黒部川下ノ廊下トレッキング2日目(阿曽原温泉〜黒部ダム)
黒部川下ノ廊下トレッキングの2日目の記録です。概要については1日目の記録をご覧下さい。
翌朝は4時45分に起床し、6時出発を目指したが、出発準備を終えたのは、周囲がすっかり明るくなった6時20分過ぎであった。他パーティーはまだ撤収中であったが、欅平に行くのであればそう急ぐことはないだろう。黒部ダムに向かうこちらは、これから約14.7kmを歩かねばならないので、もう少し早く出発したかった。
阿曽原温泉小屋の前を通り、登りに入る。
つづら折りをしばらく登る。
そして下る。
いきなり関西電力人見平宿舎が現れる。
人見平宿舎を通過すると、扉を開けてトンネル内にという案内がある。
トンネルの中を案内に沿って進む。途中、線路があったり、高熱でサウナのようになった箇所を通る。
仙人谷ダムに出る。写真はダム下。
ダム上。
仙人谷ダムを振り返る。
いよいよ下ノ廊下に入る。
雲切谷の滝。
しばらく林道を歩く。
正面の山肌に黒四発電所。黒四ダムで溜めた水は地下水路でここまで運ばれる。こんな所にこんなものが昭和20〜30年代に作られたとは実に驚きである。
東谷吊橋。いよいよ下ノ廊下の核心部に入る。
吊橋から下を見る。結構スリルがある。部分的にちょっと凍結している箇所があり、少々緊張した。
橋を渡ったら少し登る。
そして断崖絶壁に作られた水平な道に入る。
S字峡付近。
半月峡。
早くも1名とすれ違ったが、緊張感をもって歩く。
このあたりの色づきもよい。
峡谷内にも朝日が射してきた。
十字峡剱沢吊橋を渡る。
十字峡だ! 黒部川に剱沢・棒小屋沢が両側から流れ込んで十字となっている。
せっかくなので、フイックスされたロープ沿いに進み十字峡の見学に。わざわざ見に来る価値がある絶景で、迫力も充分。
朝日に輝く見事な紅葉!
シャワーを浴びて濡れる箇所あり。
絶景がつづく。
川岸に近い所を通る。少し緊張感がほぐれる。
白竜峡に入る。
美しい眺め!
この水量と流れでは、とても水線沿いには進めないだろう。
大イワナがいそうな。
こんな所によく道を作りましたね。1920年代に作られたとは恐れ入る。
ロープがフイックスされているところから、黒部別山谷出合に下りる。
黒部別山谷。
黒部別山谷は徒渉して渡る。この先で数パーティーとすれ違う。
リンドウが咲いていた。
大へつり。
いまだ大きな雪渓が残っていた。
新越沢の滝。
河原を歩く箇所が出てきて、渓相が優しい感じになる。
イワナはちょうど繁殖期で雌雄がペアリングしていたが、写真にはうまく写らず。
美しい景色がつづく。
鳴沢小沢の滝。
黒部川の流れ。
内蔵助谷出合を通過。正面に丸山東壁。ここからは普通の登山道という感じになる。
ニホンリスがちょこまかと樹上を動き回っていた。
ついに黒部ダムが見えた。
ダム下の橋を渡って。
黒部ダム駅までの標高差200mの急登を登る。
黒部ダム駅に到着! 阿曽原温泉からおよそ7時間半の旅でした。
白くなった立山。11月後半には立山にて初滑りを予定しているが、滑れる積雪量になるにはもう一降りは必要そうだ。
信濃大町駅に出て、駅そばで鴨そばを食べる。
その後はJRにて塩尻の健康ランドに移動し、汗を流してから1人飲み。そのまま健康ランドで1泊し、翌日に松本より高速バスにて帰阪した。
これで黒部川の下ノ廊下から上ノ廊下までつながった。あとは奥ノ廊下を源流まで遡行すれば、黒部川は完全制覇となる。今回は、阿曽原温泉小屋が営業を終了した後の平日ということもあり、すれ違う登山者も少なく、たいへん静かな山行となった。紅葉もちょうどよい色づきで、絶景に心が癒やさ、よい思い出となりそうだ。ワンウェイの山行の場合は、うまく公共交通機関が利用できると、無駄なく効率的に動くことができる。下ノ廊下はまさに公共交通機関利用にふさわしいルートだった。
今回の下ノ廊下トレッキングをスライドショーにしてみました。
Comments
私も20代の時に欅平から黒部ダム方向に歩きましたよ。
その時に比べて登山道が崩れて、ハシゴが大分増えたような感じですね。
あの道を毎年補修するなんて、この先続けることができるのか心配になりますが。
もう一度歩いてみたいと思ってますが、もっと人が減ってくれないと。
Posted by: CIMA | November 10, 2018 07:55 PM
CIMAさん、数十年前だとだいぶ今とは様相が違うかもしれませんね。
わずか1〜2ヶ月ほどの開通のために、毎年補修しているのは本当に恐れ入ります。
やはり平日が穴場と思います。
時期的には紅葉前か、阿曽原温泉小屋の終了後でしょうね。
Posted by: マメゾウムシ | November 13, 2018 01:48 PM