11月最後の週末は毎年恒例の立山初滑りへ。当初の悪天予報を覆す上々の天気となり、幸先の良い2020-2021シーズンスタートとなりました。
【日程】2020年11月28日(土)〜29日(日)
【山域】北ア立山
【場所】立山
【メンバー】雪豹、ktn92、たっさん、Kaoriさん、マメゾウムシ
【装備】テレマーク3、ATスキー2
【天候】11/28 曇り時々雪、11/29 曇りのち晴れ
【コースタイム】
11/28 室堂13:20〜室堂山2700m付近14:34-15:25(2回滑走)〜室堂16:04
11/29 室堂平幕営地8:04〜浄土山10:00-12:11(3回滑走)〜室堂平幕営地12:43
11月に入ると、立山の積雪状況が気になり、そわそわしてしまう。例年ならば11月の3連休直前の平日に休暇を取得して立山初滑りをしているのだが、今年は10月後半に冠雪があったことからも豊富な積雪が期待できると思っていた。ところが、11月に入ってからは暖かい日が多く、積雪量があまり増えない。毎年恒例の3連休前の立山初滑りは延期を余儀なくされた。今シーズンは立山初滑りはダメかと思っていたところ、11月最後の週末はまとまった降雪が期待されるという予報が出た。金曜日の夜から土曜日にかけては冬型で天気は荒れるが、日曜日の午前は少々落ち着くらしい。少しでも滑ることができればよいという判断のもと、日曜日のパウダー狙いで入山することにした。
当初は関西の3名だけでのパーティー編成を考えていたが、同じ日程で入山を予定していた中部の山友2名とコラボすることにした。この時期の立山は、ホテル立山以外の宿泊施設はすでにクローズしているので、日帰りでなければテン泊となる。幸いなことに、信州の雪豹さんが所属する山岳会から6人用テントを借りることができた。日曜日のファーストトラックを取るには、荒れ予報の土曜日に入山するしかない。よって悪天でも運休しないアルペンルートの信州側から入山することにした。関西からの3名は金曜日に休暇を取ることができたので、Gotoトラベルを利用して大町温泉郷にて前泊した。
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1日目

出発の朝は、大町温泉郷では曇りの天気で、時折雨がパラついていた。アルペンルートの扇沢駅に近づくにつれて、雨は雪へと変わり、扇沢駅に着いた時にはすっかり雪景色となっていた。とりあえず、積雪の回復は期待できそうだ。5人が揃ったところで、事前にweb予約していた9時発の黒部ダム行きのバスに乗車した。

重荷を背負っての信州側からのアルペンルート乗車は、乗り換えと歩きが多く、室堂に着いた頃には疲れ切ってしまう。室堂の気温は-11℃、視界は悪く、風も強いが、思ったよりは天気は悪くはなかった。テン場は、山小屋がクローズした後なので、雷鳥沢ではなく、室堂ターミナルの北側150mほどの所にある指定地に変わっている。ちょっと距離はあるが、トイレと水場は室堂ターミナルにて利用できる。まずはベースとなるテントを設営だ。風除けのために,テントの周囲にしっかりブロックを積んだ。

視界は20mほどはあり、風も耐えられそうなので、なんとか行動はできそうだ。テン場から近い室堂山に行ってみることにした。

山頂は爆風が吹いていそうなので、山頂までは登らず、適当なところから滑ることにした。

ちょっと酔いそうだが、ドロップ! 少々重めだったが、悪くないパウダーだった。滑走シーンは動画をご覧下さい。

悪くはなかったので、もう1本登り返す。

2本目の滑走。当初は初日は悪天で行動できないと思っていたが、これだけ滑ることができれば満足。上がってみなければわからない立山だった。

スタートが遅かったので、すでに時刻は16時近く。これで本日の滑走は終了。テントに帰る前に、室堂にてトイレと水汲みを行った。

夜はもちろん宴となるのだった。外張り付きで、5人がテントに入れば、寒さを感じることはなかった。寝る前には天気はだいぶ落ち着いていた。気温も入山時より高い気がした。
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2日目

翌朝は、前日から一転して天気は落ち着いていた。気温もそれほど低くはなく、風も弱い。モルゲンロートに輝く雄山。

今日は浄土山を目指す。

目指すは浄土山ボウルのファーストトラック!

先行者はいたが、途中の斜面で遊んでいるので、これより上はトレースがない。ボウルはまだノートラックだ!

剱岳!

浄土山からの雄山。

日本オートルートの眺め。

それでは滑るとしよう! 滑走シーンは動画をご覧下さい。

浄土山のボウルに5人のシュプールが描かれた。最高のパウダーだった! 滑走シーンは動画をご覧下さい。

もう1本登り返す。天気はすっかりよくなっていた。風はなく、気温も上がり、雪はよい。まさに今日はThe Dayだ!

立山カルデラの眺め。

次は斜面を変えて、2本目の滑走へ。

滑っていると、ガリッという音が! こちらの斜面も雪は悪くはなかったが、隠れた岩に注意が必要な滑走となった。

2本目の滑走を終えると、我々の滑ったすぐ右隣の斜面に雪崩跡があった。東向きの尾根状斜面に、単独スキーヤーが誘発したサイズ1の小規模な雪崩だった。時刻は11時で、破断面は30〜40cm程度。誘発点近くの積雪はウインドクラストしていた。我々の滑った所は安定していたが、隣りあった斜面でも風の影響の受け方次第で積雪の状況が異なることがあることを実感できた。気をつけねば!

他のメンバーは3本目の滑走へ。私は昨日から体の調子が悪く、登りはすぐに息が上がる。そのため撮影に徹することにした。さすがに3本目のズタズタになった斜面では、雪は重くなっていたようだ。世界のKaoriさんは4本目の滑走へ。シュプールのないところならば、まだいい雪だ。全員が滑り下りてきたところで、12時を過ぎたこともあり、テン場に戻ることにする。

テントを撤収する。よい天気になったおかげでテントも乾いていた。

この景色を見るだけでも来る価値はある立山だ。今回は2日間も滑れたのはラッキーだった。悪天覚悟で来た甲斐があった。

アルペンルートでの信州側への下山はやはり疲れた。
立山は入山してみなければわからないところもある。今回はダメ元で行ったが、結果的に2日間行動でき、よい雪も滑ることができて、ラッキーだった。今シーズンのよいスタートが切れた。今シーズンは全国的にまだ積雪は少ないようだが、12月の降雪に期待したい。あとは新型コロナウイルスの流行が心配だが、よいシーズンとなることを信じたい。そして安全第一でバックカントリースキーに臨みたい。
YouTubeにアップした記録動画です。滑走シーンはこちらをご覧下さい。
こちらはたっさんが撮影した360°カメラによる映像です。なかなか面白い映像です。
記録はヤマレコにもアップしています。
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