過去2回遡行したことのある大峰のモジキ谷は、渇水ということもあり、スムーズに行けるかと思いきや、そう甘くはなかった。
【日程】2024年9月29日(日)
【山域】大峰
【渓谷名】十津川水系 川迫川 モジキ谷
【メンバー】Kくん(ワンゲル部1回生)、マメゾウムシ
【天候】曇り
【コー スタイム】観音峯登山口4:57~モジキ谷出合6:10-35~取水堰堤6:43~バリゴヤ谷出合8:31-40~大滝下9:39~ミズナラ(サワグルミ?)老木11:19~稲村ヶ岳13:30-59~稲村小屋14:22~法力峠15:13-23~母公堂16:01~観音峯登山口17:09
9月最後の週末は禁漁前の竿納めのつもりであったが、ワンゲル部員から沢の希望があり、日曜日に大峰のモジキ谷を遡行することになった。モジキ谷は天川村漁協の管轄で既に禁漁期間となっているため、これで今シーズンの納竿は東北遠征中の大深沢となってしまった。同行のワンゲル部員は沢ヤ希望の1回生1名である。
モジキ谷は過去に2回遡行したことがある(2015年10月4日と2019年8月18日の記録)。前回は5年前のことで、台風通過後に行ったこともあり、増水で少々手こずった記憶がある。
車が2台あれば、1台を下山口近くにデポし、もう一台で出合まで行くことができるが、今回は車は1台ということで、観音峯登山口を起点にすることにした。2.5時間ほど歩きが多くなるが致し方ない。長丁場となるため、まだ暗い早朝の5時に出発した。
御手洗渓谷を経由して、1時間少々でモジキ谷出合に到着する。ここで沢装備を装着する。天気はパッとしない予報だったが、ヤマテンでは大峰では天気がもちそうなエリアとなっていた。なんとか下山まで雨が降らずにもってくれることを願いたい。
出合からは左岸にある道を辿り、取水堰堤より入渓する。水量は少なく、渇水気味のようだ。今回はトラブルなくスムーズに行けるかもしれない。
すぐに現れる5m滝は左岸から巻く。
きれいなナメ。
廊下状の長淵はロープのある左岸から巻く。
長淵の先にある7m滝も一緒に巻く。
斜めバンド2m滝。
バンドをヘツリながら登るが、Kくん、取り付きでドボンする。
2条の滝だが、右は流れがチョロチョロ。左の斜滝から越える。
岩間4m滝で修行するKくん。左岸から巻く。
7m滝は左岸のお助けロープがあるところから巻く。
バリゴヤ谷との二俣は左俣へ進む。大きな岩が多くなる。
しばらく伏流となり、両岸が立ってくる。
モジキ谷最大の18m大滝が現れるが、渇水気味のため水量が少なくショボい。
大滝はお助けロープがかかった正面の支沢をしばらく登ってから巻く。
支沢から左側の草付きに取り付く。本流に復帰するが、高巻きで登り過ぎたので、大滝の上の7m滝も一緒に巻いてしまい、その落口に出てしまった。
上部はガスっている。斜度も急である。
4mチョックストーン滝の突破が難しそうだだったの、枝沢から巻いたが、復帰に懸垂下降を要した。
小滝は続く。
標高1400mの二俣にある老木は、遡行図ではミズナラの老木となっているが、実はサワグルミと思う。ここを左俣に進まなければならないところを右俣に入ってしまう。
右俣は全体的に急で小滝をいくつか超えてしまったため、戻るよりは稜線に抜けてしまう方が安全と思い、標高差100mほど登る。ところが、結構難易度が高い小滝が出てくる。ワンゲル部員には少々しんどい。小滝といえど、全体的にかなり急なため、落ちたらどこまでも転がって行ってしまうだろう。この先にどんな状況が待ち受けているのか少々不安である。詰んでしまう前に、尾根1つをトラバースして本来の谷に戻ることにする。草丈ほどの笹や、木を掴みながらトラバースし、最後は念のために懸垂下降で本来の谷に無事復帰できた。時間はだいぶロスしたが、一安心である。
小滝はまだ現れる。
途中、、テントにポール、袋に入ったシュラフが半分土砂に埋まった状態で散乱している。人も埋まっているのではとビビるが、人骨も腐敗臭もなし。帰宅してから調べてわかったことだが、2020年1月に遭難事故があり、その時に救助された人が残していったものらしい。
最後は草付きを詰める。
稲村ヶ岳に到着する。天気が良くないこともあり、他に登山者はいなかった。沢装備を解除し、ここからは一般登山道にて下山する。
法力峠と洞川温泉を経て観音峯登山口に無事下山した。詰めでの間違いもあり、今回は12時間行動という長丁場となってしまった。天気は1日パッとせず、時折小雨がパラつくことはあったが、何とか下山まで持ってくれた。
モジキ谷は標高差1000mを登るため、全体的に急で、最後はかなり急な詰めとなる。関西起点沢登りルート100ではグレード的には1級上だが、それはスムーズに行ってのことで、リスクは結構高い沢と思われる。車1台だと、余計に2.5時間も歩くことになるため効率も悪い。同行のワンゲル部員にとっては、詰めでの間違いから、いろいろと実戦的な経験ができた。この経験を今後の活動と安全登山に活かしてもらいたい。
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