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August 13, 2017

奥美濃 石徹白川 母御石谷

バックカントリースキーでよく行く石徹白方面ですが、私が顧問をしているワンダーフォーゲル部はその石徹白に山小屋を持っています。山小屋は豪雪地帯にあるわけなので、冬はスキーや雪山の訓練には最適な場所です。ところが現在のワンゲル部の活動は無雪期縦走が中心になっていて、山小屋がうまく活用されておらず、残念ながら宝の持ち腐れ状態です。部員たちの目を山小屋へ向けさせるには、冬季だけでなく無雪期においても山小屋をベースに何ができるかが重要になってきます。幸いなことに、山小屋の近くには九頭竜川水系と長良川水系の沢が豊富にあり、沢登りの訓練が十分にできそうです。そのためには沢の偵察が必要ということで、先月はワンゲル部OBのIくんと長良川水系の前谷川とその支沢である荒倉谷川を遡行しました。今回は九頭竜川水系の母御石谷と長良川水系の前谷川支沢を遡行してきました。まずは母御石谷の報告です。

【日程】2017年8月5日(土)
【山域】奥美濃
【渓谷名】九頭竜川水系 石徹白川 母御石谷
【メンバー】Iくん、マメゾウムシ
【天候】曇り時々晴れ
【コー スタイム】石徹白大杉登山口6:38〜母御石谷出合6:59〜ゴルジュ9:37〜1390m二俣10:19〜1490n二俣11:02〜登山道(1645m)11:51-12:06〜神鳩避難小屋12:18-28〜石徹白大杉登山口13:20

前夜のうちに大杉登山口に着いて、3時間ほどの仮眠を取ってからの出発です。

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ここからの登山者はさほど多くはないのですが、何人かが大杉登山口から登っていきました。

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我々は登山道ではなく、林道を進みます。

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しばらく進んで、ヘアピンカーブを過ぎると林道は荒れてきます。

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大滝を左に見ながら過ぎて、右から入ってくる沢が母御石谷です。

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母御石谷にかかる橋を渡ったところから入渓します。

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右岸には5mの滝がかかる支沢の流れがあります。

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ゴーロ帯を歩いて行くとすぐに堰堤が現れます。この堰堤は以前の偵察時には左から越えたのですが、結構草付きの泥壁が崩れやすい。今回は右から行ってみました。途中に深さ3mほどのギャップがあり、そのギャップにはちょうど倒木がかかっていたので、その倒木をハシゴ代わりにしてギャップを渡る。ここが1番の難所だったかもしれない。

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ギャップを渡った後は、容易な高巻きで堰堤上に出られました。

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しばらく進むとナメが現れます。

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ナメを過ぎると、カツラの大株を右に見る。このあたりはイワナの魚影が濃いですが、大滝より上は禁漁区になっています。

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水もきれいで、いい渓相です。私たち2名は昆虫研究者なので、観察しながらのんびりの遡行です。途中、ワイヤーがあったりしたので、かっては林業などで入渓をしていたのだろうか?

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1.5mぐらいの小滝が出てきて、若いIくんは果敢にシャワーを浴びながら水線を攻める。年寄りは無理せずです。

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両岸が狭くなり、ゴルジュが現れる。手前が3m、奥が1mの滝ですが、難なく越えられる。

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すぐに深い釜をもった4mほどの滝が現れる。

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若いIくんはもちろん釜に浸かってから、シャワーを浴びながら直登。年寄りは右から巻きました。

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4m滝の奥にすぐ3mの滑り台滝。

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ゴルジュを抜けた後は平凡な流れとなるが、癒やされる。

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標高1370m付近で右岸からの流れが入る二俣があるが、覗いてみると5mぐらいの滝があった。

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本流に戻ってしばらく進むと、1390mの二俣。

右俣は神鳩避難小屋に出るらしいが、本流の左俣を進む。

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すぐに6m滝が現れる。シャワーを少々浴びることになるが、直登は容易でした。

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だんだん藪が濃くなってくる。

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前方にヘルメットが落ちているのが目に入る。見覚えのある... なんと自分のスキー用ヘルメットでした!

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今年の3月20日のことでしたが、バックカントリースキーで銚子ヶ峰に登る途中で、ヘルメットを母御石谷に流してしまうという失態を冒しました。4ヶ月ぶりの奇跡の再会です。ヘルメットの保存状態はよく、再び使えそうです。すっかり忘れていましたが、こんなこともあるんですね。

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1490m二俣は水量はほぼ1:1だが左に進む。

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ササが沢を覆ってきて、藪漕ぎ状態に突入。

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最後はササを掴みながら登り、無事登山道に出ました。

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登って来た母御石谷を振り返る。このあたりは今年の3月19日に滑ったところでもある。

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正面に母御石が見える。沢装備を解除して登山道を下るとしよう。

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神鳩避難小屋で登山者と会いました。

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雪のあるときにしか歩いたことのない登山道ですが、このあたりはいいブナ林です。

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石徹白大杉まで来れば、もう登山口はすぐです。

母御石谷は大きな滝はありませんが、癒やし系の沢でした。

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Comments

へぇ〜、ヘルメットが見つかりましたか!
びっくり仰天。
なんだか自分のところに戻ってきてくれたようで、可愛く思えたりして。。。

Posted by: しま | August 14, 2017 01:45 PM

びっくりしました。
愛着は湧きますね!

Posted by: マメゾウムシ | August 14, 2017 01:50 PM

初めまして。同じコースを考えています。神鳩避難小屋に水場は有るのでしょうか?

Posted by: マリ | October 09, 2023 09:17 PM

マリさん

コメントありがとうございます。
水場はあります。
ただし小屋にトイレはないので、宿泊する場合は携帯トイレの持参が必要になります。

>初めまして。同じコースを考えています。神鳩避難小屋に水場は有るのでしょうか?

Posted by: マメゾウムシ | October 09, 2023 09:35 PM

枯れてるかもと思ってました。ありがとうございます😊

Posted by: マリ | October 10, 2023 12:16 AM

最新の情報は持ち合わせていませんが、8月10日時点ではしっかり出ていたとのことです。
水場からさらに5分〜10分ほど下り、最後は枯滝をクライムダウンするとカンバタ谷に出ます。
ここまで行けば水は確実にあると思います。

>枯れてるかもと思ってました。ありがとうございます😊

Posted by: マメゾウムシ | October 10, 2023 10:45 AM

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