高野山 黒河道:病み上がりトレラン
高野山には参詣道として7本の街道「高野七口街道」がある。そのうちの町石道は2週間前に(2019年11月2日の記録)、熊野古道小辺路は7年前に(2012年10月12日〜14日の記録)、いずれもトレランスタイルで行っている。今回は黒河道をトレランスタイルにて行ってきたが、風邪が治りきらない状態で走ったので、なかなかキツいトレランとなった。
黒河道(くろこみち)は、文禄3年(1594)の豊臣秀吉の高野参詣の帰途に用いられたと言われている。しかし、道が険しいことから、多くの参詣客は黒河道の西を並行する京大坂道を利用したようだ。高野山周辺では、地域の産物を高野山へ奉納する「雑事(ぞうじ)のぼり」にも利用されたようで、主に物資の輸送に用いられたらしい。
【日程】2019年11月17日(日)
【山域】紀伊
【場所】高野山 黒河道
【メンバー】マメゾウムシ
【天候】晴れ
【コー スタイム】橋本駅8:48〜定福寺9:06〜鉢伏の井戸9:38〜明神ヶ田和9:53〜市平橋(県道102)10:27〜市平春日神社の桂の木11:00〜くどやま森の童話館(旧久保小学校)12:10〜子継峠(粉撞峠)13:16〜一本杉13:35〜女人堂14:21〜極楽橋駅14:58
この日の2日前に風邪をこじらせ、2日間安静に過ごしていた。幸い熱は下がったが、咳はまだ残る。いつまでも休んでいると体力の低下が心配だ。4日後には立山初滑り、2週間後には大阪マラソンが控えている。黒河道の総距離は20kmほどはあるが、アップダウンはそれほどきつくはない。トレランスタイルではあるが、リハビリのつもりで、のんびりと行くことにした。
アクセスは公共交通機関にて。南海高野線とJR和歌山線の駅である橋本駅からスタートする。
橋本駅近くの紀ノ川にかかる橋のたもとには黒河道の案内板がある。黒河道へのルートを示す旗も立っていて、エントリーは迷うことはない。
橋の上からの紀ノ川の眺め。ここは仕事(野外調査)でもよく来た場所でもある。
ロードをゆっくりと走って、最初の名所である定福寺に到着。ここが黒河道の起点となる。
せっかくなので、境内を見学。正面に本堂。
案内に従って進む。熊出没注意とのこと。
トレイルに入る。
ツリガネニンジンの仲間のイワシャジンだろうか?
観音様が2体。五軒畑岩掛観音というらしい。
登りが続く。
鉢伏の井戸を通過。
途中で車道に出て、登りきったところに数件の民家があり、黒河道の最初の峠である明神ヶ田和だ。
明神ヶ田和からは沢沿いの道を下る。この沢は藁谷というらしい。
途中に滝があるではないか! 本当に秀吉一行が通ったんだろうかと思ってしまうような狭い道の下りが続く。
下りきると車道に出て、目の前は丹生川の流れ。玉川峡だ。
市平橋の上からの丹生川上流の眺め。
対岸に渡って、車道を登る。
振り返ると、丹生川流域の眺め。集落を過ぎて、しばらく車道をそのまま進んでしまったが、どうやら方向が違う。途中で分岐を見逃したようだ。集落に戻ると分岐を発見。分岐は、駐めてあった車に隠れて見えなかったことが判明。これで正規のルートに戻る。
このあたりは道標が少なく、作業道も交叉していて、ひじょうにわかりにくい。
市平春日神社の桂の木を発見。間違ってはいないようだ。この先は急な登りとなり、作業道が交叉していてわかりにくいが、方角と時々出てくる道標にて道が正しいことを確認する。
登りきると林道に出た。正面にある太閤坂コースに入る。
緩い登り基調の道を進む。走りたいところだが、病み上がりで調子が上がらない。
山の中に民家が現れ、そのまま進むと車道に出て、正面にくどやま森の童話館が現れた。バイクのツーリングで訪れた3人組男性がちょうど出発するところだった。
校庭にまわってみる。くどやま森の童話館は、2006年以降休校となっていた旧久保小学校が、2017年10月1日に生まれ変わった新たな施設である。4月から11月までの週末および祝日が開館日である。豊かな自然に囲まれた木造校舎にて、木や森に関する絵本や童話、高野山関連の専門書等を読むことができるらしい。リスニングルームも備えており、貴重なアナログレコードの名盤を楽しむこともできるらしい。ゆっくり休みたいところだが、先を急ぐことにする。
童話館からは、粉撞ルートを進む。このあたりの木の葉の色づきは悪くない! 子継峠(粉撞峠)までは登りとなる。
つづら折りの急登を登り切って、しばらく進むと子継峠に到着。
子継峠からは下りになり、この分岐を女人堂方向に曲がってしまったが、転軸山方向に進むで問題なかった。
車道に出てから、右へ曲がり、戻るような感じで一本杉に到着。
一本杉からはどっちに進んでよいかウロウロしながら、結局、車道にて女人堂へ進むことにした。病み上がりのもので...
女人堂までの車道は登り基調であった。途中にあった徳川家霊台付近の紅葉はいい感じだ!
女人堂に到着。
女人堂からは大坂道を極楽橋駅まで下る。
ケーブルカー軌道下のトンネルをくぐると、観光客でいっぱいのケーブルカーが下ってきた。
下りきったところが、極楽橋。
極楽橋を渡って、南海高野線の極楽橋駅に到着。極楽橋駅からは大抵座れるのだが、今回は観光客で結構混雑していた。ちょうど高野山は紅葉のシーズンということもあり、混雑もピークな感じでだった。
今回は、総距離22km、登りの累積標高1400m、所要時間6時間15分のトレランでした。病み上がりということもあり、今回は体力的に結構キツかった。すぐに息は上がるし、身体も重かった。残りの高野山の参詣道も、本格的なスノーシーズンが始まるまでには行っておきたいが、まずは体調を戻さねば。
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