段ヶ峰 倉谷川遡行・旗谷コース下山
先週末の土曜日は、沢登りとしては初めての西へ向かう。兵庫県朝来市と宍粟市の境にある段ヶ峰の倉谷川を遡行し、旗谷コースを下山した。実は兵庫県の沢は初めてだった。先週の4連休の奥美濃でのダメージがいまだ取れず、満身創痍だったが、リハビリにはよい癒やし系の沢だった。
【日程】2021年7月31日(土)
【山域】兵庫
【渓谷名】市川水系 倉谷川
【メンバー】どうちゃん、ばるちゃん、マメゾウムシ
【天候】曇り時々晴れ
【コー スタイム】林道駐車地点9:37〜入渓地点9:49〜一ノ滝下10:29〜二ノ滝下11:00〜670m二俣11:45〜稜線12:44〜段ヶ峰山頂12:52-13:20〜千町峠13:40〜林道14:41〜林道駐車地点15:09
段ヶ峰は、兵庫県朝来市と宍粟市の境にある1103.41mの山である。よく行く金剛山と標高的にほとんど変わらないが、金剛山に比べるとかなりなだらかな山容である。大阪堺からは150kmほどの距離があるが、遅い出発でも充分に往復できるので、当日の朝発で行くことにした。9時に播但線の生野駅前のローソンで、テレ仲間のどうちゃん・ばるちゃん夫妻と合流し、倉谷川沿いの林道へ向かった。
対向車が来ると少々困る狭い林道を進み、標高470m地点近くの空き地に駐車した。
沢装備を装着して、しばらく林道を進んだところから入渓した。
最初は平凡な沢歩きだが、やがて大岩が多くなってくる。
イワタバコの花が咲いていた。昼からトラツグミが「ヒュー・ヒュー」と鳴いていた。
すると、目の前に一ノ滝15mが現れた。右のルンゼが登れそうだが、無難に右から踏み跡をたどって巻いた。
一ノ滝の落ち口のテラスにある不動尊。
大きなヒキガエルがいた。
美しいナメが現れる。
途中、土砂で埋まっている箇所があった。かっては広大なナメがあったようだが、かなりの部分が土砂の下になってしまっているのが残念だ。
ナメ滝5m。
5m斜滝が現れ、
その上にも5m斜滝。
その上に倉谷川最大の二ノ滝30mが現れた。
二ノ滝の左側はフリーで登れそうだったが、念のためロープをフィックスした。
三ノ滝と思われる15m斜滝は難なく越える。ここまで明るく広い谷だった。
あっけなく670m二俣に到着する。本流は右俣だが、平凡な沢歩きになるようなので、変化のある左俣へ進む。
左俣の出合には5m滝がかかる。金剛山や滝畑あたりの滝に似ている。この先はこのような滝が続いたが、直登は難しくなかった。
上部に林道が見えると、その直下は15m滝だった。
林道下のトンネルをくぐる。先行者がいないようで、クモの巣がうるさい。
林道を見下ろす。
壁のような6m滝を右から越える。
ほぼ水流がなくなる。シカが多いためか、下草が食べられていていて、藪漕ぎはない。シカはここまでに3回ほど目撃し、鳴き声も頻繁に聞いた。
先週の奥美濃の疲れが残っていて、ヒーヒー言いながら、稜線直下に出る。
稜線に出た所から段ヶ峰の山頂はすぐであった。山頂にはアンテナが立ててあって違和感を感じたが、すぐ横にテントが張ってあって、アマチュア無線をしている人がいた。発電機もあって、どうやら自分でここまでアンテナ、無線機、発電機を持ち上げたようだ。千町峠までは車で入れるので、そこから何回か往復して持ち上げたのだろう。趣味のためにここまでするのに凄さを感じてしまう。私たち山屋も似たようなものだが。
下山は旗谷コースからだが、まずは千町峠へ登山道を進む。
交尾中のオオウラギンスジヒョウモン。
千町峠にあった悠々山荘。この日は無人のようだったが、定期的に音楽会を開催しているらしい。
千町峠からは谷筋の不明瞭な道に入る。上部は不明瞭な箇所が多いが、迷ったら沢沿いに下降すれば何とかなりそうだ。
途中から地肌むき出しの真新しい林道を歩き、真新しい伐採跡を見る。周辺での伐採が進んでいるようで、木を切るチェーンソーの音と、木が倒れる音がしていた。やがて行きに歩いた林道と合流し、駐車地点に戻った。
今年初の支度へのお持ち帰りもあったが、行動中に被害はなかった。
倉谷川は初めての兵庫県の沢だったが、リハビリにはよい癒やし系の沢だった。きれいなナメは山容のなだらかさ故だろうが、部分的に土砂で埋まっていたのは残念であった。今後、気候変動によって台風などの被害も大きくなることを考えると、ナメがさらに埋まってしまうのを危惧してしまう。
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