ワンゲル部山小屋をベースにして秋の散策と宴
11月はじめの三連休は、奥美濃にあるワンゲル部の山小屋に滞在していた。例年は、10月末か11月のあたまに山小屋に滞在して、周辺でキノコ狩りを行っていた。以前はナメコがよく採れたのだが、ナラ枯れの終息と共に2020年を最後に全く採れなくなった。ムキタケやクリタケなどのナメコ以外のキノコも以前ほどは採れない。昨年はキノコの発生時期に山小屋に入舎しなかったのだが、現在、山小屋周辺ではキノコはどのような発生状況にあるか、ナチュラリストとしては興味がある。そこでキノコの採れる場所の新規開拓を目的に、2年ぶりに山小屋周辺にてキノコの発生状況を調べることにした。
山小屋に入舎すると、お出迎えがいた。玄関前にヒメネズミの死体が横たわっていた。しばらく人が入らなかったので、食べるものがなくて餓死したのだろうか。死体は屋外に埋葬となった。
お出迎えはまだいた。大量のカメムシが窓にたかっていた。越冬のために山小屋内に侵入したようだが、例年に比べると、圧倒的に個体数が多い。カメムシが大量発生すると大雪になるという言い伝えがあるようだが、科学的根拠はない。それでもスキーヤーとしては、そうなることを願いたい。夜になるとカメムシが灯りに向かって飛んでくるので、夕食中はカメムシが体にたかるし、食器に飛び込んだりで実にたいへんであった。うっかり手で掴んでしまうと、臭い匂いが手についてしまう。殺虫剤で殺しても、次々に新手が飛び出してくるのでキリがない。厳冬期もストーブを焚くと、カメムシが飛び回りそうである。
そんなお出迎えがあったが、まずはキノコ狩りに行くことにした。山小屋から近い場所ではキノコの収穫は期待できないので、探索範囲をいつもより広くすることにした。山小屋周辺の紅葉はピークを過ぎた感じである。
まず見つかったのはイグチ系のキノコ。名前がわからなかったので、これは採らなかった。あとで写真から同定したところ、チチアワタケのようだ。チチアワタケならば毒キノコなので、採らなくて正解だった。
沢沿いに探してみたところ、まずは枯木にムキタケが見つかった。
倒木にヒラタケも見つける。山小屋周辺でヒラタケを採ったのは初めてである。とりあえずは新規開拓は成功と言えよう。
溪では、繁殖期を向かえたイワナがペアリング中であった。
山小屋のすぐ下にある小渓でも、イワナがペアリングしていた。
本日の収穫である。人数的には充分な量である。
きのこ鍋にして美味しくいただいた。
越前大野の地酒が進んだ。
翌朝は、残った鍋にうどんを入れて朝食とした。
翌日は、山小屋から少し離れたところにもキノコを探しに行ってみた。
山小屋へアクセスするための林道上にクマの新しい糞があった。前日には確認していないため、おそらく前日の夕から今朝にかけて排泄されたものと思われる。この林道を夜間に走行中に、実際にクマを目撃したこともある。山小屋周辺に生息するクマは、どうも夜間に活動している感じがする。暗くなってからの行動は注意が必要だ。
ナラタケが見つかったが、この時は同定に自信がなかったので採らなかった。
クリタケを見つける。他にはムキタケが採れた。
幹が屈曲した木に腰掛けるうワンゲル部員。
裏山である毘沙門岳のピークにも登ってみた。マイナーな山だけあり、連休にもかかわらず、登山者に会ったのは一組だけだった。おかげで静かな山歩きが楽しめた。結局、最も採りたかったナメコは最後まで見つからなかったのだが。
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