大峰 前鬼川:ワンゲル部員と涼を求めて
梅雨明けした週末は、涼を求めて、ワンゲル部員2名と大峰の前鬼川を遡行してきた。天気にも恵まれて、前鬼ブルーとよばれるエメラルドグリーンが歓迎してくれた。泳いだり、飛び込んだり、滝を登ったりと、沢登りの楽しさを満喫したワンゲル部員たちだった。
【日程】2023年7月22日(土)
【山域】大峰
【渓谷名】北山川水系 前鬼川本流
【メンバー】主将、Fさん、マメゾウムシ(OMUNWV部)
【天候】晴れ
【コー スタイム】前鬼林道駐車地点7:56〜本流出合8:04〜2段10M滝下9:11〜箱状廊下11:29〜垢離取場12:19-12:58〜閼伽坂峠13:20〜小仲坊13:43-50〜駐車地点14:21
梅雨明けした週末は、涼を求めて、昨年の9月(2022年9月25日の記録)以来となる前鬼川を、ワンゲル部員2名と遡行してきた。前鬼川は過去に3回ほど遡行しているが、うち2回は増水気味で、水線を避けての遡行だった。今回は盛夏ということもあり、水に戯れることを一番の目的とした。
7時過ぎぐらいに前鬼林道の入口に着くと、奈良交通のバスが林道入口を塞いでいた。林道に入ることを運転手に伝えると、バスを移動してくれた。林道を進むと、白装束の修験者の一団が歩いてきたので、どうやらこの人たちがチャーターしたバスのようだ。大峯奥駈道を歩いてきて、下山するところかもしれない。対向車が来ないかヒヤヒヤしながら進み、前鬼川入渓地点の広場に車を駐めた。先行の車は駐まっていたが、一般登山者のようで、沢ヤは我々だけだった。
駐車地点の広場の正面から踏み跡を黒谷へ下降する。
黒谷に出る。
黒谷と前鬼川の間の尾根状を下降して前鬼川本流に出る。早速、1匹のヒルが沢靴についていた。珍しいことに、今回目撃したヒルは、これが最初で最後だった。
前鬼川本流の遡行を開始する。水量は平水であるので、いろいろと遊べそうだ。
早速、小滝が現れる。ワンゲル部員たちは、果敢にシャワーを浴びながら小滝を登る。
大きな釜をもつナメ滝1m。左の庇の下を通れば、越えるのは簡単だが、主将は果敢に泳ぐ。
いつもながら美しい流れである。
2段10mの大滝が現れる。過去2回は水量が多くて、滝の全貌を見ることができなかったが、今回はその全貌を見ることができた。前鬼ブルーとよばれるエメラルドグリーンに輝く釜をもつ美しい滝である。
自撮り棒を使って、釜の中を水中撮影してみた。アマゴらしき魚影が映り込んでいた。
2段10m滝は右のフィックスロープのある所を登る。
登る途中で、前鬼ブルーに輝く美しい釜を眺める。
ワンゲル部員には、念のため、練習も兼ねて、ロープで確保して登ってもらった。
滝上には対岸へ渡る徒渉箇所がある。過去は増水のため、この箇所を巻いていた。今回は平水のため徒渉はできそうだったが、流されるとちょっと厄介だ。最悪の場合は滝を落ちてしまう。
巻き終えると、川幅いっぱいのナメが待ち構える。
ナメ滝があれば、お約束のウォータースライダーだ。
水と戯れるワンゲル部員。
深めの淵では泳ぐ。
私はラバーソールの沢靴だったが、ヌメリが酷いのでよく滑る。こういう時はモンベル製のサワーサンダルフエルトを着用する。これでだいぶ安心できる。
ヤマツツジだと思うが、ずいぶん遅い時期の開花である。気温の低い沢筋にはえているためだろうか。
それにしても美しい流れである。心が癒やされる。
深い釜にダイブする主将。50代は無理はしない。
5m滝が現れる。この滝は右岸のフィックスロープがある所から高巻いた。
前鬼川のハイライトである箱状廊下が現れる。
箱状廊下に周囲から多くの流れが流れ込む不思議な光景である。
箱状廊下の周囲では、水が湧いていたりする。
周囲からの流れが、箱状廊下に滝状になって流れ込む。
箱状廊下の左岸側には多くの滝がある。北からの流れの上部には、大峯奥駈道の28番目の靡である三重滝もある。三重滝へは垢離取場から道があり、5年前に行ったことがあるが(2018年9月23日の記録)、高さ50mもの大滝が3つも連なり、なかなか壮大な眺めであった。今回はまったりと本流遡行のため、三重滝は省略した。
左岸からはこのような滝がいくつも流れ落ちている。
箱状廊下の上は巨岩帯となる。うまく巨岩の間を掻い潜りながら進む。
深い釜を持つ高さ5m、長さ8mの斜滝が現れる。
深い釜があれば、飛び込むワンゲル部員。
本日の遡行終了地点である垢離取場に到着する。ここもエメラルドグリーンの美しい淵である。垢離(こり)とは身についた罪・穢れのことで、修験者が身を清める場所である。しっかり身を清めたワンゲル部員たちであった。
垢離取場には、前鬼裏行場の道として小仲坊からの道があり、前述した三重滝まで続いている。三重滝へは左岸にある鉄梯子から取り付く。昨年に来た時は、増水気味でたっぷりと水があり、水に浸からないと対岸に渡ることはできなかった。今回は平水のため、裏行場の道を来た人は濡れずに対岸に渡ることができる。沢を戻ってもよかったが、沢下降に慣れていないメンバーがいるため、この裏行場の道を使って小仲坊に出ることにする。小仲坊への道は、垢離取場から少し下った所の右岸についている。
垢離取場から標高差200mほどを登ると、閼伽坂峠(あかさかとうげ)である。閼伽坂峠からトラバース気味に斜面を下っていくと、小仲坊に出る。
小仲坊では住職さんらしき人がいたので、少しばかり話をした。小仲坊は1300年の歴史がある由緒ある宿坊である。近いうちにぜひ泊まってみたい。
無事、駐車地点へ戻る。いつも1人ぐらいはヒルに献血するのだが、珍しいことに今回は被害はなかった。帰り際に不動七重の滝を拝んだ。この滝の登攀もやってみたいところだが、私は体力の方がもうついていけない。
帰路は、特に渋滞にはまることもなくスムーズだった。ワンゲル部員たちにとっても、泳いだり、飛び込んだり、滝を登ったりと、沢登りの楽しさを満喫した1日だったにちがいない。
YouTubeにアップした記録動画です。前鬼川の美しい景色を動画にて楽しんでください。
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