金剛山 高天谷左俣:3ヶ月ぶりのホームの沢
週末の日曜日は、3ヶ月ぶりにホームの沢である高天谷を遡行してきた。気温が高い日だったが、沢の中は涼しく、滝の登攀でシャワーを浴びるのも苦ではなく、お手軽で快適な沢登りを楽しめた1日だった。
【日程】2023年8月27日(日)
【山域】生駒・金剛・和泉
【渓谷名】大和川水系 高天谷左俣
【メンバー】マメゾウムシ
【天候】晴れ
【コー スタイム】高天彦神社駐車場11:14~高天滝下11:24~10m大滝下11:38~二俣12:37~郵便道(920m地点)13:03-19~高天彦神社駐車場14:07
中央アルプスの細尾沢を遡行してから早くも2週間が経つ。山行の間隔が開くと、体力が落ちるし勘も鈍る。そこで3ヶ月ぶりにホームの沢である金剛山の高天谷に行くことにした。
高天谷は半日コースのお手軽な沢である。登山口である奈良県御所市の高天彦神社に着いたのは、11時過ぎという遅めの時刻であった。こんな遅い時刻に沢へ入る人は他にはいないだろうと思っていたら、男女2名のパーティーから「これから入渓します」と声をかけられた。話を聞くと、高天谷は初めてらしい。こちらもソロなので、他に入渓者がいるのは、どちらかというと有り難い。準備をしていると、沢ソックスが片方しかないではないか。どうやらソックスの片方は家に忘れてきてしまったらしい。仕方なく、裸足で沢靴を履くことにする。結果として、履き心地は悪かったが、夏の低山の沢では、沢用のソックスがなくても特に問題はなかった。
高天谷が初めてである男女2名のパーティーと入渓地点である高天滝まで一緒に進む。巻く滝は最初の3つだけで、あとの滝はすべて直登できることを伝える。高天滝6mはかって直登したことはあるが、右にあるハシゴを使って巻くのが無難である。入渓の準備をする2人組と別れて、先行することにする。
高天滝を巻いて、沢に下りると、その先はゴルジュ状となる。水量的には、先日に近畿地方を通過した台風、もしくはここ最近の毎日のように起こる雷雨によって、一時の渇水より平水に戻ったか、やや増水気味の感じである。遡行にはちょうどよいレベルではあるが。
イワタバコの花が咲いていた。
ゴルジュの奥には3m滝とその背後の堰堤がある。まとめて右岸から巻く。前日かこの日の早い時間帯に結構遡行者がいたようで、踏み跡がしっかり残っていた。
堰堤の上は上部が開け、奥にはかっての10m大滝がある。現在は沢床が土砂で埋まってしまい、8mぐらいの高さである。いつも通りに左岸から高巻くが、強引に直登している踏み跡がある。右から回り込む感じで登れば、多少は楽に巻ける。
大滝の上は、両岸からの崩壊がある箇所の通過となる。3ヶ月前よりも倒木が少なく、すっきりした感じがする。増水で流されたのだろうか。高天谷は植林の中を流れる谷で、周囲の土砂が崩れやすいこともあり、大雨があると、ちょくちょく倒木や土砂の量と位置が変わる。
崩壊地を抜けると、流れは樹林の中の入って行き連瀑帯となる。その連瀑帯の入口に3ヶ月前にはなかった大岩があった。8月に近畿地方を通過した台風による増水で流されてきたのだろうか。
小滝を超えていくと、倒木のかかる5m滝が現れる.この滝は右寄りを直登する。
谷はゴルジュ状となり、ゴルジュの中の滝を難なく直登で超えていく。3ヶ月前は結構岩にヌメリがついていたが、今回は増水で流されたのか、全くヌメリはなく、ラバーソールで快適に進める。
再び谷はゴルジュ状となる。
ゴルジュの奥には5mトイ状滝がある。水線に沿って、シャワーを浴びながら直登する。暑い日なので、シャワーを浴びるのは苦ではなく、むしろ爽やかで気持ちがよいぐらいだった。
壊れた堰堤を通過する前に2m滝があるのだが、3ヶ月前にはなかった倒木が横たわっている。
倒木の枝をかき分けながら進むと、2m滝が現れた。倒木が2m滝のカーテンのようになっている。
壊れた堰堤を越えて、二俣の手前に新たに崩壊した箇所があった。この箇所より下流部では、土砂が沢床を覆っていた。
倒木で埋まった二俣に到着する。
左俣へ進むと、すぐに2段20mの大滝が現れる。1段目は左側を直登し、2段目は右側を直登する。高さがあるので、初心者がいる時はロープを出す所である。
4m滝を越える。
最後の4m滝を越えると、
植林の中の緩やかな流れになる。登山道に出る踏み跡があるところに倒木があったので、仕方なく、そこから直登気味に上がることにする。
登山道(通称 郵便道)に出て、遡行終了である。沢装備を解除して、郵便道を下山する。高天谷方向を見下ろすと、男女2人組のパーティーが登ってきていた。どうやら順調に進めたようで一安心である。
下山途中からの奈良盆地の眺め。
登山道脇に、郵便道ということで、ミニチュアの郵便ポストが置いてあった。3ヶ月前はなかった気がするが。
高天彦神社の駐車場に無事下山する。
3ヶ月ぶりのホームの高天谷で、お手軽に快適に真夏の沢登りが楽しめた1日だった。
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