増水の前鬼川遡行
増水の葛川本流から転進した前鬼川。癒やし系のはずの前鬼川も増水で、いつもより難易度の高い遡行となった。
【日程】2025年7月19日(土)
【山域】大峰
【渓谷名】北山川水系 前鬼川本流
【メンバー】前主将、マメゾウムシ(OMUNWV部)
【天候】晴れ時々曇り
【コー スタイム】前鬼林道駐車地点8:21〜本流出合8:30〜2段10M滝下9:07〜箱状廊下10:38〜垢離取場11:41-12:16〜閼伽坂峠12:47〜小仲坊13:11〜駐車地点13:43
7月3連休は、暑い日にふさわしい泳ぎの沢に久しぶりに行きたくなった。同行者はワンゲル部前主将で、19-20日の2日間しか行けないということで、日帰りの沢を2箇所ほどハシゴすることにした。1日目は過去に2回遡行している大峰南部の葛川本流で泳ぎまくり、2日目は癒やし系の前鬼川でクーリングの計画だった。ところが、行く途中で通った熊野川が濁流と化していて、道路は濡れている。どうやら前日に結構の雨が降ったようだ。葛川本流の入渓地近くの橋の上から流れを見ると、濁流ではなかったが、増水しているようで結構流れが速い。泳ぎの沢で増水は死にに行くようなものである。急遽、1日目と2日目の予定をひっくり返し、前鬼川に行き先を変更した。前鬼川は過去に4回遡行しているが(2015年7月12日、2018年9月23日、2022年9月25日、2023年7月22日の記録)、その時の経験から多少の増水であればなんとか行ける。
前鬼川林道のゲート前の広場に8時過ぎぐらいに到着する。軽トラが駐まっていたが、雰囲気的には釣りのようである。その後、車が2台やってきて、我々の他に2パーティが前鬼川に入渓し、うち1パーティは泊まりで稜線に抜けるとのことだった。
我々が先に入渓し、黒谷を下降する。黒谷はさほど増水しているようには見えなかった。
前鬼川本流に出ると、過去一と言える水量の多さであった。
平水ならば自由に好きなように進めるところが、流れが速いので通れるところが限られてしまう。
1m滝も増水で、普通の流れのように見えてしまう。ここは左の岩の庇の下を通る。
流れも速い。ここは右を通過する。
2段10m滝である。釜がエメラルドブルーに輝く。平水であれば正面から滝を眺められるが、水量の多さと速い流れで正面に回れない。
2段10m滝はフイックスロープのある滝の右側を直登する。
2段10m滝の落口は迫力があった。
2段10m滝の上で対岸に渡る箇所があるが、ここの徒渉は水量が多い時はリスクが高い。過去に何回も死亡事故が起こっている。ここでの徒渉に失敗すると、2段10m滝まで流されてしまう。
我々は無難に左岸を高巻くことにする。高巻きの下降箇所にはフィックスロープがある。
高巻きを終えると、川幅いっぱいの120mのナメとな。平水ならばどこでも歩けるのだが、今回は流れが速いため、通る所を選ばざるを得なかった。下手したら2段10m滝まで流されてしまう。
小滝でさえも増水で迫力がある。
ここは泳いで突破できる箇所だが、右岸をヘツって通過する。
5m滝が現れる。
流れが速くて左岸に渡れないので、右岸を巻く。上へのフィックスロープはあるが、途中から右へトラバースした方が楽そうなので、念のためロープで確保した。
前鬼川のハイライトである箱状廊下が現れた。
晴れていると、流れがエメラルドブルーに輝く美しい廊下である。しかしながら、ここに来て雲が出て、陽が陰り始めたので、それほど鮮やかではなかった。
箱状廊下には四方から水が集まる。
箱状廊下の最上流部の落口。
箱状廊下を抜けると大岩帯となる。平水でも通れる所を探しながらになる箇所だが、増水によって通れる所がさらに限られてしまう。行き詰まって戻ったりと、ルーファイに苦労する。
5m斜滝が現れる。水量が多いので、かなりの迫力であった。
前主将はヌメった右の壁を越えたが、私は下方で流れを泳いで対岸に渡り、流れの左から越えた。
遡行終了予定の垢離取場に着いた。増水の前鬼川だったが、ここまでなんとか来ることができた。他の2パーティともここで一緒になった。泊まりのパーティはさらに上流へ進んで行った。
沢装備を解除して、垢離取場からは登山道にて下山する。白装束の修験者たちとすれ違ったが、女性が多かったのが興味深かった。顔がむずむずしていたので、触ってみると小さなヒルだった。雨上がりということもあり、この後はヒル祭りとなった。
閼伽坂峠まで登れば、あとは下りとなるが、小仲坊までは斜面のトラバースが大部分を占める。
小仲坊に出る。キャンプ客もいるようで、テントが数張りほど張られていた。
アキアカネ
スタートから5時間強ほどの行動時間で駐車場に戻った。まずはヒルチェックである。私は靴下の上から吸血されていた。被害はこの1匹のみだったが、前主将は2箇所ほど吸血されていた。登攀具や沢装備からもヒルが見つかった。車に持ち込むと、車の中で吸血される。車に乗る前にしっかりチェックすることが重要である。
下山後はきなりの湯で汗を流して、早めの夕食を取った。わらじチキンカツ定食はなかなかボリューミーであった。翌日の天気予報を確認すると、大峰周辺は天気がパッとしないらしい。水量の危惧もあり、泳ぎの沢である葛川本流の遡行は厳しいという判断で、そのまま帰路につくことにした。
今回は現地の降水量について完全に情報収集不足だった。紀伊半島南部は多雨地帯ということもあり、紀伊半島北部で降っていなくても、南部ではかなりの降水がある可能性もある。現地の天気状況を事前にしっかり把握しておくことが、大きな反省点であった。
今回の記録動画です。前鬼川を遡行したことがあれば、水量が多いのがわかると思います。



































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