南アルプス 神宮川 ヤチキ沢
週末は、全国の精鋭沢ヤの集まりであるシン沢ヤ交流会にワンゲル部員2名を連れて参加してきました。その集合の前に、南アルプスの入口の沢である神宮川ヤチキ沢を、関西蛍雪のAさんも加わり、4人で遡行してきました。短い沢でありながらも、最初から最後まで息つく暇もない連瀑で、癒やし系かと思うナメが結構な傾斜があったりと、沢のエッセンスが濃縮された面白い沢でした。
【日程】2022年6月25日(土)
【山域】南アルプス
【渓谷名】釜無川水系 神宮川 ヤチキ沢
【メンバー】ワンゲル部主将、ワンゲル部Oさん、Aさん(関西蛍雪山岳会)、マメゾウムシ(ワンゲル部顧問)
【天候】晴れ
【コー スタイム】神宮川林道ゲート前駐車地点6:37〜ヤチキ沢出合6:49〜遡行終了(1400m)地点8:27〜日向山北東尾根1390m付近8:53-9:12〜北東尾根分岐(1230m)9:33〜神宮川林道ゲート前駐車地点10:17
今年度のシン沢ヤ交流会は山梨県韮崎市で行われるとのことで、会場の近くにお手軽な沢がないかと調べたところ、出てきたのが今回のヤチキ沢であった。同行メンバーはワンゲル部の精鋭2名だが、沢登りは今年デビューしたばかりである。それでも、毎週の沢登りで経験は積んできている。そこに関西蛍雪山岳会のベテラン沢ヤのAさんが加わってくれたので、たいへん頼もしい限りである。
サントリーの工場の横にある道を進み、神宮川の林道に入る。しばらくするとゲートがあり、その前に駐車スペースがある。
ゲートから林道を進むと、右岸から沢が入るが、3つめの水が流れている沢がヤチキ沢である。
すぐに滝が現れ、連瀑となる。沢全体の傾斜も結構ある。
5m滝。
5m滝の落口には太い倒木が横たわっていた。
次は4段の20m滝が現れる。
ホールド・スタンスは豊富であるので直登する。
ボルダーに挑戦する主将。主将は結局登らずで、登らんのかい! Aさんが登り方の見本を見せてくれた。
トイ状の流れを登る。
ナメが現れる。傾斜とヌメリがあり、滑りやすい。
くの字2段10mほどの滝が現れる。
直登して、最後は木登りで落口に上がった。少し前ならばロープを出すところだが、ワンゲル部員は難なく突破してしまった。ワンゲル部員たちの滝を登る技術がかなり上がっていることを感じる。
またナメが現れる。なるべく滑りにくいところを選んで登る。
大きくハングした壁があり、その横の斜滝を登る。
ここがちょっとヒヤッとした箇所。ワンゲル部Oさんが果敢に右からトライするが、滑ったら下まで止まらないだろう。結局、Oさんは諦めて、左から突破した。もし右から抜けようとするならば、ロープで確保するべきだった。
傾斜の強い滑りやすいナメは草付きに逃げた。
クラックを利用して登るところもあり。
8m直瀑が現れる。直登は難しそうである。
右岸・左岸のどちらでも巻けそうであったが、左岸から巻いた。
まだ滝はつづく。
滝がなくなり、水流がなくなったところが終了地点であった。標高は1400mぐらいで、実にわかりやすい。
明瞭な踏み跡をたどって、左上の小尾根に上がる。
斜面をトラバースする踏み跡をそのまま進むと、日向山の北東尾根に乗ることができる。
あとは北東尾根を下る。途中に尾根の分岐が2箇所あるが、地図読みができれば問題はない。藪漕ぎもなく、駐車地点まで下りることができた。ロープも出さなかったので、スタートから3時間半ほどの所要時間であった。予定よりもだいぶ早い下山であったので、シン沢ヤ交流会の集合前にのんびり温泉に浸かり、汗を流すことができた。
このところ、週末の山行を繰り返しているワンゲル部員2名は着実に体力もつき、滝の登り方もうまくなっていた。初老の顧問は心臓バクバクでヒーヒー言いながら、若者についていくだけだった。今回はベテラン沢ヤのAさんのサポートもあり、ロープを出すこともなく遡行を終えた。Aさんには実に感謝したい。短い沢でありながらも、最初から最後まで息つく暇もない連瀑で、癒やし系かと思うナメが結構な傾斜があったりと、沢のエッセンスが濃縮された面白い沢だった。
YouTubeにアップした記録動画です。
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