着いたので、早速飲み始めることにする。前日の移動途中で採った山菜をアテに一杯やることにする。採った山菜は、コゴミ、タラ、コシアブラ、ネマガリタケである。

Img_5305

山菜はアヒージョにした。お酒が進む。

Img_5306d

後発隊はキャンプ場前の斜面を利用して雪上訓練を行っていた。3月に行った雪上訓練の復習である。

Img_5307

日が陰ってきたら、さすがに寒くなってきたので、テント内にてメインデッシュのキムチ鍋をつつきながら呑んだ。

いよいよ明日から、ワンゲル部員全員で残雪の雪山を楽しむ。晴れ男の自分が参加したこともあり、どうやらこの4日間は好天が続きそうだ。

ワンゲル部立山スキー合宿2:剱御前岳からの剱沢滑走につづく

| | Comments (0)

April 12, 2023

今シーズン初の山菜採り

例年ならば、まだスキーをしていてもおかしくない時期だが、今シーズンは雪融けが早く、すでに西日本や奥美濃の山は滑れる状態ではない。年齢のせいなのかテンションも上がらず、遠出してまでも滑ろうという気にもなれない。沢登りのシーズンインもよいが、まだ水温は低い。ちょうど地元の裏山では山菜が出始める時期なので、ワンゲル部主将と山菜採りに行くことにした。

Img_5216

早速、道ばたにて、つくしを見つける。

Img_5217

ツバキがまだ咲いていた。

Img_5221

山に入ると、コバノミツバツツジが咲いていた。

Img_5223

早速、コシアブラを見つける。標高500m〜600mぐらいが、ちょうど旬な感じだ。標高600mを越えるところや、日陰はまだこれからという感じだった。

Img_5224

タカノツメはちょうど最盛期という感じだ。

タラも見つけたが、新芽が高すぎて採れなかった。リョウブはまだ葉が出たてであった。

Img_5229

麓の集落では八重桜が満開だった。

Img_5230d

その日の晩はそのまま外飲みになったが、採れた山菜は翌日に天ぷらでいただき、春の訪れを感じた。

| | Comments (0)

April 03, 2023

ワンゲル部の和田山牧場跡ベース春山訓練3:野伏ヶ岳南面滑走

ワンゲル部の和田山牧場跡ベース春山訓練の最終日である3日目(3月29日)の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

前日に野伏ヶ岳のピークハントで実戦訓練を行ったワンゲル部だが、最終日は実戦訓練第2弾として、薙刀山の往復を予定していた。しかしながら、急激な雪融けで推高谷の徒渉地点を渡れない可能性があった。また前日に登った野伏ヶ岳の山頂から眺めた限りでも、薙刀山の斜面の雪の付きが悪く、徒渉できたとしても斜面に取り付けない可能性も高かった。そのような理由から、当初の予定を変更して、小白山に行き先を変更することにした。小白山の山頂までは雪が繋がっていないが、行ける所まで行って、良さそうな斜面を滑ることができればよいだろう。この日は下山を含めて、山小屋に立ち寄って後片付けを必要もある。その時間も考慮すると、正午ぐらいにはテントを撤収したいところである。滑走技術の低い者は、野伏ヶ岳南面の緩斜面を滑ってもらうこともできる。

Img_5203

最終日の朝も見事な快晴であった。放射冷却で朝方にだいぶ冷え込んだため、雪はカチカチに凍っていたが、すぐに緩みそうだ。

P3290046

雪が緩み始めた8時にテン場を出発する。

P3290048

ダイレクト尾根の基部を目指す。

P3290049

このあたりはクマ棚が多い。

P3290050

ダイレクト尾根の基部に着く。こぶが複数あるブナが気になった。

P3290051

野伏平を小白山に向かって進む。

P3290052

沢割れ箇所が多く、ルート取りに苦労する。

P3290053

小白山は時間的に厳しくなってきたので、野伏ヶ岳南面に行き先を変更する。

P3290054

標高1220mあたりまで登って、滑走することにした。野伏ヶ岳南面は数年に1回ほど大きな雪崩が起こっているようで、木がまばらで、折れている木も多い。そこをダイレクト尾根の基部を目指してややトラバース気味に滑った。

P3290055

テレマーク2シーズン目の主将の滑り。

P3290057

ダイレクト尾根を越えて、湿原に出る。

P3290059

幕営地に戻り、テントを撤収する。撤収時間がちょっと長いような気がしたが、もう少し速くできるようになるべきだろう。

P3290060

3日間を過ごした和田山牧場跡を後にする。

P3290063

最後の滑りは林道である。ボブスレーのように滑っていく。

P3290064

雪がなくなった所で、シートラにて下山する。

Img_5207d

山小屋に戻って後片付けをしてから、帰路についた。山小屋の前では早くもザゼンソウが咲いていた。

ワンゲル部員においては、しっかり今回の合宿の反省会を行ってほしいところだ。登山における安全は、体力と技術があって確保されるものであるからだ。

| | Comments (0)

April 02, 2023

ワンゲル部の和田山牧場跡ベース春山訓練2:野伏ヶ岳で実践訓練

ワンゲル部の和田山牧場跡ベース春山訓練の2日目(3月28日)の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

前日に雪上訓練を行ったワンゲル部員であるが、練習したことを本番の山行で使えるかが重要である。その実戦訓練の場として、野伏ヶ岳のピークハントを行うことにした。野伏ヶ岳は私にとっては毎年のように登って滑る馴染みの山ではあるが、現役のワンゲル部員で山頂に立った者はいない。昨年は野伏ヶ岳に日帰りでワンゲル部員1名が私と一緒にトライはしているが、今年と同じ雪不足と出発が遅かったこともあり、山頂まで登らずに途中から滑走してしまった(2022年4月7日の記録)。

Img_5201

合宿中の3日間は好天予報であったが、2日目の朝も見事な快晴であった。ワンゲル部員の滑走技術には差があるので、中級者以上の滑走技術がある者のみが山頂からの滑走を行い、初級以下の滑走技術の者は登山にてピークハントを行うことにした。自ずと2・3年生の2名がBC組、1年生3名が登山組となった。OB1名と顧問はBC組のサポートに入る。山頂までは全員がダイレクト尾根を登り、山頂からはBC組は北東尾根を滑走し、登山組は往路のダイレクト尾根を戻ることにした。

P3280028

ダイレクト尾根にショートカットで取り付く。昨年は基部まで回り込んだが、今回はなんとかシール登行でショートカットできた。

P3280030

最初のうちはシール登行で進めたが、斜度が増してくると雪不足と藪に阻まれて、スキーを担がざるを得なくなる。スキー組よりも登山組が断然有利であった。

P3280031

最初の急斜面を登り切る。

P3280033

次の急斜面も雪付きが悪く、シートラで登る。

P3280034

北東尾根とのジャンクション手前は、中央ルンゼへの滑落に注意しながら進む。危険箇所をいかに素早く通過できるかが、リスクを低くするうえで重要である。

P3280035

雪は途中で途切れて、先行していたメンバーがルートに迷っていたが、そこは藪に突っ込めとアドバイスする。我々が登ってきたダイレクト尾根側は北東尾根とのジャンクションの南側になるため、雪融けが早く、藪が出ていた。ジャンクションの北側は雪が残っているはずなので、少し藪を漕げば突破できるはずである。ほんの5mほどの藪漕ぎで、予想通りに尾根の北側の雪面に出た。そこからは再びシール登行で登れた。

P3280036

野伏ヶ岳の山頂に到着する。私にとっては2年ぶりの山頂であった。

Img_5209

山頂の北側からは白山の眺め。

Img_5210

東側には御嶽山や北アルプスの眺め。

Img_5213

東方向の展望を拡大すると、馴染みの奥美濃の大日ヶ岳もはっきりわかる。

Img_5211

こちらは山頂の北西方向の展望。

Img_5212

南西方向の展望。

P3280037

山頂からは登山組と分かれて、BC組は北東尾根の滑走に入る。

P3280039

上部は快適ザラメであった。

P3280042

下部はやや湿雪で、藪も濃くなった。上級者の滑りにはさほど影響はしなかったが、テレマーク中級者の主将はやや苦労していた。ゲレンデと同じように滑れないのは、BCの難しいところである。

P3280043

無事、湿地まで滑り込んで、そのままテン場に到着。登山組もさほど遅れずにテン場に戻ってきた。野伏ヶ岳のピークハントは、ワンゲル部員たちにとってよい実践の場になったようだ。

P3280045

時間があったので、登山組は近くの斜面で滑走練習を行った。ワンゲル部員の課題は、スキー技術の向上と、トランジッション(シールの脱着)をいかに速くできるかであるだろう。登山における安全は、体力と技術があって確保されるものである。技術の習得には時間がかかるものなので、コツコツと練習を重ねていくことが重要である。部員たちにはそのことをしっかり意識してもらいたい。

ワンゲル部の和田山牧場跡ベース春山訓練3:野伏ヶ岳南面滑走につづく

| | Comments (0)

ワンゲル部の和田山牧場跡ベース春山訓練1:雪上訓練

3月25日〜29日の日程にて、ワンゲル部員たちと5日間ほど山籠もりしていた。前半2日間はワンゲル部山小屋をベースに過ごし、ワンゲル部員たちもテレマークスキーイベント「ゲレンデjack! with 集まろうテレマーク! in 奥美濃」に参加した。イベントでは、ワンゲル部員たちは先輩テレマーカーたちにアドバイスをもらいながら、しっかりテレマークスキーの練習を行った。後半3日間は和田山牧場跡にベースを移し、テン泊生活を送りながら春山訓練を行った。まずはその春山訓練の1日目の報告です。

概要
【日程】2023年3月27日(月)〜29日(水)
【山域】奥美濃
【場所】野伏ヶ岳
【メンバー】ワンゲル部員5名、Tさん(ワンゲル部OB)、マメゾウムシ(ワンゲル部顧問)
【天候】3/27 晴れ、3/28 晴れ、3/29 晴れ
【装備】テレマーク5、ATスキー1、スプリットボード1
【コースタイム】
3/27 白山中居神社8:38〜林道880m付近(シール登行開始)9:25-49〜和田山牧場跡石碑11:00〜幕営地11:27-13:16〜雪上訓練場所13:29-16:08〜幕営地16:22
3/28 幕営地8:09〜ダイレクト尾根基部(1150m)8:55〜北東尾根とのジャンクション11:12〜野伏ヶ岳11:31-12:08〜北東尾根滑走〜幕営地13:17
3/29 幕営地8:05〜ダイレクト尾根基部(1120m)8:45〜野伏ヶ岳南面1220m9:49-10:15〜幕営地11:09-12:15〜和田山牧場跡石碑12:35-12:46〜林道870m付近(滑走終了)13:10-43〜白山中居神社14:19

ワンゲル部山小屋のある奥美濃は、2月以降の降雪が少なく、3月に入ってからは急激な雪融けが進んでいる。残雪量から判断すると、例年よりも1ヶ月は季節が早く進んでいるようだ。そのため、3月下旬時点の山小屋の裏山では、予定していた雪上訓練を行えるだけの積雪は残っておらず、実施場所を変えざるを得なかった。そこで候補になったのが和田山牧場跡であった。当初は山小屋の裏山での雪上訓練を終えてから、石徹白の山に入りテン泊縦走を行う予定だったが、雪山のための充分なトレーニングを行っていない現在のワンゲル部の状況では、少々リスクを感じていた。そこで、和田山牧場跡をベースにして、雪上訓練と周辺の山のピークハントをまとめて行うことに計画を変更したのであった。

**********
1日目(3月27日)

Img_5199

白山中居神社からスタートする。2泊分の装備とスキー板を担いでいるので、そこそこ重いが、年寄りサポート組のテントは現役部員に持ってもらっている。ただ、現役部員たちのザックが2泊の割には結構大きいのが気になった。ベース方式なので多少は余計な荷物を持っていっても良いが、今後の長期縦走に向けて、もう少し軽量化を意識した方がよいかもしれない。

P3270001_20230402132101

例年の3月であれば、和田山牧場跡への林道には結構雪が残っていて、比較的すぐにシール登行が開始できるのだが、今回は4月中旬以降の残雪状態ということもあり、しばらくはスキーを担がねばならなかった。

P3270006_20230402132501

白山中居神社から50分ほど歩いた標高880m付近でようやく雪が繋がり、シール登行を開始できた。昨年は4月7日に同じルートを行っている。その年も雪融けが早かったが、その時は標高870m付近からシール登行を開始できたことから、今年は昨年以上に雪融けが早いことがわかる。

P3270007_20230402133001

上部のヘアピンの林道ショートカットはなんとかいけたが、1週間後は厳しいだろう。

P3270009

最後は林道を離れて尾根を進む。

P3270010

昨年は尾根の雪がつながっておらず、スキーを脱いだが,今年はぎりぎりスキーを脱がずに和田山牧場跡に出ることができた。

P3270013_20230402133601

正面に野伏ヶ岳が現れて、一気に視界が開ける。

Img_5200

無雪期は湿地になる窪地に今回の合宿のベースとなるテントを設営する。水は湿地を流れるクリークから取ることができるが、高さがあるので、直接に手で汲むことは難しい。我々はビリー缶に細引きを結んで、それをクリークに投げ落として水を汲んだ。

P3270014_20230402163501

テント設営を終え、一休みしてから、雪上訓練を行った。場所は和田山牧場跡の南側にある北向きの斜面にて行った。まずは歩行訓練である。最初に、つぼ足での斜面の登下降とトラバースの練習を行い、次に、アイゼンを装着しての斜面の登下降とトラバース練習を行った。キックステップについてもつぼ足とアイゼン装着の両方でしっかり練習してもらった。

5c1c0fcba8b643afa0b5ca5e0da57c51

登下降の練習後には、ピッケルを使った滑落停止の練習を行った。

475d5ed944c1485eadc23b7706b6fb77

わきをしっかりしめて、素早く体を反転させてピッケルを説明に打ち付ける。その際に足をあげなければならいが、なかなかそうならない。体が覚えるぐらいまでしっかり練習しておかなければならない。そうでないと、いざという時に瞬時に使えない。

P3270018_20230402163601

スタカット方式でロープを2人で結んで雪の斜面を登下降する際の、支点の構築の仕方とロープでの確保の仕方についても練習を行った。まずは肩がらみでの確保練習。

P3270020

次にピッケルを使った確保法であるスタンディングアックスビレイについても練習を行った。

P3270021

最後に、雪面での懸垂下降を行う際の支点になるスノーボラートを作ってもらった。

P3270024

実際にワンゲル部員たちに懸垂下降してもらった。一通りの練習を終えたら、16時を過ぎていたので、幕営地に戻り、この日の行動を終えた。

雪上技術はこのような訓練の場だけでなく、日常的な山行の際にもしっかり練習を行い、体がしっかり覚えるぐらいになっていないといけない。

ワンゲル部の和田山牧場跡ベース春山訓練2:野伏ヶ岳につづく

| | Comments (0)

より以前の記事一覧