奥美濃石徹白のナメ天国:保川支流遡行〜岩巣越〜牧川下降
奥美濃の石徹白にある登山道のないマイナーピークである岩巣越(いわすごし)1286.9mに、沢遡行・沢下降にて行ってみた。遡行下降に使った沢には、美しいナメ天国が存在したのだった。
【日程】2023年9月10日(日)
【山域】奥美濃
【渓谷名】九頭竜川水系 保川支流(無名沢)・牧川
【メンバー】ワンゲル部前主将、マメゾウムシ(OMUNWV部)
【天候】晴れ
【コー スタイム】駐車地点(保川林道・朝日添川林道分岐付近)7:50〜保川林道入渓地点9:00-9:40〜保川支流出合9:57〜支流遡行〜岩巣越12:05〜牧川下降〜林道合流14:03〜駐車地点15:08
私が顧問をしているワンダーフォーゲル部の山小屋があることから、奥美濃の石徹白を沢やスキーのホームにしているが、遡行したことのない沢はまだある。今回は、ワンゲル部前主将が久しぶり沢に行きたいというので、1日目は釣り目的にて、2日目は沢登りにて、新規の沢へ行ってみることにした。1日目の記録についてはすでに報告済みだが、2日目に選んだ沢登りルートが、登山道のないマイナーピークである岩巣越(いわすごし)1286.9mを踏む、保川の支流と牧川の周回ルートである。噂によると、奥美濃の沢上谷と言ってもよいぐらいに美しいナメがあるらしい。
7時過ぎに山小屋を出発する。車高の低い私の車では、林道の奥まで入るのは怖いので、保川林道と朝日添川林道が分岐する橋の近くに車を駐めた。車高の高い車であれば、牧川出合近くの橋にある駐車スペースも利用できる。
7時50分に駐車地点を出発し、保川林道を1時間10分ほど歩くと、大きめの沢が林道を横切る。この沢の橋の上で、沢装備を装着する。
橋の左岸上流側から橋の下へ下りる。
沢を下降していくと、すぐに堰堤状の2m滝が現れる。この滝はクライムダウンする。
さらに下降していくと、保川の本流に出る。
さらに保川本流を下っていくと、左岸に支流からの5mの滝がかかる。この支流が遡行する沢であるが、名前はついていないようだ。この5m滝はシャワーを浴びながら直登する。
5m滝の上はゴルジュ状となり、8m滝がかかる。ここもシャワーを浴びながら直登する。渇水でも結構シャワーを浴びるのに、水量が多い時期だと、かなり苦労しそうな箇所である。結構滑っているので、ラバーソールでは少々怖い。
その上の2m滝は落口付近がイヤらしかったので、右岸から巻いたが、直登の方が安全だったかもしれない。
3m滝は右寄りを登り、ゴルジュを抜ける。いきなり出だしからシャワーを浴びるゴルジュで緊張感を強いられた。
階段状4m滝。
2m滝。
8m滝を直登で超える。
ナメもある。
多段の滝15mと奥に幅広10m滝。
幅広10m滝は右岸から巻いた。
ナメが美しい。
2m滝を登る。
15m滝が現れる。直登できそうではあったが、無理せずに右岸から巻いた。これが最後の滝であった。
源頭部はナメであった。
最後の詰めはルンゼに入り、少々の藪を漕いで、
岩巣越1286.9mの3等三角点を見つけることができた。
三角点からは藪漕ぎをしながら西方向へ進み、
それほど苦労することなく沢に出た。
最初のうちは、水流がいったん無くなったり、藪が濃かったりとショボいが、下降していくにつれて、次第に枝沢が合流して沢らしくなっていった。
ナメも現れる。ナメ滝4mは、ヌメリがあってラバーソールでは結構滑るので、草木を掴みながら下る。
目の前に三角形の大きな岩が現れる。この三角岩より下流部は水量が増える。
ハング4m滝が現れて、右岸から巻き下りる。
凄いナメが現れる。規模は沢上谷より小さいが、充分に奥美濃の沢上谷と言ってよい立派で美しいナメである。
まさにナメ天国である。
ナメをヌメリに注意しながら下降していくと、橋らしきものが現れるが、これが林道合流地点であった。
あとは沢沿いの林道を下降していく。沢を覗くと、まだナメは続いているようだった。林道は保川林道に合流し、駐車地点に戻ることができた。
奥美濃の沢は林道や登山道を使えないところが多く、帰りは沢下降をせざるを得ないが、別な沢を下降する場合は、基本的にササが濃いので藪漕ぎにかなり苦労する。このルートは、藪漕ぎがさほどキツくないという点では、なかなか魅力的なルートと言えるだろう。
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