東北3日目に挑んだ鳥海山は、天気の回復が遅れ、新山までは到達でず、鳥海湖の往復となった。最終日は帰路につくのみとなり、鳥海山は今回の遠征における最後のスキー山行となった。
【日程】2025年5月5日(月)
【山域】出羽
【場所】鳥海山 象潟口
【メンバー】Y(ワンゲル部元主将)、マメゾウムシ
【天候】曇りのち晴れ
【装備】テレマーク2
【コースタイム】鉾立7:11〜賽の河原8:56〜御浜小屋9:53-12:08〜鳥海湖ボトム12:12-20〜1700m小ピーク12:41-50〜白糸の滝落口付近13:11-23〜鳥海ブルーライン滑走終了地点13:49-55〜鉾立14:18
八甲田山でのスキー山行の翌日は、悪天予報のため予定していた秋田での山行を中止し、鳥海山への移動のみとした。鳥海山も6年前の北海道・東北遠征以来となる。その時は湯ノ台口から行者岳を往復している(2019年5月4日の記録)。今回は鉾立から新山を目指すが、こちらは実に8年ぶりのルートである(2017年5月5日の記録)。

移動途中で立ち寄った秋田の道の駅五城目のだまこ庵にて、五城目名物のだまこ鍋を昼食で食べた。だまこ鍋とは、きりたんぽ鍋のきりたんぽの代わりにだまこが入った鍋である。きりたんぽもだまこもご飯を擦りつぶしたものであるが、きりたんぽは焼いてあるところが違う。

鳥海山の西側のアプローチである鳥海ブルーラインは17時〜8時は凍結の恐れのため通行止めとなる。新山を往復するならば、6時には出発したい、そのため前日のうちにゲートが閉まる17時前に鳥海ブルーラインに入り、象潟口の登山口となる鉾立に入っておく必要があった。鉾立は、強風で視界不良であった。夜には雷にあられも加わり、車中泊中の車もかなり揺れて、荒れた夜となった。

翌朝は雨は止んでいたが、視界不良に強風のためしばらく出発を遅らせたが、日中の天気回復を見込んで、7時過ぎには鉾立を出発した。

例年ならば鳥海ブルーラインを山形側に歩いたところから雪の斜面に取り付けるのだが、視界不良のため夏道からアプローチしたが、雪が繋がっておらず、スキーを担いで登る。

雪が繋がったと思ってスキーを履いたら、

また雪が途切れて、スキーを担ぐことになった。テレブーツだと実に歩きにくい。

スタートしてから1時間ほどで、ようやく雪が繋がった。シール登行を開始するが、視界不良のためGPS頼りに進む。

御浜小屋までなんとか来たが、同じ大阪からのテレマークの夫婦が建物の陰で風を避けて休んでいた。雪はクラストし、相変わらず強風と視界不良が治まらないので、我々もここで天気の回復待ちをすることにする。

ツエルトを被って天気の回復を待つが、なかなか状況は変わらず、結局この状態で2時間も待機が続いた。

気がついたら、ブルーラインの開通と共に上がってきた人たちも天気の回復待ちで御浜小屋に溜まりだした。

様々なスキー板が並び、まるで試乗会のような状況となった。

ようやくガスが晴れてきたが、2時間の待機で時刻はもう正午になっていた。残念ながら新山を往復するのは時間的に厳しい。

目の前の鳥海湖に滑り込む。

鳥海湖のボトムから見上げる。次々と待機していたスキーヤーやボーダーが滑り込んでくる。

登り返す。もう一度、鳥海湖へ滑り込むことも考えたが、同行者のYが気乗りでないので、鉾立方向に戻ることにする。

日本海へ向かって滑る。

夏道寄りに入ってしまったので、白糸の滝を見下ろす断崖に出てしまった。

少し藪を漕いで夏道に出る。

夏道を少し下ると、雪の斜面に出た。このまま雪を繋いで鳥海ブルーラインまで滑れそうである。

途中に藪が濃いところがあったが、スキーを履いたまま抜けられた。

鳥海ブルーラインまで滑ることができた。

鳥海ブルーラインを歩いて鉾立に戻る。

20分ほどの歩きで鉾立に下山。

下山後の山あるあるであるが、すっかり天気は回復し、鳥海山はくっきりと姿を現していた。

遊佐にあるアポン西浜にて汗を流し、隣接するとりみ亭にて夕食を取った。私はアジフライ定食をチョイス。

同行者のYは名物のトンタン麺をチョイスした。
翌日は悪天予報だったので、ゆっくり1日使って帰路についた。無事帰宅して、のべ12日間の旅が終わった。今回の遠征で有料道路を利用したのは、近畿道松原IC〜名神京都東ICの往復分と、一般道が事故で通れなかったために利用した北陸道親不知IC〜朝日ICだけだった。あとは一般道か自動車専用道路の無料区間だけである。大雪の中での知床から留萌への300km以上の移動はキツかった。
予定では、北海道で6座、東北で4座の計10座の山を登って滑るはずだったが、天気に恵まれず、山頂に立てたのは3座のみだった。不満が残る結果ではあるが、それでも北海道で5座、東北で2座の計7座は滑ることができたのはよかったのかもしれない。一般的な雪山登山であれば、ピークハントに重きがあるだろうが、スキーは滑ることが一番の目的である。ピークハントに失敗しても、滑走は楽しめるのがスキー登山の利点であるだろう。若い同行者にも良い経験になったはずである。
今回のツアーの一番の目的は、海別岳、羅臼岳、知西別岳など知床の山を登って滑ることだったが、滞在中の知床の天気が悪く、滞在中に知床横断道路の開通はなく、斜里岳にしか行くことができなかった。年齢と体力のこともあるので、できるだけ早く、できれば来年にリベンジできればと思う。
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