石徹白川 北願教寺谷遡行・西笠羽谷下降:2つの大滝と藪漕ぎ!
先週末の土曜日は金曜日までの雨を考慮して、馴染みの石徹白の沢の開拓へ。アイディアはKPUWV部のみぞkenより。地形図を見ると、笠羽谷の西に1615m小ピークに突き上げる谷があり、標高1450m付近に滝がありそうな感じがする。みぞkenと私、そしてOPUWV部現役のタッキーの3人でこの谷を遡行し、稜線には夏道はついていないので、西笠羽谷を下降することにした。予想通り、30mほどの大滝を発見。その上からは激しい藪漕ぎ。下降は西笠羽谷に入る予定が、ル−ファイミスにて1本西にある支沢に入ってしまう。なんとかなるだろうとその支沢を下降していくと、なんと30mほどの大滝の上に出てしまい、30mの懸垂下降。お手軽な感じで行けると思っていたのが、藪漕ぎが行動時間の半分を占めて10時間行動にて無事下山。あとでガオロさんの記録を発見してわかったことだが、遡行した谷の名前は北願教寺谷で、見つけた大滝はカサバ滝という名前がついていた。
【日程】2019年8月24日(土)
【山域】奥美濃
【渓谷名】九頭竜川水系 石徹白川 北願教寺谷・西笠羽谷
【メンバー】みぞken(KPUWV部)、タッキー(OPUWV部)、マメゾウムシ
【天候】曇り
【コー スタイム】白山石徹白登山口7:38~笠羽谷との二俣(入渓地点)8:15~北願教寺谷出合8:45-9:13~笠羽滝下10:42~笠羽滝上11:29~1615m小ピーク13:05~30m大滝上14:19~30m大滝下(西笠羽谷)14:48~東笠羽谷との二俣15:22~1220m二俣15:41~入渓地点16:47~白山石徹白登山口17:27
馴染みの白山石徹白登山口からスタート。
石徹白川沿いの林道を進むが、母御石谷出合を過ぎると、林道上の藪が濃くなり、道が不明瞭となる。
笠羽谷との二俣手前から入渓。右岸には枝沢からの滝があった。
笠羽谷との二俣は本谷である左俣へ。笠羽谷には林道の橋が架かるが、荒廃している。
本谷の流れ。やや増水気味な感じ。
北願教寺谷出合。北願教寺谷は右俣で、ここから目的の谷である北願教寺谷の遡行となる。
北願教寺谷の流れ。
カツラの老木。
渓相は悪くないが。
滝はほとんど無く、2mほどの滝が1つぐらい。
ナメが1箇所あった。
標高1400mあたりから谷の傾斜が増していく。
予想通り、標高1450m付近で突然大きな滝が姿を現した。あとでわかったことだが、この滝はカサバ滝という名前がついている。
滝の下でポーズを取るタッキー。30m近くは高さはありそうだ。ガオロさん情報によると、滝の地質は三層に分かれていて、最下層が火山灰・礫などの堆積岩、その上の2層は溶岩が流れて固まった岩でそれぞれ違う時期にできたそうだ。このように地質が三層に分かれているのが観察できる滝は珍しいそうだ。
カサバ滝の直登ルートも考えてみたが、無理せずに左のルンゼから巻くことにする。
ルンゼは1箇所嫌らしいところがあり、先に滝下の草付きから巻いたみぞkenにロープを垂らしてもらった。支点はハーケンを打って作った。
カサバ滝の落口にも行ってみた。
滝の上は次第に藪が濃くなり、藪漕ぎと化していく。
激しい藪漕ぎにて稜線に出たが、西笠羽谷へ下降するためには目の前の1615m小ピークを越えねばならない。
1615m小ピークを越えて、コルへ藪を漕いで下る。
沢へ入ったが、この沢は西笠羽谷の本流でないことを後で知る。
一向に沢は広くならず、傾斜は急になっていく。どうもおかしいと思い、GPSで現在地を確認すると、やはり西笠羽谷の西の支沢に入ってしまったようだ。西笠羽谷本流に入るには、もう少し稜線を進まなければいけなかった。
そのまま下降を続ければ、西笠羽谷には合流することは確かだが、30mほどの大滝の上に出てしまった。
30mロープ2本をつないで、懸垂下降へ。なんとかロープ長は足りて一安心。
懸垂下降中の私。
西笠羽谷に下りてからの大滝。登りと下りでそれぞれ大滝に遭遇する今回の沢行。
西笠羽谷にはいくつか小滝は出てくるが、特に支障なく越えられる。
小滝。
東笠羽谷との二俣を通過。
1220m二俣を通過。
カツラの巨木。
林道の橋が見えて、入渓地点に戻ってきました。あとは林道を歩いて、石徹白登山口に無事下山。10時間行動のうち半分が藪漕ぎでした。そういう沢登りもたまにはよいでしょう。
車での帰りに、林道の上に行く手を阻む鳥が。カケスの雛のようだが、まったく逃げない。
しつこく追い立てたら、ようやく飛んでいってくれた。
下山後にガオロさんの北願教寺谷遡行の記録を見つけて、我々がカサバ滝の発見者ではないことを知る。まあ、これぐらい大きな滝ならば、名前がついていてもおかしくはないが...
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