信濃俣河内の2日目の記録です。概要についてはこちらをご覧ください。
5時に起床し、焚火を熾し、お湯を沸かす。若いYukaはなかなか起きてこない。Yukaが起きてきたところで、コーヒーを入れる。米は前日に多めに炊いておき、朝は残ったご飯をお茶漬けにしてしまうのが手っ取り早い。目の前の流れの中を泳ぐイワナを見ながらの朝食タイムだった。
7時過ぎに幕営地をスタートする。この日は核心部である第2ゴルジュと第3ゴルジュを越える。若い山仲間がここから1日で稜線に抜けて下山したらしいが、トレランをしていた10年前の私ならまだしも、還暦近いこの歳では無理なことである。
すぐに両岸が狭まり、ゴルジュの様相となる。いよいよ第2ゴルジュの始まりである。
第2ゴルジュは第1ゴルジュよりも狭く、壁も高いため、険悪な様相で、恐怖すら感じる。
すぐに水線通しの突破が難しい箇所が現れる。巻くならば、第2ゴルジュは全巻きとなってしまう。
右の壁に残置スリングがかかっている。かなり悪そうだが、ここをロープを出して登るしかなさそうだ。ここのリードはYukaに任せる。Yukaが空荷で登って突破し、カムで支点を構築した。まずは Yukaのザックを上げて、それから私が確保されて登った。反対側にはクライムダウンでなんとか下りることができた。
あとは、狭い廊下をほぼ水線通しに、ヘツったりなどして進むことができた。
最後の出口の滝は、釜が深そうだったので、どう突破すべきか迷ったが、右側(左岸側)の水中にはスタンスがあり、ヘツって回り込むことができる。しかし滝右の岩を越えるにはスタンスがほしい。まずはYukaを岩の上へ押し上げて、上からYukaにスリングを下ろしてもらい、それを頼りに突破した。後で写真を確認すると、右岸側に残置スリングがかかっている。このスリングを頼りに突破しているパーティーもいるようだが、かなり難しいようだ。2人いるならば、左岸側からショルダーなどで突破する方が楽だろう。第2ゴルジュは険悪ではあったが、距離は短く、1時間15分ほどで突破できた。
次は第3ゴルジュであるが、その前に待望の釣りタイムを設けた。テンカラ釣りにて最初に釣れたのは、外見的には白斑のあるニッコウイワナだった。入れ食いというほどではなかったが、25cm以上の良型ばかりがそこそこ釣れる。
いきなり強い引きが。上がったのは、35cmの尺イワナだった。この個体も白斑はあるが、ヤマトイワナとニッコウイワナのハイブリッドだろうか。
Yukaも調子よく釣っている。
Yukaも尺イワナを釣り上げた。これもハイブリッドだろうが、ヤマトイワナらしさがある。
いつまでも釣っていると先に進めないので、1時間ほどで釣りタイムは終了とした。ここではまだ午前中ということもあり、全てリリースとした。
しばらく進むと、両岸が狭まってきて、再びゴルジュの様相と化す、いよいよ第3ゴルジュへの突入である。
水流の強そうな小滝が現れる。
この小滝は、右の岩の間を倒木を潜りながら上に抜けた。
深い釜をもつ小滝も右から越える。
第3ゴルジュは距離が長い。
正面に1条の大きい滝が現れたが、左からも、もう1条の滝があった。2条15mぐらいの滝であった。右岸のルンゼ上方にフィックスロープがあったので、そこから高巻くことにした。
2条15m滝の高巻きは、フィックスロープのところから高度感のある嫌らしいトラバースになる。念のためロープを出して通過することにし、落口に出る。
続く2m滝とCS3m滝は左岸から高巻いたが、
高く上がりすぎてしまい、
2回の懸垂下降で沢に戻った。第3ゴルジュは第2ゴルジュほどの険悪さはなかったが、高巻きが嫌らしかった。
その後もヘツりあり。
7m滝は右から越える。
第3ゴルジュも終了となり、その通過に3時間ほどを要した。
西沢出合から夕食用の釣りタイムとする。
すぐに泣尺サイズのイワナを釣り上げる。ヤマトイワナらしさはあったが、白斑はあるので、ニッコウイワナとのハイブリッドだろう。食べる分だけの4匹のイワナを釣り上げた。次は幕営地探しだ。
西沢出合から少し進んだ標高1700m地点に幕営適地があったので、そこで2日目の行動を終えることにした。ツエルトを設営し、薪を集めたら、早速、焚火を始める。前日もそうだったが、薪は結構乾いているようで、すぐに火がついた。イワナは前日と同じく2匹は塩焼きに、もう2匹は刺身にし、残ったあらはあら汁とした。
前日の残りの日本酒とジム・ビームが今宵のお酒であった。
にわか雨に備えてタープも張ったが、結局雨は降らなかった。適度に酔いがまわったところで就寝とした。2日目の移動距離は7.6km、行動時間は8時間14分、累積標高差は519mだった。核心部の通過ということで、距離はあまり進めなかった。
南アルプス 信濃俣河内 3日目につづく
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