« 奥美濃石徹白のナメ天国:保川支流遡行〜岩巣越〜牧川下降 | Main | 南アルプス 信濃俣河内 2日目:核心部を越える(オリタチ沢出合〜第2ゴルジュ〜第3ゴルジュ〜西沢出合) »

September 26, 2023

南アルプス 信濃俣河内 1日目:7年前のリベンジ(畑薙第1ダム〜第1ゴルジュ〜オリタチ沢出合)

信濃俣河内は南アルプスの入門沢である。7年前にその遡行を計画したが、渓時に滑落して、お尻を岩に打ち付けて負傷した。それでも第1ゴルジュの手前までは行ったみたが、とてもそれ以上は進めずに敗退した。今回、その7年前の敗退のリベンジを果たしたが、信濃俣河内はさすがにアルプスの沢だけあり、スケールは大きく、徒渉、登攀、ヘツリ、巻き、ルーファイなど総合力が要求される沢だった。

【日程】2023年9月15日(金)〜17日(日)
【山域】南アルプス
【渓谷名】大井川水系 信濃俣河内
【メンバー】Yuka、マメゾウムシ
【天候】9/15 曇りのち晴れ、9/16 晴れ、9/17 晴れのち曇り
【コー スタイム】
9/15 沼平駐車場6:59〜林道信濃俣線入口7:19〜信濃俣大吊橋下降点7:52〜埋まった堰堤9:01〜アシ沢出合10:17〜三俣11:33-52〜オリタチ沢出合15:59〜1270m小屋跡16:05(泊)
9/16 1270m小屋跡7:14〜第2ゴルジュ入口7:31〜第2ゴルジュ終了8:46〜第3ゴルジュ入口10:46〜西沢出合14:17-32〜1700m15:28(泊)
9/17 1700m7:18〜2000m二俣9:09〜稜線12:08-50〜希望峰12:59〜茶臼岳13:47-14:08〜茶臼小屋14:30〜横窪沢小屋16:09-15〜ウソッコ沢避難小屋17:17-32〜ヤレヤレ峠18:37-43〜畑薙大吊橋19:11〜沼平駐車場20:04

信濃俣河内については、7年前に遡行を計画したことがある(2016年8月の記録)。その時は、入渓時に滑落して、お尻を岩に打ち付けて負傷した。それでも第1ゴルジュの手前までは行ったみたが、怪我の痛みと歩行への支障で、とてもそれ以上は進めずに敗退した。今回はその7年前のリベンジと、大井川水系ということで純系のヤマトイワナに出会うことも目的とした、愛弟子のワンゲル部前主将のYukaをパートナーにして、親子ほどの歳の差ペアで挑戦することにした。当初の天気予報では、午後はにわか雨の予報が出ていたが、そこは自分の晴れ男ぶりを信じることにした。

前日の18時に堺を発ち、新東名の島田金谷ICで高速道路を下りる。畑薙第1ダムまでは下道で87kmもある。畑薙第1ダムの沼平駐車場にはトイレがないので、車で1時間ほど手前にある道の駅奥大井音戯の郷で車中泊とした。車中泊といっても、翌朝は4時起床なので、3時間ほどの仮眠程度であった。

P9150001_20230926072501

6時を過ぎたぐらいに沼平駐車場に到着し、共同装備の振り分け、パッキングを行って、沼平駐車場をスタートできたのは7時であった。

P9150003

20分ほどダム湖沿いの車道を歩き、ダムを対岸に渡る。

P9150004_20230926072701

林道信濃俣線に入る。

P9150006

林道を30分ほど歩くと、吊橋へ下降する踏み跡があるので、そこを下る。

P9150007_20230926073001

吊橋は渡らずに、そのまま踏み跡を沢まで下る。7年前と同じく、ここには水流がなかった。

P9150009_20230926073301

7年前は水流が現れるまで結構歩いた気がするが、今回はすぐに水流が現れた。7年前の方が渇水だったのだろう。埋まった堰堤を越える。

P9150012_20230926075401

アシ沢出合を越える。下流部にこの辺りは結構水圧が強かったので、2人でスクラムを組んで徒渉を繰り返した。水量があるため、岩にヌメリはなく、ラバーソールの沢靴で快適に歩けた。

P9150013

西河内沢出合を越える。三俣の手前で、幕営準備をしている釣人3人パーティーと会ったが、シルバーウィークの1日前の平日がスタートだったこともあり、沢の中では他には誰も会わなかった。後でわかったことだが、この時の釣人3人のうちの1人は、8年前に富士山の山頂でお会いし、一緒に小御岳流しをスキーで滑ったヂュンさんであった(2015年5月30日の記録)。

P9150019

廊下状を経て、7年前に撤退した地点である三俣に到着する。この三俣を越えると、いよいよ未知の領域である第1ゴルジュに入る。

P9150022

次第に両岸が狭まり、ゴルジュ状となる。いよいよ第1ゴルジュへの突入だ。

P9150024

すぐに現れた深い釜をもつ2m滝は、左岸を高巻くことにした。

P9150025

2m滝の巻きでのトラバースが嫌らしく、途中からロープを出して、最後は懸垂下降で沢に戻った。釜の右をへつるか、泳いで越えるのが正解だったようだ。この高巻きで、だいぶ時間を無駄にした。

P9150028

行ける限りは水線を進むことにする。

P9150029

大岩がある。

P9150032

ヘツリもあり。

P9150034

またヘツって。

P9150038

4m滝。

P9150040_20230926080701

登れなそうな滝は巻く。

P9150042_20230926081001

また滝を巻く。

P9150043_20230926081001

4m滝が現れる。

P9150044_20230926080701

4m滝は左を登る。

P9150046_20230926081201

第1ゴルジュをようやく抜ける。第1ゴルジュを抜けるのに4時間を費やした。

P9150047_20230926081301

オリタチ沢出合を越えると、右岸に半壊した小屋があり、幕営適地となっていた。時刻も16時を過ぎていたので、1日目はここで泊まることにする。ツエルトを設営し、薪を集めると、もう17時を過ぎていた。すでに暗くなりかけていたが、テンカラ竿をもって食糧調達へ行くことにした。

Img_5748

最初は駄目かとも思ったが、何とか短時間で4匹のイワナを釣り上げた。暗くなるとイワナは毛鉤には反応しなくなるようで、暗い林冠の下では釣れず、釣れたのはまだ明るいオープンな場所だった。毛鉤も黒い色の毛鉤では釣れず、釣れたのは派手な色の毛鉤に変えてからだった。写真の一番上のイワナだけにはヤマトイワナらしさはあったが、基本的にどの個体も白斑のあるニッコウイワナの外見であった。大井川水系ということで、ヤマトイワナの純系を期待していたのだが、ほとんどの個体がニッコウイワナとヤマトイワナのハイブリッドなのだろう。これで夕食のおかずと酒のアテを確保でき、一安心ではあったが、ヤマトイワナの純系でなかったのは残念だった。

Img_5751

イワナ2匹は焚火で塩焼きにする。薪は湿り気味とも思ったが、比較的すぐに火はついた。

Img_5752

残りのイワナ2匹は刺身にし、残ったあらはあら汁にした。ザックには缶ビールを2本入れていたが、無理なパッキングで1本に穴が空いていた。防水袋の中にビールが溜まっていた。もったいないことをした。そんな訳で、ビールは1晩目で飲み干してしまった。塩焼きで残った骨はさらに焼き直して、日本酒の熱燗に入れて骨酒とした。

Img_5754

適度に酔いがまわったところで就寝した。1日目の移動距離は17.2km、行動時間は9時間4分、累積標高差は560mだった。水平移動の長い1日目だった。

南アルプス 信濃俣河内 2日目につづく

|

« 奥美濃石徹白のナメ天国:保川支流遡行〜岩巣越〜牧川下降 | Main | 南アルプス 信濃俣河内 2日目:核心部を越える(オリタチ沢出合〜第2ゴルジュ〜第3ゴルジュ〜西沢出合) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 奥美濃石徹白のナメ天国:保川支流遡行〜岩巣越〜牧川下降 | Main | 南アルプス 信濃俣河内 2日目:核心部を越える(オリタチ沢出合〜第2ゴルジュ〜第3ゴルジュ〜西沢出合) »