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June 27, 2023

滝畑 上山谷:シャワークライミングでゴルジュ突破

滝畑の上山谷を2年ぶりに遡行してきた。上山谷はほぼ2年おきに遊んでいる沢であるが、過去2回(2019年6月15日2022年6月20日の記録)は梅雨時の増水にて、滝を直登できずにゴルジュを巻くことが多かった。今回も梅雨時の遡行となったが、水量は平水にて、ゴルジュをシャワーを浴びながら、ほぼ中央突破にて進むことができた。

【日程】2023年6月25日(日)
【山域】生駒・金剛・和泉
【渓谷名】大和川水系 石川 上山谷
【メンバー】Yuka、マメゾウムシ
【天候】曇り
【コー スタイム】滝畑ダムバス停9:52〜滝畑登山口9:57-10:20〜上山谷入渓地点(3m滝下)10:23〜2番目のゴルジュ下11:36〜最後のゴルジュ上10:49〜木材集積所13:13-32-〜滝畑ダムバス停14:22〜滝畑湖畔観光14:27

上山谷は、河内長野市を流れる石川の滝畑ダム湖のすぐ上流にある支流である。上山谷はほぼ2年おきに遊んでいる沢であるが、過去2回(2019年6月15日2022年6月20日の記録)は梅雨時の増水にて、ゴルジュを巻くことが多かった。今回も梅雨時のほぼ同じ時期だが、ワンゲル部前主将のYukaがパートナーということもあり、なるべくゴルジュは巻かずに、ゴルジュストロングスタイルにて進むことにした。

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公共交通機関利用にて滝畑ダムバス停に到着する。滝畑湖畔バーベキュー場はディキャンプの人たちで賑わっていた。それだけでなく、清風中学校の生徒を乗せたバスが次々と到着し、大賑わいの様相となっていた。岩湧山に向かうハイカーを横目に、岩湧山の登山口にある公衆トイレの前で沢装備を装着する。

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公衆トイレの前から、石川にかかる車道の橋を渡ると、左に階段がある。この階段を登った狭い通路を進む。

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アルミ製の足場と手すりのある通路になり、そのまま進んで行くと、

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ちょうど上山谷出合の上にある3m滝のところに出る。ここから遡行開始となる。水量的にはほぼ平水か、過去2回の時と比べるとだいぶ水量は少なかった。

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最初から険悪な渓相であり、すぐにゴルジュの様相と化す。

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ゴルジュの中の小滝を登る。

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ゴルジュの中に4m滝が現れる。過去2回は水量が多くて左岸を巻いたが、今回は滝の左端を難なく直登できた。ヌメリはほぼなく、ラバーソールで快適に登れた。

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ゴルジュを抜けたところに、5m滝が立ち塞がる。

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5m滝は、流心から離れた右の壁を登るが、念のためロープで確保した。ここはワンゲル部前主将のYukaがリードする。

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セカンドを確保するYuka。

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すぐに10m滝が現れる。この滝は滝裏が洞窟のようになっていて、滝裏に入ることができる。この10m滝は手前の左の壁を登り、上部のバンドをトラバースして滝上に出る。初心者がいる場合はロープを出した方がよいかもしれない。

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流れが2つに分かれて、両方の流れに滝がかかるところに出る。

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どちらも登れそうだし、真ん中の尾根も登れるが、左の2段10mの斜滝を登る。滝上で流れは合流する。

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3m斜滝はフリクションを効かせて登る。

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2m滝はシャワーを浴びながら直登する。

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再びゴルジュの様相と化し、2つめのゴルジュの入口には5m斜滝がかかる。この斜滝は右から越える。

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ゴルジュの奥には、10mのハング滝がかかる。このハング滝は終始水を浴びそうなので、直登を諦めて、少し戻った所から左岸を高巻いた。この滝だけが今回唯一高巻いた滝であった。もう17年前のことであるが、渇水時に直登した記憶はあるが、50代では無理は禁物である。

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ハング滝の落口にはボルトが設置してある。このボルト支点を使って、トップロープ確保にて登攀練習をしてもよいかもしれない。

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2つめのゴルジュを抜けると、いきなり植林の中の穏やかな渓相に変わる。

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油断していたところに、3m滝がいきなり現れる。シャワーを浴びながら左寄りを直登する。

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再び穏やかな渓相となるが、倒木がうるさい。

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3つめのゴルジュの入口付近にくると、土砂で沢床が埋まっていた。

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3つめのゴルジュ入口には深い釜をもつ2mトイ状の滝がかかる。この釜は土砂で埋まらずに済んでいたが、胸まで水に浸かって滝に取り付かねばならない。

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3つめのゴルジュの中から下を見る。ゴルジュの中は3段の滝と言ってもよいだろう。

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ゴルジュの奥には4m滝がかかる。

Shower

この4m滝は前回は手前の右の壁を登って越えたが、今回はシャワーを激しく浴びながら直登した。

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登り切った前主将のYuka。50代には激しいシャワーはキツかった。

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3つめのゴルジュの難所は越えたが、まだ小滝は続く。3m滝を再び激しいシャワーを浴びながら登るYuka。50代初老は濡れたくないので、右から巻いた。ここは若者が直登で突破したのでヨシとしよう。

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谷はしばらくミニゴルジュの様相と化す。

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ミニゴルジュを抜けると、木材集積所跡が現れる。ここで遡行終了である。ここで沢装備を解除し、作業道を下山する。

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テープに導かれながら作業道を下山するが、倒木が多く、だいぶ荒れていた。

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途中、斜面が崩壊している箇所もあった。それでも1時間かからずに、滝畑ダムバス停に下山できた。

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14時台のバスが行った後で、15時台にはなぜか便がなく、次のバスは16時台である。2時間ほど時間を潰さなければならない。このような時は、滝畑湖畔観光にて、下山後の一杯をやりながら時間を潰すのがよい。価格もかなり良心的である。いい気持ちになってからバスに乗車し、帰路についたのであった。

上山谷はお手軽ながらも、コンパクトに面白さが濃縮された沢である。盛夏のやや渇水時であれば、もっと果敢に攻めても面白いにちがいない。次回はワンゲル部の新人たちを連れていきたい。

YouTubeにアップした記録動画です。

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June 24, 2023

なべさんを偲ぶ会 in 白山麓

先週末のことであるが、2月に急逝したなべさんを偲ぶ会が白山麓で行われたので出席してきた。なべさんは石川のテンカラ釣り名人であり、私のテンカラ釣りの師匠であるが、テンカラ釣りだけでなく、山スキーの方でも北陸方面のルートをいろいろと案内していただいた恩師でもある。3月に奥美濃のワンゲル部山小屋にて、なべさんと親しかった一部のメンバーだけで、なべさんの思い出を語り合う会をもったことは、このブログでも報告した。今回は、これまでなべさんがテンカラ釣り普及のために開催していた北陸テンカラ釣り講習会に参加していたメンバーが中心になっての公式な偲ぶ会で、なべさんを慕うテンカラ釣師や山屋が20人ほど集まった。

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前夜遅くに白山麓入りし、車中にて軽く晩酌してから就寝した。

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翌日は集合時間まで時間があったので、京都北山テンカラ会のHさんと近くの渓でテンカラ竿を振ってみた。早朝入渓とはいかなかったので、流石に先行者がいたようで、何の反応もなく、早めに撤収した。午後の集合時間まで、沢装備を干したり、仕掛けを作ったり、ギターを弾いたりと、まったり過ごすことにした。

Moriao

集合場所である道の駅瀬女の裏にあるちょっとした水の溜まりがあり、その上のクズの蔓にモリアオガエルの卵塊が産み付けてあった。

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道の駅瀬女から相乗りにて一里野まで移動し、なべさんが亡くなった一里野温泉スキー場のトップまで雪のないゲレンデを登る。

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アサギマダラがマーガレットの花で吸蜜していた。

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ゲレンデのトップではニッコウキスゲが咲いていた。

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ゲレンデのトップは白山への登山口(加賀禅定道)になっている。

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登山道を少し登ったところが、なべさんが亡くなったところである。そこで、みんなでお線香をあげた。

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宿泊場所の白山里では、夕食を取りながら、なべさんに献杯を行った。

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夕食後には親睦会が行われた。

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はなべさんが愛用したテンカラ道具の形見分けも行われた。私は、バイス、ダイワのテンカラ竿2本、たも網の4点を譲り受けた。

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親睦会は深夜まで続くかと思えたが、比較的早めに終了した。なぜならば、翌朝は4時半出発で、なべさんが生前にテンカラ竿を振ったいくつかの白山麓の渓に、グループに分かれて入る予定だからである。翌朝は皆さんしっかり起きて、グループに分かれて、それぞれの渓に向かったのだった。天国のなべさんも喜んでくれているにちがいない。

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私は、石川と岐阜の山屋さん2人と一緒に白山麓の某谷に入渓した。

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入渓してすぐにイワナが釣れた。

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同行者2名も釣れた。その後は厳しい状況が続いた。

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日が昇っていくと、ポツポツと連れ出した。

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この谷のイワナはお腹がオレンジ色の美しい姿だった。

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尺サイズも1本出た。

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後半はよく釣れた。釣果はちょうど10匹で、ツ抜けは達成できた。

余談になるが、今まで使っていた毛鉤とハリスの結び方が老眼が進んで厳しい。今回は簡単な結び方を試してみたが、強度が弱いのか、抜けるのか、アワセ切れが多かった。それがなければ、もう少し釣果は上がっていたはずである。結び方はなるべく楽にいきたいところだが、強度は下げたくない。まだまだ改良の余地はありそうだ。

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なかなか渓相のよい、新緑のきれいな谷だった。

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帰阪途中にて勝山の8番ラーメンにて遅めのランチを取った。季節限定品の野菜麻辣らーめんは刺激的な味で美味しかった。

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June 15, 2023

山陰 東山(とうせん) 皆込谷(かいこめだに)

先週末は、鳥取県若桜にある東山(とうせん)(1388m)の南に流れを発する皆込谷を遡行してきた。ヌメリは酷かったが、ゴルジュあり、ナメもありで、お手軽ながらもコンパクトにまとまった美しい溪であった。

【日程】2023年6月10日(土)
【山域】山陰
【渓谷名】千代川水系 皆込谷
【メンバー】どうちゃん、Hさん、マメゾウムシ
【天候】曇り
【コー スタイム】駐車地点9:12〜すごいゴルジュ入口11:44-12:06〜900m二俣12:40〜林道13:39-56〜皆込谷右岸尾根下降点14:11〜駐車地点15:20

鳥取県の若桜にある東山(とうせん)(1388m)には、厳冬期に2回ほどスキーを使って登ったことがあるが(2019年2月2021年1月の記録)、登山者があまりいない静かな山である。今回、テレ仲間のどうちゃんから、急遽前日に、この東山の皆込谷を遡行しないかとお誘いを受けた。山陰の沢にはそれほど行く機会がなく、特に予定を入れていなかったこともあり、二つ返事で行くことにした。どうちゃんの会社の同僚のHさんも参加するとのことで、メンバーは3人となった。

朝8時に道の駅はがに朝8時に集合し、2台の車で入渓地点まで向かった。入渓地点へは戸倉峠を越えて、岩屋堂から県道72号に入り、1.5kmほど進んだ所から右に橋を渡って、皆込谷林道に入る。

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林道を1.2kmほど進むと、左手に2台ほど駐められる空き地があったので、そこに駐車した。

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200mほど林道を進んだ所から入渓したが、魚影があったので、しばらく竿を出してみた。釣人の入渓が多いのか、魚がスレていて、毛鉤に食いついてくれない。ここはあまり粘らずに、竿をたたんで、真面目に遡行することにする。

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しばらく歩くと、滝が現れた。写真は2段5mほどの滝である。

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釜のある4m滝は右から登る。大雨の後ということもあり、水量は平水よりは多めか。

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ナメもあり。

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若いHさんは4m滝をシャワーを浴びながら登る。あまり濡れたくない年寄りは左から巻く。

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ゴルジュの様相となる。8mの斜滝は水流が強く、ヌメリも酷いので、念のためロープを出した。トップを行くどうちゃん。

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今回は私だけがラバーソールの沢靴で、他はフエルトソールであるが、今回はフエルトでも滑るほどのヌメリが酷さである。ラバーソールの沢靴ではあまりに滑って危険なので、秘密兵器としてザックに忍ばせてあったモンベル製のサワーサンダルフエルトを初めて装着してみた。おかげで、その後は安心して歩けた。ラバーソールの沢ヤにはぜひお勧めしたいグッズである。普段はほとんどヌメリのない金剛山のイワゴノ谷高天谷も今シーズンは少々ヌメっていたが、西日本全体でヌメリが流されるほどの大雨はなかったのだろうか。

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ゴルジュが狭まり、深い釜の左をへつって進む。ここから次々と滝が現れる。

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5m滝を左から越える。

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8mぐらいの大きな滝が現れる。この滝は右のガリーから巻く。

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8m滝の上には、Sの字型の2段10mほどの斜滝がつづく。

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5m滝は左から越える。

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扇状の5m斜滝。

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紅花のギンリョウソウ。

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3m滝。

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5m斜滝。

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8m滝は右から巻く。

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すごいゴルジュが現れた。ゴルジュの中には多段25m滝がある。

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すごいゴルジュの入口には4m滝。

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4m滝から多段25mまでを、まとめて左岸を高巻く。高巻きの時は、ラバーソールの有利さを活かすために、サワーサンダルフエルトを外した。サワーサンダルフエルトの脱着を繰り返すのはちょっと面倒くさいが、さほど難しいことではない。このサワーサンダルフェルトに近いもので、学生時代に地下足袋に装着するフエルト草履があったことを思い出した。

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高巻きを終えると、6m滝。これは右から巻く。

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斜滝。

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ナメ滝8mは右を登る。

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階段のような多段4m滝。

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30mナメが現れ、癒やし系の雰囲気に変わる。

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標高900mの二俣付近のナメ。本流である左俣へ進む。

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堰堤のようなナメ滝3m。

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2段4mのナメ滝。

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植林の中の流れになり、水量が急に減る。

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流れの中の藪が酷くなったので、植林の中を進む。

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林道に出て、遡行終了。

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しばらく林道を歩いて、下山に使う皆込谷の右岸尾根へ進む。

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木々の間から東山の山頂が見えた。東山は厳冬期にスキーで2回ほど登ったが、今回は山頂は省略した。

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林道の終了地点がちょうど皆込谷の右岸尾根の下降点であった。シカに下草が食べられているせいか、藪漕ぎもなく快適に降りることができる。

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林道に出た。駐車地点まではさほど時間がかからなかった。

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オオバアサガラの花が咲いていた。

皆込谷は、最後の詰めが植林になってしまったことだけは少々残念であったが、ゴルジュあり、ナメありで、コンパクトにまとまった美しい渓であった。技術的にも難しくはなく、下山もさほど苦労することはない。ぜひお勧めしたい渓である。

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June 11, 2023

今シーズンのテンカラ釣り始動:ワンゲル部山小屋ベースの釣行2日間

乗鞍岳での板納めは、2日続けて滑るほどの残雪状況ではなかったので、奥美濃にあるワンゲル部山小屋に移動し、今シーズンのテンカラ釣りを本格的に始動することにした。

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1日目は、山小屋から最も近い藪沢へ行ってみた。

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谷の周囲では、タニウツギの花が満開だった。

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大雨後ということもあり、さすがに水量が多かった。

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今シーズン最初のイワナはおチビさんだった。

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2匹目に良型が出た。ワンゲル部前主将がイワナを食べてみたいと言うので、このイワナをキープすることにした。普段は釣ったイワナは全てリリースしている。

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薪ストーブの蓋を開けて、遠火にてじっくり焼いてみた。焚火と同じ感じで、外はパリパリ、中はふっくらと、うまく焼くことができた。久しぶりに食べたイワナは実に美味かった。

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残った骨は焼き直して、熱燗に入れて骨酒にした。こちらも美味かった。

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翌日は、いつも裏切らない石徹白のA谷へ行ってみた。エゴノキの花が咲いていた。

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A谷は自然林の中を流れる。

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最初はなかなか渋かったが、今日は駄目だった思ったが、ポツポツと釣れだした。

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テンカラ歴2年目のワンゲル部前主将も釣り上げた。

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良型で美しいイワナ。後半は期待通りの釣果だった。

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前主将は6匹のイワナを釣り上げた。

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最後の魚止めでは主と思われる34cmの尺上が出てくれた。蓋を開けたら25匹の釣果だった。2人合わせて31匹で、幸先のよいシーズンスタートとなった。

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そのまま谷を詰める。

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最後は笹藪を漕いで尾根に出た。渓流釣りといっても、だいぶ沢登り寄りのスタイルであった。

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帰阪途中にて、8番ラーメンにて夕食を取った。期間限定メニューの野菜麻辣ラーメンは辛さもまずまずで美味であった。

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乗鞍岳:今シーズンの板納めにて

1週間前の記録になってしまったが、6月最初の週末を利用して、乗鞍岳で板納めをしてきた。災害級の大雨の翌日ということもあり、週末でありながらも比較的静かな乗鞍を満喫し、悔いのない今シーズンのスキー終了となった。

【日程】2023年6月3日(土)
【山域】北アルプス南部
【場所】乗鞍岳
【メンバー】Kさん(現地合流)、Yuka、マメゾウムシ
【装備】テレマーク2
【天候】晴れ
【コースタイム】肩の小屋口〜乗鞍岳11:19-35〜肩の小屋口12:26

ゴールデンウィークに立山で滑ってから1ヶ月。この1ヶ月は土日に所要ありで、滑りに行くことができずに、仕方なく近場で沢登りのシーズンインとした。しかしこれではスキーの方は中途半端なシーズン終了となってしまう。そのため、この週末は、弟子のワンゲル部前主将であるYukaと、乗鞍で板納めをする予定としていた。

ところが予定が近くなると、直前に台風の接近と大雨の予報。一方で週末は大荒れの後の晴れ予報であった。普通の人はそんな時に移動はしないので、うまく現地まで行ければ静かなスキー納めができるにちがいない。しかしながら、金曜日の午前は大阪ではひどい降りだったので、一時は前日発はやめて、土曜日は移動だけにしようと考えていた。金曜日は朝から雨の様子を伺っていたが、15時ぐらいには大雨のピークは過ぎた感じがした。高速道路も通行止めにはなっていない。東の方はこれから大雨のピークを迎えるが、北上する東海北陸道はなんとかなるかもしれない。急遽、夕方に堺を発つことにした。こういう時に移動するのは非常識なことかもしれないが、リスクは受け入れたうえで、行けないのならば行ける所までと考えていた。

幸いなことに東海北陸道は通行止めとならずに、松の木峠PAまで行くことができた。しかし安房トンネルから先の国道158が通行止めとなっていた。これは雨量制限による通行止めなので、雨が止めば規制は解除されるに違いない。とりあえず松の木峠PAで車中泊して様子を見ることにした。

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翌朝は、予想通りに朝6時には通行止めは解除されていた。春山バスも運行されるとのことで、始発に間に合うように乗鞍観光センターに入った。車から降りて支度を始めると、隣に停まっていた車の持ち主も準備をしていた。テレマーカーのようだが、どこかで見たことのある顔だ。なんと大阪労山所属のKさんであった。

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8時30分発の春山バスに乗車して、大雪渓下の肩の小屋口に到着する。ここまでバスが延伸したことで、だいぶハイクアップが省略できる。災害級の大雨の翌日ということもあり、週末でありながらも、さすがに乗車したスキーヤーも登山者も少なかった。

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とりあえずは、Kさんと一緒に剣ヶ峰を目指すことにした。

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乗鞍名物の乗鞍大雪渓webさんがweb用の撮影をされていた。

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乗鞍大雪渓webさんに撮っていただいた写真である。

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シール登行を開始する。

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剣ヶ峰へ向けて高度を稼ぐ。

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雪を繋げていくと、こんな狭い所も通る。

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稜線近くで雪が途切れたので、スキーをデポして剣ヶ峰へ向かう。

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剣ヶ峰まであと一登りだ。稜線は風速20mぐらいの強風が吹いていて、普通に歩くのも難儀であった。爆風で愛用の帽子を飛ばされてしまったのは、たいへん残念であった。

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剣ヶ峰に到着する。山頂の祠の屋根の上では、この強風の中で修復作業をしている人がいた。

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この時期に滑ったことのある木曽御嶽山の眺め。雪が少ない。

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槍・穂高方面の眺め。

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強風の往路をスキーデポ時点まで戻って滑走準備に入る。

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狭い箇所は、私は小回りにて滑ったが、ワンゲル部前主将は横滑りにて通過する。さすがに大雨の翌日ということもあり、湿った重めのザラメ雪ではあった。

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縄張りを誇示するライチョウのオス。

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大斜面が広がったら、あとは自由に滑る。

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無事に下山。前主将もテレマーク2シーズン目ながら、今シーズンは急速な成長を遂げた。初めての爆風もよい経験になったに違いない。来シーズンが実に楽しみだ。

スキーヤーも登山者も少なく、週末でありながらも比較的静かな乗鞍を満喫することができた。これで悔いなく今シーズンのスキーを終了することができた。問題は私の経年劣化の方であるが、なんとかアンチエイジングを成功させたいところだ。これからしばらくは沢の方に専念させてもらう。

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June 01, 2023

金剛山 イワゴノ谷:ヌメリと倒木が酷い! ダイトレまで詰めずにヒロセ道を下山!

5月最後の土曜日は、イワゴノ谷をワンゲル部主将と遡行してきた。2週連続の金剛山の沢であったが、前週に行った高天谷と同様にイワゴノ谷もヌメリが酷かった。おまけに倒木にも悩まされた。今回の遡行の成果は、核心部を終えた標高870m地点から下山できるルートを確認したことだった。

【日程】2023年5月27日(土)
【山域】生駒・金剛・和泉
【渓谷名】大和川水系 イワゴノ谷
【メンバー】ワンゲル部主将、マメゾウムシ
【天候】曇り
【コー スタイム】高天彦神社駐車場9:16~最初の堰堤9:46-10:00~15m滝下10:40~830m二俣12:22~標高870m遡行終了地点12:30~郵便道合流13:15~高天彦神社駐車場13:47

イワゴノ谷は昨年の8月一昨年の6月にも遡行しているが、ダイトレに出るまでの最後の詰めが急登でキツい。金剛山のバリエーションルートを調べると、イワゴノ谷の左岸側にヒロセ道というのがあるらしい。今回はダイトレに抜けずに、このヒロセ道を使って下山することにしたが、難なくヒロセ道に抜けられるかが問題であった。

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高天彦神社の駐車場には9時ぐらいに到着したが、前週と同様にほぼ満車状態だった。車と車の間にかろうじて車が1台駐められる空間があったので、なんとかそこに駐めることができた。今回のパートナーは、ワンゲル部主将のMくんである。

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高天彦神社からイワゴノ谷へ行くには、尾根を1つ越える必要がある。その道中、民家や畑の前を通るのだが、そのの石垣にユキノシタの花が満開だった。

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尾根を越えると、水流がほとんどないイワゴノ谷に出る。谷を渡ると、伏見の集落に出る。正面に伏見道の入口を見て、右へ進むと、イワゴノ谷への林道に出る。獣柵があるので、扉を開けて中に入る。

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林道をそのまま進むと、イワゴノ谷の入渓地である堰堤に出るので、ここで沢装備を整える。堰堤は右から越える。

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小さな堰堤をさらに越えて進むと、最初の滝である12m滝が現れる。イワゴノ滝と言うらしい。イワゴノ滝は左岸から高巻く。

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高巻きは踏み跡を辿るが、そのまま進むと巻きすぎるため、懸垂下降でイワゴノ滝の落口に下りることにした。前回は木を掴みながらロープを使わずに下りたが、やはり懸垂下降が安全である。

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イワゴノ滝の上はゴルジュ状となり、小滝を超えていく。

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谷が開けると、イワゴノ谷最大の15m滝が現れる。この滝はみそぎの滝と言うらしい。過去2回は右岸の泥壁を登って、落ち口ノすぐ上に出たが、今回は左岸の巻き道を辿ってみることにする。

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これがなかなかスリルのある高巻きとなった。滑落したらまずは助からないだろう。巻き道は15m滝のすぐ上のCS3m滝も巻いて、その落口に出た。

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古い堰堤を越えると、しばらく平凡な流れとなるが、倒木が煩い。昨年の8月に遡行した時には、ここまで倒木は多くなかった。

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平凡な流れが終わると、連瀑が始まるが、ここにも倒木があり、登攀の支障となる。岩のヌメリも酷く、ラバーソールでは滑る。このような状況なので、滑りそうな滝は無理して直登はせずに巻いた。

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倒木に悩まされる主将。

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斜滝は問題ないが、滝はつづく。

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CS3m滝からの連瀑はまとめて右岸から巻いた。

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横見の滝とよばれる2条12m滝が現れる。この滝は、上部を右から回り込んで登ると容易である。シャワーがを少々浴びるが、まだ水温が低く冷たい。

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倒木と土砂でわかりにくい720m二俣を越える。

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以前はもうちょっとナメがあったはずが、土砂で埋まってしまったのかもしれない。

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2段7m滝で核心部の滝が終わる。この滝はヌメリが酷かったので、左から巻き気味に登った。フエルトソールの主将も無理せずに巻きを選んだ。

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830m二俣も倒木と土砂が酷かった。

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核心部は越えたので、標高870mあたりで左岸の尾根に取り付きやすどうだったので、ここからヒロセ道に逃げることにする。

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崩れやすい斜面を登る主将。

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尾根に上がると踏み跡がついていた。この尾根はイワゴノ谷北尾根というらしい。上へ登ると湧出岳へ、下方向へはヒロセ道を経て郵便道へつながる。

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踏み跡程度のヒロセ道は郵便道方向へのトラバースとなり、谷を3つ越える。谷を越える箇所は高度があるので、スリップに要注意である。途中、藪漕ぎもあったが、無事、郵便道に出た。

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郵便道を下っていくと、前の週に遡行した高天谷の高天滝の前に出る。高天彦神社の駐車場はここからすぐである。

今回のイワゴノ谷は、倒木とヌメリが以前よりも酷く、沢が土砂で埋まっていた箇所も多かった。前の週に遡行した高天谷もヌメリが酷かったが、このヌメリはしばらく大雨が降っていないことが原因と思われる。沢靴がラバーソールだったこと、水温もまだ低かったこともあり、今回はやむを得ず、滝の登りは巻きを選択することが多かった。ちょうど核心部を終えた標高870m地点に、左岸の尾根に取りつきやすそうなところがあり、そこがヒロセ道へのルートであった。ヒロセ道は、途中、滑落に注意が必要なところと、藪漕ぎを要すところがあるが、踏み跡を見失わないように進めば郵便道に出られる。ダイトレへ詰めるよりもだいぶ楽に高天彦神社に戻れるので、イワゴノ谷の下山ルートとしてはお勧めかもしれない。

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以前に作成した遡行図を修正しました。

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