先週末は降雪後のパウダー狙いで3週間ぶりの氷ノ山へ。山頂にて暴風雪に捕まったが、仙谷にはパウダーが溜まっていた。
【日程】2022年2月19日(土)
【山域】中国
【場所】氷ノ山
【メンバー】タイスケくん、マメゾウムシ
【天候】曇りのち雪
【装備】テレマーク2
【コースタイム】わかさ氷ノ山スキー場トップ8:36〜三ノ丸9:39〜1448m小ピーク10:04-15〜東面滑走〜大屋川右俣1220m10:24-37〜氷ノ山11:42-12:08〜仙谷滑走〜わかさ氷ノ山スキー場ゲレンデ13:18〜わかさ氷ノ山スキー場無料駐車場13:47
関西方面でお手軽にパウダーを狙えるのは、兵庫・鳥取県境の氷ノ山である。3週間前にも氷ノ山へのバックカントリーを計画したが、その時はホワイトアウトのため山頂まで行けなかった(2022年1月29日の記録)。今回はそのリベンジのつもりで、前回も一緒だったテレ仲間のタイスケくんと行くことにした。当日は午後から天気が荒れる予報だったので、正午までには山頂には着いておきたかった。

スキー場のパトロール事務所に登山届を提出し、リフト券1回券(300円)を2枚購入したら、リフト2本を乗り継いでゲレンデのトップへ上がる。

ゲレンデトップにてスキーにシールを貼る。

杉林の中の狭い尾根の急登から始まる。

稜線に出ると、斜度は緩くなるが、風は強くなる。まだ耐えられる風の強さだが、暴風になるまでには下山したい。

三ノ丸避難小屋はだいぶ雪に埋まっていた。避難小屋の扉は3週間前と同様に開かず、これでは避難小屋として使えない。

視界は問題なく、前方には氷ノ山が見える。

本日最初の滑走は、1448m小ピークより、大屋川源流の東面へ。

予想通りに激パウだった。氷ノ山の東面は裏切らないことが多い。ウェアラブルカメラを忘れたので、滑走シーンが取れなかったのは残念であった。

大屋川右俣1220mまで滑り込んで、氷ノ山にダイレクトに登り返す。

サルノコシカケがたくさん!

山頂の南面に長いシューティングクラックが何本も入っていた(2022年2月19日AM11:30)。積雪が風の影響を強く受けてスラブ化した(板状になった)状態。シューティングクラックは積雪の不安定性を示す直接的な証拠となるクラス1データであり、面発生表層雪崩が発生しやすい状況であることを意味する。積雪内部に弱層があり、そこそこの斜度があれば、いつ雪崩が起こってもおかしくはない。山頂南面は斜度がないので問題はなかったが。

天候悪化は予想よりも早く、山頂近くにて暴風雪に捕まる。強風を受けながら、本気モードで山頂を目指して進む。

氷ノ山の山頂には幸いなことに避難小屋がある。早速、避難小屋に逃げ込んだが、すでに誰もいなかった。この避難小屋のおかげで、休憩でき、シールを外したりなど滑走の準備も整えることができた。
問題は山頂からの下山ルートだが、稜線を戻るのは長い時間強風を受けることになる。予定していた仙谷は山頂からダイレクトにエントリーできる。谷に入れば、風は弱まるだろうが、雪崩の不安はある。どちらのリスクを取るかだが、後者を取ることにした。ルート取りによって雪崩リスクをなるべく低く抑えるつもりだ。

避難小屋から覚悟して出て、視界不良の中、コンパスにて方角を確認してから、仙谷へドロップした。仙谷源頭部もウインドスラブができていて、積雪が板状に割れる。山頂に登り返す途中でも、かなり長いシューティングクラックが何本も入っていたことから、雪崩リスクが高いことはわかっていたので、なるべくオープンバーンを避けて、木の多い所を選んで滑走した。

谷に入ると風も治まり、山頂とは大違いの温和な気象条件に変わる。おまけにパウダーも溜まっていた。

パウダー滑走をかなり楽しめたが、標高を下げるにつれて雪は湿雪に変わっていった。

やがて沢割れが目立つようになり、危険な状況になる。すぐ下に堰堤も見える。GPSで確認すると、ゲレンデに出る場所を見逃していたことが判明する。

シールをつけて左岸を登り返したら、すぐにゲレンデだった。杉林が出てきた所で、トラバースに入れば登り返す必要はなかった。
仙谷は夏道はついているが、冬季はスキーヤーしか通らないだろうと思っていたら、スノーシューの若者2名が下りてきてびっくり。ストックもピッケルも持たずによく下りてきたなと、若い人の体力の凄さには感心はしたが、判断や装備のことで、今後のことを危惧してしまった。

ゲレンデボトムまで滑り込んで終了。パトロールに下山届を出してから駐車場へ戻る。

翌日はゲレンデスキーの予定なので、今晩は道の駅にて車中泊。播州の地酒で冷えた体を温めた。3週間前のホワイトアウト時のリベンジはできたが、風雪は今回の方が酷かった。それでも期待したパウダーが滑れて、そこそこ充実したバックカントリーだった。
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