扇ノ山 上地川 唐戸谷
扇ノ山の唐戸谷を遡行してきた。渓流釣りを除くと、初めての鳥取県での沢登りであった。唐戸谷は豊かな広葉樹林の中にある美しい癒やし系の谷であった。
【日程】2022年8月28日(日)
【山域】中国東部(扇ノ山)
【渓谷名】千代川水系 上地川(わじがわ) 唐戸谷
【メンバー】どうちゃん、ばるちゃん、マメゾウムシ
【天候】曇りのち晴れ
【コー スタイム】上地登山口9:22〜30m大滝下11:02〜登山道13:08-28〜大ヅッコ13:40〜扇ノ山14:01-19〜上地コース分岐14:41〜上地登山口15:42
これまで渓流釣りを除くと、中国地方での沢登りの機会はあまりなかった。昨年に遡行した兵庫県の笠形山の滝ノ谷と段ヶ峰の倉谷川ぐらいである。雪のある時期によく行く氷ノ山や扇ノ山にも遡行価値のある沢はある。これまで単に中国地方の沢を意識していなかっただけである。今回は、山仲間のどうちゃんより、扇ノ山の鳥取県側にある唐戸谷を遡行しようというお誘いがあり、初めての鳥取県での沢登りとなったのだった。
土曜日の午後にわかさ氷ノ山キャンプ場に集合し、その晩は宴会キャンプとし、日曜日に唐戸谷を遡行する。涼しい環境のおかげで、前夜はまったりと過ごすことができた。少々深酒とはなったが、遡行への影響は少ないだろう。
翌朝にキャンプ場から下界に下りても、沢に入るのを躊躇するぐらいのこの夏一番の涼しさであった。河合谷林道に入り、落石に注意しながら上地コースの登山口へ向かう。登山口には車が2〜3台ほど駐車できるスペースがある。
登山口からすぐに入溪できる。入溪地点は二俣になっていて、右俣が本谷で、左俣が唐戸谷である。
左俣である唐戸谷に入る。周囲は豊かな広葉樹林である。
すぐに2mほどの滝が現れて、それを越えると、6mの幅広滝が現れた。左を登れそうだが、岩が脆かったので、左から巻いた。
深い釜を持つ3m滝も左から巻いた。
続く3m滝は中央突破。
倒木の多い所を通過する。
ゴルジュ状に両岸が狭まってくる。
ゴルジュの中に連瀑が現れる。左岸からは枝沢の20mの滝が入り、正面の奥には逆くの字4m滝がある。まず左をへつる。
逆くの字4m滝は、左から入るルンゼを登って越える。続く8mは、右を巻いた。
再びゴルジュ状となって、2m滝を越える。
4m滝は私は右を直登する。
他の2名は左のバンド状から越える。
両岸が高くなってくると、
30m大滝が現れた。
少し戻った所から右岸を高巻く。
なんか獣臭がするなと思ったら、クマ糞があった。
滝のすぐ上に下りたかったので、12mほどの懸垂下降にて沢床へ戻る。
休憩をしてから、遡行を再開する。周囲は豊かなブナ林である。
再び滝が現れる。
連瀑となり、10m滝はシャワーを浴びながら直登する。流れの中にはホールドとスタンスは豊富だが、涼しい日なので、シャワーを浴びるのは結構冷たい。
続く5m滝は右を巻く。
二俣となり、左俣の5m滝を越える。
最後の2条4m滝を越える。
急に源頭の様相となる。
急に水量が減る。
最後の詰めは、掘り割り状の水路となる。
藪漕ぎもなく、登山道に出て、遡行終了。沢装備を解除する。
そのまま大ヅッコから下山でもよかったのだが、他の2名からの勧誘を断れず、扇ノ山の山頂を踏む。無雪期としては初めての山頂であった。雪のある時期と比べると、雪の高さがない分、周囲の木々が高く感じた。
氷ノ山方面の展望。
日本海側の展望。
大ヅッコ付近の分岐まで戻って、上地コースの登山道に入る。この尾根は但馬尾根と言うらしい。周囲の様子を見ると、大ヅッコと扇ノ山の間のコルからトラバースにて上地コースに入れたと思う。
尾根は最初だけ平坦だったが、その後は尾根は急になり、ほぼ同じ傾斜が続く。尾根の幅もあるので、スキー向きの斜面かもしれない。滑りやすい箇所もあるので、ストックがあれば楽である。
分岐から1時間ほどで上地登山口に下山できた。
唐戸谷は、適度な間隔で滝が配置され、ゴルジュあり、30mの大滝ありで、最後は美しいブナ林で締めとなった。見事なナメがあるわけではなかったが、豊かな広葉樹林の中を流れる癒やし系の美しい沢であった。中国地方の沢もこれからは開拓していこうと思う。
Recent Comments