November 26, 2023

立山下山後はワンゲル部山小屋へ

3年ぶりの11月立山初滑りから下山したら、奥美濃にあるワンゲル部山小屋へ移動した。

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立山駅から150kmほどを下道で移動してきたので、入舎したのは20時だった。早速、スーパーで購入したアンガス牛ステーキ肉を焼いて、下山後の後夜祭を行った。

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晴天が続いていたが、山小屋の周囲にはうっすらと積雪が残っていた。

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山小屋への林道にも積雪があったが、四駆スタッドレスタイヤならば問題はなかった。

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問題は小屋の水の出が悪いことだった。水源から引いているのだが、水道管内に空気が入ったためか、ちょろちょろとしか出ない。翌週末に冬仕様への維持作業が予定されているが、その際に空気抜きを行う。そこで水量が回復すれば、安心して本格的な冬を迎えられる。

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山小屋の近くで、3年ぶりにナメコを見つけた。この木ならば来年も発生しそうだ。しばらく雨が少なかったためか、ナメコは乾燥気味でヌメリがなくなっていた。

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乾燥ナメコは水に浸けるとヌメリは戻り、上等なナメコになった。むしろ乾燥していたことで、質が維持されていた感じがする。

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3年ぶりの11月の立山初滑り

以前は毎年の恒例行事だった11月の立山初滑りであったが、ここ数年は雪不足とタイミングが合わずで、行けないことが多かった。今シーズンも暖冬予想でほぼ諦め状態ではあったが、良い具合に雪が降ってくれた。これは行くしかないと、大学の授業調整日の休講日を利用してワンゲル部主将と一緒に滑りに行くことにした。3年ぶりの11月の立山は、パック気味でパウダーとは言い難かったが、板が走る比較的滑りやすい雪で、今シーズンの幸先よいスタートを切ることができた。

【日程】2023年11月21日(火)〜22日(水)
【山域】北ア立山
【場所】立山
【メンバー】ワンゲル部主将、マメゾウムシ
【天候】快晴
【装備】テレマーク1、スプリットボード1
【コースタイム】
11/21 室堂10:18〜みくりが池温泉10:43-11:00〜雷鳥荘11:13-26〜滑走〜浄土橋11:39-11:59〜雷鳥沢右岸尾根2490m付近13:08-34〜滑走〜浄土橋13:43-57〜雷鳥荘14:34〜みくりが池温泉15:00
11/22 みくりが池温泉8:02〜浄土山10:15-40〜滑走〜浄土沢2390m付近10:55-12:09(周辺滑走)〜室堂12:43

以前は毎年の恒例行事だった11月の立山初滑りであったが、ここ数年は雪不足とタイミングが合わずで行けずにいた。今シーズンも暖冬予想でほぼ諦め状態ではあったが、良い具合に雪が降ってくれたこともあり、急遽、これは行くしかないと判断した。ちょうど大学の授業調整日として休講日だったこともあり、ワンゲル部主将もご一緒したいという。ちょうどよい機会なので、平日の休講日2日間を利用して、私としては3年ぶりとなる11月の立山へ、ワンゲル部主将と一緒に滑りに行くことにした。

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前夜に立山駅に到着し、そのまま車中泊で朝を迎える。天気は予報通りに良さそうだ。

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始発のケーブルカーは8時40分発だが、始発の20分前に切符売場が開く。この時期は立山駅発は当日券のみしかないため、切符を買うために並ばねばならない。平日だったこともあり、それほど待たずに切符を買うことができた。

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改札前に富山のテレマーカーのYさんと会う。2月24日にテレマークスキーのイベントをスキージャム勝山で開催する予定だが、その主催にYさんとも関係していることもあり、軽くその件について話ができた。Yさんは今日は日帰りとのことで、すぐに雪山に行ける環境は羨ましい。

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室堂に到着する。雲1つない快晴で、気温も高めで、いきなり暑さを感じたので、アウターを脱ぐ。意外と雪は締まっている。

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今宵の宿であるみくりが池温泉に立ち寄って、余計な荷物をデポする。

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雷鳥沢へ向かうことにする。

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今シーズン最初の滑りは、雷鳥荘下の斜面、通称ゲレンデであった。パウダーではなかったが、比較的滑りやすい雪だった。

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浄土橋を渡る。この時期は簡易な板と補助ロープだけで、水量もそこそこあり、結構スリルがある。

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剱御前岳方面に向けて登る。初日は寝不足、そして高所ということもあり、調子はいつもながらに悪い。おまけに暑いぐらいで、アウターだけでなく、その下のウェアも脱ぐ。雪崩リスクがあるので、谷地形の急斜面は避けたいが、すでに雷鳥沢の中には源頭部からシュプールがついていた。

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スピードは上がらないが、マイペースでゆっくり登る。若い主将には離されていく。

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標高2490m付近で主将が休んでいたので、本日はここまでとする。

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正面に白山が眺められた。

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パック気味だが、板が走る比較的滑りやすい雪だった。問題は体力で、休みながら出ないと滑れない。滑り終わったら、すでにヘロヘロであった。

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滑った斜面を振り返る。浄土橋を渡ると、この時期にいつも一緒になるRSSAのYさんにお会いする。浄土橋からはシールをつけて、みくりが池温泉までキツい登り返しだった。

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みくりが池温泉からの日の入り。

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宿に戻ったら、早速、入浴して、一杯始める。

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みくりが池温泉は夕食が豪華だが、以前と比べると、品数が少なくなったような。夕食後はRSSAのYさんも交えて、二次会となった。夕食後はお酒の販売はないとのことで、持参したお酒が無くなったところで宴は終了となった。比較的健全な宴ではあった。

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2日目もよい天気であった。気温も高めであるが、前日ほどではない。

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凍ったみくりが池が朝日で輝く。本日は浄土山へ登って滑ることにする。

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前日に雄山の西面でサイズ2の雪崩があり、そのデブリが浄土沢まで流れ込んでいた。

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浄土山のボウルに入ったところで、RSSAのYさんと一緒になる。

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浄土山への最後の急斜面を登る。1晩過ごして、体が高所に順応したようで、前日ほどの体のキツさはないが、体力不足ではあることは間違いない。

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浄土山の山頂部からは剱岳が拝めた。

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浄土山からの滑りは、Yさんとのセッションになった。いつも滑るボウルの中は硬そうだったので、比較的雪がよかった登ってきた斜面を滑った。

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そのまま浄土沢へ滑り込む。浄土沢もよい雪であった。

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標高2390mのブル道が通っているところまで滑った。主将はもう1本登り返す。主将が滑って戻ってきたところで、今回の滑りは終了とし、室堂へ登り返すことにした。

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ちょっと早いが、13:30発の高原バスでの下山となった。次は春にまた立山へ来るだろう。

3年ぶりの11月の立山は、パック気味でパウダーとは言い難かったが、板が走る比較的滑りやすい雪で、幸先のよい今シーズンのスタートを切ることができた。これからの本格的なシーズンインに向けて、体力も上げていきたい。

YouTubeにアップした今回の記録動画です。滑走シーンはこちらをご覧ください。

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November 07, 2023

ワンゲル部山小屋をベースにして秋の散策と宴

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11月はじめの三連休は、奥美濃にあるワンゲル部の山小屋に滞在していた。例年は、10月末か11月のあたまに山小屋に滞在して、周辺でキノコ狩りを行っていた。以前はナメコがよく採れたのだが、ナラ枯れの終息と共に2020年を最後に全く採れなくなった。ムキタケやクリタケなどのナメコ以外のキノコも以前ほどは採れない。昨年はキノコの発生時期に山小屋に入舎しなかったのだが、現在、山小屋周辺ではキノコはどのような発生状況にあるか、ナチュラリストとしては興味がある。そこでキノコの採れる場所の新規開拓を目的に、2年ぶりに山小屋周辺にてキノコの発生状況を調べることにした。

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山小屋に入舎すると、お出迎えがいた。玄関前にヒメネズミの死体が横たわっていた。しばらく人が入らなかったので、食べるものがなくて餓死したのだろうか。死体は屋外に埋葬となった。

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お出迎えはまだいた。大量のカメムシが窓にたかっていた。越冬のために山小屋内に侵入したようだが、例年に比べると、圧倒的に個体数が多い。カメムシが大量発生すると大雪になるという言い伝えがあるようだが、科学的根拠はない。それでもスキーヤーとしては、そうなることを願いたい。夜になるとカメムシが灯りに向かって飛んでくるので、夕食中はカメムシが体にたかるし、食器に飛び込んだりで実にたいへんであった。うっかり手で掴んでしまうと、臭い匂いが手についてしまう。殺虫剤で殺しても、次々に新手が飛び出してくるのでキリがない。厳冬期もストーブを焚くと、カメムシが飛び回りそうである。

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そんなお出迎えがあったが、まずはキノコ狩りに行くことにした。山小屋から近い場所ではキノコの収穫は期待できないので、探索範囲をいつもより広くすることにした。山小屋周辺の紅葉はピークを過ぎた感じである。

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まず見つかったのはイグチ系のキノコ。名前がわからなかったので、これは採らなかった。あとで写真から同定したところ、チチアワタケのようだ。チチアワタケならば毒キノコなので、採らなくて正解だった。

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沢沿いに探してみたところ、まずは枯木にムキタケが見つかった。

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倒木にヒラタケも見つける。山小屋周辺でヒラタケを採ったのは初めてである。とりあえずは新規開拓は成功と言えよう。

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溪では、繁殖期を向かえたイワナがペアリング中であった。

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山小屋のすぐ下にある小渓でも、イワナがペアリングしていた。

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本日の収穫である。人数的には充分な量である。

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きのこ鍋にして美味しくいただいた。

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越前大野の地酒が進んだ。

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翌朝は、残った鍋にうどんを入れて朝食とした。

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翌日は、山小屋から少し離れたところにもキノコを探しに行ってみた。

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山小屋へアクセスするための林道上にクマの新しい糞があった。前日には確認していないため、おそらく前日の夕から今朝にかけて排泄されたものと思われる。この林道を夜間に走行中に、実際にクマを目撃したこともある。山小屋周辺に生息するクマは、どうも夜間に活動している感じがする。暗くなってからの行動は注意が必要だ。

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ナラタケが見つかったが、この時は同定に自信がなかったので採らなかった。

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クリタケを見つける。他にはムキタケが採れた。

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幹が屈曲した木に腰掛けるうワンゲル部員。

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裏山である毘沙門岳のピークにも登ってみた。マイナーな山だけあり、連休にもかかわらず、登山者に会ったのは一組だけだった。おかげで静かな山歩きが楽しめた。結局、最も採りたかったナメコは最後まで見つからなかったのだが。

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October 24, 2023

横谷の岩場:ワンゲル部のクライミング講習

毎年、秋に行っているワンゲル部のクライミング講習を、今年も河内長野市の横谷の岩場にて行った。横谷の岩場へのアクセスは、河内長野駅から滝畑ダム行きのバスに乗り、滝尻で下車する。バス停から横谷の岩場の取付点までは、歩いて15分ほどである。

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講習内容は昨年と同じで、最初に初心者向きのゲートロックにて、岩登りの基本技術を練習する。この講習会の目的は、本格的なクライミングのためというよりも、経験の少ない1回生に、一般登山にて遭遇する岩場などの危険箇所を安全に通過するための基本的な岩登り技術を身につけさせることにある。上級生がリードで登り、トップロープ確保のための支点をセットする。

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1回生はクライミングを初めて経験するので、岩への足の置き方ができていない。つま先だけで岩角に立つように指導し、三点確保での登下降を練習してもらった。

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最初のうちは、岩にしがみつく感じで、足の置き方も悪く、危なげな登り方であった。何度か練習しているうちに、岩から体を離せるようになっていき、クライミングらしくなっていった。

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慣れてきたところで、次は少々グレードをアップしたルートに挑戦してもらう。

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凹角箇所の乗っ越しが、下からはハング気味で少々難しい。

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試行錯誤しながらも、なんとか突破した。

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14時を過ぎたところで、ゲートロックでの練習を終了し、近くにあるゴジラの背びれ岩に移動した。朽ちた倒木にナラタケモドキが発生していた。

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ゴジラの背びれ岩は簡単な岩尾根である。上級生は、ゴジラの背びれ岩にて、マルチピッチクライミングの練習も行った。課題はロープワークのスムーズさであった。少々作業が遅い。ロープワークについて、普段から練習しておくことが必要だろう。

下級生は別行動にて、ゴジラの背びれ岩の一般ルートから、奥立岩の上にあるピークの奥立山へ登ってもらった。一般ルートと言っても、急登や岩場があるので、慣れない1回生にはよい練習になる。急な箇所や危険箇所にはロープがフィックスされている。奥立山からは、踏み跡を一徳坊山からの登山道と合流する地点まで辿ってもらう。この箇所は地形図に道が示されていないので、地図読み練習にはよい。下級生はさらに南海高野線の三日市長駅まで歩いて帰ってもらった。なかなかよい歩行練習になったに違いない。

上級生たちは、ゴジラの背びれ岩でのクライミングを終えたら、往路を滝尻バス停に戻った。バス停に着いのは、17時20分だったが、すでに辺りは暗くなりかけていた。日照時間がどんどん短くなっていくこの時期は、下山時間に注意する必要がある。ワンゲル部員たちにとって、暗くなるまで練習した1日であった。

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打ち上げは、回転寿司にて。お酒が進んだ。

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October 03, 2023

滝畑 上山谷:ワンゲル部の沢登り訓練

今シーズン2回目となる滝畑の上山谷を、ワンゲル部員3名と遡行してきた。水量は少なめだったので、全滝直登に挑戦した。残念ながら10mハング滝だけは登れなかったが、しっかり成長していたワンゲル部員たちであった。

【日程】2023年10月1日(日)
【山域】生駒・金剛・和泉
【渓谷名】大和川水系 石川 上山谷
【メンバー】ワンゲル部主将、F、O、マメゾウムシ
【天候】曇り時々小雨
【コー スタイム】滝畑登山口10:13〜上山谷入渓地点(3m滝下)10:20〜2番目のゴルジュ下11:59〜最後のゴルジュ上13:54〜木材集積所14:13-31〜滝畑登山口15:12

上山谷は、河内長野市を流れる石川の滝畑ダム湖のすぐ上流にある支流である。今シーズンは、6月にワンゲル部員のYukaと遡行している(2023年6月25日の記録)。今回は、沢登りの初級から中級へグレードを上げたい主将と2回生のFのために、中級レベルの沢のエントリー沢である上山谷をチョイスした。新人のOがそこに加わることにより、上級生が下級生をしっかりサポートできるかをみることもできる。水量が少なめの予想であるので、できれば全滝の直登にも挑戦したい。そんな事情から、ワンゲル部員たちの沢登り訓練を目的として、上山谷に挑むことにした。

河内長野駅から滝畑ダム行きのコミュニテイバスに乗り込むと、天気があまり良くないにもかかわらず、中学生や高校生ぐらいの若い乗客でいっぱいだった。どうやら中学校と高校の山岳部かワンゲル部と思われる団体が2つ重なったようだ。彼らが大学へ進学しても、登山を続けてくれることを期待したい。

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岩湧山の登山口前で沢支度を行う。昨夜から降っていた雨は止んでいたが、気温は22℃と低かった。この日から10月となり、この時期の気温としてはこんなものかもしれないが、つい最近まで日中は30℃を越えていたこともあり、少々肌寒く感じた。

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石川にかかる車道の橋を渡ると、左に階段がある。この階段を登った狭い通路を進むと、アルミ製の足場と手すりのある通路になる。

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そのまま通路を進んで行くと、橋となって上山谷を横切るので、橋を渡った所から上山谷に入渓する。

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入渓地点には3m滝があり、早速ゴルジュの様相から始まる。

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3m滝を登る。

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4m滝が現れる。流心を登れるが、上部が庇状になっており、ザックが引っかかる。念のためロープで確保して登る。

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最初のゴルジュを抜けたところにある5m滝は、いつもは流心から離れた右壁を登っていたが、今回は直登に挑戦した。残置ハーケンがある流心の左側を主将がリードする。無事に突破し、後続が登る。見かけよりは簡単に登れた。

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すぐに10m洞窟滝が現れる。滝裏に入るワンゲル部員。この滝は手前の左の壁を登って、上部バンドをトラバースして滝上に抜ける。

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流れが2つに分かれて、両方に滝がかかる。左の流れに進む。

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スギヒラタケが大量に発生した古いスギの倒木があった。

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左の流れには、2段10mの斜滝がかかる。分かれた流れは滝上で合流する。

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3mのナメ斜滝を登る。ヌメリはなく、ラバーソールの沢靴で快適に登れる。

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2つめのゴルジュの入口にかかる5m斜滝は、右を登る。

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ゴルジュの奥には10mハング滝がかかる。主将が直登にトライするが、曇りで時々小雨がパラつく天気だったこともあり、シャワーの冷たさと水圧に絶えられなかった。真夏であれば、行けたかもしれない。無理はせず、高巻くことにする。このハング滝が今回唯一登れなかった滝であった。

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ハング滝は少し戻った所から左岸を高巻いた。高さがあるので、ワンゲル部員については念のためロープで確保した。

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3m滝を越える。

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穏やかな渓相に変わる。

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倒木が多くなり、倒木の間を掻い潜りながら進む。

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巨岩で埋まった沢の先に、3つめのゴルジュの入口が見えてきた。

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ゴルジュ入口は2mトイ状滝だが、深い釜をもつ。釜を腰上まで水に浸かりながら、滝に取り付く。

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ゴルジュの奥には4m滝がかかる。ここはシャワーを浴びながら正面突破する。

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3m滝を越えて、最後の核心部であるゴルジュを抜ける。

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しばらく進むと、3m滝が現れる。ここもシャワーを浴びながら越える。

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ミニゴルジュの様相となる。

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ミニゴルジュが終わると平凡な流れになり、木材集積所跡が現れる。ここで遡行終了となる。

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しっかり遡行したワンゲル部員たち。

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あとは作業道を下山するだけである。途中、倒木や崩れた箇所はあるが、基本的に道を見失わなければ問題はない。最後はダイトレに合流して、すぐに集落に出る。

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帰りのバスの時刻まで1時間あったので、滝畑湖畔観光にてビールを飲みながら時間を潰した。

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堺に戻ったら、打ち上げへ。

全滝直登に挑戦したワンゲル部員たちであったが、残念ながら10mハング滝だけは登れなかった。課題のロープワークについては、スムーズにできるようになっていて、合格点だった。しっかり成長していたワンゲル部員たちであった。

YouTubeにアップした記録動画です。

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September 27, 2023

テンカラ釣りファイナル:ホームの奥美濃にて今シーズンの納竿

土曜日が秋分の日だった先週末は、奥美濃にあるワンゲル部山小屋をベースに、今シーズンの渓流釣りの納竿を行った。奥美濃方面は相変わらずの渇水で、テンカラ釣りには厳しい状況だった。

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土曜日は、山小屋通い初期の頃に開拓したS谷に久しぶりに行ってみた。S谷は小さな藪沢で、A谷を開拓するまではプライベート釣場にしていた。S谷には、かろうじてテンカラ竿を振れる箇所はあるが、上から竿を振れないことが多いので、弓矢式に毛鉤をポイントに入れることの方が多い。そんなテンカラ師泣かせの谷ではあるが、魚影は濃い。

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水量がそこそこある下流部ではぼちぼち釣れた。

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S谷のイワナはオレンジ色がかった個体が多い。しかし上流部では渇水が酷く、イワナは毛鉤をじっくり見てくるので、なかなか厳しかった。それでも短い行程の中で、トータルで7匹ぐらいは釣れたのでよい方であった。

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日曜日は、フライマンのSくんと新規開拓でM谷へ行ってみた。M谷も藪沢で、渇水であるのは同じだった。

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この谷はイワナの谷と思っていたが、渋い状況の中でようやく釣れたのは、なんとアマゴだった。

2人で2匹ずつのアマゴを釣って終了となった。石徹白方面も禁漁が近くなると競争が激しくなり、釣果は厳しくなるが、来シーズンはもう少し早い時期に入ってみたい谷である。平水であれば、もう少し釣れるだろうし、イワナも釣れるはずだ。

これで今シーズンの納竿となったが、多くのイワナやアマゴたちと遊んでもらった。魚たちには感謝である。沢登りの方もそろそろ登り納めとなる。いよいよ次はスキーシーズンの到来となるが、はたして雪は降ってくれるだろうか。

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September 26, 2023

南アルプス 信濃俣河内 3日目:稜線への詰めと長い下山(1700m幕営地〜茶臼岳〜畑薙第1ダム)

信濃俣河内の3日目の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

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いよいよ最終日である。この日は稜線への詰めと長い下山が待っている。長い1日となりそうだ。最終日の朝も焚火を熾すことから始まった。結局、全ての炊事は焚火で行い、ガスを使うことはなかった。

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ちょっと出発が遅れて、7時18分に出発となった。

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幕営地を出発してすぐに5m滝から始まる小滝の連瀑となる。下流部に比べると水量が少ないため、ヌメった岩が多くなる。ラバーソールの沢靴では滑ることが多くなるが、足の置き方さえしっかりしていれば、なんとか進める。この連瀑が魚止となっているようで、連瀑の上ではイワナの魚影は見なかった。

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この滝のヘツリで釜にドボンしてしまう。朝からの水泳で、一気に目が覚めた。

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斜面では、オスジカが草を食んでいた。

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小滝はつづく。

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小滝の連瀑が終わると、正面に3段の15m滝が現れる。

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3段15m滝は左岸から巻く。

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巻きは容易であった。

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2000m二俣は左俣へ進む。

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2段10m滝が現れる。

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2段10m滝は右岸から高巻く。

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高巻きを終えると、今度は10m滝が待っていた。10m滝の高巻きは、滝の下が二俣になっているので、まずは左俣を少し登ってから、右へトラバースしていく。

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10m滝の高巻きを終えて、沢に戻ると、一気に源流部の様相となる。

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そのまま詰めていくと、

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源頭となる。

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流れがなくなったら、いよいよ最後の詰めに入る。シカ道を利用して登るが、斜度があって息が上がる。キツい登りが続く。

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最後はハイマツを少し漕いで、

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正午過ぎに、希望峰と仁田岳の間の稜線に出ることができた。残念ながら山々は雲に覆われて、展望はなかった。沢装備を解除したら、5時間以上と思われる長い下山が待っている。仁田岳を往復してきたと思われる軽装の女性登山者が、休憩中の我々の前を通って行った。

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希望峰を通過する。

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最後の詰めで疲れ切った重い足で茶臼岳へ登る。今回の最高地点であったので、Yukaと記念撮影をする。山頂には登山者が1人休んでいた。

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茶臼岳からは下りメインとなる。茶臼小屋への分岐を過ぎる。シルバーウィークでありながらも、南アルプスの最深部ということもあり、すれ違う登山者は少なく、たいへん静かな下山であった。

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茶臼小屋を通過する。ここで1泊したいところだが、要予約らしい。テン場でくつろぐ登山者を横に見ながら、下降を続ける。

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樹林帯に入ると、急下降が続く。下りは若者には勝てない。

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横窪沢小屋を過ぎ、危うい橋で横窪沢を対岸に渡る。

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ウソッコ沢非難小屋手前で、橋を渡る。沢には滝がかかる。ウソッコ沢避難小屋に着いた時には時刻は17時を過ぎていた。覚悟はしていたが、ヘッデン下山となることは間違いない。ヤレヤレ峠への登りに入ったところで、ヘッデンを点ける。ここからヤレヤレ峠までは、沢の遡行で疲れた足にはしんどい登りとなる。この登りで、私はヘトヘトである。若いYukaは余裕があるのか、ヒルに献血のサービスまでもしていた。誰も来ないと思っていたら、後ろからヘッデンの灯りが近づいてくる。

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その灯りは、我々がヤレヤレ峠に着いたところで追いついた。1人の男性で、格好的にトレイルランナーのようだったが、どうやらTJARコースの試走をしているようだ。私もトレイルランニングの経験はあるが、アキレス腱の故障があるので、もう山は走れない。大いに頑張ってほしいものである。

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ヤレヤレ峠からは下りになり、畑薙大吊橋までは15分ほどだった。前真っ暗の中で畑薙大吊橋を渡ったが、幸いなことに、下は暗くて何も見えなかったので、高度感は感じずに済んだ。沼平駐車場に着いたのは20時であった。下山に7時間以上もかかってしまった。最終日の移動距離は16.3km、行動時間は13時間15分、累積標高差は上り1153m、下り1896mと、ハードで長い1日であった。

できればその日のうちに汗を流しかったが、温泉はすでに営業時刻を過ぎていたので入れなかった。疲労で長距離の運転も厳しい。コンビニで夕食とビールを買って、道の駅なかかわね茶茗舘で車中泊をすることにした。7年前の敗退の時も、ここで車中泊した。なかなか暑くて寝付けなかったが、疲労もあり、朝方には寝入ってしまった。

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翌朝は、静岡県の磐田市にある朝5時から営業している磐田ななつぼしで汗を流した。朝風呂時間帯の入館料は500円で、土日祝日料金よりも150円安かったのは有り難かった。おかげでは気持ちよく帰路につけた。

信濃俣河内は、久しぶりに2泊を要するハードな沢登りであったが、無事に遡行できたことで、7年前のリベンジができたという達成感は大いにあった。信濃俣河内は南アルプスの入門沢とはいえ、やはりアルプスの沢だけあり、沢のスケールは大きかった。徒渉、登攀、ヘツリ、巻き、ルーファイなどそこそこの総合力が要求された。私はもう還暦近い歳なので、これからはハード系よりもまったりした沢泊を楽しみたいが、いずれにしても体力の維持が課題だ。同行のワンゲル部前主将のYukaにとっては、初めてのアルプスでの沢登りだったこともあり、たいへん良い経験になったのではないかと思う。一方で、信濃俣河内で釣れたイワナがすべて白斑のある個体ばかりで、純系のヤマトイワナに会えなかったのは残念であった。ほとんどの個体はヤマトイワナとニッコウイワナのハイブリッドなのだろう。大峰の弥山川ではヤマトイワナ系統であるキリクチには出会ったことはあるが、南アルプスや木曽御嶽山など東海地方で太平洋に流入する河川では、まだ純系のヤマトイワナにはお目にかかったことがない。ヤマトイワナを探し求める沢旅もぜひ行ってみたい。

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南アルプス 信濃俣河内 2日目:核心部を越える(オリタチ沢出合〜第2ゴルジュ〜第3ゴルジュ〜西沢出合)

信濃俣河内の2日目の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。

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5時に起床し、焚火を熾し、お湯を沸かす。若いYukaはなかなか起きてこない。Yukaが起きてきたところで、コーヒーを入れる。米は前日に多めに炊いておき、朝は残ったご飯をお茶漬けにしてしまうのが手っ取り早い。目の前の流れの中を泳ぐイワナを見ながらの朝食タイムだった。

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7時過ぎに幕営地をスタートする。この日は核心部である第2ゴルジュと第3ゴルジュを越える。若い山仲間がここから1日で稜線に抜けて下山したらしいが、トレランをしていた10年前の私ならまだしも、還暦近いこの歳では無理なことである。

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すぐに両岸が狭まり、ゴルジュの様相となる。いよいよ第2ゴルジュの始まりである。

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第2ゴルジュは第1ゴルジュよりも狭く、壁も高いため、険悪な様相で、恐怖すら感じる。

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すぐに水線通しの突破が難しい箇所が現れる。巻くならば、第2ゴルジュは全巻きとなってしまう。

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右の壁に残置スリングがかかっている。かなり悪そうだが、ここをロープを出して登るしかなさそうだ。ここのリードはYukaに任せる。Yukaが空荷で登って突破し、カムで支点を構築した。まずは Yukaのザックを上げて、それから私が確保されて登った。反対側にはクライムダウンでなんとか下りることができた。

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あとは、狭い廊下をほぼ水線通しに、ヘツったりなどして進むことができた。

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最後の出口の滝は、釜が深そうだったので、どう突破すべきか迷ったが、右側(左岸側)の水中にはスタンスがあり、ヘツって回り込むことができる。しかし滝右の岩を越えるにはスタンスがほしい。まずはYukaを岩の上へ押し上げて、上からYukaにスリングを下ろしてもらい、それを頼りに突破した。後で写真を確認すると、右岸側に残置スリングがかかっている。このスリングを頼りに突破しているパーティーもいるようだが、かなり難しいようだ。2人いるならば、左岸側からショルダーなどで突破する方が楽だろう。第2ゴルジュは険悪ではあったが、距離は短く、1時間15分ほどで突破できた。

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次は第3ゴルジュであるが、その前に待望の釣りタイムを設けた。テンカラ釣りにて最初に釣れたのは、外見的には白斑のあるニッコウイワナだった。入れ食いというほどではなかったが、25cm以上の良型ばかりがそこそこ釣れる。

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いきなり強い引きが。上がったのは、35cmの尺イワナだった。この個体も白斑はあるが、ヤマトイワナとニッコウイワナのハイブリッドだろうか。

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Yukaも調子よく釣っている。

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Yukaも尺イワナを釣り上げた。これもハイブリッドだろうが、ヤマトイワナらしさがある。

いつまでも釣っていると先に進めないので、1時間ほどで釣りタイムは終了とした。ここではまだ午前中ということもあり、全てリリースとした。

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しばらく進むと、両岸が狭まってきて、再びゴルジュの様相と化す、いよいよ第3ゴルジュへの突入である。

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水流の強そうな小滝が現れる。

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この小滝は、右の岩の間を倒木を潜りながら上に抜けた。

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深い釜をもつ小滝も右から越える。

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第3ゴルジュは距離が長い。

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正面に1条の大きい滝が現れたが、左からも、もう1条の滝があった。2条15mぐらいの滝であった。右岸のルンゼ上方にフィックスロープがあったので、そこから高巻くことにした。

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2条15m滝の高巻きは、フィックスロープのところから高度感のある嫌らしいトラバースになる。念のためロープを出して通過することにし、落口に出る。

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続く2m滝とCS3m滝は左岸から高巻いたが、

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高く上がりすぎてしまい、

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2回の懸垂下降で沢に戻った。第3ゴルジュは第2ゴルジュほどの険悪さはなかったが、高巻きが嫌らしかった。

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その後もヘツりあり。

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7m滝は右から越える。

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第3ゴルジュも終了となり、その通過に3時間ほどを要した。

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西沢出合から夕食用の釣りタイムとする。

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すぐに泣尺サイズのイワナを釣り上げる。ヤマトイワナらしさはあったが、白斑はあるので、ニッコウイワナとのハイブリッドだろう。食べる分だけの4匹のイワナを釣り上げた。次は幕営地探しだ。

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西沢出合から少し進んだ標高1700m地点に幕営適地があったので、そこで2日目の行動を終えることにした。ツエルトを設営し、薪を集めたら、早速、焚火を始める。前日もそうだったが、薪は結構乾いているようで、すぐに火がついた。イワナは前日と同じく2匹は塩焼きに、もう2匹は刺身にし、残ったあらはあら汁とした。

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前日の残りの日本酒とジム・ビームが今宵のお酒であった。

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にわか雨に備えてタープも張ったが、結局雨は降らなかった。適度に酔いがまわったところで就寝とした。2日目の移動距離は7.6km、行動時間は8時間14分、累積標高差は519mだった。核心部の通過ということで、距離はあまり進めなかった。

南アルプス 信濃俣河内 3日目につづく

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南アルプス 信濃俣河内 1日目:7年前のリベンジ(畑薙第1ダム〜第1ゴルジュ〜オリタチ沢出合)

信濃俣河内は南アルプスの入門沢である。7年前にその遡行を計画したが、渓時に滑落して、お尻を岩に打ち付けて負傷した。それでも第1ゴルジュの手前までは行ったみたが、とてもそれ以上は進めずに敗退した。今回、その7年前の敗退のリベンジを果たしたが、信濃俣河内はさすがにアルプスの沢だけあり、スケールは大きく、徒渉、登攀、ヘツリ、巻き、ルーファイなど総合力が要求される沢だった。

【日程】2023年9月15日(金)〜17日(日)
【山域】南アルプス
【渓谷名】大井川水系 信濃俣河内
【メンバー】Yuka、マメゾウムシ
【天候】9/15 曇りのち晴れ、9/16 晴れ、9/17 晴れのち曇り
【コー スタイム】
9/15 沼平駐車場6:59〜林道信濃俣線入口7:19〜信濃俣大吊橋下降点7:52〜埋まった堰堤9:01〜アシ沢出合10:17〜三俣11:33-52〜オリタチ沢出合15:59〜1270m小屋跡16:05(泊)
9/16 1270m小屋跡7:14〜第2ゴルジュ入口7:31〜第2ゴルジュ終了8:46〜第3ゴルジュ入口10:46〜西沢出合14:17-32〜1700m15:28(泊)
9/17 1700m7:18〜2000m二俣9:09〜稜線12:08-50〜希望峰12:59〜茶臼岳13:47-14:08〜茶臼小屋14:30〜横窪沢小屋16:09-15〜ウソッコ沢避難小屋17:17-32〜ヤレヤレ峠18:37-43〜畑薙大吊橋19:11〜沼平駐車場20:04

信濃俣河内については、7年前に遡行を計画したことがある(2016年8月の記録)。その時は、入渓時に滑落して、お尻を岩に打ち付けて負傷した。それでも第1ゴルジュの手前までは行ったみたが、怪我の痛みと歩行への支障で、とてもそれ以上は進めずに敗退した。今回はその7年前のリベンジと、大井川水系ということで純系のヤマトイワナに出会うことも目的とした、愛弟子のワンゲル部前主将のYukaをパートナーにして、親子ほどの歳の差ペアで挑戦することにした。当初の天気予報では、午後はにわか雨の予報が出ていたが、そこは自分の晴れ男ぶりを信じることにした。

前日の18時に堺を発ち、新東名の島田金谷ICで高速道路を下りる。畑薙第1ダムまでは下道で87kmもある。畑薙第1ダムの沼平駐車場にはトイレがないので、車で1時間ほど手前にある道の駅奥大井音戯の郷で車中泊とした。車中泊といっても、翌朝は4時起床なので、3時間ほどの仮眠程度であった。

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6時を過ぎたぐらいに沼平駐車場に到着し、共同装備の振り分け、パッキングを行って、沼平駐車場をスタートできたのは7時であった。

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20分ほどダム湖沿いの車道を歩き、ダムを対岸に渡る。

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林道信濃俣線に入る。

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林道を30分ほど歩くと、吊橋へ下降する踏み跡があるので、そこを下る。

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吊橋は渡らずに、そのまま踏み跡を沢まで下る。7年前と同じく、ここには水流がなかった。

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7年前は水流が現れるまで結構歩いた気がするが、今回はすぐに水流が現れた。7年前の方が渇水だったのだろう。埋まった堰堤を越える。

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アシ沢出合を越える。下流部にこの辺りは結構水圧が強かったので、2人でスクラムを組んで徒渉を繰り返した。水量があるため、岩にヌメリはなく、ラバーソールの沢靴で快適に歩けた。

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西河内沢出合を越える。三俣の手前で、幕営準備をしている釣人3人パーティーと会ったが、シルバーウィークの1日前の平日がスタートだったこともあり、沢の中では他には誰も会わなかった。後でわかったことだが、この時の釣人3人のうちの1人は、8年前に富士山の山頂でお会いし、一緒に小御岳流しをスキーで滑ったヂュンさんであった(2015年5月30日の記録)。

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廊下状を経て、7年前に撤退した地点である三俣に到着する。この三俣を越えると、いよいよ未知の領域である第1ゴルジュに入る。

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次第に両岸が狭まり、ゴルジュ状となる。いよいよ第1ゴルジュへの突入だ。

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すぐに現れた深い釜をもつ2m滝は、左岸を高巻くことにした。

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2m滝の巻きでのトラバースが嫌らしく、途中からロープを出して、最後は懸垂下降で沢に戻った。釜の右をへつるか、泳いで越えるのが正解だったようだ。この高巻きで、だいぶ時間を無駄にした。

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行ける限りは水線を進むことにする。

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大岩がある。

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ヘツリもあり。

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またヘツって。

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4m滝。

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登れなそうな滝は巻く。

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また滝を巻く。

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4m滝が現れる。

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4m滝は左を登る。

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第1ゴルジュをようやく抜ける。第1ゴルジュを抜けるのに4時間を費やした。

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オリタチ沢出合を越えると、右岸に半壊した小屋があり、幕営適地となっていた。時刻も16時を過ぎていたので、1日目はここで泊まることにする。ツエルトを設営し、薪を集めると、もう17時を過ぎていた。すでに暗くなりかけていたが、テンカラ竿をもって食糧調達へ行くことにした。

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最初は駄目かとも思ったが、何とか短時間で4匹のイワナを釣り上げた。暗くなるとイワナは毛鉤には反応しなくなるようで、暗い林冠の下では釣れず、釣れたのはまだ明るいオープンな場所だった。毛鉤も黒い色の毛鉤では釣れず、釣れたのは派手な色の毛鉤に変えてからだった。写真の一番上のイワナだけにはヤマトイワナらしさはあったが、基本的にどの個体も白斑のあるニッコウイワナの外見であった。大井川水系ということで、ヤマトイワナの純系を期待していたのだが、ほとんどの個体がニッコウイワナとヤマトイワナのハイブリッドなのだろう。これで夕食のおかずと酒のアテを確保でき、一安心ではあったが、ヤマトイワナの純系でなかったのは残念だった。

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イワナ2匹は焚火で塩焼きにする。薪は湿り気味とも思ったが、比較的すぐに火はついた。

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残りのイワナ2匹は刺身にし、残ったあらはあら汁にした。ザックには缶ビールを2本入れていたが、無理なパッキングで1本に穴が空いていた。防水袋の中にビールが溜まっていた。もったいないことをした。そんな訳で、ビールは1晩目で飲み干してしまった。塩焼きで残った骨はさらに焼き直して、日本酒の熱燗に入れて骨酒とした。

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適度に酔いがまわったところで就寝した。1日目の移動距離は17.2km、行動時間は9時間4分、累積標高差は560mだった。水平移動の長い1日目だった。

南アルプス 信濃俣河内 2日目につづく

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September 13, 2023

奥美濃石徹白のナメ天国:保川支流遡行〜岩巣越〜牧川下降

奥美濃の石徹白にある登山道のないマイナーピークである岩巣越(いわすごし)1286.9mに、沢遡行・沢下降にて行ってみた。遡行下降に使った沢には、美しいナメ天国が存在したのだった。

【日程】2023年9月10日(日)
【山域】奥美濃
【渓谷名】九頭竜川水系 保川支流(無名沢)・牧川
【メンバー】ワンゲル部前主将、マメゾウムシ(OMUNWV部)
【天候】晴れ
【コー スタイム】駐車地点(保川林道・朝日添川林道分岐付近)7:50〜保川林道入渓地点9:00-9:40〜保川支流出合9:57〜支流遡行〜岩巣越12:05〜牧川下降〜林道合流14:03〜駐車地点15:08

私が顧問をしているワンダーフォーゲル部の山小屋があることから、奥美濃の石徹白を沢やスキーのホームにしているが、遡行したことのない沢はまだある。今回は、ワンゲル部前主将が久しぶり沢に行きたいというので、1日目は釣り目的にて、2日目は沢登りにて、新規の沢へ行ってみることにした。1日目の記録についてはすでに報告済みだが、2日目に選んだ沢登りルートが、登山道のないマイナーピークである岩巣越(いわすごし)1286.9mを踏む、保川の支流と牧川の周回ルートである。噂によると、奥美濃の沢上谷と言ってもよいぐらいに美しいナメがあるらしい。

7時過ぎに山小屋を出発する。車高の低い私の車では、林道の奥まで入るのは怖いので、保川林道と朝日添川林道が分岐する橋の近くに車を駐めた。車高の高い車であれば、牧川出合近くの橋にある駐車スペースも利用できる。

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7時50分に駐車地点を出発し、保川林道を1時間10分ほど歩くと、大きめの沢が林道を横切る。この沢の橋の上で、沢装備を装着する。

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橋の左岸上流側から橋の下へ下りる。

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沢を下降していくと、すぐに堰堤状の2m滝が現れる。この滝はクライムダウンする。

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さらに下降していくと、保川の本流に出る。

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さらに保川本流を下っていくと、左岸に支流からの5mの滝がかかる。この支流が遡行する沢であるが、名前はついていないようだ。この5m滝はシャワーを浴びながら直登する。

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5m滝の上はゴルジュ状となり、8m滝がかかる。ここもシャワーを浴びながら直登する。渇水でも結構シャワーを浴びるのに、水量が多い時期だと、かなり苦労しそうな箇所である。結構滑っているので、ラバーソールでは少々怖い。

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その上の2m滝は落口付近がイヤらしかったので、右岸から巻いたが、直登の方が安全だったかもしれない。

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3m滝は右寄りを登り、ゴルジュを抜ける。いきなり出だしからシャワーを浴びるゴルジュで緊張感を強いられた。

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階段状4m滝。

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2m滝。

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8m滝を直登で超える。

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ナメもある。

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多段の滝15mと奥に幅広10m滝。

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幅広10m滝は右岸から巻いた。

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ナメが美しい。

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2m滝を登る。

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15m滝が現れる。直登できそうではあったが、無理せずに右岸から巻いた。これが最後の滝であった。

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源頭部はナメであった。

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最後の詰めはルンゼに入り、少々の藪を漕いで、

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岩巣越1286.9mの3等三角点を見つけることができた。

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三角点からは藪漕ぎをしながら西方向へ進み、

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それほど苦労することなく沢に出た。

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最初のうちは、水流がいったん無くなったり、藪が濃かったりとショボいが、下降していくにつれて、次第に枝沢が合流して沢らしくなっていった。

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ナメも現れる。ナメ滝4mは、ヌメリがあってラバーソールでは結構滑るので、草木を掴みながら下る。

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目の前に三角形の大きな岩が現れる。この三角岩より下流部は水量が増える。

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ハング4m滝が現れて、右岸から巻き下りる。

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凄いナメが現れる。規模は沢上谷より小さいが、充分に奥美濃の沢上谷と言ってよい立派で美しいナメである。

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まさにナメ天国である。

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ナメをヌメリに注意しながら下降していくと、橋らしきものが現れるが、これが林道合流地点であった。

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あとは沢沿いの林道を下降していく。沢を覗くと、まだナメは続いているようだった。林道は保川林道に合流し、駐車地点に戻ることができた。

奥美濃の沢は林道や登山道を使えないところが多く、帰りは沢下降をせざるを得ないが、別な沢を下降する場合は、基本的にササが濃いので藪漕ぎにかなり苦労する。このルートは、藪漕ぎがさほどキツくないという点では、なかなか魅力的なルートと言えるだろう。

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