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September 01, 2020

奥美濃 石徹白川 推高谷:和田山牧場跡への林道を探して藪漕ぎ!

先週末はソロにて、石徹白川支流の推高谷を、地形図に林道の記載がある標高1230mまで遡行した。問題は林道を探しての激しい藪漕ぎをだった。ほぼ自然に帰っている林道をどうにか見つけだし、苦労しながらも和田山牧場跡まで到達することができた。和田山牧場跡からは明瞭な林道の下山だった。

【日程】2020年8月29日(土)
【山域】奥美濃
【渓谷名】九頭竜川水系 石徹白川 推高谷
【メンバー】マメゾウムシ
【天候】晴れのち雨
【コー スタイム】白山中居神社8:13〜初河谷出合8:54〜推高谷出合9:21〜10m滝下10:11〜960m二俣11:03〜1040m二俣11:53〜1230m遡行終了点13:25〜湿地(林道交差点)15:01〜ダイレクト尾根基部(ルートミス引き返し点)15:21〜湿地(林道交差点)15:44〜和田山牧場跡15:55〜白山中居神社17:04

今回の沢行の目的は、石徹白川流域の支沢をいろいろと調査するうえで、下降路として、推高谷と、大進橋から和田山牧場跡に通じる林道を使えないかを確認することだった。推高谷の源流部は、薙刀山や野伏ヶ岳へのバックカントリースキーでは馴染みの場所である。雪のある時期に薙刀山に行くには、推高谷を横断する必要がある。野伏ヶ岳山頂から推高谷へ滑走することもある。その際に和田山牧場跡から推高谷への林道の存在は確認はしているが、無雪期にどんな状態であるかは興味を持っていた。というのも、2年前の9月のことであるが、ワンゲル部の学生たちに藪漕ぎ練習として無雪期の野伏ヶ岳に挑戦させたことがあった。決して精鋭とは言えないメンバーであったが、ダイレクト尾根基部までしか到達できず、まだ午前中の早い時間に撤退を決めて戻ってきた。その時にもった疑問が、本当にこのあたりの夏の林道の藪漕ぎがそんなに大変なのかということだった。それを自分で確認してみたいというのが、今回の沢行のきっかけであった。直前で同行予定のパートナーが参加できなくなり、ソロという不安はあったが、藪漕ぎが厳しければ沢へ戻ればよいだろう。がおろさんによる推高谷下降の記録もある。そんな理由から今回の計画を実行するに至った。

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野伏ヶ岳へのバックカントリーの出発地点でお馴染みの白山中居神社に車を駐めて、スタートは8時13分だった。ちょっと遅めではあったが、標高差は550mぐらいなので、時間的には大丈夫だろうと思っていた。

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石徹白川左岸沿いの林道を進む。白山の大杉(石徹白)登山口に向かう林道である。

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初河谷出合を過ぎ、石徹白川が西から北へ大きく向きを変えるところから入渓した。そこから推高谷出合はすぐだった。

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すぐに最初の堰堤が現れる。左から越える。

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すぐに2つめの堰堤で、これも左から越えた。

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1m滝と大きな淵。木にテンカラ毛鉤が引っかかっていた。どうやら釣人も入っているらしい。

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滝の音がしてきて現れたのが10m滝だった。

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10m滝は右から巻いたが、フイックスロープがあった。釣人が取り付けたものだろうか?

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10m滝の落口を覗き込む。

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小滝と淵。

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次に現れたのが4m滝だった。4m滝は右から容易に巻けた。

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ワイヤーがあった。同じ石徹白川の支沢であるカンバタ谷にも似たようなワイヤーがあったが、過去の伐採作業などの名残か?

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多条の滝2段5m。1段目は3m。

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2段目は2m。

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多条の滝の落口から覗き込む。

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出合から1時間半ほどで、960m二俣。左俣は和田山牧場跡の湿地に出るようだが、水量の多い右俣を進む。水量は1:3。

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途中、右岸に崩壊地あり。

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ケルンが作ってあった。

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右岸からの滝とその流れ。

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1040m二俣の水量は1:1。タカノス谷やイワナ谷を遡行した場合は右俣を下降することになるが、今回は下山に林道を使うので、左俣を進む。

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ナメが現れる。

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ナメ滝4m。この滝が魚止のようだ。

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2mぐらいのナメ滝が3つ続く。

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2つめのナメ滝。

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3つめのナメ滝。

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左岸からナメ滝が入る。

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標高1230mあたりに来たので、そろそろ地形図にある右岸から入ってくる林道を探すことにする。推高谷は平凡な沢歩きと思っていたが、滝やナメもあって、そこそこ楽しめた沢だった

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斜面にトラバース気味に踏み跡らしきところを辿るが、ササとヤマブドウの蔓に進路を妨げられ、猛烈な藪漕ぎになる。

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なかなか進まず、あまりにしんどいので沢に戻ろうという思いがよぎったが、林道になんとか出られた。だいぶ歩くのは楽になるが、林道は自然に帰っている所が多く、途中に沢も入ったりしていて、何回も林道を外してしまう。そうなるとまたもや猛烈な藪漕ぎになる。

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藪に遮られ,地形もわからずで、一時はビバークも覚悟したが、なんとか和田山牧場跡への林道に合流することができた。沢からここまで1時間半ほどかかった。ここからの林道は比較的明瞭なのだが、アホなことにここで油断して、ダイレクト尾根の基部に向かってしまった。ダイレクト尾根の基部まで行ってから、方向が違うのに気づいて、すぐに林道の合流地点まで引き返す。合計45分ほどのロスタイムとなった。

そんなミスルートもあり、無雪期の野伏ヶ岳はダイレクト尾根の基部までは林道を辿れ、そこまでの藪漕ぎは比較的容易であることがわかった。問題はダイレクト尾根に乗ってからになるだろう。2年前の9月のワンゲル部員達のダイレクト尾根基部での野伏ヶ岳撤退は簡単に諦めすぎであり、リーダーのバリエーションルートへの未熟さと自信のなさに原因があると思われる。まあ、野伏ヶ岳は雪のある時期に行くべき山ではあるが、もう少し若者の根性を見せてほしかった。

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和田山牧場跡からは車も問題なく通れる林道の下山だったが、急に雨が降り出した。

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途中、林道上に新鮮なクマの糞があった。折立でのクマ騒動もあったが、今シーズンはあちこちでクマの形跡をよく見かける。急な雨でびしょ濡れになったが、和田山牧場跡から白山中居神社までは1時間ほどの下山時間であった。

今回の沢行の目的について、結論から言うと、推高谷からの和田山牧場跡への林道は下山ルートには使えそうだ。ただし、沢から和田山牧場跡までの林道に不明瞭箇所が多いのが難点である。林道を外すと、藪漕ぎに苦労することになる。それを考えると、おそらく推高谷をそのまま出合まで下った方が楽にちがいない。下部の滝の巻きも簡単であるからだ。1040m二俣からならば、2時間もあれば出合まで下れるだろう。

 以下は遡行図です。このルートは一般登山ルートではありません。地図読み技術やロープを使った登攀技術などが必要になります。

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