黒部川 薬師沢中俣下降・赤木沢遡行
今年の8月は結構多忙で、長期の休みは取れなそうです。一足先に、7月末日に有給1日を取り、3日間の夏休みとし、黒部源流方面へ沢遊びに行ってきました。当初は沢1泊で真川のシンノ谷を遡行し、3日目に赤木沢遡行の予定でしたが、天気予報がよくなかったので、1日目は折立周辺で釣りとし、夜は宴会。2日目に太郎平に上がり、薬師峠から薬師沢中俣を釣りをしながら薬師沢小屋まで下降。3日間のうちでは最も天気がマシそうな最終日に赤木沢を遡行することにしました。以下、その夏休み2日目と3日目の記録です。
【日程】2017年7月30日(土)〜31日(月)
【山域】北ア立山
【渓谷名】黒部川 薬師沢中俣・赤木沢
【メンバー】りっひー、しっきー、マメゾウムシ
【天候】7/30 曇り時々雨、7/31 晴れのち曇り
【コー スタイム】
7/30 折立5:13〜太郎平小屋8:23-57〜薬師峠9:15〜(薬師沢中俣下降)〜登山道の橋(2075m)11:12〜薬師沢左俣出合12:53〜薬師沢小屋14:44
7/31 薬師沢小屋6:22〜赤木沢出合8:05〜大滝下10:03〜稜線(赤木岳直下)12:30〜北ノ俣岳12:52〜太郎平小屋13:53-14:22〜折立16:17
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7月30日(折立〜薬師峠〜薬師沢中俣下降〜薬師沢小屋)
前日に折立入りし、真川で渓流釣りをし、夜は宴会だったため、少々二日酔い気味で迎えた出発の朝でした。やはり天気予報通りのパッとしない天気。
黙々と歩いて、折立への登山道を登る。
森林限界を抜けるとチングルマなど高山植物の花々が迎えてくれた。
曇りですが、なんとなく天気は持ちそうな感じ。
折立から3時間で太郎平小屋に到着。今日はもう登りはありません。太郎平小屋で遭対協の当番で上がっていたsinoyosiさんと久しぶりにお会いしました。
3人で記念撮影。この後、私としっきーは薬師沢中俣を下降することに、りっひーは1人で薬師岳へと別行動し、薬師沢小屋で合流することに。
薬師峠で沢装備を装着し、踏み跡を薬師沢中俣へ下降する。
薬師沢中俣に出ました。水はさすがに冷たい。
薬師沢中俣は大きな滝はありませんが、沢の下降は慎重に行動するに越したことはありません。実はしっきーは今日が沢デビューです。
沢での雪渓はこれだけでした。
魚影が目立ってきたところで、テンカラ竿を振ると、早速釣れました!
しっきー、人生初イワナゲット! ではなく、私の釣ったイワナです。
薬師沢右俣出合で釣ったイワナ。釣果はイマイチな感じ。下降しながらの釣りですから、イワナに見られちゃっています。おまけに釣り人も結構入っている感じで、毛鉤を見破るスレた魚が多い。それでもそこそこイワナが釣れるのは、薬師沢の魚影の濃さでしょうか。
薬師沢左俣が合流し、下降するにつれて水量も増えていく。
しっキーもテンカラ釣りに初挑戦。残念ながら釣果は無しでした。
薬師沢小屋が近づくにつれて、徒渉も膝以上のところが多くなってきたので、釣りはやめて、少々本気モードでの沢下降に。
薬師沢小屋が見えて一安心。少々雨はパラつきましたが、本降りにはならず、なんとか天気はもちました。5時間かけての、のんびり薬師沢の下降でした。
黒部川本流です。去年は上ノ廊下からここへ上がってきました。黒部川の水量は平水とのこと。
翌日に向かう上流方向。
薬師沢小屋にはりっひーの方がちょっと先に到着していました。さすがに我々はのんびりしすぎたか。
久しぶりの山小屋泊となる薬師沢小屋の夕食は満足なものでした。持ち上げたアルコール類はすべて消費してから就寝となりました。
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7月31日(薬師沢小屋〜赤木沢遡行〜北ノ俣岳〜折立)
翌朝は前日とは打って変わっての晴天となりました。
しっかり朝食を食べて。
のんびり目に出発。早すぎると水温が低いので。
黒部川本流でもテンカラ竿を振ってみましたが、釣れるのは20cm以下の小さなイワナばかりでした。毛鉤をイワナから外してくれるしっきー!
所々で徒渉あり。平水とは言え、そこそこの水量があるので、場合によってはスクラム徒渉で対岸へ渡ることも。
黒部川本流には赤木沢出合の手前に滝があります。赤木沢は9年前に遡行しているのですが、すっかりそんな滝の存在を忘れていました。
右からしっかりした踏み跡に従って巻きます。
赤木沢の出合は大きな淵となっていて、正面は黒部川本流最後の滝になります。ここは右から巻いて。
出合近くはヘツリ気味に進んで。
出合の小滝の上に出ました。
いよいよ赤木沢の遡行開始です。いきなりきれいなナメから始まります。
すぐに3段15m滝が現れます。沢が明るいし、スケールが大きい!
階段状の右側から登る。
10mナメ滝!
ウマ沢出合。イワナの魚影が走るので竿を出してみます。
遡行者は我々だけということもあり、すぐに釣れました!
4段ぐらいの連瀑下のプールにて。
良型のイワナが釣れました。
さらにもう一匹、良型が釣れました! 残念ながら尺には届かず。
釣りばかりしていると進まないので、今日の釣りはこれで終わりにして、連瀑を登るとします。
連瀑下部はプールを泳げば直登も可能ですが、冷たそうなので左の巻き道から。
その上の2段5m2条。
ここは右の草付きから巻く。巻き道はしっかり踏まれていて、まるで登山道のようです。
しばらく間をおいて、2段5m2条。
すぐに2段2m滝で下はトイ状滝。
トイ状の上の2段目の滝。だいたいの滝は階段状で直登は容易。このあたりまでイワナの魚影がありました。
しばらく沢歩きとなりますが、素晴らしい渓相です!
20mぐらいの斜滝が現れ。
連瀑帯となる。
滝が続く。
階段状なので、好きなところを登れる。
いきなり正面に壁が現れた。
近づくとなかなか迫力のある岩壁!
流れは右に屈曲し、現れたのは大滝30mだった。ここまで出合から2時間。大滝はこんなに近かったっけ? 9年前の記憶があまりない。
大滝はちょっと戻った所から右にある踏み跡から高巻いたが、9年前は、おそらく流れが右に屈曲するところの右側にある木のはえている岩壁をフリーで登ったと思う。
大滝の落ち口をトラバース。
振り返ると鷲羽岳が正面に。沢日和の天気です。
大滝上のすぐの二俣を右に入る。この右俣はおそらく稜線に出るには一番早いルート。今日中に下山しないといけないので。本流は左俣で、9年前は左に行ったと思う。
この右俣はすぐに滝が出てくる。
連瀑となる。
直登は容易!
滝はいやというほど続きます!
滝が無くなると源頭の雰囲気になる。
流れはお花畑を通り。
稜線はだいぶ近くに。
苔がたくさん生えている所が、水が湧いているところでした。
水が涸れて、草原の中を進む。
ちょっとだけハイマツ漕ぎはありました。
フエルトは草の上ではよく滑るので、沢装備を解除する。赤木岳直下には雪渓があり、これは直登できなそうなので、右から回り込むことにする。
登山道にでました。あとは退屈な登山道歩き。午前中はよい天気でしたが、この頃には空はすっかり雲に覆われていました。カンカン照りよりかは、むしろこの方が稜線歩きには涼しくてよいでしょう。
2ヶ月前にはスキーで来た北ノ俣岳を通過。
太郎平小屋に到着。
行動食がひもじかったので、カレーライス大を注文。具だくさんでヴォリュームもあって美味しかった!
折立へ下りるとしましょう。薬師岳が見えた!
太郎平小屋から2時間で折立に下山。10時間ほどの行動時間でした。
下山後は亀谷温泉で汗を流す。ここで檜枝岐へ帰るりっひーとお別れ。りっひーは尾瀬でガイドをしてます。
残った私としっきーは富山の回転寿司で打ち上げ。運転があるので、アルコールはなしですが。食事後は、東京へ帰るしっきーを富山駅に送って、私も帰路につきました。
9年ぶりの赤木沢は、当初の天気予報とは異なる好天となり、我々だけで独占でき、イワナにも出会えて、いい思い出になりました。技術的にはちょっと物足りないところはありますが、それでもいい沢でした。
Comments
沢歩きと釣りが程々に楽しめて良かったですね。
やはり今の時期、週末を外すのが正解?
北陸地方も梅雨が開けたから、しばらく平日も混雑しそう。
Posted by: しま | August 04, 2017 04:51 AM
しまさん、どうもです。
やはり平日がいいですね。
今回は天気がパッとしなかったということもあり、入渓を避けた人も多かったのではないかと。
お盆あたりはは平日も混むでしょうね。
Posted by: マメゾウムシ | August 04, 2017 11:25 AM