台高 本沢川 黒倉又谷
先週末は沢仲間と久しぶりに台高方面で、黒倉又谷を遡行した。軽く日帰りのつもりが、想定外のヌメリの酷さで、どの岩も滑るし、スラブ滝は滑り台状態。フエルトソールでも厳しく、明らかに難易度がワングレードは上がっていた。
【日程】2022年7月27日(土)
【山域】台高
【渓谷名】吉野川水系 本沢川 黒倉又谷
【メンバー】Mさん、どうちゃん、ばるちゃん、マメゾウムシ
【天候】曇り時々雨
【コー スタイム】筏場駐車場7:50〜黒倉又谷出合8:16〜(8mスラブ滝からの撤退で40分ロス)〜ゴルジュ上9:12〜750m枝沢(4段ノ滝下)11:49〜860m植林小屋跡13:09-14:02〜本沢川沿いの登山道15:53〜筏場駐車場16:02
台高と言えば、最近では台高山脈北部の縦走や大杉谷のハイクは行っているが、沢登りは2015年8月に遡行した堂倉谷以来の実に7年ぶりである。今回の遡行先に選んだ黒倉又谷は、吉野川水系である本沢川の支流であるが、2014年にその別の支流である黒石谷を遡行したことはある。そんな久しぶりの台高での沢登りの同行者は、バックカントリースキー仲間であり、沢仲間でもある気の知れた3人であった。現在は試験期間中でワンゲル部員たちは山に行けないこともあり、今シーズン初のワンゲル部員以外との沢登りでもあった。
本沢川沿いの林道の終点にある筏場駐車場がスタート地点である。ヤマテンの予報では大台ヶ原方面は曇り時々雨の予報だったが、この時点で雨はまだ降っていなかった。車から降りて、沢装備に履き替えようとすると、なんと靴にヒルがくっついているではないか。アスファルトで舗装された所以外はどうやらヒルがいるようで、いきなりヒル注意報が発令された。
本沢川沿いの登山道を進む。大台ヶ原ドライブウェイができるまでは、大台ヶ原へ登るにはこの登山道を使っていた。今でこそ大台ヶ原は簡単に行ける山になってしまったが、かっては秘境だったのである。
25分ほどで黒倉又川の出合に到着する。黒倉又川は、出合からいきなりゴルジュとなる。
3m斜滝の釜を泳いで突破する。いきなりの泳ぎは水の冷たさを特に強く感じる。
ツルツルの3m斜滝を、小さなスタンスを使って、なんとか登る。
その上の8mスラブ滝は恐怖の滑り台と化していた。どうちゃんがフリクションで突破しようとするが、スリップしてしまった。幸いなことにうまく着地できて大事には至らず。突破を諦めて、泳いで越えた釜へ戻ることにする。この戻るのも大変で、滑りながらの下降で、実に冷や汗ものだった。
釜を泳いで戻って、右岸から高巻くことにする。ここまでで40分の時間をロスした。
ゴルジュをまとめて巻く。ゴルジュ内の5m滝を見下ろす。近場でよく行く和泉山塊の沢に比べると、スケールの大きさを感じる。
ゴルジュの高巻きを終えて、沢に戻る。前方には5mほどの滝が見える。予報通りに雨が降り始めるが、すでに濡れているので問題はない。
美しい斜瀑とナメが始まる。
全長60mのナメの中にある釜。
4m滝の上から。
くの字の5m滝。
4m前後の滝が続く。
この4m滝は左岸から巻いた。
後半の核心部である4段ノ滝の始まりである5m滝。これは右岸から巻く。
3条の4m滝と背後の6m滝。
6m滝を間近から見る。
6m滝を右岸から巻くが、少々緊張する巻きだった。その上の6m滝もまとめて巻いた。
その上は巨岩帯となり、滝は現れたが、特に問題はなかった。
右岸に朽ちた植林小屋が現れ、ここで遡行終了である。雨はいつの間にか止んでいた。
植林小屋の上流は平凡な流れとなり、二俣になっている。ちょっこっとテンカラ竿を振ってから、沢装備を解除する。
下山は左岸にある杣道を利用する。比較的すぐに杣道を見失うが、しばらく上に登った所で杣道を発見する。
杣道には結構キノコが出ていた。これはベニヤマタケか?
ベニナギナタダケ。
途中、杣道が不明瞭な箇所はあったが、うまく繋げて本沢川沿いの登山道に出た。
1名、ヒルへの献血者がいた。
久しぶりの台高は、身近な和泉山塊の沢と比べるとスケールは大きかったが、これほど岩のヌメリの酷かったことは、これまでの自分の沢登りでもほとんど経験がなかったレベルであった。おそらくヌメリが流されるだけの大雨が、今シーズンはまだ降っていなかったためではないだろうか。
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