ワンゲル部員の雪渓歩き訓練 in 白馬大雪渓
この4月からワンダーフォーゲル部の顧問を引き受けています。大学のワンゲル部というと、そこそこのレベルの山行をこなすという世間の認識ですが、うちはハイキングクラブという状態です。過去においては、雪山・沢登り・山スキーなども行われていたのですが、現在はそのような山の技術や文化の継承が途絶えてしまっています。初心者だけではなかなか技術の向上は望めません。やはり経験者による指導が必要です。そこで白馬大雪渓で軽アイゼンによる雪渓歩き訓練の実技指導をしてきました。
【日程】2017年8月15日(火)
【山域】北ア後立山
【場所】白馬岳
【メンバー】ワンゲル部員6名、マメゾウムシ
【天候】曇り
【コースタイム】猿倉駐車場5:19〜猿倉荘5:23-38〜白馬尻荘6:26〜大雪渓末端6:47-7:02〜大雪渓上端8:22〜岩室跡9:04〜避難小屋9:38〜白馬岳頂上宿舎10:44〜白馬山荘11:17〜白馬岳11:38-白馬山荘11:55-12:13〜岩室跡13:26〜大雪渓上端13:55〜白馬尻荘15:15〜猿倉駐車場16:03
私の運転で堺から白馬の猿倉へ。私はほぼ徹夜運転でしたが、彼らはほぼ車中では寝ていた。年齢を考えると立場が逆ではないかと思うのだが。
お揃いの軽アイゼンを新しく購入したワンゲル部員たち。朝の出発時に、タグのついたままの軽アイゼンを取り出し、説明書を開いて、ブーツへの取り付けをし始めた。そういうことは事前にやっておくことだろう! 覚えるまでやっておかないと! さらに全員分の地図が用意されていなかったり、事前に登山届をメールにて提出していなかったりと、朝一番から注意事項が多すぎる。どうやら彼らにはゼロから山のことを教え直す必要がありそうだ。
猿倉から50分ほどで白馬尻小屋に到着。
いよいよ白馬大雪渓だ。今日は天気がパッとしないせいか、登山者は少なめでした。
大雪渓では軽アイゼンを装着してもらうのだが、その際に、山側に完全に背を向けている学生が何人かいる。大雪渓は落石のリスクのある所だが、そういう場所では常に上部を注意している必要がある。休むときもそうだが、決して山側に背を向けていてはいけない!
全員が初めてのアイゼン歩行。足を開き気味にして、雪面にフラットに足を置く。しかし緊張感がないな!
途中で、クレバスを迂回するために1度アイゼンを脱ぐのだが、この時も山側に背を向ける者がいた!
落石に注意を払いながら、大雪渓を登る。
休憩は落石のリスクの少ない所で取る。
標高2130mで大雪渓上の歩きは終了。もっと早い時期であれば、まだしばらくは雪渓上を進めるのですが、すでに上部の雪渓の崩壊が激しく、秋ルートに入ります。
落石のリスクがある所なので、アイゼンはすばやく外さないといけない。
苺平までは落石のリスクが高いので、休憩せずにすばやく通過する。途中、徒渉箇所もあり。
ガスっているときの雪渓上での落石はわかりにくいので、注意を怠らない。
避難小屋まで来れば、落石のリスクは少なくなる。
高山植物の花も多くなってきた。イワオウギとハクサンフウロ。
クルマユリ。
ウサギギク。
ウルップソウ。
チシマギキョウ。
あとは黙々と登ればよいのだが。徹夜運転の疲労が出たのか、急なパフォーマンスの低下が。6月の富士山スキーの時もそうだったが、最近はどうも寝不足の場合は急なパフォーマンスの低下が起こる。高度と寝不足の相互作用だろうが、年齢的に無理のできない身体になってしまったのだろうか。UTMBでは168kmを43時間寝ずに走れたのに。学生には先に行ってもらい、私はマイペースで登ることに。彼らは体力だけはあるのだが、その体力を有効に活用する山行をしていない。
白馬岳頂上宿舎を通過し、その上の白馬山荘を通過。ガスっていて、展望がないのは残念。
先に山頂を踏んだワンゲル部員達とすれ違う。彼らには白馬山荘で待っていてもらうことにして、私も山頂を目指す。
山頂に到着。2013年6月にスキーで大雪渓を滑走して以来の山頂です。その時は5時間もかかっていなかったのに、今回は6時間20分もかかってしまった。白馬岳はスキーで登る方が楽かもしれない。
山頂の西側はなだらかな斜面ですが、東側は切り立っています。学生が待っているので、足早に下りるとします。
ガスった時はやはりライチョウが現れます。
白馬山荘でワンゲル部員と合流して下山へ。
下りは落石を起こさないようにソフトに足を置く。
朝よりも雪渓の崩壊が進んだような。
いよいよ大雪渓の下りです。アイゼン歩行は登りよりも下りの方がテクニカルです。
膝は曲げ気味にして、フラットに雪面に足を置く。
うーん! 明らかに踵着地がいるな。白馬尻を過ぎると雨が降り出しましたが、本降りになり出した頃に猿倉に下山。それほど濡れずに済みました。汗を流しに、八方温泉みみずくの湯によったが、これが激混みでした。お盆休みは行動を考えた方がよいですね。
今回は、ワンゲル部の問題点がいろいろと明らかになった山行でした。ワンゲル部員たちに雪上訓練の必要性も感じますが、彼らはアイゼン歩行以前の問題ができていなかった。ハイキング以上のことをするならば重要になってくるリスクマネージメントがまったくできていない。このままの状態であるならば、いつ事故が起こってもおかしくはない。ある意味、今回の山行を彼らだけに任せないで、一緒に行ってよかったと思いました。現在はそんな現状のワンゲル部ですが、将来的にはなんとか平均的な大学ワンゲル部レベルの山行ができるようにはしたいと考えています。
YouTubeにアップした記録動画です。


































Comments
雪渓の上では石は音もなく落ちてくる場合がありますからね。
特にガスがかかっているときは、不気味。
がれ場で石を落とさないように注意して歩くことも知ってほしいです。
(特に中高年登山者に対して、ですけどね。)
登山道が整備されすぎて、山に対する警戒心が少ないのですかねぇ。
Posted by: しま | August 26, 2017 08:09 PM
前顧問は安全登山を重視していたのですが、安全登山というよりか平易な登山となってしまっていたようです。
無雪期縦走しかしていなかったのも、リスク管理の意識が身につかなかった理由と思います。
本格的に行うかどうかは別として、基礎的なことはオールラウンドに経験した方がよいと私は考えています。
ガレで石を落とさない歩き方もある程度経験がないと難しいですよね。
沢登りをすれば、高巻きなどでそういう技術は身につけられるんですが。
Posted by: マメゾウムシ | August 26, 2017 10:11 PM