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August 29, 2023

金剛山 高天谷左俣:3ヶ月ぶりのホームの沢

週末の日曜日は、3ヶ月ぶりにホームの沢である高天谷を遡行してきた。気温が高い日だったが、沢の中は涼しく、滝の登攀でシャワーを浴びるのも苦ではなく、お手軽で快適な沢登りを楽しめた1日だった。

【日程】2023年8月27日(日)
【山域】生駒・金剛・和泉
【渓谷名】大和川水系 高天谷左俣
【メンバー】マメゾウムシ
【天候】晴れ
【コー スタイム】高天彦神社駐車場11:14~高天滝下11:24~10m大滝下11:38~二俣12:37~郵便道(920m地点)13:03-19~高天彦神社駐車場14:07

中央アルプスの細尾沢を遡行してから早くも2週間が経つ。山行の間隔が開くと、体力が落ちるし勘も鈍る。そこで3ヶ月ぶりにホームの沢である金剛山の高天谷に行くことにした。

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高天谷は半日コースのお手軽な沢である。登山口である奈良県御所市の高天彦神社に着いたのは、11時過ぎという遅めの時刻であった。こんな遅い時刻に沢へ入る人は他にはいないだろうと思っていたら、男女2名のパーティーから「これから入渓します」と声をかけられた。話を聞くと、高天谷は初めてらしい。こちらもソロなので、他に入渓者がいるのは、どちらかというと有り難い。準備をしていると、沢ソックスが片方しかないではないか。どうやらソックスの片方は家に忘れてきてしまったらしい。仕方なく、裸足で沢靴を履くことにする。結果として、履き心地は悪かったが、夏の低山の沢では、沢用のソックスがなくても特に問題はなかった。

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高天谷が初めてである男女2名のパーティーと入渓地点である高天滝まで一緒に進む。巻く滝は最初の3つだけで、あとの滝はすべて直登できることを伝える。高天滝6mはかって直登したことはあるが、右にあるハシゴを使って巻くのが無難である。入渓の準備をする2人組と別れて、先行することにする。

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高天滝を巻いて、沢に下りると、その先はゴルジュ状となる。水量的には、先日に近畿地方を通過した台風、もしくはここ最近の毎日のように起こる雷雨によって、一時の渇水より平水に戻ったか、やや増水気味の感じである。遡行にはちょうどよいレベルではあるが。

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イワタバコの花が咲いていた。

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ゴルジュの奥には3m滝とその背後の堰堤がある。まとめて右岸から巻く。前日かこの日の早い時間帯に結構遡行者がいたようで、踏み跡がしっかり残っていた。

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堰堤の上は上部が開け、奥にはかっての10m大滝がある。現在は沢床が土砂で埋まってしまい、8mぐらいの高さである。いつも通りに左岸から高巻くが、強引に直登している踏み跡がある。右から回り込む感じで登れば、多少は楽に巻ける。

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大滝の上は、両岸からの崩壊がある箇所の通過となる。3ヶ月前よりも倒木が少なく、すっきりした感じがする。増水で流されたのだろうか。高天谷は植林の中を流れる谷で、周囲の土砂が崩れやすいこともあり、大雨があると、ちょくちょく倒木や土砂の量と位置が変わる。

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崩壊地を抜けると、流れは樹林の中の入って行き連瀑帯となる。その連瀑帯の入口に3ヶ月前にはなかった大岩があった。8月に近畿地方を通過した台風による増水で流されてきたのだろうか。

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小滝を超えていくと、倒木のかかる5m滝が現れる.この滝は右寄りを直登する。

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谷はゴルジュ状となり、ゴルジュの中の滝を難なく直登で超えていく。3ヶ月前は結構岩にヌメリがついていたが、今回は増水で流されたのか、全くヌメリはなく、ラバーソールで快適に進める。

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再び谷はゴルジュ状となる。

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ゴルジュの奥には5mトイ状滝がある。水線に沿って、シャワーを浴びながら直登する。暑い日なので、シャワーを浴びるのは苦ではなく、むしろ爽やかで気持ちがよいぐらいだった。

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壊れた堰堤を通過する前に2m滝があるのだが、3ヶ月前にはなかった倒木が横たわっている。

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倒木の枝をかき分けながら進むと、2m滝が現れた。倒木が2m滝のカーテンのようになっている。

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壊れた堰堤を越えて、二俣の手前に新たに崩壊した箇所があった。この箇所より下流部では、土砂が沢床を覆っていた。

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倒木で埋まった二俣に到着する。

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左俣へ進むと、すぐに2段20mの大滝が現れる。1段目は左側を直登し、2段目は右側を直登する。高さがあるので、初心者がいる時はロープを出す所である。

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4m滝を越える。

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最後の4m滝を越えると、

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植林の中の緩やかな流れになる。登山道に出る踏み跡があるところに倒木があったので、仕方なく、そこから直登気味に上がることにする。

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登山道(通称 郵便道)に出て、遡行終了である。沢装備を解除して、郵便道を下山する。高天谷方向を見下ろすと、男女2人組のパーティーが登ってきていた。どうやら順調に進めたようで一安心である。

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下山途中からの奈良盆地の眺め。

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登山道脇に、郵便道ということで、ミニチュアの郵便ポストが置いてあった。3ヶ月前はなかった気がするが。

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高天彦神社の駐車場に無事下山する。

3ヶ月ぶりのホームの高天谷で、お手軽に快適に真夏の沢登りが楽しめた1日だった。

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August 22, 2023

中央アルプス 正沢川 細尾沢:今シーズン初の沢泊

8/11-12の1泊2日にて、中央アルプスの細尾沢を、山仲間2名と遡行してきた。細尾沢は、アルプスの沢だけあり、スケールが大きく、明るく美しい沢であったが、下山の長さには閉口した。

【日程】2023年8月11日(金)〜12日(土)
【山域】中央アルプス
【渓谷名】木曽川水系 正沢川 細尾沢
【メンバー】どうちゃん、ばるちゃん、マメゾウムシ
【天候】晴れ
【コー スタイム】
8/11 コガラ登山口7:36〜正沢川吊り橋8:05-12〜玉の窪沢との二俣10:50〜正沢との二俣12:28〜細尾大滝下13:17-30〜細尾大滝高巻き終了14:14-25〜2160m二俣幕営地15:02
8/12 幕営地6:24〜森林限界大岩(2530m付近)8:14〜木曽駒ヶ岳10:13-46-〜玉乃窪山荘11:20-27〜八合目水場12:14-26〜七合目避難小屋13:18-27〜力水14:44-56〜幸ノ川徒渉地点15:25-35〜コガラ登山口16:03

8/11-12の1泊2日にて、中央アルプスの細尾沢を、山仲間2名と遡行してきた。奥美濃のワンゲル部山小屋滞在6日間からの継続になるので、前日に木曽まで150kmの下道ドライブを行った。登山口である木曽駒高原に到着したときには、すでに周囲は暗くなっていた。登山口は木曽駒冷水公園という無料のキャンプ場になっていて、お盆休みということもあり、多くのキャンパーで賑わっていた。周囲はテントと人だらけで、車を駐める場所がわからず、まさにカオス状態だった。結局、道の駅日義木曽駒高原まで戻って車中泊した。

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翌朝に再びキャンプ場となっている登山口まで上がり、一番上部になんとか駐める場所を確保できた。隣には沢に入ると思われる2人組が出発の準備をしていた。我々も準備をし、7時半に駐車場を出発した。2日間の天気は良さそうで、増水の心配はまずはなさそうだ。

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福島Bコース・茶臼山分岐には、親切なことに沢登りコースの案内がある。この先で釣り人とすれ違う。魚は釣れるのだろうか。一応、テンカラ竿はザックに忍ばせてある。

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正沢川吊り橋に出る。かなり簡易的な吊り橋であるが、元々の吊り橋は増水で流されてしまったようだ。ここから入渓となる。先行の単独の遡行者が準備をしていた。ちょうど上流から下ってきたパーティーがいたが、沢の往復もしくは周回だろうか。

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入渓した正沢川は、渇水の時期にもかかわらず、水量が多く、大岩だらけだった。最初は、釣りをしながらとも考えたが、とても重荷を担いで竿を持ちながらでは進めない。

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天気は実によいが、単調な沢歩きが続く。

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玉の窪沢との二俣は左俣へ進む。

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源流の雰囲気が出てきた。試しにテンカラ竿を振ってみたが、生命反応はなく、魚影も見ることはなかった。入渓時に釣り人とすれ違ったが、そのせいか、それとも魚がいないのかはわからない。

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本沢との二俣は左俣を進み、いよいよ細尾沢へ入る。単独の人が高台でマッタリしていた。ここまでちょこっと釣りをしたりはしたが、4時間もの単調な河原歩きだった。

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6mのナメ滝が現れる。

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6m滝はヌメリが酷く、実に滑りやすそうである。左から登ったが、念のため、ロープ確保をした。

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その上もナメであった。

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再び、開けた巨岩の堆積した河原となるが、しばらく進むと、前方左に大きな滝が見えてきた。

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細尾沢最大の滝である細尾大滝40mである。

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細尾大滝は左岸の枝沢から高巻くが、途中で誤った踏み跡に導かれしまった。そのまま進むと、危ういルンゼを横切らねばならないし、トラバースするには傾斜も急なので、枝沢に戻ることにする。枝沢は登るにつれて傾斜が増していく。ヌメリもあり、手が痺れるほど水も冷たい。今回はラバーソールの沢靴で来ていたが、念のため、サワーサンダルフエルトを着用した。枝沢は途中で左に入る。ここでヒヤリハットが発生する。右手で掴んだホールドに体重をかけて、右足を上げたところ、ホールドが剥がれた。右半身が空中に投げ出されて、体が円を描いた。幸いなことに、なんとか掴んでいたホールドから左手が外れずに耐えることができた。最悪の転落は免れることができた。先に登っていた同行者は、岩が落ちていく音に驚き、「大丈夫か」と声をかけてくれた。転落してたら、ただでは済まなかっただろう。危うい区間はほんの短い区間だったので、ロープ確保はしていなかった。ホールドの頑強さを、もう少ししっかり確認すべきだったというのが反省点である。山小屋滞在中の釣行でも、転倒で右眉毛の横を切るという怪我をしたが、1週間でヒヤリハットが2回あったこともあり、充分に気を引き締めなければと反省した。

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標高2080mぐらいまで登ったら、下方向の踏み跡が樹林内にあったので、ついそちらに進んでしまった。標高差20mほど下ると、先ほど迷い込みそうになった危ういルンゼが下に見えた。方向的にも明らかに滝より下に向かっていたため、と元の標高2080mの所まで登り返す。正解はその位置から薄い踏み跡の斜面のトラバースであった。この踏み跡は、危ういルンゼのすぐ上をうまくトラバースしていた。

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斜面をトラバースしている踏み跡をしばらく進むと、下方向に向かう踏み跡がある。その踏み跡を下降していくと、細尾沢に戻ることができた。

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高巻き後は、連瀑となる。5m滝を右から越える。

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4m滝は左から越える。

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4m滝は右から巻く。

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チョックストン滝3m。

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15時に標高2160mの二俣に到着する。二俣では、先行していた岐阜ケルン山岳会の2人組が幕営していた。我々もかろうじてツエルトを張れるスペースを2つ見つけることができた。

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沢泊の醍醐味はやはり焚火である。しばらく雨が降っていなかったこともあり、薪はすぐに燃え始めた。イワナがないのが残念であるが、それでも宴は盛り上がった。

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すぐ近くの岩の割れ目にハコネサンショウウオがいた。

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宴は20時過ぎに終了した。ファイントラックのツエルトロング2は中が広く、1人だと実に快適であった。

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2日目は下山が長いので、4時半起床で、6時20分に行動開始した。すぐに10m滝が現れた。2日目の滝は、ナメ滝が中心で、滝のスケールの大きさに比べて、登るのは容易だったが、渇水のせいかヌメリが結構あった。念のため、ラバーソールの沢靴にサワーサンダルフエルトを着用した。

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これは四条の滝17mだろう。一応、四条の流れに見える。

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抜きつ抜かれつだった岐阜ケルン山岳会のメンバーに撮っていただいた記念写真。

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20m以上の斜滝。

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ナメ滝が続く。登るのは容易だが、ヌメリが結構ある。本来は花崗岩の沢なので、ヌメリがなくラバーソール向きのはずだが、これも渇水のせいだろうか。

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6m滝。

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高山蝶のベニヒカゲが岩にとまっていた。

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3弾の滝を越える。

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標高2500mの森林限界付近で水流がなくなる。

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森林限界付近の低い樹林の中の沢筋を登る。

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森林限界を超えるとガレ場登りとなる。

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ウサギギクなど高山植物の花々が、ガレ場登りの癒やしとなってくれる。

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落石が起こりやすいガレを、木曽駒ヶ岳の山頂まで標高差400mを詰める。

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後続に岐阜ケルン山岳会がいるので、落石を起こさないように慎重に詰めていく。

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最後は、多くのギャラリーに注目されながら、ロープを跨いで、木曽駒ヶ岳の山頂にポッと出た。ガレ場登りに2時間を要した。多くの一般登山者やハイカーにとっては、登攀具をつけた我々は相当に違和感のある存在だったに違いない。沢装備を解除して、昼食を取った。

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登ってきた細尾谷を見下ろす。

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山頂でどうちゃんと記念撮影。

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山頂の木曽駒ヶ嶽神社にお参りしてから、下山に入る。

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登山道脇に咲いていたトウヤクリンドウ。

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下山は福島Bコースを下りる。

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樹林に入るとキノコが出ていた。ハナビラタケ。

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ベニテングタケ。

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下山は実に長く、足はパンパンになる。八合目の水場から七合目の避難小屋まではアップダウンのあるトラバースで、実に長く感じた。七合目の避難小屋で休憩していると、沢装備をした多くの人たちが下りてきた。話を聞くと、幸ノ川を遡行して、下りてきたとのこと。幸ノ川は日帰りの沢だが、連瀑があるとのことで、機会があれば遡行をしてみたいものである。

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その幸ノ川の徒渉地点に出る。すぐ上に堰堤があり、そのすぐ上から滝が出てくるようだ。

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徒渉地点からは林道を下って、木曽駒高原に下山した。山頂から5時間もの時間を要した。最後は足はパンパンで、ヘロヘロ状態であった。

細尾沢は、久しぶりのアルプスの沢だった。アルプスの沢だけあり、スケールが大きく、明るく美しい沢であったが、下山の長さには閉口した。帰宅した翌日は1日ダウンしていた。年齢のせいか、最近はなかなか疲れが抜けない。今シーズンはもう1回ぐらいはアルプスの沢に行きたいが、やはりイワナが釣れる沢を選びたい。

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August 20, 2023

ワンゲル部山小屋でスローライフ

ワンゲル部山小屋滞在も5日目を迎えると、山小屋の維持作業はほぼ終了である。午前中は、久しぶりに下界へ買い出しに下りた。

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現役部員たちは、山小屋から徒歩にて、白山縦走へ出発する。

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山小屋を出発するワンゲル部員たち。本合宿は南アルプスでの長期縦走だが、そのための予備合宿として白山の南から北へ縦走する。現役部員のサポートに入っていたOBのAさんも帰路についた。

私は本日は休養日とし、翌日まで1人で山小屋に滞在し、中央アルプスの細尾沢へ転進する予定である。今日明日はスローライフと決め込む。

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沢臭くなった沢服を水洗いした。

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テンカラ毛鉤作りも行い、尻尾のある逆さ毛鉤を作ってみたが、はたして釣果に影響するだろうか。

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山小屋滞在中に紛失した毛鉤よりも多くの毛鉤を作り、今後の釣行に備えるとする。

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夕食は、買い出しで購入した生野菜、カレイの唐揚げ、寿司を、飛騨の地酒のアテにし、1人宴とした。

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翌朝はのんびり起床し、翌日からの沢泊山行のためのパッキングを行う。ここでコンパスを紛失していることに気づく、まあ、GPSとアップルウォッチをコンパスの代用としよう。正午過ぎには山小屋の戸締まりを済ませ、山小屋を発った。6日間も山小屋に滞在すると、山小屋への愛着も沸くもので、少々寂しさを感じた。

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ワンゲル部山小屋ベースでテンカラ釣り第5弾:1週間前のリベンジでC谷へ

ワンゲル部山小屋滞在4日目は、C谷を釣行してきた。

いつもよく行くA谷やB谷は渇水がひどく、テンカラ釣りではなかなか厳しい状況である。それに対して、C谷は谷が大きく、平水時でもそれなりの水量がある。渇水のこの時期でも、C谷の豊富の水量は、テンカラ釣りの不利さを充分にカバーしてくれるにちがいない。1週間前にC谷へ行ったときは、残念ながら先行者がいて、ひじょうに渋い釣果だったが、そのリベンジもしたい。山小屋の維持作業はワンゲル部員に任せて、単独にてC谷に釣りに入ることにした。

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渇水時期にもかかわらず、C谷にはそれなりの水量があった。

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幸先よく1匹目がすぐに釣れた。

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ポンポンとまではいかないが、そこそこ釣れていく。

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A谷やB谷で反応のよかったフライ用の毛鉤カディスをSくんからいただいていて、それも試したが、ほぼ毛鉤の種類に関係なく釣れた感じだ。

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C谷とはいえ、平水よりは水量が少ないこともあり、毛鉤をじっくり見て、無視する輩もいた。いつものC谷よりは渋めの釣果だったが、ツ抜けは達成でき、1週間前のリベンジはできた。

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C谷の下流部の流心から外れた溜まりには、1週間前と同様に、100匹を越えるであろう魚影があった。この場所に魚が溜まる理由があるのだろうか。

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脱渓後は、4日ぶりの温泉に入り、4日間の汗を流した。入浴後は、よく冷えた生ビールで喉を潤した。

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山小屋に戻ってからは、お酒のアテとして、C谷で採ってきたミズをお浸しにした。宴は続くのであった。

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August 19, 2023

奥美濃 長良川水系 前谷川支流 矢谷川:ワンゲル部新人の沢入門

ワンゲル部山小屋夏合宿の3日目は、ワンゲル部新人の沢入門を目的として矢谷川を遡行した。沢はナメ中心の癒やし系で、1回生の沢入門にはちょうどよいレベルだった。

【日程】2023年8月7日(月)
【山域】奥美濃
【渓谷名】長良川水系 前谷川支流 矢谷川
【メンバー】ワンゲル部員5名、マメゾウムシ(OMUNWV部)
【天候】曇りのち雨
【コー スタイム】桧峠8:13〜白山禅定道説明板9:09〜矢谷川出合9:30-47〜林道11:44〜毘沙門岳登山口(スゲオリ谷下降地点)12:22〜白山禅定道スゲオリ谷徒渉地点12:49-13:07〜桧峠13:25

矢谷川は、5年前に私が中心となって、我がワンダーフォーゲル部と私の山仲間とで開拓した沢である(2018年6月9日の記録)。前谷川出合からの下流部は人工的に整備されており、とても沢登りができそうな雰囲気はないが、入渓地点となる林道が交差する地点からの上流部はナメとナメ滝ばかりで、コンパクトにまとまった癒やし系の谷を形成している。遡行には技術的な困難さはなく、行程も短いため、初心者の沢入門のための沢と言ってよいだろう。今回は、2019年8月13日にワンゲル部の沢入門で遡行して以来の再訪である。ワンゲル部以外のパーティーでは、1年前にワンゲル部OBのHくんが所属する京都雪稜クラブが遡行している。

当日は夜半からの雨が朝まで降り続いていたが、午前中はいったん雨が止む予報である。半日コースなので、雨と雨の合間をうまく狙って遡行したい。しばらく雨が降っていないこともあり、この程度の雨量では、雨は地面に吸収されるだけで、沢が増水することはないだろう。今回の参加者はワンゲル部員5名で、うち2名が沢デビューとなる新人であった。雨がちょうど止んだ8時に、我々は山小屋を出発した。

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矢谷川の入渓地点にはよい駐車スペースがないので、桧峠の大日ヶ岳登山口にある駐車スペースに車を置くのがよい。桧峠からは旧道である白山禅定道を前谷へ下る。

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雨が降ったためか、キノコが出ていた。

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白山禅定道を前谷まで下りてくると、白山禅定道についての説明板がある。ここからは矢谷川方向への林道に入る。

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ススキが生い茂り、自然に帰りつつある林道を20分ほど進むと、林道が矢谷川と交差する所に出る。ここが入渓地点であり、沢装備を装着する。

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渓流沿いによく見られるアオバセセリ。

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樹林の中の流れを進む。最初は大きな岩が多い。

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最初のナメ滝が現れると、すぐにナメとナメ滝のオンパレードとなる。

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トイ状の滝を登る。

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ナメとナメ滝が続く。

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ナメ滝はフリクションを効かせて登る。

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新人はまだ登り方がわかっていない。足の置き方を知らない。アドバイスをする先輩たち。

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ナメ滝をウォータースライダーとして遊ぶワンゲル部員たちであった。

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連瀑が終わると、樹林の中の穏やかな流れとなる。

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水流がなくなると、藪が煩わしくなる。

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そのまま詰めていくと、林道にぶち当たる。ここで遡行終了である。

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林道を毘沙門岳の登山口方向へ進む。この林道も自然に帰りつつあり、ススキや低木が生い茂っていて、時折、藪を漕がねばならない。登山道の一部となっている毘沙門岳登山口の近くは草刈りがされている。スゲオリ谷の源頭から、白山禅定道の徒渉地点までスゲオリ谷を下降する。

End

白山禅定道に出たら、沢装備を解除し、往路を戻る。最後で雨に降られたが、無事、桧峠に下山となった。山小屋に戻ったワンゲル部員たちには、前日に引き続き、山小屋の維持作業に入るのだった。

矢谷川のナメに癒やされた1日であった。矢谷川は、ワンゲル部の山小屋から徒歩でアプローチできるお手軽な沢だが、アクセスに使う林道が自然に帰りつつあり、今後は、沢の中よりも、林道の通過が核心になっていくかもしれない。まあ、藪漕ぎの練習と思えばよいのだが。

YouTubeにアップした記録動画です。

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August 18, 2023

ワンゲル部山小屋の維持作業とテンカラ釣り第4弾

速報で報告済みだが、8月5日から10日まで、奥美濃にワンダーフォーゲル部が所有する山小屋に滞在していた。主な目的は山小屋の維持作業としての夏ワークだが、それは現役部員に任せて、私は近くの渓にテンカラ釣りに行ったりして、山小屋ライフを楽しんでいた。

山小屋滞在1日目と2日目には、フライマンのSくんが遊びに来てくれたので、一緒に近くの渓へ行くことにした。Sくんとは、この1週間前にもD谷で釣行を一緒にしている。

1日目はワンゲル部員も2名同行して、いつも裏切らないA谷へ行くことにした。

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しばらく雨が降っていないこともあり、A谷は驚くほどの渇水状態で、流れもゆっくりである。

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序盤にイワナは釣れたが、いつものようにポンポンとは出てくれない。渇水で流れもゆっくりということもあり、イワナは毛鉤をしっかり見てくる。イワナは毛鉤には反応は示すが、餌でないと認識すると、さっさと走って逃げてしまう。こんな感じで、自分が使っているテンカラ毛鉤はほとんどが見抜かれていた。

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ところが、同行のフライマンのSくんが使っているフライ用の毛鉤であるオレンジ色のカディスはしっかり咥えてくる。こういう時は、虫に精巧に似せているフライの毛鉤の方がよいようだ。翌日に行ったB谷では、さらにその傾向が顕著だった。

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初めてテンカラ釣りをするワンゲル部員が、試しにそのカディスを借りて使ったところ、なんとイワナがかかる。残念ながらバラしてしまったが、毛鉤の種類でこうも釣果が変わるのは源流では珍しい。流れの速い源流では、イワナは水面に落ちたものを見極める時間がないので、反射的に咥えてくる。それを利用したのがテンカラ釣りだが、流れが緩くなった渇水の時はそうはいかない。状況によって釣果が変わるのも、渓流釣りの面白いところではある。平水に戻るまでは、流れが緩い小さな藪沢に入るのは控えた方がよいかもしれない。

話は変わるが、A谷での釣行中に、前のめりに転倒して、右のまぶたの上を岩にぶつけて、怪我してしまった。かけていたサングラスにはヒビが入った。ぶつけたところからは、たらたらと出血して、まさにプロレスの流血試合というような様相で、同行者の方がむしろ驚いていた。幸いなことに、バンダナで傷口を押さえたら、すぐに止血できた。竿を持ちながらの沢歩きは、岩で滑ったり、浮石でバランスを崩しやすいので要注意だ。

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天気にも恵まれて、山小屋の維持作業の方は順調に進んでいた。

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薪ストーブの煙突の煤取りは、屋外と屋内とから行う。山小屋の壁のペンキ塗りも無事終わったようだ。

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山小屋周辺の草刈りは、自分たちが歩きやすくするだけでなく、クマが山小屋に近づかないようにする意味でも重要である。

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August 16, 2023

2023年夏休みの山行と釣り(速報)

2023年の夏は、8月5日〜13日の9日間の夏休みを取り、渓流釣りと沢登りを楽しんできた。そのうちの前半6日間は奥美濃にあるワンダーフォーゲル部の山小屋をベースにし、後半は中央アルプスへ転進し、木曽駒ヶ岳へ詰め上がる細尾沢を遡行した。

以下が概要であるが、各日の釣りや山行の詳細については、後日にアップする予定である。

8月 5日(土) ワンゲル部山小屋入り 石徹白A谷にて渓流釣り

8月 6日(日) 石徹白B谷にて渓流釣り、釣り場の新規開拓

8月 7日(月) 前谷川支流 矢谷川にて、ワンゲル部員の沢登り入門

8月 8日(火) 石徹白C谷にて渓流釣り

8月 9日(水) 休養日(洗濯、毛鉤作り)

8月10日(木) パッキング、木曽へ移動

8月11日(金) 中央アルプス 細尾沢

8月12日(土) 中央アルプス 細尾沢、帰阪

8月13日(日) 休養日

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細尾大滝40m

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August 01, 2023

ワンゲル部山小屋をベースにテンカラ釣り第3弾:渋い源流釣行!

奥美濃にあるワンダーフォーゲル部の山小屋をベースに、周辺の谷でテンカラ釣りを行っている。そのために、石徹白漁協の年券を毎年購入している。今シーズンも6月4日〜5日7月15日〜16日で釣行を行った。今回はその第3弾として、週末にさらに源流部への釣行を計画した。

1日目は、テレ仲間のテンカラ師どうちゃんと、1年ぶりのC谷へ入渓した。

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C谷の下流部であるが、流心から外れた溜まりに、100匹を越えるであろう魚影があった。イワナだろうが、こんなにたくさんの魚がこの場所に群れているのを見るのは初めてである。

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C谷は堰堤と滝を越えてから釣り始める。いつもならば爆釣りできる渓だが、今回は不思議と釣れない。魚影を見ることも少ない。ひょっとしたら先行者がいるのかもしれない。

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そんな中で待望の1匹目が出た。しかし、その後も渋い状態は続く。

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2匹目は出たが、竿抜けポイントと思われる場所である。

私は計3匹のイワナを釣り上げたが、同行者には待望のアタリはあったが、残念ながらバラしてしまった。かなり上流部まで進んだ所で、上から釣り人が下りてきた。釣果を聞いたところ、20〜30尾は釣れたとのこと。それは釣れなくて当然だ。C谷で初めて先を越されたのは悔しかった。

林道を引き返す途中で、堰堤と堰堤の間にでも竿を振ってみた。私だけ小さなイワナが1匹釣れたが、残念ながら同行者は釣れなかった。1日だけしかない同行者に釣ってもらえなかったのは、たいへん残念であった。

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石徹白は、夏の特産物として、トウモロコシが有名である。石徹白集落内の露天の直売にて購入できる。脱渓後に、石徹白の集落に「とうもろこしあります」の看板が出ていたので、覗いてみた。場所は民宿「上村彦左衛門」で、購入する分だけ、畑からトウモロコシを採ってきてもらった。生で試食させてもらったが、粒はやや小ぶりで、糖度が高い。生でも食べられるのも凄いが、こんな質の高いとうもろこしが1本200円というのも安い。3本購入して、山小屋に戻ってから軽く茹でて食べることにした。石徹白産のとうもろこしは、他に、満天の湯や、白鳥から石徹白に向かう岐阜県道314号線沿いにある桧茶やでも購入できる。

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山小屋に帰ってら、別グループが入舎していた。夕食時に馬刺しなどご馳走いただき、お酒が進む。お返しにトウモロコシやサイコロステーキを差し入れしたら喜ばれた。21時過ぎに、翌日に同行するフライマンのSくんも山小屋に到着し、2次会となり、お酒がさらに進む。少々飲み過ぎた。

2日目は、フライマンのSくんと、3年ぶりにD谷に入渓することにした。

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D谷は、まず堰堤を2つ越える。

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それから滝が2つかかるゴルジュを抜ける。写真は10m滝である。ゴルジュを抜けてからも、さらに、もう1つ滝を越えなければならない。

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それからようやく竿を出せる。

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最初の1匹が釣れた。同じ場所でSくんもドライフライで釣り上げる。お腹がオレンジ色のきれいなイワナである。

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次に出たのは大きかった。無事ネットに取り込んで一安心。ちょうど尺サイズのイワナであった。ここまではよかった。その後は渋い状態が続いた。

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3匹目は釣れたが、あとは渋い状態のまま終了となった。アタリは2回ほどあったが、うまくかけることはできなかった。源流部まで来ていながら、2人合わせてもツ抜けできずだった。全体的にそれほど魚影が濃くない感じだった。それでも尺越えが1匹出たことで、釣果の悪さを相殺はしてくれた。

2日間の釣行は、源流部まで行きながら渋い釣果だったが、美しい渓の景色には癒やされた。2日連続の源流部への遡下降で、歳のせいか、だいぶ疲れが残った週明けとなった。

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