3月25日〜29日の日程にて、ワンゲル部員たちと5日間ほど山籠もりしていた。前半2日間はワンゲル部山小屋をベースに過ごし、ワンゲル部員たちもテレマークスキーイベント「ゲレンデjack! with 集まろうテレマーク! in 奥美濃」に参加した。イベントでは、ワンゲル部員たちは先輩テレマーカーたちにアドバイスをもらいながら、しっかりテレマークスキーの練習を行った。後半3日間は和田山牧場跡にベースを移し、テン泊生活を送りながら春山訓練を行った。まずはその春山訓練の1日目の報告です。
概要
【日程】2023年3月27日(月)〜29日(水)
【山域】奥美濃
【場所】野伏ヶ岳
【メンバー】ワンゲル部員5名、Tさん(ワンゲル部OB)、マメゾウムシ(ワンゲル部顧問)
【天候】3/27 晴れ、3/28 晴れ、3/29 晴れ
【装備】テレマーク5、ATスキー1、スプリットボード1
【コースタイム】
3/27 白山中居神社8:38〜林道880m付近(シール登行開始)9:25-49〜和田山牧場跡石碑11:00〜幕営地11:27-13:16〜雪上訓練場所13:29-16:08〜幕営地16:22
3/28 幕営地8:09〜ダイレクト尾根基部(1150m)8:55〜北東尾根とのジャンクション11:12〜野伏ヶ岳11:31-12:08〜北東尾根滑走〜幕営地13:17
3/29 幕営地8:05〜ダイレクト尾根基部(1120m)8:45〜野伏ヶ岳南面1220m9:49-10:15〜幕営地11:09-12:15〜和田山牧場跡石碑12:35-12:46〜林道870m付近(滑走終了)13:10-43〜白山中居神社14:19
ワンゲル部山小屋のある奥美濃は、2月以降の降雪が少なく、3月に入ってからは急激な雪融けが進んでいる。残雪量から判断すると、例年よりも1ヶ月は季節が早く進んでいるようだ。そのため、3月下旬時点の山小屋の裏山では、予定していた雪上訓練を行えるだけの積雪は残っておらず、実施場所を変えざるを得なかった。そこで候補になったのが和田山牧場跡であった。当初は山小屋の裏山での雪上訓練を終えてから、石徹白の山に入りテン泊縦走を行う予定だったが、雪山のための充分なトレーニングを行っていない現在のワンゲル部の状況では、少々リスクを感じていた。そこで、和田山牧場跡をベースにして、雪上訓練と周辺の山のピークハントをまとめて行うことに計画を変更したのであった。
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1日目(3月27日)
白山中居神社からスタートする。2泊分の装備とスキー板を担いでいるので、そこそこ重いが、年寄りサポート組のテントは現役部員に持ってもらっている。ただ、現役部員たちのザックが2泊の割には結構大きいのが気になった。ベース方式なので多少は余計な荷物を持っていっても良いが、今後の長期縦走に向けて、もう少し軽量化を意識した方がよいかもしれない。
例年の3月であれば、和田山牧場跡への林道には結構雪が残っていて、比較的すぐにシール登行が開始できるのだが、今回は4月中旬以降の残雪状態ということもあり、しばらくはスキーを担がねばならなかった。
白山中居神社から50分ほど歩いた標高880m付近でようやく雪が繋がり、シール登行を開始できた。昨年は4月7日に同じルートを行っている。その年も雪融けが早かったが、その時は標高870m付近からシール登行を開始できたことから、今年は昨年以上に雪融けが早いことがわかる。
上部のヘアピンの林道ショートカットはなんとかいけたが、1週間後は厳しいだろう。
最後は林道を離れて尾根を進む。
昨年は尾根の雪がつながっておらず、スキーを脱いだが,今年はぎりぎりスキーを脱がずに和田山牧場跡に出ることができた。
正面に野伏ヶ岳が現れて、一気に視界が開ける。
無雪期は湿地になる窪地に今回の合宿のベースとなるテントを設営する。水は湿地を流れるクリークから取ることができるが、高さがあるので、直接に手で汲むことは難しい。我々はビリー缶に細引きを結んで、それをクリークに投げ落として水を汲んだ。
テント設営を終え、一休みしてから、雪上訓練を行った。場所は和田山牧場跡の南側にある北向きの斜面にて行った。まずは歩行訓練である。最初に、つぼ足での斜面の登下降とトラバースの練習を行い、次に、アイゼンを装着しての斜面の登下降とトラバース練習を行った。キックステップについてもつぼ足とアイゼン装着の両方でしっかり練習してもらった。
登下降の練習後には、ピッケルを使った滑落停止の練習を行った。
わきをしっかりしめて、素早く体を反転させてピッケルを説明に打ち付ける。その際に足をあげなければならいが、なかなかそうならない。体が覚えるぐらいまでしっかり練習しておかなければならない。そうでないと、いざという時に瞬時に使えない。
スタカット方式でロープを2人で結んで雪の斜面を登下降する際の、支点の構築の仕方とロープでの確保の仕方についても練習を行った。まずは肩がらみでの確保練習。
次にピッケルを使った確保法であるスタンディングアックスビレイについても練習を行った。
最後に、雪面での懸垂下降を行う際の支点になるスノーボラートを作ってもらった。
実際にワンゲル部員たちに懸垂下降してもらった。一通りの練習を終えたら、16時を過ぎていたので、幕営地に戻り、この日の行動を終えた。
雪上技術はこのような訓練の場だけでなく、日常的な山行の際にもしっかり練習を行い、体がしっかり覚えるぐらいになっていないといけない。
ワンゲル部の和田山牧場跡ベース春山訓練2:野伏ヶ岳につづく
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