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September 25, 2020

奥美濃 ブナゴヤ谷から別山谷往復(庄川水系尾上郷川)

シルバーウィークの前半はワンゲル部山小屋をベースに過ごしたが、後半は石徹白から山越えにて、1泊2日で庄川水系尾上郷川上流部の別山谷をブナゴヤ谷から往復してきた。今シーズンは新型コロナウイルス流行による自粛や天候不順もあり、沢泊をまだしていなかった。シルバーウィーク後半は天気が良さそうなので、沢泊にはよい機会だ。そんな訳で、今シーズン最初で最後?の沢泊山行となった。当初の予定では、別山谷から一ノ峰と二ノ峰の間に詰め上がるカラスノウシロ谷を遡行して稜線に戻る予定だった。別山谷への単なる往復となったのは、今回は偵察程度でいいやという私の気まぐれからであったが、来シーズンへの楽しみを取っておくためでもあった。

【日程】2020年9月21日(月)〜22日(火)
【山域】奥美濃
【渓谷名】庄川水系 尾上郷川 ブナゴヤ谷・別山谷
【メンバー】Hくん、マメゾウムシ
【天候】9/21 晴れ、9/22 晴れのち曇り
【コー スタイム】
9/21 石徹白登山口7:37~神鳩避難小屋9:13-40~20m大滝上11:23~ブナゴヤ谷1260m12:40~ブナゴヤ東の谷1240m13:05-21~別山谷14:08~幕営地15:43
9/22 幕営地7:06~ブナゴヤ東の谷出合7:40~ブナゴヤ東の谷1240m8:22~ブナゴヤ谷1260m8:45~20m大滝下高巻き開始10:46~神鳩避難小屋12:55-13:20~石徹白登山口14:28

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前夜は年輩のワンゲル部OBたちも山小屋に来られ、そこそこ飲んだ。そんな状況では翌朝はそんなに早立ちはできるわけもなく、石徹白登山口に着いたのは7時と遅めであった。登山口の駐車場は上段はすでに満車であったが、下段になんとか駐めることができた。石徹白登山口は白山の登山口の中では本峰から遠いためマイナーな方であり、新型コロナウイルス流行のこともあり、そんなに登山者はいないだろうとつい油断していた。さすがはシルバーウィークだけある。これまでの外出自粛の鬱憤を晴らすかのように、多くの人が山に向かったのだろう。

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重荷を担ぐのは6月の立山スキー以来だ。ターブ泊でだいぶ軽量化はしたはずだが、酒類は軽量化していないので、そこそこは重い。石徹白大杉までは階段では早速息が上がる。

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急登を登り切ると、銚子ヶ峰が姿を現す。

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登山口から1時間半ほどで神鳩ノ宮避難小屋に到着。ここで沢装備を身につける。

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神鳩避難小屋上の小ピークを越えたコルより下降を開始する。最初だけ藪漕ぎだが、すぐに沢地形となる。

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倒木や浮き石などで歩きにくいが、やがて水が出てくる。

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さらに下降していくと、ナメ床も現れる。標高1500mのこのあたりで、すでにチビイワナが走るから驚きだ。

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水量も増えてきたところで、滝も出てきた。この5m滝は左岸から巻き下った。

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さらに大きな滝が我々の進路を塞いだ。2段20mの大滝だ。

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30mロープを2本結んで、懸垂下降で下りる。

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また滝だ!

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左岸から木を掴みながら巻き下ったが、美しい10m滝だった。

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さらに滝が続く。

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この滝も左岸から巻いたが、5mほどの斜滝だった。

1260ぐらいになると右岸側の尾根が低くなるので、下部のゴルジュを避けるためにその尾根を乗っ越して1つ東の沢に移る。獣道と水路みたいなところを歩けたので、藪漕ぎはさほどキツくなかった。

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1つ東の沢に出た。

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こちらの沢にも滝はあったが、巻いて下れる。この4mほどの滝は左岸から巻いた。

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次の5m滝は念のため懸垂で下ったが、右岸から下りられそうだった。

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ようやく本流の別山谷に出た。ここまで登山口から6時間半ほどかかった。あとは快適な幕営地を見つけるだけだ。

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右岸に草地の台地があったので、そこを幕営地とした。写真は暗くなってから撮ったものだが、明るいうちにターブ設営と焚き火用の薪集めを行った。

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薪にはすぐに火がつき、焚き火を見つめながら酒を飲んだ。2人でもってきた酒類はすべて飲み干した。夜は満天の星空だったが、疲れと酔いですぐに眠りについてしまった。ターブ泊にもかかわらず、朝まで寒さは感じなかった。

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翌日は一ノ峰と二ノ峰の間に詰め上がるカラスノウシロ谷を遡行する予定だったが、すでに内容的にお腹は一杯で、これまでの3日間の疲れが溜まっていたこともあり、無難にルートの詳細がわかっている往路を戻ることにした。そこは私の気まぐれというか、歳を取って体力と気力が落ちたこともある。同行のHくんには悪かったと思う。

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ブナゴヤ谷の出合。この出合からブナゴヤ谷を遡行しようとも思ったが、下流部のゴルジュを避けて、往路に使った1本東の谷から巻くことにした。

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すぐにブナゴヤ谷から1本東の谷の出合。

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前日は懸垂下降した5m滝は左を登ることができた。

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次の4m滝は左岸から巻いた。

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標高1240m付近より、ルンゼ状の地形から左岸の尾根に取り付く。登り切ったら、水路のようなところを通って尾根の反対側に下りる。

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しばらく平凡な河原歩きが続いた後に、10m滝が現れる。

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前日の下降時と同じく左岸から巻くが、泥壁とササで意外と手こずった。

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次はいよいよ2段20mの大滝だが、だいぶ手前から左岸を高巻く。

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出だしは木登りで、その後は藪漕ぎとなる。ある程度登ったら下降に入り、しばらく下りると枝沢に出た。その枝沢を横切ったらすぐに本流に出ることができた。我ながら上手いル−ファイで行けたと思う。

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最後の5m滝が現れる。

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滝の右側をシャワーを浴びながら直登した。

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その上は源頭の雰囲気となる。標高1500mあたりまで魚影が見られた。

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源頭部のナメ。

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やがて水流がなくなり、最後の詰めとなる。

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最後は藪を少し漕いで、稜線に出る。幸いなことに登山者を驚かすことはなかった。

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神鳩ノ宮避難小屋にて沢装備を解除する。あとは通い慣れたと登山道を下るだけ。

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登山道上に咲いていたリンドウ。もう秋ですね。

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アサギマダラは南への旅の途中か?

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下山後は満天の湯で汗を流して、腹も満たした。

下山後はシルバーウィーク4日間の疲れがどっと出たが、沢では人と会うこともなく静かに過ごせ、最後は沢泊もでき、満足な4日間であった。今回は偵察程度でいいやという私の気まぐれからに別山谷往復となってしまったが、来シーズンへの楽しみは取っておいた。来シーズンこそは別山谷からカラスノ谷やカラスノウシロ谷を詰めてみたい。

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Comments

同志社ワンゲルOBの大西ともうします。
22 日ブナゴヤ谷を降りました。
7時~9時半で最後は東ブナゴヤを使いました、足跡を幾つか見ましたが、すれ違っていたのですね。
私はカラスノ谷から別山を目指しましたが、最後の滝クリアした後、三ノ峰と別山平の鞍部に抜けました。

Posted by: 大西茂之 | September 26, 2020 12:45 AM

大西さん、コメントありがとうございます。
OPUWV部の顧問をしているマメゾウムシです。
22日にすれ違っていたとは驚きです。
まったく気がつきませんでした。
微妙に歩いたところが異なったのでしょうね。
この連休にブナゴヤ谷を通ったパーティーは思ったより多くて、意外と人気があるところだなと思いました。
どこかでお会いできればと思います。

Posted by: マメゾウムシ | September 26, 2020 08:33 AM

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