易しい沢でも油断大敵!:テンカラ釣り行中のトラブル
週末は奥美濃にあるワンゲル部山小屋をベースに沢登り・テンカラ釣りの予定だったが、日曜日の天気が悪く、土曜日だけしか行動できなかった。その土曜日もトラブルありで、予定していたことの半分で終了となってしまった。
写真は、前日の移動途中に、敦賀付近で撮影した日の入り。
移動途中で食べた8番ラーメン。北陸方面ではメジャーなラーメン屋チェーン店である。塩ラーメンと餃子をチョイスした。このお店のラーメンには野菜がたくさん入っていて、二日酔いには優しいスープである。
今回の同行メンバーはワンゲル部員1名と、テンカラ釣り仲間(テレ仲間でもある)2名で、私を含めて計4名であった。同じ日程で、ワンゲル部OBのHくんが所属する京都雪稜クラブの6名も入舎していて、計10名と山小屋は賑やかだった。
土曜日は標高1000m近い山小屋でも朝からやけに暑かった。入溪してすぐに釜で泳ぐTさん。この日は山小屋から歩いて行けるD谷へ入った。私は自ら竿を出さずに、ガイドと指導役に専念した。
2週間前にテンカラ釣りデビューして、今回は2回目のテンカラ釣りとなるワンゲル部員は、入溪してすぐに良型のイワナを釣り上げた。
Tさんも釣り上げて、釣れていないのはOさんのみ。
エゴノキの花。
D谷は基本的に藪沢であるので、木の枝が沢の上にかぶっている所が多い。そのような所では、オーバーハンドなキャスティングはしにくいので、このような弓矢式のキャスティングを行うこともある。なかなか目標ポイントに毛鉤を投入するのが難しいが、以前にこの方法で尺イワナを釣ったことはある。
滝の裏側に入って涼む女子2名。よく釣れるのはこの滝の上からである。
この滝の目の前でOさんが転倒して、脇腹と腕を岩にぶつけて負傷する。一時はなかなか動けなかったほどで、搬出方法を考えたりもした。Oさんには痛み止めを飲んでもらって、ワンゲル部員が持っていたテーピングテープを使って、ぶつけた腕にテーピングもした。しばらくしたら、なんとか歩けるとのこと。
まずは滝を1つ越えなければならなかったので、巻き道にロープをフィックスして、フリクションノットでセルフビレイを取ってもらった。とりあえずは自力で登ってもらうが、2人でサポートしながら登ってもらった。最後を登ったのは20歳女子のワンゲル部員だったが、その前のテーピングの件にしても、ロープ等の回収にしても、なかなか頼もしく思った。まだまだ教えるべきことはあるが、充分にリーダーをこなせるだけの器は身についている。
滝上は平凡な沢歩きとなるので、ゆっくりと歩いてもらって脱溪となった。この後に某大滝の登攀のための下見を予定していたが、それはもちろん中止とした。いったん山小屋に戻って、それから車で白鳥の救急へ行ってもらった。骨には異常なしとのことで、一安心だった。京都雪稜クラブのHくんパーティーは別の谷に行ったのだが、そちらも熱中症が1名出るトラブルありで、予定よりもだいぶ時間がかかったとのこと。双方のパーティーのトラブルから、易しい沢でも油断大敵との教訓だった。
夜は2パーティー合同で、盛大にバーベキューを行った。
現地調達のウドの芽の天ぷらや、ミズのおひたしもあり、よく飲み、よく食べた。
最後は花火にて締める。花火をしたのはいつ以来だろうか。
翌日は台風の影響か、朝からの雨予報に変わっていた。キャッチ&リリース区間で竿を出すことも考えたが、雨のためテンションが上がらない。そのまま福井周りで帰路につくことにした。途中、立ち寄った道の駅「越前おおの荒島の郷」には九頭竜川淡水魚ミニ水族館があり、餌が良いのか、体高のある32cmぐらいの尺イワナが水槽の中を悠々と泳いでいた。野生ではこんなに体高のあるイワナはほとんど見ない。
こちらはヤマメと、地方名アラレガコ(標準和名はカマキリ)の2種。
ヤマメ(サクラマス)の稚魚もいた。京都東ICまで下道で帰ったので、だいぶ高速代を節約した。
今回のトラブルは、何でもない所での転倒でも打ち所が悪ければという教訓でもあった。沢の場合は岩にぶつけやすいというのはあるが、ハイキングレベルでも起こり得る事故でもある。私の知っているところでも、低山の登山道での転倒で大きな滑落につながったケースがある。結局のところ、そのようなリスク回避は、事前に行えることとしては、体幹を鍛える、歩行技術の向上といった経験値を上げることであるだろう。現場では、ここに足を置いたらどうなるかなど適度な緊張感を維持し続けることも必要であるだろう。事故後の対応方法を事前にしっかり学んでおく必要もあるだろう。負傷者が動けない場合は搬出方法も知っておかなければならない。ザックを使っておぶって搬出する方法が頭に浮かんだが、年に一度ぐらいはそのような訓練もやっておくべきだろう。別パーティーで生じた熱中症も、やはり事前の対策と現場での対応が重要であるだろう。今回はどちらも大事には至らなかったが、どんな所でも油断大敵という教訓であった。適度な緊張感を維持しながらの行動を心がけたいと思う。
Comments
今回のトラブル、応急処置のできる登山のベテランと体力のある若者が同行していてよかったですね。
渓流釣りしかやらない人の中では、GPSの電波の届かない沢に結構一人で入っていますけど、いつも危ないなと思います。
Posted by: CIMA | July 04, 2022 08:47 PM
CIMAさん、どうもです。
日没までの時間も結構あったし、山小屋までそんなに遠くないことを考えると、余裕をもって対応できました。
渓流釣り、山菜狩りなど、登山以外での事故も多いと思いますよ。
Posted by: マメゾウムシ | July 04, 2022 11:16 PM