久しぶりのテント泊山行にて、観音峯山・山上ヶ岳・大普賢岳
久しぶりにテン泊縦走をしてきた。行き先に選んだのは、大峰の山上ヶ岳・大普賢岳周辺である。当初はバリエーションルートも考えたが、アキレス腱痛のことを考慮して無難に一般ルートでの周回とした。
【日程】2021年10月23日(土)〜24日(日)
【山域】大峰
【山名】観音峯山・山上ヶ岳・大普賢岳
【メンバー】マメゾウムシ
【天候】10/23 晴れ時々曇り、10/24 晴れ
【コー スタイム】10/23 観音峯登山口6:20〜観音峯展望台7:41-47〜観音峯山8:22〜三ツ塚8:53〜法力峠9:39〜山上辻11:00-11〜レンゲ辻12:06〜山上ヶ岳12:52-59〜小笹ノ宿13:49
10/24 小笹ノ宿7:02〜阿弥陀ヶ森分岐7:36〜明王ヶ岳7:56〜大普賢岳8:39-48〜阿弥陀ヶ森分岐9:44〜小笹ノ宿10:15-11:04〜山上ヶ岳11:50〜洞辻茶屋12:33-38〜一本松茶屋13:19〜清浄大橋13:54-14:05〜母公堂14:25〜洞川温泉バス停14:54〜観音峯登山口15:33
一時は正常に歩けないほど悪化したアキレス腱痛だったが、針を打ったり、電気や超音波を流したりする治療の効果か、ようやく快方に向かってきた。岩湧山ハイク、高天谷沢登りとこなしても、特に悪化することはなかった。次は重荷を背負って歩いても大丈夫かを確認してみたいということで、久しぶりにテン泊縦走をすることにした。これで問題なければ、雪山ロングルートにも挑戦できる自信となるだろう。
行き先に選んだのは、大峰の山上ヶ岳・大普賢岳周辺である。当初はバリエーションルートも考えたが、アキレス腱痛のことを考慮して無難に一般ルートでの周回とした。駐車料金のかからない観音峯登山口を起点に、まずは観音峯に登り、山上辻を経て山上ヶ岳へ縦走し、水場のある小笹の宿でテン泊する。翌日は軽装にて大普賢岳を往復し、山上ヶ岳から洞辻茶屋経由で洞川温泉に下山する。1泊だけなので、夕食は豪勢に鍋を作り、熱燗を味わうことにした。テント泊は昨年の11月の立山初滑り以来で、大峰は2019年11月の弥山川双門コース以来のことであった。
前夜に観音峯登山口駐車場に入り、晩酌をしてから就寝した。翌朝は5時に起床し、出発時まで1台も車は来なかったので、静かに過ごすことができた。朝食を食べてから出発の準備に入る。テン泊装備を背負って観音峯登山口駐車場を出発したのは、6時20分だった。この日は冬型の気圧配置となり、10月としては気温も低く、風も強い1日となった。
観音の水を通過する。水は1.5Lをハイドレーションに入れてもっているので、ここで補充する必要はない。観音峯展望台までは、南朝ロマンの小径となっていて、奥吉野天川南朝物語の解説版が、この場所を含めて6カ所に置かれている。
しばらくは植林の中の道を進む。ハイキングコースらしく、つづら折りは緩めにつけられている。気温が低く、汗をかかない分、爽やかに登れる。
観音平に到着。東屋がある。ここから展望台まで急登になる。
展望台の近くは草刈りが入ったのか、それともシカに食べられたのか、背丈の低いアザミが花を咲かせていた。
観音峯展望台に到着。風があり、少々寒い。ここに来たのは、おそらく2011年11月の鏑木さんのトレラン講習会以来である。その時は洞川温泉を起点に、観音峯登山口から観音峯山に登り、法力峠を経由して洞川温泉へ周回した。今はアキレス腱痛でトレランはできないが、かってのことを思い出す。
展望台というだけあって、ここは眺めが良い。弥山方面の眺め。
これから向かう山上ヶ岳・稲村ヶ岳方面の眺め。左から山上ヶ岳、大日山、稲村ヶ岳、バリゴヤの頭である。
10年前に来た時はなかったはずの林道が通っている。計2回、林道を横切った。
観音峯山のピークに到着。展望はない。
ブナの倒木にキノコが生えていた。ヌメリがなく、傘や柄の突起が針状なので、おそらくスギタケモドキだろう。
観音峯山から法力峠まではアップダウンが繰り返される。途中の三ツ塚を通過する。このあたりの紅葉はまだ早い感じ。
法力峠に着いて、ようやく本日初めての登山者と会う。ここからはメジャールートとなるので、登山者とすれ違うことが多くなる。
稲村小屋のある山上辻に到着する。スタートしてからここまで4時間40分が経過していた。久しぶりの重荷担ぎの割には、そんなに悪くないペースであった。ここから稲村ヶ岳までは40分ほどではあるが、少なくとも3回は稲村ヶ岳のピークに立ったことがあるので、今回は省略することにした。ここから直接に山上ヶ岳を目指すことにする。
サルノコシカケが生えたコメツガ。山上辻からレンゲ辻までは斜面のトラバースが続く。
他の木にもキノコが生えていた。一瞬、ヤマブシタケかと思ったが、ちょっと雰囲気が違う。生えているのは広葉樹ではなくコメツガだ。帰宅してから調べたところ、サンゴハリタケモドキらしい。
葉が赤く色付いて目立っていた木。同定はできていない。
赤い実。
標高の高い所では、そこそこ紅葉はしていたが、色づきのピークは2週間後ぐらいの感じだ。
レンゲ辻からは女人結界の中に入る。
岩場の登りになる。
急登、そして重荷で失速する。
山上ヶ岳の山頂部に到着する。失速したが、故障明け、そして久しぶりの重荷でこれだけ歩ければ充分だろう。
山上ヶ岳の最高地点にある湧出岩(ゆうしゅついわ)。今から1300ほど前に、役行者が一千日の修行に入り、蔵王大権現を感得された聖地である。
最高地点からちょっと下った所にある山上ヶ岳山頂の標識。
重要文化財の大峯山寺本堂。ここからは2016年12月の奥駈道縦走以来の奥駈道に入る。
山上ヶ岳から50分で、本日の幕営地である小笹ノ宿に到着した。避難小屋の扉は壊れていたので、テン泊で正解だった。
行者堂前の護摩炉と不動明王像。
聖宝理源大師像もある。
渇水気味だが、湧き水の流れがある。早速、いつもの癖でビールと日本酒を冷水に浸すが、気温が低いこともあり、そんなことをする必要はなかった。
小笹ノ宿にはテントを張る場所は結構ある。この日は他には幕営する人はいなそうなので、水場に近い一番良い場所に張った。久しぶりの重荷で疲れたので、夕食まではのんびりすることにする。小笹ノ宿は、ドコモの電波はかろうじて入る。誰も通らないかと思っていたが、登山者が3人ほど山上ヶ岳方面に向かって行った。
今晩の夕食は鶏塩鍋である。1泊なので、豪勢に材料を担ぎ上げた。
鍋ができあがり。熱燗とともに食す。寒いときは鍋に限る。
今回はテン泊向きの新しい道具も試してみた。AnkerのモバイルバッテリーPowerCore 10000 PD Redux 25W。大容量10000mAhなのにコンパクトサイズ。USB-AとUSB-Cの2口。iPhoneとApple Watchに2回ずつは確実に充電できる。
キャリー・ザ・サンのソーラーランタン(ミディアム)。軽量で明るいのが良い。明るさは、強/100ルーメン、中/20ルーメン、弱/10ルーメンの3段間で、点滅モードもある。ザックに外付けしていれば、自然に充電される。
小笹ノ宿では、たった1人のテン泊で、静かな夜を過ごすことができた。しかしながら、3シーズンシュラフと軽量マットでは少々寒く、熟睡はできなかった。夜中、シカの雄が求愛の鳴き声を上げていた。
翌日は、軽装にて小笹ノ宿から大普賢岳を往復する。朝日に輝く奥駈道を歩くのは、実に爽やかで気持ちが良い。
夜から朝の冷え込みで霜柱ができていた。
阿弥陀ヶ森分岐で女人結界を出る。
脇宿を通過。陽が上がると、前日とは一転して暖かい1日となった。
大普賢岳への登りに入る。
山頂が近づいてきた。和佐又からの道と合流すると、ハイカーも多くなる。
大普賢岳に到着。直射日光の下は暑いぐらいであった。
弥山方面の眺め。
稲村ヶ岳から竜ヶ岳にかけての眺め。背後にはホームの金剛山や葛城山も見える。
大台ヶ原方面の眺め。ハイカーが多いので、長居せずに小笹ノ宿に戻ることにする。
行きは何気なく通過した小普賢岳。
再び女人結界に戻る。
小笹ノ宿に往復3時間ちょっとで戻る。やはり軽装だと軽やかに歩ける。コーヒーを入れてからテントを撤収した。食糧が減ったザックは軽い。
山上ヶ岳に戻る。山上ヶ岳からは洞辻茶屋経由で清浄大橋に下る。
参道を下る。宿坊は時期的に閉鎖されている。
古い時代からの参拝道なので、登山道上に茶屋が3カ所ある。まずは陀羅尼介茶屋を通過する。営業は夏季の週末だけらしい。
洞辻茶屋を通過。
植林の中を下る。
一本松茶を通過。
女人結界を抜けて、清浄大橋に到着。
駐車料金2,000円をケチったことで、最後は、清浄大橋から観音峯駐車場までは、6km、1時間半のキツい車道歩きとなった。
リハビリ山行のつもりだったが、終わってみたら、総距離34km、累積標高差2,100mと、そこそこのロングルートであった。今回は、故障明けでブランクもあって、スピードはなかったが、重荷を背負っても、ほぼコースタイム通りには歩くことはできた。行動中にアキレス腱に少し痛みは出たが、下山後に特に悪化することはなく、とりあえずは不安事項は払拭された。これで安心してこれからの山行にも臨めそうだ。雪山シーズンも例年通りに迎えたい。
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