増水した前鬼川本流で沢登り
9月の最後の3連休は4年ぶりに前鬼川へ。直前の台風接近がもたらした大雨は、台風通過後2日目でも前鬼川の増水は完全には引かず、遡行の難易度を上げたのだった。
【日程】2022年9月25日(日)
【山域】大峰
【渓谷名】北山川水系 前鬼川本流
【メンバー】ゆか、マメゾウムシ(OMUNWV部)
【天候】晴れ
【コー スタイム】前鬼林道駐車地点8:34〜本流出合8:47〜2段10M滝下9:24〜箱状廊下10:56〜垢離取場12:03-13:14〜閼伽坂峠13:41〜小仲坊14:10〜駐車地点14:47
9月最後の3連休は、ワンゲル部員から前鬼ブルーを見たいというリクエストがあったこともあり、師弟コンビにて1泊2日で前鬼川孔雀又谷右俣を遡行する計画を立てていた。金曜日は天気が悪く、土日は晴れ予報とのことで、金曜日の午後にのんびり出発で現地へ向かった。ところが、突然発生した台風の近畿地方への接近は大雨をもたらし、国道169号が通行止めとなってしまい、現地入りすることができないという事態が発生した。おかげで、だいぶ手前にて車中泊を余儀なくされた。これだけ雨が降ると、前鬼川の増水は間違いない。あえなく沢泊計画は流れたのであった。今シーズンの沢泊計画は流れ続けて、このまま沢泊行をせずにシーズンは終わりそうだ。おかげでその夜は完全に宴会モードに移行し、翌朝は台風一過の見事な晴れであったが、のんびり起床となったのであった。
翌日は、沢に入れないというテンションの低さであったが、晴れているのにダラダラと停滞するのはもったいない。大台ヶ原でも行くかということで、ほとんどデートハイクみたいなことになってしまった。
ようやく前鬼川に入渓したのは、出発日の明後日のことであった。前鬼川本流の日帰りコースは4年ぶりのことであり(2018年9月23日の記録)、合計3回目の遡行となる。孔雀又谷右俣を沢泊で遡行できなかったのは実に残念であった。
まずは黒谷に入溪し、出合まで下降する。台風通過後ということもあり、水量は多い。
前鬼川本流に入る。
早速、前鬼ブルーが迎えてくれる。
1mほどのナメ滝は、左の庇状の岩の下を潜って通過する。
美しい流れである。
2段10m滝が現れる。水量が多くて近づけない。
2段10m滝は、フィックスロープがある右を登る。
2段10m滝の深い釜を見下ろす。
滝上の徒渉箇所は水量が多くて、徒渉は困難であった。失敗したら、そのまま流されて、滝を落ちてしまう。
左岸を高巻く。下降場所にはロープがフィックスされていた。
川幅いっぱいのナメ床となる。
水量の多いナメ床は、通れる箇所が限られる。
美しいナメがつづく。
本来は水線通しで進める所でも、水量多くて小滝や淵を越えられず、巻かざるを得ない場合が何回かあった。
どこを通って行けばよいかというルートファインディングも必要である。水量が多くて流れが速いので、徒渉箇所ではスクラムを組むこともあった。
風呂かい!
前鬼ブルーは美しく癒やされる。
面白い形の岩があった。よくバランスが取れているな。
またも水線通しで進めず。
滝を巻く。
前鬼川のハイライトとも言える箱状廊下が現れる。
周囲からの流れが箱状廊下に落ちていく。
箱状廊下の左岸に水が湧いている所がある。
箱状廊下の上は大岩帯となり、どこを通るべきかルートファインディングに悩む。
斜滝5×8m。
垢離取場で緊張から解かれる。遡行はここまでとする。増水した前鬼川の遡行に疲れたので、三重滝の見学は今回は省略する。
下山は沢を戻らずに、前鬼への道を使う。
閼伽坂峠を越える。
チチタケ。ちょっと触っただけで倒れてしまった。傘からチチタケの名称の由来となった乳液が出てきた。
歴史のある前鬼宿坊「小仲坊」を通る。
ヤマカガシが逃げていった。近畿地方は黒っぽい個体が多い。
最後は林道を歩いて、駐車地点に戻る。下山後に沢靴をチェックすると、小さなヒルが1匹ついていた。ワンゲル部員の足には見事にヒルのかみ跡がついていた。
前鬼川本流の日帰りコースは、平水であれば、デート沢であったのだが、台風接近後の2日目であっても水量はまだだいぶ多く、遡行難易度は上がっていた。おかげでワンゲル部員との2日連続のデートは避けられた。普段であれば簡単に徒渉できる所でも、スクラム徒渉をしたり、普段は水線通しに行ける所が通れずに巻いたりと、少々苦労と緊張をさせられた。それでも前鬼ブルーを見ることができて心が癒やされた1日であった。
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