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March 26, 2022

毘沙門岳:桧峠からスキーにて挑戦したが敗退

2022年3月の3連休2日目は、顧問をしているワンダーフォーゲル部が奥美濃に所有する山小屋をベースに、裏山である毘沙門岳へ、桧峠から冬季にスキーでアプローチできるかを調べてみました。

【日程】2022年3月20日(日)
【山域】奥美濃
【場所】毘沙門岳
【メンバー】Chiyuki、かねやん、Take、マメゾウムシ
【天候】晴れ時々曇り時々小雪
【装備】テレマーク4
【コースタイム】桧峠8:46〜スゲオリ谷880m地点9:07-林道(990m)10:29-41〜白鳥高原スキー場トップ11:24〜毘沙門岳手前のコル(1200m)(撤退地点)11:59-12:27〜白鳥高原スキー場トップ12:54-13:01〜スゲオリ谷930m地点13:32-44〜桧峠14:27

毘沙門岳のスキールートとして石徹白のシャーロットスキー場跡からの往復ルートは知られているが、冬季は桧峠からの記録はほとんど目にしない。おそらくスノーウェーブパーク白鳥高原が、登山者のゲレンデ内通過を許していないことに原因があると思われる。桧峠から毘沙門岳への夏道もスノーウェーブパーク白鳥高原の敷地を迂回するようにつけられている。そのためルートを検討するにあたって、登山者を歓迎しないと思われるスノーウェーブパーク白鳥高原のゲレンデ内は通らないことを前提とした。結論としては、ほぼ夏道通しのルートが想定された。メンバーは前日と同じで、バックカントリー初心者であるTAKEがどこまでできるかが鍵であった。

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桧峠からはスノーウェーブパーク白鳥高原までの車道があるが、車道の東側にある樹林内に入る。そのまま車道沿いに進もうかとも思ったが、東側にスゲオリ谷という谷があるので、その谷まで下降して、谷沿いに進むルートを考えた。

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どこから下降するかが問題だった。適当に谷状の地形で降りれそうな所を見つけたので、そこから滑り降りることにした。針葉樹林ということもあり、雪は硬く荒れていた。

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なんとか横滑りを中心に標高差70mほどを下りることはできた。TAKEも何とか下りることができて一安心であった。

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スゲオリ谷は沢割れ箇所が多かったが、沢沿いにシール登行はできそうだ。

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スゲオリ谷を詰めていく。スゲオリ谷の上部には夏道がついているが、赤テープでそれがわかる。

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そのままスゲオリ谷を詰めていくと、林道に出る。次は、ここからのルートをどう取るかである。針葉樹林内は雪が硬く,スギの葉が落ちているので滑りにくい。

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滑りのルートを考えて、広葉樹中心の尾根に取り付くことにする。

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斜度はあったが、日の当たる斜面は適度に緩んでいて登りやすい。滑るのにも、実に良さそうな斜面だった。

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尾根上に出て、後ろを振り返ると、桧峠をはさんで反対側にある大日ヶ岳が樹林の間から見えた。ここからは緩斜面の登りになった。

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そのうちに白鳥高原スキー場の樹林コースが右に見えるようになるが、コース外をそのまま登っていける。しかしながら登り切ったところで、リフト降場に出てしまった。リフト降場の通行を避けるために斜面のトラバースは考えられたが、雪崩リスクがある。正面には目指す毘沙門岳が見えた。

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こそこそと一般スキーヤーで賑わうリフト降場を通過して、夏道沿いの平坦な尾根上を進む。

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途中、狭くて急な下りがあったので、斜面をトラバースすることにした。これは失敗で、最近の気温の上昇によって雪庇が崩壊していて、斜面はブロックだらけだった。

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日の当たるオープンな斜面はグズグズで崩れやすく 、雪崩リスクも考えるべきであった。

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なんとか通過して、コルまで下って、最後の登りになるところで行き詰まった。夏道のついている尾根は雪の付きが悪く、スキーでは登れない。スキーで登れそうなのは正面のオープンな斜面であるが、雪庇の崩壊と全層雪崩のリスクが高い。スキーを担いで夏道沿いに登ることはできたが、メンバーに初心者のTAKEもいたので、ここまでとした。新雪の時期であれば夏道を登れたかもしれないが、最近の気温上昇で急激に雪融けが進んだようだ。新雪の時期に再挑戦したい。

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帰りは往路を戻るのだが、斜面のトラバースは避けて、尾根に忠実に戻った。

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スノーウェーブパーク白鳥高原のトップに戻ったところから、シールを外して滑走に入る。

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往路に使った広葉樹林内の滑りは快適ザラメで、実に気持ちよい滑りができた。スキーで遊ぶならば、リフト降場手前までで充分だったかもしれない。

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撮影をしながら林道まで滑り降りる。滑走シーンについては動画をご覧ください。

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林道からはスゲオリ谷に滑り降りるが、針葉樹林内となり、一転して、硬くて荒れた滑りにくい雪となる。日の当たるところは滑りやすいのだが。

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そのままスゲオリ谷を滑っては行かず、途中から夏道のある尾根を登り返すことにした。往路に使ったルートでは桧峠に登り返すのが急斜面のため登りにくく、こちらの方が登りやすいという判断である。

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確かにこの尾根は登りやすかったが、TAKEにシールトラブルが発生する。

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やがて尾根上に出る。TAKEもなんとか上がってきた。尾根の反対側にはスノーウェーブパーク白鳥高原からの車道があるが、車道の方が低くなっており、その間は崖となっている。そのまま尾根上の樹林内を下っていくが、ちょっと藪が濃い。TAKEにはスキーを担いでもらう。

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旧桧峠に出ると、車道と同じ高さになったので、ここからは車道を歩いて桧峠まで戻ることにした。スノーウェーブパーク白鳥高原料金所の横をコソコソと通過したが、特に何も言われなかった。

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下山後は満天の湯で汗を流して、早速生ビールで乾杯となった。

桧峠からの毘沙門岳は、素直に登るとスノーウェーブパーク白鳥高原のゲレンデトップに出てしまう。これを回避するには、いったん谷に滑ってから登り返すルートを取るか、ゲレンデトップ直下の斜面のトラバースしかなさそうだ。厳冬期には結構ハードなバックカントリーとなるかもしれない。スノーウェーブパーク白鳥高原のゲレンデトップ手前まででも広葉樹林内を滑れるので、そこまでにしておくのが無難かもしれない。来シーズンにもう少し調べてから結論を出したいと思う。

YouTubeにアップした記録動画です。滑走シーンはこちらをご覧ください。

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