November 04, 2020

Apple Watchを活用した登山とワークアウト

これまでランニングなどのワークアウトの記録に使っていたガーミンのランニングウォッチ(ForeAthlete 910XTJ)に、いろいろとガタが出てきました。購入してから7年経つのですが、充電器の爪が折れたり、電源のスイッチボタンが取れたり、ワークアウト時にGPSの位置情報をつかめなくなるなど、いつご臨終してもおかしくない状態ながら、ごまかしごまかし使っていた。最近では、新しい機能をもつランニングウォッチや、ワークアウトにも充分に使えるスマートウォッチも発売されていることから、ついに買い換えることにした。そこで選んだのは、Apple Watch series 6だった。普段使っているパソコンもスマホもApple製ということもあるが、ランニングだけでなく、日帰り登山や、普段の生活と健康維持にも使えるなど、オールランドさが決め手だった。早速、日帰り登山と普段のワークアウトに使ってみたので、使い勝手を報告したい。

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まず、日帰り登山として歩いてきたのは、千早本道から金剛山に登り、紀見峠までダイヤモンドトレイルを縦走するという定番コース。

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山頂付近の紅葉はちょうよく、気温も12℃と暖かいハイキング日和だった。記録の詳細については、ヤマレコの方にアップしてあるので、そちらを見てほしい。このブログでは、Apple Watchの使用レポートのみについて触れることにする。

Apple WatchではApple Watch版のヤマレコアプリを使った。ヤマレコアプリはApple Watch版単体では使えず、iPhone版アプリとの連携が必要である。アプリの使い方については、こちらに紹介されているので、参考されたし。動画での解説もあるので、以下にあげておいた。

使い方ガイドにあるように、事前に地図のダウンロードが必要である。iPhone版アプリで地図を取得し、その地図をApple Watch版アプリに転送しておかなければならない。無料プランでダウンロードできる地図は2つまで。さらに別な地図を取得したい場合は、すでにダウンロードしてある地図を削除すれば、新たにダウンロードできる。有料のプレミアムプランでは、地図を無制限にダウンロードできる。

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最初に、iPhone版アプリで地図を選んで、「登山開始」ボタンを押す。それからApple Watch版アプリを起動させて、「地図表示」ボタンを押すと、上の写真にあるように国土地理院の地図が表示される。Apple Watch側では登山開始/終了の制御はできない。地図の拡大縮小は、デジタルクラウンを回すことでできる。地図をタップすると、歩行時間、移動距離、標高が表示される。あらかじめ予定ルートを入れておくと、予定ルートから外れた場合に、警告の通知がApple Watchにも通知される。現在地を確認するために、いちいちiPhoneやGPS専用機を出したりする必要がないのは便利である。

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iPhone版アプリで写真を撮りながら歩き、登山を終了すると、自動的に山行記録の下書きがヤマレコにアップされる。それによって作成された山行記録はこちら。上の写真のようにSNSなどで記録を共有することもできる。

6時間程度のトレッキングだったが、登山終了時のApple Watchのバッテリー残量は50%程度だった。長時間行動となった場合には、バッテリーがもつかが少々危惧されるが、通常の日帰り登山では充分にもちそうだ。宿泊山行の場合は、所要日数分の充電が可能なモバイルバッテリーが必要となるだろう。

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そのような場合にはガーミンのGPS専用機をメインに使うことになるので、あくまでApple Watchは補助的なものと考えればよいだろう。

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Apple Watchの文字盤は変更することができる。今、好んで使っている文字盤はインフォグラフというもので、「コンプリケーション」を8つも表示できる。「コンプリケーション」というのは、文字盤上にアプリの情報を素速く確認できる機能のことで、タッチすれば素早くアプリにアクセスできる。上の写真は登山で使う場合の文字盤で、コンプリケーションは、左上がHeartWatchで心拍数を表示、右上がボイスメモで、沢登りでの滝の高さなどを記録するのが目的、左下は方位と高度表示、右下はBatteryPhoneでiPhoneとApple Watchのバッテリー残量を表示、上サブダイヤルはアクティビティ、左サブダイヤルがヤマレコ、右サブダイヤルが血中酸素ウェルネス、下サブダイヤルがワークアウトと配置した。

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Apple Watch series6から血中酸素ウェルネスが測定できるようになった。医療用に使うレベルではないが、参考程度には使えそうなので、高山病の予防には役立つかもしれない。一般的に96%〜99%が標準時の値で、90%以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態(呼吸不全)だそうだ。

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Apple Watchの紹介ついでに、登山で使えるスマホアプリを1つ紹介したい。登山中に見えている山を同定したいと思うことがあるだろうが、山座同定アプリでそれができる。私が使っているのはPeak Finderというアプリだが、山の同定はもちろん、山名入りの写真も撮ることができる。上の写真は中葛城山付近で見える風景で、大峰の山々が見えているのがわかる。

 

次に、普段のワークアウトでのApple Watchの使い勝手について報告したい。7月にアキレス腱炎になり、夏の間は走れない状態だったが、9月からランをぼちぼち再開している。アキレス腱炎は完治したわけではなく、先日のトレッキングでも終盤に痛みが出てしまった。トレーニングをやりすぎるとアキレス腱炎を再発させてしまうし、やらないと体力が落ちてしまう。アキレス腱炎を悪化させずに、うまく体力の向上を図るという駆け引きが続いている。よって以前のように長い距離は走れないし、スピードも出せない。トレーニングの頻度もアキレス腱の状態を見ながら決めている。アキレス腱に痛みが出ていれば休養する。

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上の写真は、Apple Watchにプリインストールされているワークアウトアプリを使ったワークアウト時の表示画面である。上から、経過時間、心拍数、直近1kmのペース、1kmの平均ペース、走行距離が表示されている。心拍数は、以前のランニングウォッチのように心拍計を胸に装着せずに測れるのがよい。これまで使っていたランニングウォッチと同じか、それ以上のことができる。フルマラソンまでならば、バッテリーも充分にもちそうである。それ以上の距離のウルトラマラソンやトレランレースだとバッテリーは持たないだろうが、今後はそのようなハードなレースには参加することはないだろうから問題はないと思われる。

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上の写真は、普段の生活とワークアウト時に使っているApple Watchの文字盤である。コンプリケーションには、左上にHeartWatchで心拍数を表示、右上に気象状況、、左下にタイマー、右下にストップウォッチ、上サブダイヤルにカレンダーでスケジュール表示、左サブダイヤルにアクティビティ、右サブダイヤルにミュージック、下サブダイヤルにワークアウトを表示させている。AirPodを使えば、ミュージックを操作して、聴きながらワークアウトができるので快適である。文字盤を左右にスライドすれば、文字盤の変更も簡単にできる。

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ワークアウトの記録は、上の写真のようにiPhoneのフィットネスアプリから確認できる。ヤマレコアプリで取ったトレッキングの記録も表示されている。

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屋外ランニングの記録をタップすると、さらに詳細が表示される。

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iPhoneのヘルスケアアプリにもワークアウトが記録される。いつの間にか最大酸素摂取量も測定されていた。40〜59歳の男性の最大酸素摂取量の基準は35ml/kg/分なので、51.7という数値はそれよりも高い。

ランニングや登山に専門的に使いたいのならば、専門的なランニングウォッチやGPS専用機の方がよいのは確かだ。一方で、日常生活も含めてオールラウンドに使いたいというのであれば、Apple Watchも充分に選択肢になる得るだろう。特にiPhoneユーザーであれば、Apple Watchは普段の生活とワークアウトをかなり快適なものにさせてくれるにちがいない。

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December 06, 2019

大阪マラソン2019:4年ぶりのフルマラソン

4年ぶりで3回目の大阪マラソンを走ってきました。

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結果は
ネットタイム:4:15:27
グロスタイム:4:17:15

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完走はしたが、これまで続けてきたサブ4は達成できず。

4年前よりも1kmあたり30秒は遅くなっているし、30kmを過ぎてからの失速がひどかった。
ランニングウオッチは30kmを過ぎたあたりでGPSからの位置情報を取得できなくなり、ペースがわからなくなるという状況も発生。
おまけにトイレが我慢できず、トイレタイムで時間ロス。
ここで緊張の糸が途切れてしまった。
それでもOさんの応援は嬉しかった。
一時的に元気が復活した。

長期的な視点で見ると、4年のブランクと、加齢による衰えも原因か?

今回の記録は過去ワーストかというと、2012年3月に参加した篠山マラソンが4時間20分でワーストだった。
この時はスキーシーズン中だったので、充分な走り込みができなかった。

今回は、2週間前に風邪を引き、1週間前に立山初滑りで、直前の調整に問題があったのは確か。
そもそもフルマラソンの記録よりも立山初滑りを優先するということで、大阪マラソンにエントリーしたのだった。

そういう訳で、まだ加齢のせいにはせず、次回はサブ4復帰を目指すことにします。

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どちらかというと、記録よりもこちらの方が...

動画を編集して、YouTubeにアップしました。

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October 29, 2015

大阪マラソン2015

先週末は2年ぶり2回目の大阪マラソンを走ってきました。

結果は
ネットタイム:3:48:51
グロスタイム:3:52:40
順位:4951位(出走者30,459人、完走者29,700人)

最初から記録は狙わず、マイペースで楽しんで走ろうと思っていました。
それがよかったのか、終盤でもそれほどペースを落とすことなく、これまでに参加したフルマラソンでは最も楽に走れた感じです。
35kmぐらいまではキロ5分台前半、35km過ぎからはキロ5分半から5分代後半。
いつもは記録を意識して前半をキロ4分台で飛ばしすぎてしまい、後半に大失速していました。
タイムは記録狙いで走ったときのベストタイムと、今回の記録とは3分ほどしか違わなかった。
フルマラソンではペース配分が重要なのですね。

受付は空いている金曜日のうちに。

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谷川真理さん、瀬古利彦さん、福島和加菜さんが対談していました。

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本番はUTMBのTシャツで!

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スタート前の緊張の瞬間!

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フィニッシャーメダル!

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これで気持ちを完全にスキーモードに切り替えられます!

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December 01, 2014

ランニングinしまなみ海道 & 忘年会

先週末は、テレマークスキークラブのサイクリング & 忘年会に便乗して、しまなみ海道を走ってきました。

テレマーカーに限らず、自転車でオフトレをするスキーヤーは多いのですが、私は自転車はやらないので、ランニングで参加しました。自転車とランニングではまったくスピードが違うし、走行距離も違ってくるので、一緒には当然走れません。私が走ったのは主に景色のよい橋の部分だけで、それ以外の箇所は自動車でサポートをしていただきました。こんなワガママを聞いて下さり、サポートして下さったbuichiさんには大変感謝です。

1日目は向島の市民センター駐車場から生口島まで渡って帰ってくる往復60kmの行程ですが、私はそのうちの27.4 kmをのんびりと休憩をいれながら走りました。

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大人数で自転車が走るのはなかなか凄い光景です。

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島と島を結ぶ橋には自転車・歩行者の専用道があり、入口はこんな感じです。

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まずは因島大橋を渡ります。

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この橋は車道の下の部分を走るようになっています。

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因島はかつては蚊取り線香の原料として用いられた除虫菊の栽培で有名だったそうだ。大学院生の時に受けた害虫学の講義でそんなことを聞いたのを思い出しました。現在はピレトリン類似化合物のピレスロイドが殺虫成分の主流となり、産業としての除虫菊の栽培は終了していますが、ここでは観光用にまだ栽培を継続しています。

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途中、車のサポートにより、ショートカットして生口橋へ。

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自転車部隊と一緒に渡ります。ここは車道と同じ高さに自転車・歩行者の専用道がありました。因島大橋以外はこんな感じです。

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生口島のすいぐん丸で昼食。豪華に刺身桶定食をいただきました。蛸飯付きです。

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自転車部隊は生口島を1周して往路を向島へ戻りましたが、私は途中をショートカットで、総距離27.4 kmを走りました。

夜は忘年会。テレマーカーにとっては今シーズンのスタートですね。

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夕食はこんなメニューでした。

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今シーズンの抱負を語りながら、深夜まで宴は続いたのでした。

翌日は、飲み過ぎてたとしても7時からの朝食はしっかりと取りました。

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大人数でお世話になりました。

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この日は、大三島の道の駅多々羅しまなみ公園まで車で移動して、そこから四国の今治までを往復します。

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本日最初の橋は大三島橋。

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軽く自転車に抜かれます。

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伯方の塩で有名な伯方島に渡りましたが、工場は大三島にあるそうです。道の駅で休憩。

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最後に渡るのは来島海峡大橋。

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しまなみ海道で最も長い橋になります。

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45分ほどで渡って、四国に上陸です!

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今治と言えば、バリー君ですね。

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来島海峡展望台に上がって、来島海峡大橋!

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天望館の前から低いアングルでもう1枚。

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この橋を再び走って渡って本州に戻りました。この後に多田羅大橋も走って渡る予定でしたが、雨が降り出したので終了としました。総距離17.6 kmほどのランでした。こういうロードランもいいですね!

自転車部隊も雨の中を全員無事にスタート地点の大三島に戻ってきました。近くの温泉で汗を流してから帰路につきました。

次に皆さんと会うときは雪の上かな!
今シーズンもテレマークスキーでのお付き合いよろしくお願いします。

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November 03, 2014

淀川市民マラソン:なんとか3時間台でゴール!

11月3連休の2日目に淀川市民マラソンに参加してきました。

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毎年1回はフルマラソンを走るのはすっかり恒例行事となりました。
冬山に向けての体力測定も兼ねています。

大阪マラソンにエントリーしていたのですが、抽選で落選したため、この大会にエントリー。
淀川市民マラソンは3年前に初めて参加したフルマラソンの大会でもありました(3年前の記録)。
だから、それなりに思い入れのある大会です。

今回はOSJ氷ノ山トレイルレースから2週間しかなかったというのはちょっと不安材料。
そのため目標にしていた3.5時間切りは無理と判断していました。
それでも最初は調子がよかったので、前半はキロ5分以内で走っていました。
それが20kmあたりからキロ5分代に落ち、30kmを過ぎたらキロ6分も維持できないほど失速。
やはり氷ノ山の疲れがまだ残っていたという感じでした。
それでもなんとか3時間台ぎりぎりでゴールできたので、冬山に向けての体力は大丈夫と判断します!

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ゴール後のビールは美味しくいただきました。

この大会のゲストランナーは毎回、Qちゃんこと、高橋尚子さんです。
ゴールの手前でQちゃんとハイタッチしてからゴールしました。

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これで年内のランイベントは終了。いよいよスキーモードに切り替えます!

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November 15, 2013

RUN+TRAIL Vol.6はUTMB特集

トレイルランニングの専門誌「RUN+TRAIL」の最新号は、私も参加したUTMB特集です。

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しっかり私のゴールシーンも掲載されていました。

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これからUTMBに参加しようというランナーにとっては、大変参考になると思います。

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November 02, 2013

大阪マラソン2013

1ヶ月以上ぶりの更新で済みません。
先週末は大阪マラソンに参加してきました。
抽選に2回続けて落ちて、3回目の応募にしてようやく通りました。
ただし、UTMBの疲れや10月の忙しさでベストな状態には持って行けず、平凡な記録でゴールしました。
グロスタイムは03:49:14、ネットタイムは03:46:26で、順位は2996位。
マラソン出走者は29,112人でした。
目標は3.5時間切りでしたが、遠かった。
1年に1回の体力測定として、今後もフルマラソンには出場していこうと思います。

まずは大会前日のインデックス大阪での受付の様子。

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スタートの大阪城公園。

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ゴールシーンの動画です。

さすがは大阪マラソンで、芸能人も多数出走し、マスコミも注目。
ゴール地点ではこんなイベントも。

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不本意な成績でも、帰宅したらもちろん!

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これで今シーズンのレースは全て終了です。
いよいよランからスキーにモードを切り替えます。
まずは立山初滑りに向けて、早く雪よ積もってくれ!

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September 11, 2013

テレマーカーのUTMB参戦記PART2(Courmayeur〜Chamonix)

テレマーカーのUTMB参戦記PART2(Courmayeur〜Chamonix)

Courmayeurの町からは、しばらくロードを登り、やがてトレイルに入る。このトレイルが結構な急登で、きついが、どんどん標高は上がっていく。一般トレッカーも結構いる。

CourmayeurからRefuge Bertoneまでの標高差800mを登り切ると、しばらくアップダウンがあまりない気持ちよいトレイルが続く。ただし、登りはまあまだ登れるし、下りは重力を使えるが、すでに80kmを走っている足には、フラットはフラットで走るのがきつい。

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このあたりではだいたいペースが同じメンバーが周囲を固めるようになり、同じ人たちと追いつ抜かれつとなる。基本的に登りは外国人の方が速く、どんどん抜かれていくが、彼らは下りは苦手らしく、抜き返すことができます。

抜き方ですが、基本的に外国人ランナー(主にフランス人?)は、背後に人がピタッとついても道を譲りません。彼らもそうしていますが、抜けるぐらいのスペースが横にできてから抜きます。いつまでもスペースができない場合は、一言言ってから抜きます。逆に、私の場合は、背後に付かれれば道を譲りますが、お礼も言わずに抜いていくランナー(主にフランス人?)が結構多いのには、ちょっと不愉快な気分になります。まあ、文化の違いもあるでしょうから、ここで不愉快になっても仕方がないところです。

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まるで北アルプスの高山帯を走っているようですが、ロバの糞が結構落ちているのが違うところです。

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イタリアの最後のチェックポイントであるArnuvaには家族が先回りして待っていました。ここは94.5km地点で、ようやく半分の距離を越えました。制限時間まで1時間半の貯金になりました。まあ、こんなペースで最後まで行ければよいのですが、もう少し貯金を増やして、大休止をするぐらいの余裕を持ちたいところです。次に家族に会えるのは、ゴールということで、休憩せずに先を急ぐことにします。

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Arnuvaからはコース上の最高地点である標高2537mのGrand Col Ferretへのきつい登りです。きついですが、景色は最高です。

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トレイル上には高山植物も咲いています。ゆっくり撮影したいところですが、そんな余裕はありません。

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Grand Col Ferretからはスイス領になります。ここからは登った以上の下りが続きます。太ももはすでにパンパンです。それでも下りはしっかり走り、La Foulyのチェックポイントでは、関門時間まで2時間の貯金ができていました。

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La FoulyからPraz de Fortまでは緩やかな下りとなります。

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Praz de Fortには特にエイドもなく、次のチェックポイントであるChampex-Lacへは標高差300mの登りとなる。途中で暗くなり、2晩目を迎える。

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Champex-Lacのチェックポイントは122.4km地点で、残りは45.3kmとなり、ようやくゴールが近づいてきているという実感がわきました。関門時間までの貯金は2時間15分ほどとなりましたが、まだこの先何が起こるかわかりません。このチェックポイントでもリタイアする選手が結構いました。ペンネやパンなど食糧と飲物をしっかり取り、シャモニまでの3つのピーク越えに備えます。Champex-Lacは湖のほとりにあり、昼だったら、さぞかし綺麗な所だと思います。

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2晩目の夜間走行はやはり試練の場でした。2つ目のピーク越えでは猛烈な睡魔に襲われました。眠りながら進む感じなので、ペースはかなり落ちました。なんとかCatogneのピークは越えたものの、下りは眠気で走れず、1回転けました。おまけに幻覚まで見る始末。岩や木などが人に見えたりしました。それでもなんとか気力だけで進みました。

Vallorcineのチェックポイントに着く前に夜が明けました。関門時間までの貯金は2時間ほどで、意外と貯金が減っていないことにホッとしました。ここからはいよいよ最後のピーク越えとなります。

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3日目も天気がよいです。最後のピークであるLa Tete Aux Ventsまでは標高差800mです。コーヒーをガバ飲みしたこともあり、眠気はなくなっていました。Cos des Montesまでは沢沿いの緩やかな登り。沢があると渓流釣り師の本能というか、つい魚影をチェックしてしまいます。結構、魚がいます。マスでしょうが、40cm以上のものもいます。竿を出せば、きっと入れ食いでしょうね。

Cos des Montesからは急な登りが始まります。時間は十分にあるので、焦らずに登ります。やはり登りは外国人に抜かれていきます。これだけの距離を走っていても、これだけ軽やかに登れるのは凄いと思います。日本人とは体の構造が違うような気がします。

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最後のピークに登るとモンブランが目に飛び込んできました。最高の景色が広がります。

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眼下にはシャモニの町です。ついに帰ってきました。

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ピークでは日本人ランナーが7人ほど集結。お猿さんのコスプレの有名人は取材を受けていました。

最後のチェックポイントであるLa Flegereで、気合いを入れます。後は下りだけ。十分に完走できそうです。

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シャモニの町を目指して、ラストスパートです。足はパンパンですが、ラストスパートができる余力は残っています。先行している選手をどんどんと追い抜き、ついにシャモニの町に入りました。沿道の声援が凄いです。この時だけは私もヒーローになった気がします。

ゴール手間では妻子が待っていました。一緒にゴールを目指します。かみさんは私のスピードに付いて来れないので、娘と一緒に走る。

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ついに完走しました。ゴールのシーンはインターネットでライブ中継されていて、なんと日本にいる友人が見ていたそうです。

現地時間12:07にゴール。記録は43時間36分59秒で、1226位でした。制限時間まで残り2時間23分でした。完走者だけがもらえるフィニッシャーズベストとともに記念撮影。

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ホテルに戻り、シャワーを浴びて、きれいな体になってから乾杯!

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缶ビール2本で眠りに落ちてしまいました。夕方にいったん目が覚めましたが、外食するパワーはなく、目の前のスーパーで買ってきた食材とお酒で、妻子にあらためて祝賀会をしていただきました。

決して速くはない、平均的なランナー。冬はテレマークスキーでのバックカントリースキーがメイン。そんなランナーでも、UTMBを完走できました。

一般ランナーにとってUTMB完走は決して夢ではありません。皆さんもぜひ挑戦してみて下さい!

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September 10, 2013

テレマーカーのUTMB参戦記PART1(Chamonix〜Courmayeur)

UTMBとはULTRA-TRAIL DU MONT-BLANCの略。フランスのシャモニを起点にモンブランの周囲をグルッとまわる総距離168km、累積標高差9618mのトレイルを、46時間以内に走破するというトレイルランニングレースの最高峰とも言える過酷なレースです。日本人選手では、2009年大会で鏑木毅選手が記録した3位が最高順位です。

バックカントリースキーのトレーニングとして3年前に始めたトレイルランニング。初めてレースに参加したのが、2010年10月の滋賀県朽木での20kmのレースでした。その翌年の2011年にはハセツネに参加。去年はオックスファムトレイルウォーカーと信越五岳で100km以上のレースも経験。成績は平均的でしたが、UTMB参加のためのポイントがたまったので、応募してみたら、なんと1年目に抽選に通ってしまいました。

慌ただしかったのですが、なんとか準備も間に合い、無事、シャモニの地を踏み、完走することができました。決して速くはない、平均的なランナーです。平均的なランナーならば、UTMB完走は決して夢ではありません。その私の完走記を参考に、皆さんもぜひ挑戦してみて下さい。

なお、UTMB参加選手の記録は以下のURLで検索することができます。

http://utmb.livetrail.net

私の順位がレース後半になるほど、だんだんと上がってきているのは、次々とリタイア者が出たからだと思います。完走率は例年50%ほどです。決して後半に飛ばしたわけではありません。

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テレマーカーのUTMB参戦記PART1(Chamonix〜Courmayeur)

UTMB当日の朝は見事な快晴で、シャモニも町からはモンブランがくっきりと見えていました。

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スタートは16時半なので、それまでのんびりと過ごす。スタート時間ぐらい前にドロップポイントのクールマイヨールに運んでもらう荷物を預けてから、スタート地点に向かいました。

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エントリー人数はおそらく2300人以上。スタート地点は選手たちでごった返していました。

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スタートしましたが、後部にいるので、なかなか進みません。町全体がお祭りモードで、沿道の建物からも声援が。

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しばらく進むとようやく走れるようになりました。100kmまでは控えめに行く予定でしたが、皆さんしっかり走っているので、私も周囲のスピードに付いて行くことにします。結構、日本人選手もいます。

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Les Houchesまではほぼ平坦でしたが、そこからはスキー場の登りになり、本格的なアップダウンが始まります。迷わず、ストックを使います。

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登りは走らず、下りだけ走ります。まだまだ始まったばかり、なによりも完走することが第一なので、体力温存策で行きます。途中に、日本人ボランティアが設けているエイドがあり、日本人選手にはおにぎりがもらえます。有り難いです。今回の私の行動食には秘密兵器としてアルファ米の赤飯があります。日本人はやはりご飯もので元気が出ますね。

スキー場を登り切って、下った所がSaint-Gervaisで、ここまでで3時間半が経過しましたが、まだ30.7km地点にしか過ぎません。気長に臨むしかありません。

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Saint-Gervaisを過ぎて、トレイルに入ると、日が暮れました。1晩目の夜間走行の始まりです。最初の関門であるLes Contaminesでは、制限時間まで30分しかなく、結構焦りました。

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エイドでの休憩時間は少なめにし、少しスピードアップすることにします。ここからは関門到着時間と制限時間との差を貯金として、それを少しずつ増やしていくことを目指しました。

Les ContaminesからイタリアのCourmayeurまでは標高2500前後のピークを3つ越えます。なかなかきついところでもあり、さすがに夜は結構冷えます。

1つめのピークを越えた後のLes Chapieuxからが、えらく眠くなってしまいました。2つめのピークへは眠りながら登っているような感じで、下りも同様な状態。

Lac Combalで夜が明けました。ここで関門時間までの余裕は1時間ちょっと。途中のLa Balmeでは1時間半の余裕ができていたのに、やはりペースダウンしていました。ここのエイドでは眠気覚ましにコーヒーを多めに飲みました。時間的にまだ余裕があるとは言えないので、先を急ぎます。

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下の写真は、まるで槍ヶ岳のように見えますが、イタリア側から見たモンブランに続く岩尾根の一部です。明るくなってきたのとコーヒーの効果もあり、この後はシャキッと復活して、ペースが戻りました。

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標高2409mの3つめのピークであるArete du Mont-Favreのチェックポイント。山頂部のチェックポイントはテントです。

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2日目も天気がよく、ヤナギランの咲く気持ちよいトレイルです。

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Col Checrouitのエイドで食べたハムは大変美味しかった。後は、ドロップポイントであるCourmayeurまで下るだけです。

コース全般的に言えることですが、グンと登ったら、同じだけグンと下る。また、急登を登り切ってようやくピークだと思ったら、まだまだ緩斜面がしばらく続くことも頻繁に。実に足へのダメージを大きくするコースです。森林限界以上のトレイルは、まるで北アルプスを走っているような感じで、トレイルは岩や石で硬めのところが多いですが、北アルプスと同様に高山植物が出迎えてくれます。ただ、ロバや牛などの家畜の糞が多いのは閉口します。

Courmayeurには家族が応援に来てくれていました。大会が運行するバスで、家族やサポーターは先回りすることができます。ここでドロップバッグから必要な装備を取り出し、不要な装備を預けます。ヘッドライトの電池を交換し、追加の行動食を詰め込む。Courmayeurの町はイタリアなので、雰囲気が明るく、フランスとはだいぶ異なる感じがしました。

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エイドで提供される食べ物はパンやパスタなどそれなりにお腹にたまるものなので、そんなに行動食を持つ必要はありません。私が自分で持った食糧で食べたのは、アルファー米の赤飯、ジェル4袋、アミノバイタルプロのゼリー4袋、ベスパプロ2袋、チョコレート半切れ程度でした。持っていたジェルの半分以上は残ってしまいました。飲物は、水、炭酸水、コーラ、スープ、コーヒー、紅茶が提供されます。コーラばかり飲んでいたので、お腹にガスが溜まり、おならが出まくりで困りましたが、結構、周りでおならをしているのを聞きましたので、私も遠慮無くすることにしました。

用足しですが、男性はトレイルの途中で、結構立ちションしていました。驚いたことに女性もトレイル上で用を足しているのを何度か目撃しました。一応、影に隠れてですが、完全に隠れきっていない場合も。基本的にトレイル上には家畜の糞が結構あり、そんなこともあり、人が外で用を足すことも家畜と同様な扱いのような感じがしました。

Courmayeur到着時点で、スタートから17時間ほど。関門時間までの余裕が1時間半でしたが、30分ほどいたので、貯金が元に戻ってしまいました。いよいよ後半戦に突入です。

テレマーカーのUTMB参戦記PART2(Courmayeur〜Chamonix)に続く

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May 15, 2013

トレイルウォーカー:スタート前・スタート後・ゴール後

オックスファム・トレイルウォーカーのスタート前です。チーム名は「Sports System B」です。

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もう1チームの「Sports System ど〜も」です。

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みんな元気です!
ちなみにSports Systemはスポンサー名です。

スタート後です。スタートは5月10日の9時です。

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芦ノ湖ではまだ走っています。富士山が見えていました。

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夜間走行になりました。

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チェックポイントで一休み。少々顔が疲れてきていますね。

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翌日の正午前になんとかゴールしました。

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終われば、当然ながら打ち上げ!
ど〜もチームは深夜にゴールしましたが、それでもまずは飲みます

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翌朝には別に動いていたCheers+!チームとそのサポーターもやってきて、一緒に記念撮影。

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選手とサポーターが一帯となって楽しめたイベントでした。
100km走る(歩く?)ことは楽ではありませんが、終了後の充実感と爽快感はなかなかのものです!

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