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July 25, 2023

大峰 前鬼川:ワンゲル部員と涼を求めて

梅雨明けした週末は、涼を求めて、ワンゲル部員2名と大峰の前鬼川を遡行してきた。天気にも恵まれて、前鬼ブルーとよばれるエメラルドグリーンが歓迎してくれた。泳いだり、飛び込んだり、滝を登ったりと、沢登りの楽しさを満喫したワンゲル部員たちだった。

【日程】2023年7月22日(土)
【山域】大峰
【渓谷名】北山川水系 前鬼川本流
【メンバー】主将、Fさん、マメゾウムシ(OMUNWV部)
【天候】晴れ
【コー スタイム】前鬼林道駐車地点7:56〜本流出合8:04〜2段10M滝下9:11〜箱状廊下11:29〜垢離取場12:19-12:58〜閼伽坂峠13:20〜小仲坊13:43-50〜駐車地点14:21

梅雨明けした週末は、涼を求めて、昨年の9月(2022年9月25日の記録)以来となる前鬼川を、ワンゲル部員2名と遡行してきた。前鬼川は過去に3回ほど遡行しているが、うち2回は増水気味で、水線を避けての遡行だった。今回は盛夏ということもあり、水に戯れることを一番の目的とした。

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7時過ぎぐらいに前鬼林道の入口に着くと、奈良交通のバスが林道入口を塞いでいた。林道に入ることを運転手に伝えると、バスを移動してくれた。林道を進むと、白装束の修験者の一団が歩いてきたので、どうやらこの人たちがチャーターしたバスのようだ。大峯奥駈道を歩いてきて、下山するところかもしれない。対向車が来ないかヒヤヒヤしながら進み、前鬼川入渓地点の広場に車を駐めた。先行の車は駐まっていたが、一般登山者のようで、沢ヤは我々だけだった。

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駐車地点の広場の正面から踏み跡を黒谷へ下降する。

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黒谷に出る。

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黒谷と前鬼川の間の尾根状を下降して前鬼川本流に出る。早速、1匹のヒルが沢靴についていた。珍しいことに、今回目撃したヒルは、これが最初で最後だった。

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前鬼川本流の遡行を開始する。水量は平水であるので、いろいろと遊べそうだ。

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早速、小滝が現れる。ワンゲル部員たちは、果敢にシャワーを浴びながら小滝を登る。

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大きな釜をもつナメ滝1m。左の庇の下を通れば、越えるのは簡単だが、主将は果敢に泳ぐ。

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いつもながら美しい流れである。

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2段10mの大滝が現れる。過去2回は水量が多くて、滝の全貌を見ることができなかったが、今回はその全貌を見ることができた。前鬼ブルーとよばれるエメラルドグリーンに輝く釜をもつ美しい滝である。

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自撮り棒を使って、釜の中を水中撮影してみた。アマゴらしき魚影が映り込んでいた。

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2段10m滝は右のフィックスロープのある所を登る。

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登る途中で、前鬼ブルーに輝く美しい釜を眺める。

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ワンゲル部員には、念のため、練習も兼ねて、ロープで確保して登ってもらった。

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滝上には対岸へ渡る徒渉箇所がある。過去は増水のため、この箇所を巻いていた。今回は平水のため徒渉はできそうだったが、流されるとちょっと厄介だ。最悪の場合は滝を落ちてしまう。

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安全重視で、今回も巻くことにした。

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巻き終えると、川幅いっぱいのナメが待ち構える。

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ナメ滝があれば、お約束のウォータースライダーだ。

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水と戯れるワンゲル部員。

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深めの淵では泳ぐ。

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私はラバーソールの沢靴だったが、ヌメリが酷いのでよく滑る。こういう時はモンベル製のサワーサンダルフエルトを着用する。これでだいぶ安心できる。

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ヤマツツジだと思うが、ずいぶん遅い時期の開花である。気温の低い沢筋にはえているためだろうか。

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それにしても美しい流れである。心が癒やされる。

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深い釜にダイブする主将。50代は無理はしない。

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5m滝が現れる。この滝は右岸のフィックスロープがある所から高巻いた。

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前鬼川のハイライトである箱状廊下が現れる。

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箱状廊下に周囲から多くの流れが流れ込む不思議な光景である。

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箱状廊下の周囲では、水が湧いていたりする。

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周囲からの流れが、箱状廊下に滝状になって流れ込む。

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箱状廊下の左岸側には多くの滝がある。北からの流れの上部には、大峯奥駈道の28番目の靡である三重滝もある。三重滝へは垢離取場から道があり、5年前に行ったことがあるが(2018年9月23日の記録)、高さ50mもの大滝が3つも連なり、なかなか壮大な眺めであった。今回はまったりと本流遡行のため、三重滝は省略した。

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左岸からはこのような滝がいくつも流れ落ちている。

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箱状廊下の上は巨岩帯となる。うまく巨岩の間を掻い潜りながら進む。

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深い釜を持つ高さ5m、長さ8mの斜滝が現れる。

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深い釜があれば、飛び込むワンゲル部員。

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本日の遡行終了地点である垢離取場に到着する。ここもエメラルドグリーンの美しい淵である。垢離(こり)とは身についた罪・穢れのことで、修験者が身を清める場所である。しっかり身を清めたワンゲル部員たちであった。

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垢離取場には、前鬼裏行場の道として小仲坊からの道があり、前述した三重滝まで続いている。三重滝へは左岸にある鉄梯子から取り付く。昨年に来た時は、増水気味でたっぷりと水があり、水に浸からないと対岸に渡ることはできなかった。今回は平水のため、裏行場の道を来た人は濡れずに対岸に渡ることができる。沢を戻ってもよかったが、沢下降に慣れていないメンバーがいるため、この裏行場の道を使って小仲坊に出ることにする。小仲坊への道は、垢離取場から少し下った所の右岸についている。

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垢離取場から標高差200mほどを登ると、閼伽坂峠(あかさかとうげ)である。閼伽坂峠からトラバース気味に斜面を下っていくと、小仲坊に出る。

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小仲坊では住職さんらしき人がいたので、少しばかり話をした。小仲坊は1300年の歴史がある由緒ある宿坊である。近いうちにぜひ泊まってみたい。

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無事、駐車地点へ戻る。いつも1人ぐらいはヒルに献血するのだが、珍しいことに今回は被害はなかった。帰り際に不動七重の滝を拝んだ。この滝の登攀もやってみたいところだが、私は体力の方がもうついていけない。

帰路は、特に渋滞にはまることもなくスムーズだった。ワンゲル部員たちにとっても、泳いだり、飛び込んだり、滝を登ったりと、沢登りの楽しさを満喫した1日だったにちがいない。

YouTubeにアップした記録動画です。前鬼川の美しい景色を動画にて楽しんでください。

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July 21, 2023

ワンゲル部山小屋をベースにテンカラ釣り

7月の3連休は土日だけだが、奥美濃のワンゲル部山小屋に滞在し、テンカラ釣りメインでマッタリしてきた。

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入舎した金曜日の夜は雨で、テンションが下がる。翌日は遅め出発でいいやということにして、早速、飲むことにする。1時間ほど宴を楽しんでから就寝した。

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翌朝は雨は止んでいたが、山小屋の周囲は霧に覆われていた。ゆっくりと朝食を食べてから、沢行きの準備を始める。遅め出発ということで、あまり人が入らないと思われる石徹白のB谷に行くことにした。同行のワンゲル部前主将は沢にも行かずに、1人で山小屋に居残ってスローライフを決め込む。学期末試験前の息抜きらしい。

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ワンゲル部OBのHくんと2人で、いつもよりB谷のだいぶ下流部に入渓してみた。B谷に入るのは実に久しぶりであるが、人があまり入らないのは、藪が濃いめで竿を降りにくいからである。テンカラ釣りでは、当然ながら苦労する谷である。

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すぐに1匹目を釣り上げた。その後は、毛鉤をひっかけまくり。釣れないわけではないが、イワナのサイズも小さく、ストレスが溜まる釣りになる。唯一かかった良型は取り込み直前でバラしてしまった。

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思うようにテンカラ竿を振れないこともあり、早めに切り上げて、山小屋にてテンカラ毛鉤作り教室の開催となった。

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夜は、炭火にて肉や野菜を焼き、宴となったのは言うまでもない。

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日曜日は、少々二日酔い気味の状態で、いつも裏切らないA谷へ入ることにした。

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A谷では、期待通りに気持ちよくイワナが出てくれた。

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A谷は基本的にイワナの谷なのだが、下流部では稀にアマゴが釣れる。久しぶりに良型のアマゴが1匹釣れた。

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A谷では、アメマスのような白斑が目立つイワナが時々出る。

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最後の魚止では、前回の尺越えに引き続き、またも35cmのイワナを釣り上げた。

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リリース時に大イワナを水中撮影。

最終的には、A谷では期待通りに20匹越えの釣果で、前日にボウズだったHくんも初のツ抜けを達成できた。

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July 12, 2023

高野山 弁天谷:ワンゲル部のリーダー養成

ワンゲル部のリーダー養成のために、高野山の弁天谷を遡行してきた。3年ぶりの弁天谷は遡行の面白さは変わっていなかったが、倒木が多く、上部の車道からのタイヤなどの不法投棄も多く、荒れ気味だったのは残念であった。

【日程】2023年7月8日(土)
【山域】紀伊
【渓谷名】紀ノ川水系 不動谷川 弁天谷
【メンバー】Hくん(ワンゲル部OB)、Yuka、Fくん、マメゾウムシ
【天候】曇りのち晴れ
【コー スタイム】紀伊細川駅9:54~林道終点10:16-27~4段45m滝下11:08~二俣12:54~車道13:49-14:05~弁天岳14:24-53~女人堂15:13-20~極楽橋駅16:00

ワンゲル部の現役部員Fくんのリーダー養成のために、ワンゲル部前主将のYuka、OBのHくんとともに、高野山の弁天谷を遡行してきた。弁天谷は過去に2回ほど遡行している。6年前(2016年6月18日)に単独で遡行したのが初めてであり、2回目は3年前(2019年6月1日)にワンゲル部員たちと遡行している。弁天谷は公共交通機関利用でアクセスできるお手軽な谷だが、滝がそこそこ多く、基本的にどの滝も直登できるのでかなり楽しめる。残念なのは、源頭部を車道が横切っていることである。そのため、最後の詰めでは不法投棄されたタイヤなどのゴミが目立つ。なお、弁天谷というのは正式な名称ではないらしい。

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南海高野線の紀伊細川駅に9時47分着の電車で全員が集合した。特に早起きをすることもない近場お手軽の谷ならではの集合時刻であった。なお、紀伊細川駅は無人駅ではない。

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駅からは下の車道まで階段を下る。

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不動谷川沿いの車道に出たら、左へしばらく進むと橋がある。不動谷川にはアマゴが放流されていて、漁業権が設定されている。道路からアマゴの姿は確認できたので、そこそこ数はいるようだ。

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橋を渡って、林道を進む。

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林道終点が弁天谷の入渓地点である。林道終点は広場になっていて、そこで沢支度を整える。

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すぐに3m滝が出迎える。

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小滝が続く。

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ゴルジュの様相となり、4m滝。

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つづく4m滝。

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3m滝。

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最初の大滝である12m滝が現れる。若者たちは深い釜をへつって取り付いて直登する。右から巻くこともできる。

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倒木が多くなり、増水時に上部から汚物が流されてきたのか、なぜかトイレ臭い。過去2回の遡行では、こんなに倒木はなかった。上部に高野山の町があるので、この谷の水は飲まない方がよい。

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倒木帯を抜けると、この谷最大の4段45m滝が現れる。ここでリーダー候補のFくんにロープワークの練習をしてもらう。

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OBのHくんの指導のもと、リードとセカンドの確保について練習するFくん。

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2段8m滝。

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2段15mのナメ滝の途中で、ハーケンを打つ練習も行う。

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2段12m滝は階段状。

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2段15m滝と大きな滝が続くが、階段状のため容易に登れる。

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赤岩のナメとなる。

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標高700mの二俣は水量の多い右俣へ進む。

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堰堤が現れるが、左から越える。

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倒木が多く、倒木を潜り抜けていかないといけない。

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タイヤなど不法投棄されたと思われるゴミも増えていく。

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2つめの堰堤を右から越える。

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ナメ滝がつづく。

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右上して車道に出て、車道を越えて再び谷に入る。車道を右へ行けば、道もあるようだが、沢ヤは沢筋に忠実に進みたい。

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少々の藪漕ぎはあるが、車道から弁天岳までの標高差は50mほどである。

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弁天岳に到着し、沢装備を解除する。

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女人堂に下りて、京大坂道を極楽橋へ下山する。

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新道である舗装路は道路陥没のため通行止めとなっていたので、旧道の不動坂ルート(いろは坂経由)を下山した。途中、若い欧米外国人4人組とすれ違った。コロナ明けで、高野山にも外国人観光客が戻っているようだ。

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下山後の打ち上げ。

3年ぶりの弁天谷は遡行の面白さは変わっていなかったが、倒木が多く、上部の車道からのタイヤなどの不法投棄も多く、以前よりも荒れ気味だったのは残念であった。とりあえずはリーダー養成の目的を果たすことはできた。Fくんにはもっと経験を積んでもらい、今後の活躍を期待したい。

YouTubeにアップした記録動画です。登攀シーンはこちらにてご覧ください。

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