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November 07, 2021

台高山脈北部縦走

平日を利用して、まだ行ったことのなかった台高山脈北部の縦走に行ってきた。初目は、大又からは薊岳を経由して明神岳へ登り、明神平でテン泊した。翌日は、高見山まで縦走し、平野に下山した。針葉樹が多いところでだったが、広葉樹林の紅葉はちょうど良い感じだった。

【日程】2021年11月4日(木)〜5日(金)
【山域】台高山脈
【山名】薊岳・明神岳・国見山・赤ゾレ山・伊勢辻山・高見山
【メンバー】マメゾウムシ
【天候】11/4 晴れ、11/5 曇り
【コー スタイム】
11/4 大又バス停(笹野神社)9:49〜古池辻11:05〜大鏡池12:08〜木屋ノ尾頭12:38〜薊岳(雌岳)13:03〜薊岳13:30-36〜1334m小ピーク13:52〜前山14:39〜三ツ塚14:44〜明神岳14:55〜三ツ塚15:06〜明神平15:16(泊)
11/5 明神平06:36〜水無山06:58〜ウシロ嵓07:14〜国見山07:21〜馬駈ヶ辻07:42〜赤ゾレ池07:48〜赤ゾレ山07:56〜伊勢辻山08:17〜伊勢辻08:21〜ハンシ山08:56〜ハッピのタワ09:12〜南タワ09:33〜雲ヶ瀬山09:59〜大峠(高見峠)10:36-44〜高見山11:34-11:47〜杉谷・平野分岐12:14〜高見杉12:41〜平野登山口13:17〜たかすみ温泉13:24

アキレス腱痛からの復活に向けて、徐々に山行のレベルを上げていっている。2週間前は久しぶりにテン泊にて大峰を歩いてみたが、特にアキレス腱痛が悪化することはなかった。雪山シーズンイン前にもう1回テン泊縦走を試してみたかったので、まだ行ったことがなかった台高山脈北部の縦走に行ってみることにした。有給休暇も余っているので、人の少ない平日に行くことにした。

縦走する場合、車の回収をどうするかが問題になるが、公共交通機関を使えれば、その不安はない。東吉野村は一部はオンデマンドであるが、村内にコミュニテイバスが走っていて、登山口までのアクセスに使える。近鉄大阪線の榛原駅から路線バスに乗車し、菟田野でコミュニテイバスに乗り換えると、登山口の大又まで行ける。なお、菟田野から乗車する場合、予約が必要である。菟田野から大又までの乗車賃は200円であり、なかなか良心的である。菟田野からの乗客は私1人だけだったが、途中で1名乗客が乗ってきて、途中で下車していった。

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自宅の最寄り駅から大又バス停までは、片道3時間かかった。大又からは薊岳経由で登る。

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大又バス停のほぼ正面にある笹野神社の門の右に、登山道の入口がある。

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明神平にクマが出たとのこと。まあ、クマぐらいいるだろう。熊鈴を鳴らしながら歩き始める。

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いったん車道に出る。案内に従って林道に入る。

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林道を進む。林道の終点に軽トラが駐められていた。

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林道の終点からは、トレイルを進む。

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登山道が谷を横切る手前でスギの倒木が何本も道を塞ぐ。迂回が面倒な所は、ザックを下ろして、倒木の下を這いくぐった。

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植林の中の歩きが続く。この日初めての登山者とすれ違うが、軽トラの持ち主だろう。

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大鏡池までは植林の中の歩きで面白くなかったが、大鏡池を過ぎると、ようやく広葉樹が出てくる。ブナの紅葉がきれいだ。

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木屋ノ尾頭を通過する。広葉樹林の中を歩くことが多くなり、美しいブナ林の紅葉を愛でながらで楽しい。

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倒木にはキノコが出ていた。これはクリタケ。

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木々の葉はいい色づきである。

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薊岳が近づくと、痩せ尾根になる。

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尖った薊岳の山容。

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薊岳雌岳の案内板があったが、雌岳はすでに通り過ぎたこの手前のピークであろう。

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痩せた稜線をいったん下って登り返す。

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薊岳に到着。大峰方面の展望が良い。

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これから向かう明神岳方面の眺め。正面に見える鞍部が今晩の幕営地となる明神平である。前山の近くで、男性登山者とすれ違う。

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前山に到着。明神岳方面からやってきた女性登山者と出会う。女性は明神平へ下りていった。

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明神岳に向かう稜線の左側は、シダの草原になっている。途中でシカが逃げていった。

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初日の最後のピークである明神岳に到着。

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紅葉がきれいだ。

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明神岳からの展望はそれほどよくはないが、大峰方面が眺められる。

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明神平に下りて、テントを張る。他にテントが2張あった。1つは前山で出会った女性のものだった。暗くなる前にその女性と少し話をする機会があり、私より一回り年齢が上であることがわかった。単独でテント泊とは畏れ入るとともに、登山は生涯スポーツとであることを実感する。ワンゲル部の学生にも、登山を生涯スポーツとして長い目で見てほしいと思う。もう1つのテントは前山の手前で会った男性のものだった。

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夕食は、食材を持ち上げて作ったキムチ鍋を、これまた苦労して持ち上げたビールと日本酒で味わった。翌朝には少なくとも2kgは装備が軽くなっていただろう。先々週の大峰では、マットが薄くて地面からの冷えで熟睡できなかったが、今回はエアマットを持参し、3シーズンシュラフでもしっかり眠ることができた。

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翌朝は4時半に起床し、6時半過ぎに出発したが、周辺はガスっていた。ガスに覆われて放射冷却が起こらなかったのか、それほど寒くはなかった。

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明神平から水無山までは急登で、朝一にはキツい。

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ガスは8時ぐらいまで取れなかったが、ガスの中の稜線歩きは神秘的な感じがする。

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水無山からは緩いアップダウンで国見山に到着した。

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馬駈ヶ辻を通過する。

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ガスに覆われたハート型の赤ゾレ池。ここから赤ゾレ山に登る道への分岐はわかりにくい。そのまま進むと赤ゾレ山を巻いてしまうことになる。

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赤ゾレ山に到着。高見峠前までは、アップダウンを繰り返しながら徐々に高度を落としていく。

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赤ゾレ山からはすぐに伊勢辻山に到着する。

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伊勢辻山から下りた所の伊勢辻は、三度小屋辻への道が分岐しているが、案内板にある高見山方向へ進む。ようやくガスが晴れたが、天気は、下山するまでは陽が時折差すものの終始曇りであった。誰にも会わないだろうと思っていたら、男性登山者1名とすれ違った。大きなオスジカが目の前を横切っていった。

ハンシ山の手前で登山道は左へ下降していくが、そのまままっすぐ進むと別な尾根に入り込んでしまう。ちょっと進んでから方向がおかしいことに気がついたが、注意が必要である。

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ハンシ山を過ぎると、これから向かう雲ヶ瀬山と高見山が見えるが、高見山の山頂は雲の中であった。

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ススキの草原の中を進む。時折、シカが警戒音を発しながら逃げていく。

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正面に雲ヶ瀬山が見える。

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途中の急登がキツかったが、雲ヶ瀬山に到着する。

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雲ヶ瀬山から高見峠まではアップダウンを繰り返しながら、標高を下げていく。

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高見峠には、平日にもかかわらず、多くの車が停まっていた。ここからは急に登山者が多くなる。

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高見峠からは高見山への最短ルートであることからも、ひたすら九十九折りの急な登りが山頂まで続いた。

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高見山の山容。関西のマッターホルンと呼ばれているらしいが、私にはそこまでの迫力は感じられなかった。見る方向にもよるのかもしれないが、やはり岩場がほしい。

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今回の縦走の最終ピークである高見山に到着する。写真は山頂の東側の眺め。雲は多かったが、山頂では展望があったのは幸いだった。

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霊峰 高見山!

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山頂にある避難小屋の屋根が展望台になっている。上の写真は北側の眺め。

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南西方面の眺め。こちらからやってきたのだが、薊岳が遠く見える。

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南東方向の眺め。

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高見山からは西に伸びる尾根を下山する。

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名前のついた岩が3つほどあった。

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国見岩。

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分岐を平野方向に進み、避難小屋のある高見杉を通過する。疲れもあり、長く感じる下山であった。

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平野登山口に出るが、たかすみ温泉への沢沿いの道は進入禁止となっていたので、下平野バス停に出て、車道を歩いてたかすみ温泉に向った。バスの時刻まで1時間以上あったので、入浴して待つことにした。入浴料は500円。ゆっくりと2日間の汗を流すことができたが、ビールを売っていなかったのは残念だった。

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たかすみ温泉からは東吉野村のコミュニテイバスに乗車し、ひよしの里マルシェで下車した。村内なので乗車賃は100円。乗客は私1人だけだった。この区間は平日は予約は必要ないが、土日・祝日は乗車の2時間以上前に予約が必要である。ひよしの里マルシェからは路線バスにて榛原駅に出た。

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榛原駅のラーメン屋「こうや」にて、ようやくビールにありつけた!

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こってり豚骨系ラーメンだったが、下山後ということもあり、まあまあ美味しかった。

やはり山行中にアキレス腱痛は出てしまう。完治していないことを感じてしまうが、下山後に悪化することはなくなったのは良い兆候と思われる。この感じならば、なんとか雪山シーズンインはできそうな気がする。

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