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August 27, 2018

高天原から温泉沢・読売新道にて黒部ダムへ帰還

黒部川上ノ廊下遡行で予定より1日遅れ、さらに高天原山荘にて悪天にて1日停滞した我々は、予定の6日間では下山できなくなってしまった。長期で山に入るとよくあることだが、そうなってしまった事は仕方が無い。とりあえず高天原からは温泉沢を登り、読売新道にて奥黒部ヒュッテに戻り、予定していた針ノ木谷の遡行を中止して、直接に黒部ダムに下山することにした。

【日程】2018年8月17日(金)〜18日(土)
【山域】北ア・南部
【場所】赤牛岳
【メンバー】しっきー、マメゾウムシ
【天候】8/17 晴れ、8/18 晴れ
【コースタイム】
8/17 高天原山荘4:10〜高天原温泉4:23〜温泉沢〜尾根取付点5:22〜温泉沢の頭7:49-8:26〜赤牛岳10:16-49〜鎖場13:13〜奥黒部ヒュッテ15:02
8/18 奥黒部ヒュッテ4:00〜平ノ渡し5:48-6:20〜黒部ダム10:40

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8月17日:高天原山荘〜高天原温泉〜温泉沢〜温泉沢の頭〜読売新道〜奥黒部ヒュッテ

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本日は10時間以上の行動時間が予想されるので、3時起床、4時出発の予定。高天原山荘の朝食時間前に出発するので、朝食はお弁当にしてもらった。荷物をパッキングしてからお弁当を食べる。なかなか美味しい。

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ヘッドライトをつけて出発。星が見えるので、晴れているが、かなり冷え込んでいる。前日の大雨で温泉に入れなかった女性登山者数名も高天原温泉まで向かうようだ。途中横切る沢も水は引いていた。

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入りたくなる誘惑に駆られながらも、高天原温泉を通過し温泉沢の遡行に入る。

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温泉沢の水量も平水に戻った感じ。トレランシューズを濡らしたくなかったので、沢装備で進む。

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右俣に入り、滝が正面に見えたところで、尾根に取り付く。

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取付点にはロープあり。

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草木が夜露で濡れているので、まだしばらくは沢装備で進む。

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森林限界を越えたところで、沢靴からトレランシューズに履き替える。寒気が入ったようで、気温は低く寒く感じる。

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太陽が出ると暖かいが、日陰はまるで初冬のような寒さを感じる。

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温泉沢を見下ろす。如何に急登を登って来たかがわかる。

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高天原山荘から3時間半ほどで温泉沢の頭に出た。水晶小屋から縦走してきた登山者2名と会うが、その1名は一昨日に高天原山荘で一緒だったお兄さんだった。昨日は悪天の中を高天原山荘から水晶小屋まで移動したとのこと。

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これから向かう読売新道。ここで携帯の電波が入ったため、下山が遅れることを家族および関係者に連絡した。

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はるか下方には2晩お世話になった高天原山荘が見える。

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雲ノ平と鷲羽岳。下界は雲海の下か!

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薬師岳。

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それでは赤牛岳を目指して読売新道の縦走へ。

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背後に定番の槍ヶ岳!

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赤牛岳が近づいて来た!

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さほど苦労することなく、温泉沢の頭から2時間弱で赤牛岳に到着。今回の山行における唯一のピークです。

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帰還先の黒部湖が見える!

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奥黒部ヒュッテまでの長い下りに入る。

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樹林帯に入ると、ぬかるんだ道を下る。温泉沢の頭から樹林帯まで4時間強かかったが、前日の爆風の中をはたして4時間歩けただろうか? 前日の撤退は正しい判断だったと思ってしまう。

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東沢谷の流れ。

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東沢谷のゴルジュが見えたならば、奥黒部ヒュッテは近い!

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奥黒部ヒュッテに到着。11時間の行動時間であった。

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最後の宿泊は再びツエルトにて。山小屋で2泊してしまったので、持ち合わせの現金が少ない。それでもお酒を買うぐらいのお金は残っていたので、ビールで奥黒部ヒュッテまで戻ってきたことを祝う。

この日の宿泊者は登山者よりも釣り人が多い感じ。これでは沢登りついでに竿を出しても釣れないのは当然か。

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しっきーはツエルトに入らず、そのままシュラフで眠る。雨が降る心配がなければそれもよし!

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8月18日:奥黒部ヒュッテ〜平の渡し〜黒部ダム

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翌朝は平の渡し6時20分の渡船に間に合わせるために、3日連続となる3時起床4時出発。この日の朝もかなり冷え込んだ。私のポリゴンシールドでは熟睡は不可能であったが、タフなしっきーはしっかり寝ていたようだ。

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平の渡しに余裕を持って到着。途中、登山道上でビバークしていた2人組がいて驚いた。ヘリコプターが黒部川沿いを低く飛んでいたが、遭難者の捜索だろうか? それともこの2人組を探していただのだろうか?

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渡船がやって来た。

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対岸からは1名の登山者が渡ってきたが、こちらからは4名の乗車であった。風が肌寒い。まるで初冬のようだ。

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渡船後は湖岸の道を黒部ダムを目指して歩く。

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雄山谷まで戻ってきた。

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ロッジくろよんを越えると、黒部ダムが見えた!

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黒部ダムに無事帰還! 黒部ダムからの赤牛岳の眺め。

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今日も黒部ダムは観光放水中であった。

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黒部ダムのゆるキャラであるクロニョンのお出迎えもあり!

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トローリーバスにて1週間ぶりに扇沢駅に戻ってきました! まずは小腹を満たす。

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下山後は大町温泉郷の薬師の湯にて7日間の汗を流す。7日間、岩と木を掴みまくった2人の指先はひび割れして痛い!

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1週間にわたる山行後に身体が欲するのはタンパク質! やはり肉! いきなりステーキフレスポ大町店にて遅めのランチとした。

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その後、白馬に移動し、しっきーの関係で、某アウトドアショップの白馬店店長と白馬八方にあるバールメルカートにて一緒にディナーとなった。

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今シーズンにオープンしたばかりのお店だそうです。写真は盛り合わせ7点盛り。

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最後はパスタで締めました! 料理はたいへん美味しく、ワインも飲んで、たいへん満足なディナーでした。

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翌朝の八方からの景色。

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私が顧問をしているワンゲル部パーティーがちょうど白馬三山の縦走を終えて下山してきた。それとすれ違う形で、しっきーが鑓温泉小屋の手伝いに行くために、また山へ向かったのだった。しっきーのタフさは学生たちも見習ってほしいぐらい。

1回の山行で7日間歩き続けたのは、最近では記憶にないぐらいのこと。今年のゴールデンウィークは10日間ほど山に入っていたが、複数の山行のハシゴなので、今回とはハードさが違う。まだまだ私も老け込むには早いかな? 上ノ廊下は決して易しくはなかったが、終始リードしたことは実によい経験になった。謙虚な姿勢を持ちながら、挑戦すべき時は挑戦する姿勢で、もう少しは頑張れるかなと思う。

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August 26, 2018

大東新道にて高天原温泉へ:秘湯入浴と台風通過による停滞

黒部川上ノ廊下の遡行を無事終えて、その疲れを癒やすために高天原温泉へ。高天原温泉への山行はこのゴールデンウィークにも計画していたのだが、残念ながら悪天予報で北ノ俣岳周辺でのバックカントリーに計画変更となった。今回、秘湯入浴の願いは叶ったが、温帯低気圧となった台風15号からの寒冷前線通過に伴う悪天にて1日停滞を余儀なくされた。長期で山に入るとそういうこともあるものだが、山小屋での停滞は実に快適そのものであった。

【日程】2018年8月15日(水)〜16日(木)
【山域】北ア・南部
【場所】高天原
【メンバー】しっきー、マメゾウムシ
【天候】8/15 晴れのち曇り時々雨、8/16 曇りのち雨
【コースタイム】
8/15 C3 8:30〜高天原峠11:38〜高天原山荘12:33
8/16 高天原山荘4:28〜高天原温泉4:44〜温泉沢〜尾根取付点5:49〜2800m撤退地点7:49〜高天原温泉9:41-10:30〜高天原山荘11:00

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8月15日:C3(A沢出合付近)〜大東新道〜高天原峠〜高天原山荘

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前日に上ノ廊下の遡行を終えた翌日の行程は高天原山荘までなので、のんびりと起床した。まずは前日に濡れた装備を河原に広げて乾かす。キジ場で幕営していしまったこともあり、装備がうん○臭くなってしまったこともある。実際にしっきーのマットにはうん○らしいものが付着し、それを沢の水で洗い落とすのにしっきーは必死になっていた。

この時にちょうど上ノ廊下遡行を終えたNさん・Fさんパーティーとお会いした。私たちより1日遅れで入渓していながら、スピーディーに2日で抜けて、今日は赤木沢を経て折立に下山するとのこと。なかなか強靱そうなお2人でした。

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パッキングを済ませて、遡行してきた黒部川を振り返る。

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大東新道を歩き、B沢出合に。

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最初はB沢沿いに登る。

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大東新道はやがて斜面のトラバースに入り、まずはC沢を横切る。

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樹林帯の中のアップダウンを進み、D沢、E沢を横切る。

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薬師岳の眺め。金作谷が見えている。その下は上ノ廊下だ。

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2晩寒さで眠れなかったこともあり、調子が上がらなかったが、ゆっくり歩いても3時間ほどで高天原峠に到着。

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高天原峠から下っていくと、岩苔小谷を横切り、湿原の中を通る道となる。岩苔小谷では釣り竿を持った人がいた。これだけ多くの人が釣りに入っていれば、どこに行っても釣れないかもしれない。

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正面に見えるのは赤牛岳方面。

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今宵の宿である高天原山荘に到着。高天原峠からは1時間ほどだった。

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今晩は温泉と布団で疲れを癒やし、ビール三昧の予定である。

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到着してすぐに雨が降り出したが、雨が止んだところで高天原温泉へ。行きは20分、帰りは30分ほどかかる。男女別の浴槽と混浴の浴槽がある。

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こちらは混浴の浴槽。

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高天原山荘で600円で購入したビールを飲みながら秘湯入浴。

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しっきーも水着着用で混浴入浴。

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緑色硫黄細菌かな?

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小屋に戻る途中で、読売新道。温泉沢を経てやってきたMiyukiさんとバッタリ! ご一緒に宴会となりました。

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Miyukiさんとは、オックスファム・トレイルウォーカーという100kmを踏破するウォーキングイベントに、4人一組のチームで一緒に出たことがある(2013年5月の記録)。その後、てれまくりで1回お会いして以来の再会である。まさかこんな山奥の小屋でお会いするとは奇遇です。

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高天原山荘の夕食。

問題は翌日の天気。予報では台風15号から変わった温帯低気圧の寒冷前線が、正午ぐらいに富山を通過する。荒れた天気が予想されるが、午前中であればなんとか読売新道を進めるかもしれない。エスケープのできない長い読売新道であるが、予定通りの日程で下山するには行くしかない。とりあえず3時起き4時発で挑戦してみることにする。

その晩はビールや焼酎など飲みまくり、暖かい布団で深い眠りに落ちたのだった。

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8月16日:高天原山荘〜温泉沢〜2800m撤退地点〜温泉沢〜高天原山荘

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朝のうちはまだ小雨であった。小屋の周辺は視界も効く。風雨に耐えられるように上ノ廊下遡行時に着用していたウェットスーツを着て出発した。足下は温泉沢の徒渉に備えて沢装備とした。

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途中、横切る沢はかなり増水していたが、沢装備なので問題なし。高天原温泉から温泉沢に入る。

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温泉沢の遡行へ。水量は多かったが問題はない。

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途中で右俣に入る。

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正面に滝が見えたあたりで尾根に取り付く。

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尾根への取付点。温泉からは1時間ほどのところだ。

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樹林帯の中を登り、

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やがて、森林限界を超えるとガレた急登となる。急激に風も強くなる。

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読売新道の稜線は見えていたが、やがて見えなくなり、風雨がさらに強くなってきた。ここで装備に問題があることが発覚。濡れたウェットスーツは冷える。しっかり乾かしておけばよかった。軽量雨具として持ってきたモンベルのトレントフライヤーは薄すぎて保温効果がまったくない。軽量装備のデメリットを目の当たりにした。標高2800mあたりまで登るも、身体が飛ばされるぐらいの爆風。エスケープのできない読売新道で長時間の爆風にさらされることは危険と判断し、撤退することにした。この時一緒に登っていたおじさんも一緒に撤退したが、小屋には戻っていなかったので、水晶小屋に行ったと思われる。

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高天原山荘まで戻ってくると、風もなく平穏そのもの。雨も降っていなかったので、再び入浴することにした。この天気なので誰も来ない温泉をしっきーと2人で独占である。やがて雨が降り出す気配を感じたので、高天原山荘に戻り、もう1泊お願いすることにした。

この日の失敗があるので、乾燥室で濡れた装備をしっかり乾かすことにした。予報通り、午後は激しい雨となった。強行していたら、たとえ野人と言われる私であっても低体温症になるリスクは高かっただろう。年齢的に過信してはいけないことも確かであり、読売新道突破を強行しなかったのは正解だったかもしれない。

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連泊メニューは野菜の天ぷらであった。外が悪天でも山小屋は実に快適だ。ツエルト泊だったらきっと耐えられなかっただろう。

この日の停滞で、予定の6日間では山行が収まらずに7日を要すこととなった。明日は電波が通じるところに出たら、関係者に下山が遅れることを連絡しないといけない。翌日は10時間以上の行動が予想されるので、今日と同じく明日も3時起き4時出発とすることにした。

高天原から温泉沢・読売新道にて黒部ダムへ帰還につづく

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瞬時に濁流と化す黒部川上ノ廊下:2年ぶり2度目の遡行にて

お盆休みの7日間にわたる山行の概要についてはすでにアップ済みであるので、個々の記録の詳細についてアップしていくことにする。まずは黒部川上ノ廊下の遡行についての記録です。

【日程】2018年8月12日(日)〜14日(火)
【山域】北ア・南部
【渓谷名】黒部川 上ノ廊下
【メンバー】しっきー、マメゾウムシ
【天候】8/12 曇り時々晴れもしくは雨、8/13 曇り時々雨、8/14 晴れのち曇り時々雨
【コースタイム】
8/12 黒部ダム7:16〜平ノ小屋10:51-11:52〜奥黒部ヒュッテ14:12-39〜C1(熊ノ沢出合付近)15:07
8/13 C1 6:22〜下ノ黒ビンガ7:38〜口元ノタル沢出合8:09〜廊下沢出合9:55〜上ノ黒ビンガ10:48〜金作谷出合12:17〜濁流化による停滞13:25-14:28〜C2(岩棚上)15:23
8/14 C2 6:25〜岩苔小谷出合8:31-9:00〜立石寄岩10:58〜B沢出合14:05〜C3(A沢出合付近)14:44

今年の夏は、人の多いお盆休みずらして休暇を取り、のんびりと釣り中心の沢登りでもしようと当初は考えていた。 そこにBC仲間のしっきーから、「上ノ廊下から高天原温泉、そして読売新道で戻るはどう?」とお誘いがあった。上ノ廊下は2年前の渇水時にさほど苦労なく遡行できた(2016年8月の記録)。ただし、その時は泳ぎが達者なニシがいて、彼が難所を突破してくれたおかげで、水線通しに行けたのであった。私の泳力ではとてもリードできる自信はなかった。それでしっきーには、「泳ぎと徒渉の練習をしていないと難しい」と返事をし、別の行き先を考えてもらうようにした。よく考えてみると、今年は夏に雨が降らず、2年前の時以上に渇水である。ひょっとしたらさほど苦労せずに行けるかもとつい考えてしまったのが、今回、2年ぶりに上ノ廊下に行くことになった経緯である。

前回と異なるのは、私がすべてリードしなければならないことであった。なぜならばしっきーはそこまでの沢の経験がないからである。あまりに上ノ廊下行きが直前に決まったので、2年前に行ったような泳ぎと徒渉の練習をする時間もなかった。はたして私の泳力で突破できるのかは正直自信が無かった。そこで、口元ノタル沢出合のゴルジュを越えられなければ、潔く東沢に転進し、イワナを釣りながらのんびりと遡行すればよいやと気楽に考えることにした。上ノ廊下は滝がないので、撤退も流れていけばよいだけである。無理ならば引き返せばよいのである。

行程としては、黒部ダムから上ノ廊下、大東新道で高天原温泉へ、温泉沢、読売新道にて奥黒部ヒュッテに戻り、釣りをしながら針ノ木谷を遡行し、針ノ木峠を越えて扇沢駅に戻る6日間の山行とした。直前になっての不安材料は、天気が不安定であること、特に台風15号の動向である。日程が遅れた場合は、針ノ木谷をカットして黒部ダムに下山することにした。

8月11日の夕に大阪を出発し、東京から高速バスで移動してきたしっきーを夜にみどり湖PAでピックアップし、信濃大町の西友で買い物をしてから扇沢駅に向かった。幸いなことに無料駐車場に車を駐めることができた。長期山行になるので、これは重要なことである。高速代の深夜割引を犠牲にして、0時前に扇沢駅に到着できたことが大きい。その夜は軽く晩酌をしてから眠りについた。

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8月12日:黒部ダム〜奥黒部ヒュッテ〜C1(熊ノ沢出合付近)

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翌朝は早くから、扇沢駅6:30発の始発に乗るためのチケットを買う行列ができていた。我々も並んで黒部ダムへの片道のチケットを購入し、今年で最後となるトローリーバスに乗り込んだ。来年からは電気バスになるそうだ。

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スキーがないと、トローリーバス乗車も楽だ。

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黒部ダムは観光放水中。

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遊覧船乗り場で用を足してから、平の渡しまでの湖岸の道に入った。

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黒部ダムを振り返る。

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湖岸の道はアップダウンの繰り返しで、一部に崩れているところもあった。中ノ谷まで来たところで、10時の平の渡しの渡船には間に合わないことがわかり、大休止とした。中ノ谷では釣り人が竿を垂れていた。

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平ノ小屋に到着。実は2013年の小屋開け時に手伝いにきたことがある小屋である。渡船までの1時間の待ち時間を、管理人のサトさんと会話したりなどして過ごした。時々雨がパラついたのが、これから待っている遡行の不安材料となった。

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ちなみに渡船の時間です。12時発に乗船します。

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1回では全員が乗り切れなかったので、私たちは第2便を待つことに。

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乗船名簿に記入し、ライフジャケットをつけて対岸へ。

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10分ほどで対岸へ。水位がかなり低かったので、登山道までの登りが長い。

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再びアップダウンのある湖岸の道を進み、2時間ほどで奥黒部ヒュッテに到着。

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東沢出合で沢装備になり、いよいよ入渓。

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黒部川に出ました。先行パーティーもいる。水温は低くはなく、水量は2年前と同じぐらいか、少し多いぐらいに感じた。

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熊ノ沢出合付近の台地の上にツエルトを張る。釣りに出かけるが先行者が多いためか釣れず。熊ノ沢に入ってみるが、藪沢で釣りにならず、結局、ボウズであった。隣に幕営したパーティーは大きなニジマスを餌釣りで釣り上げたようだ。

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それでも焚き火はやらねば。夕方に少し雨が降ったが、ずっと降り続くことはなかった。

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8月13日:C1〜下ノ黒ビンガ〜上ノ黒ビンガ〜金作谷出合〜C2(岩棚上)

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翌朝は予定より30分ほど寝坊してしまったが、天気は曇りで、水量は特に増えてはいなかった。予定通り進むことにする。隣で幕営していたパーティーはすでに出発していて、すっかり遅れを取ってしまった。

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早速、徒渉が始まる。今日・明日は泳ぎと徒渉が中心になるので、ウェットスーツを着用している。ちなみに私はモンベル製のライトネオプレンの上下である。

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いよいよ下ノ黒ビンガが見えてきた。「ビンガ!ビンガー!」と歌うが、しっきーの反応は悪し。ジェネレーションギャップを感じる。

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最初のへつりに泳ぎ。しっきーが泳いでいる時に彼女のヘルメットがずれて、なんと溺れかける。まあ問題はなかったが、ここで難儀しているようでは先には進めない。東沢に転進という思いが強くわき上がるが、とりあえず口元ノタル沢出合までは行ってみることにする。

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枝沢にあった雪渓。

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いよいよ最初の関門である口元ノタル沢出合だ。

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正面がその関門のゴルジュだ。まずは左岸をヤツメウナギ泳法で進もうとしたが、流れに押し戻される。高巻きも考えたが、登りすぎると下りれなくなるかもしれない。よく見ると、川の中央が砂利で埋まっていて浅くなっている。この中央を歩き、背が立たなくなった辺りで、左岸に泳いだら突破できた。あとはへつりで進める。しっきーは身長的に川の中央を歩くのは無理そうなので、フローティングロープを投げて、引っ張り上げた。ちょうどこの突破の際に、上流から下ってきた男性2名のパーティーとすれ違った。

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これで一段落と思ったが、急流が我々の行く手を塞いでいた。ここを強引にスクラム徒渉で突破しようと試みたが、流れに負けて流されてしまった。幸いなことに2人とも途中でなんとか止まったが、ちょっと強引すぎたことを反省する。急流ではあるが、流れの中に足を置ける岩があることに気づく。その岩を伝っていくことで、ここは突破することができた。口元ノタル沢出合のゴルジュを突破してしまったので、もう進むしかない。東沢でのんびりイワナ三昧遡行は、これで無くなったわけである。

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左岸に廊下沢を越える。

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しばらくは広河原の平凡な河原歩きとなる。時々雨がパラつき、遠くで雷鳴が鳴っているのが聞こえる。水量が増えないか少々不安となる。

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やがて前方に上ノ黒ビンガが見えてきた。

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いよいよ次の核心に入る。

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このあたりは枝沢からの滝が見事だ。

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この先で行き詰まる。右岸・左岸共に壁!

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右岸を高巻いて突破しようと登ってみるが、先は急な壁で下りられない。懸垂下降の支点になるような木もない。細木に捨て縄をして元の場所に懸垂下降で戻れたが、振り出しに戻ってしまった。ちょっと強引かもしれないが、スクラム徒渉で進んでみると、あれっという感じで意外とあっさり突破できてしまった。上ノ廊下はできるかぎり高巻きせずに、水線通しで行くのが最も安全かもしれない。

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前方に金作谷出合が見えてきた。ここまで雨は降ったりやんだりだが、強くは降ってはいない。

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徒渉を繰り返しながら、金作谷出合を過ぎる。時間はまだ正午過ぎなので、まだ進むことにする。

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金作谷出合上流のゴルジュは泳ぎを強いられる。ここは左岸をへつりながら進み、右岸に泳いで渡ったような。

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左岸の枝沢の滝。

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何か水が濁ってきたような! ここは右岸をへついで左岸に泳いで渡って突破。

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水量も増えている!

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ちょうどゴルジュを突破したところで幸いだったが、水がどんどん濁ってくる!

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あっという間に濁流と化してしまった。上の廊下の中ではそんなに降水量は多くはなかったのだが、どうやら上流部で激しく雨が降ったようだ。雷鳴も鳴っていたので間違いはない。水量も増えて、流れも速くなっているので、遡行はいったん中断。いつでもエスケープできる体制で、しばらく様子を見ることにする。

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急な増水は引くのも早い。1時間ほどで水も澄んできたので、再び遡行開始。

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遡行開始したのはよいが、すぐに行き詰まる。目の前に先行パーティーが幕営している台地が見えるのだが、速い流れに遮られて、そこまで行けない。右岸から樹林帯の中を高巻いて見るが、その先で下りられない。泳いで突破しかなさそうだが、まだ水量が多い状態なので、今日の突破は諦めて、幕営地を探すことにした。

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右岸の岩棚の上に平坦地を見つけたので、そこを幕営地とした。水溜まりがあったり、岩があったりで快適ではないが、非常時なのでやむを得ない。

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19時ぐらいに再び川が濁りだした。また上流部で激しい降雨があったようだ。翌日は水が引いていることを願いたい。

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焚き火はできたが、イワナは釣れず。ファイントラックのポリゴンシールドだけでは夜は寒かった。夜半には晴れて、時々流れ星が流れるのを寝ながら眺めていた。

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8月14日:C2〜立石寄岩〜C3(A沢出合付近)

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翌朝は晴天で、上ノ廊下は平水に戻っていた。まずは前日に行き詰まった箇所へ。

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上の写真の右岸をへつり、足が付かなくなったらヤツメウナギ泳法にてしばらく進む。それから左岸へ泳いで渡るのだが、急流になる前に渡りきらないといけない。結構流されたが、なんとか左岸へ渡れた。しっきーをロープで引っ張り上げて、無事突破!

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ここもちょっと行き詰まったが、

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左岸をヘツリで突破。

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右岸に赤牛沢出合を通過。

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すぐに上ノ廊下で1番大きな支流である岩苔小谷出合となる。ここで釣りタイムとするが、先行者がすでに竿を出した後なのか、まったく反応なし。ここまで魚影さえも見ていない。

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再びゴルジュに突入すると、また行き詰まる。左岸から高巻いて見る。ザックを背負ったままでは引っかかって登れなかったので、空荷で登り、ザックをロープで引き上げる。

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その後が問題で、岩棚のバンド上のトラバースになる。足場は川側に傾いていて、ひじょうに滑りやすそう。ザックを背負ってのトラバースはバランスを取るのが難しい。中間支点用の残置ハーケンはあったが、落ちたらかなりヤバい。

なんとか冷や汗もののトラバースに成功し、あとは懸垂下降で下るだけ。ここで私が先に下りたが、なんとしっきーが下降器を持っていないことが判明。沢では下降器は必須装備だろ! 幸いなことに岩が階段状になっていたので、ロープを掴みながらクライムダウンしてもらった。抜けてから地形をよく見ると、少々多く登ることになるが、右岸の樹林を高巻いた方が安全だったかもしれない。

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左岸に枝沢の滝を見て。

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立石寄岩が右岸に見えた! これで上ノ廊下は終わり、奥ノ廊下に入る。

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正面からの立石寄岩は背後の岩壁と共に迫力がある!

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立石寄岩を背後に記念撮影!

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立石寄岩を過ぎると、しばらくは平凡な河原歩きとなる。2年前はここで2泊目をしたところだ。

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いよいよ最後のゴルジュだ。

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途中で、下降してきた同志社大学山岳部パーティー5名とすれ違う。彼らは赤牛沢遡行に向かうとのこと。私が顧問しているワンゲル部も、近いうちに学生だけで沢に行けるようになってほしいものだ。

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ゴルジュの最後の部分は、左岸を高巻いて、

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4mほどの懸垂下降。下降器はしっきーに貸して、私はロックカラビナにてムンターヒッチにて下降した。

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最後のゴルジュを振り返る!

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右岸にはすでに大東新道が合流しており、これで遡行は終了である。予定では大東新道で高天原山荘まで行く予定であったが、14時となっていたので、適当なところで幕営することにした。ようやく魚影が走り出したので、釣りをしながら幕営地探しをしたが、イワナは相変わらず釣れずだった。

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A沢出合付近でちょうど釣り人の男性が焚き火をしていたので、ご一緒することにした。男性は大阪の人であった。イワナはいるのだが、反応は鈍いとのこと。これだけ入渓者がいると、さすがにイワナの警戒心も強くなるだろう。

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砂地にツエルトを張って、なにかトイレ臭いなと思ったが、なんとその砂地がキジ場であることが判明。大東新道がすぐ横を取っていることを考えると、この臭いは人によるものらしい。河原の砂地で用を足さないように! 炊事中に急な夕立があったりと、おかげで不快な夜を過ごすことになった。やはりここでもポリゴンシールドでは寒かった。

なんとか無事に上ノ廊下の遡行を終えることができた。2年ぶり2度目の上ノ廊下の遡行であった。敗退も含めれば4回目である。今回の成功は渇水のおかげではあるが、一方で、上流部で大量の降雨があれば、瞬時に濁流化するなど、上ノ廊下の怖さも目の当たりにした。この経験を今後の沢行に活かし、今後も謙虚な姿勢で山に向き合いたいと思う。

大東新道にて高天原温泉へ:秘湯入浴と台風通過による停滞につづく

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August 20, 2018

お盆休みに黒部川上ノ廊下遡行:2度目の上ノ廊下・高天原温泉・読売新道(概要)

今年のお盆休みは、2年ぶりに黒部川上ノ廊下を遡行してきました。下山は、高天原・温泉沢・読売新道経由にて黒部ダムに戻るというルート。前回(2016年8月の記録)に引き続き、上ノ廊下の遡行には成功したのですが、天気が不安定で、増水や台風の接近などもあり、下山までに7日間も費やすなど、上ノ廊下はけっして甘くはなかった。以下、概要です。

【日程】2018年8月12日(日)〜18日(土)
【山域】北ア・南部
【渓谷名】黒部川 上ノ廊下
【メンバー】しっきー、マメゾウムシ
【天候】8/12 曇り時々晴れもしくは雨、8/13 曇り時々雨、8/14 晴れのち曇り時々雨、8/15 晴れのち曇り時々雨、8/16 曇りのち雨、8/17 晴れ、8/18 晴れ
【コースタイム】
8/12 黒部ダム7:16〜平ノ小屋10:51-11:52〜奥黒部ヒュッテ14:12-39〜C1(熊ノ沢出合付近)15:07
8/13 C1 6:22〜下ノ黒ビンガ7:38〜口元ノタル沢出合8:09〜廊下沢出合9:55〜上ノ黒ビンガ10:48〜金作谷出合12:17〜濁流化による停滞13:25-14:28〜C2(岩棚上)15:23
8/14 C2 6:25〜岩苔小谷出合8:31-9:00〜立石寄岩10:58〜B沢出合14:05〜C3(A沢出合付近)14:44
8/15 C3 8:30〜高天原峠11:38〜高天原山荘12:33
8/16 高天原山荘4:28〜高天原温泉4:44〜温泉沢〜尾根取付点5:49〜2800m撤退地点7:49〜高天原温泉9:41
8/17 高天原山荘4:10〜高天原温泉4:23〜温泉沢〜尾根取付点5:22〜温泉沢の頭7:49-8:26〜赤牛岳10:16-49〜鎖場13:13〜奥黒部ヒュッテ15:02
8/18 奥黒部ヒュッテ4:00〜平ノ渡し5:48-6:20〜黒部ダム10:40

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下ノ黒ビンガ

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増水による岩棚上でのビバーク

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立石寄岩

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高天原温泉にて上ノ廊下遡行の疲れを癒やす!

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赤牛岳

記録の詳細については以下をご覧下さい。

1.瞬時に濁流と化す黒部川上ノ廊下:2年ぶり2度目の遡行にて
2.大東新道にて高天原温泉へ:秘湯入浴と台風通過による停滞
3.高天原から温泉沢・読売新道にて黒部ダムへ帰還

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August 09, 2018

ポケットの開けっぱなしに注意:釜に落ちたスマホを潜水にて無事回収!

先週末の失態!

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某沢を遡行中に起きたことだが、上の写真にある深い釜をもった1m滝を超える際に、何かがドボンと釜の中に落ちる音がした。ポケットのファスナーが開いたままで、落ちたのはスマホであることが判明。

一瞬諦めかけたが、直下をよく見ると水底にスマホが見えるではないか。ザックをおろし、サングラスを外して、潜ってスマホを回収する覚悟を決める。ちなみにスマホはiPhone 8なので、防水機能あり。

背が立たない位置であり、2mほどを潜水してスマホを無事回収。久しぶりに潜ったので、腰が急激に痛み出す。ぎっくり腰になる直前の状態だったが、しばらくするとなんとか痛みが落ち着いて一安心。

ポケットの開閉をした場合は、きちんと閉めたかをしっかり確認しないといけませんね。よく忘れるのですが...

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August 07, 2018

夏のワンゲル部山小屋を楽しむ会

先週末は、ワンゲル部OB・OG会主催のイベント「夏の山小屋を楽しむ会」で、奥美濃石徹白にあるワンゲル部の山小屋へ行ってきました。拘束は夕食を一緒に取るだけで、あとは各自・各グループ単位で自由に行動するというイベント。

1日目の日中は、まだ遡行していない沢の偵察へ。

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入渓地点はナメ。

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下界では35℃を越える暑さですが、沢も暑めで、スミナガシとイチモンジセセリが給水に来ていた。

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今回新たに発見した2段5m滝。この写真はその下段で、右側を直登できる。

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上段は斜滝で容易に登れる。

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小さな藪沢ですが、イワナがよく走る。テンカラ釣りには不向きな沢ですが、なんとかキャスティングできるところでテンカラ竿を振ると釣れた!

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なんと尺イワナも釣れた!

小さな藪沢なのでそんなにポンポンは釣れないが、ここは他の釣り師と競合することはまずない。

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これは翌日に行った別の支流だが、2段10mの滝がある。ワンゲル部の沢登り入門にも使える。

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参加者全員で山小屋の前で記念撮影。

ワンゲル部の山小屋は夏だけでなく、春は山菜、秋はキノコ、冬はプライベートゲレンデで激パウスキーも楽しめる。実に恵まれたロケーションです!

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