« 神童子谷・犬取谷をまったり遡行! | Main | 信濃俣河内:入渓で滑落負傷して敗退! »

August 21, 2016

3度目にして突破できた黒部川上ノ廊下!

このお盆休みは、3年連続の黒部川上ノ廊下に挑戦。過去2回は増水にて入渓もできずに敗退し東沢谷に転進(2014年2015年の記録)。今回ようやく上ノ廊下の突破に成功しました。以下、記録です。

【日程】2016年8月11日(木)〜13日(土)
【山域】北ア・南部
【渓谷名】黒部川 上ノ廊下
【メンバー】ヒラベさん、ダルさん、ニシ、マメゾウムシ
【天候】3日とも晴れ
【コー スタイム】
8/11 黒部湖7:51〜平ノ小屋12:00-19〜平ノ渡場12:30〜奥黒部ヒュッテ13:53-14:18〜C1(東沢出合より2km)15:25
8/12 C1 6:09〜下ノ黒ビンガ6:27〜口元ノタル沢出合6:51〜廊下沢出合8:02〜スゴ沢出合8:26〜上ノ黒ビンガ8:54〜金作谷出合9:44〜岩苔小谷出合12:56-13:49〜立石寄岩15:02〜C2 15:41
8/13 C2 6:10〜B沢出合7:02〜薬師沢小屋8:11-34〜太郎平小屋10:25-48〜折立13:12

**************************************
1日目(8月11日)

天気予報ではしばらく晴れが続く見込み。今年は黒部川源流部の雪渓も早い時期になくなり、水量もだいぶ少ないようだ。上ノ廊下をやるには絶好のチャンスだ。

8月10日の深夜に私、ヒラベさん、ニシの3人で大阪を出発し、北陸道にてアルペンルートの立山駅へ向かう。立山駅でダルさんを拾って、糸魚川経由で信州側の扇沢駅へ移動。ダルさんの車は、折立からの下山に備えて立山駅にデポ。扇沢駅に着いたときには、すっかり空は明るくなっていた。

P8110001

トローリーバスに乗って黒部湖に到着。観光客も登山者も多い。明らかに上ノ廊下に入ると思われる沢装備の人たちも多数。昨年、口元のタル沢付近で遭難者の遺体を見つけて撤退したKさんたちともお会いできた。

P8110002

黒部ダムは観光放水の最中でした。

P8110006

小屋開けを手伝ったこともある平ノ小屋に到着。ここで情報を仕入れる。

P8110009

12時の渡船で対岸に渡る。人数が多いため、2度に分けての渡船。我々は最後に乗り込んだ。

P8110010

奥黒部ヒュッテまではハシゴがあったりするアップダウンを進むが、いつもながら結構きつい。

P8110012

奥黒部ヒュッテに到着。過去2回は小屋番に「上ノ廊下はやめときなさい」と言われたが、今回は「行ける」とのこと。ようやく許可が下りました。時間もまだ早いので、入渓することに。ウェットスーツに着替えると、すぐに暑さで汗だくとなる。

P8110013

東沢谷を出合まで下る。

P8110015

いよいよ黒部川本流だ。過去2回は入渓さえもできなかったので感激である。途中の淵でダルさんがルアーを投げて、尺以上のニジマスがヒットするも、取り込み中にバラす。

Dscn1994

東沢出合から2kmほど歩いた地点で幕営。ここまでの徒渉も問題なかった。他パーティーはほとんどが奥黒部ヒュッテ泊まりであるが、この先行のおかげで、翌日に起こった核心部での渋滞に我々が巻き込まれずに済んだことを後で知ることになる。

Dscn1995

残念ながらこの日は魚は釣れなかったが、焚き火を囲んでの宴は続いたのであった。

**************************************
2日目(8月12日)

P8120019

翌朝もいい天気。みんな出発準備が早く、起床して1時間ちょっとでのスタートとなった。

P8120020

すぐに下ノ黒ビンガが見えてきた。

P8120021

徒渉して。

P8120023

いよいよ最初の核心部である口元のタル沢出合だ。

P8120025

ゴルジュに突入。ここで単独行者がスピーディーに突き進んでいった。我々は同人青鬼のパーティーと抜きつ抜かれつになる。

P8120026

核心部の急な流れは、泳ぎが得意なニシが泳ぎで突破。後続はロープで引っ張り上げてもらう。

P8120027

核心部を30分で通過。水量が多いとこの通過に3時間かかることもあるようだ。

P8120030

その後はしばらく河原歩きが続く。

P8120032

スゴ沢出合を通過。

P8120035

上ノ黒ビンガが見えてきた。

P8120037

見事な岩壁です。

P8120038

泳ぎでの通過はありましたが、さほど緊張することもなく。ウェットスーツを着ていても、やはり水に入っている時間が長いと体は冷えます。

P8120039

景色を堪能。

P8120040

所々、枝沢からの滝が見事です。

P8120042

同人青鬼のパーティーと抜きつ抜かれつ。

Dscn2018

徒渉もロープを出すこともなく。

P8120045

この日の宿泊予定地であった金作谷出合を10時前に通過。まったく雪渓が残っていません。

Dscn2024

徒渉ができなければ泳ぎで。少々流されましたが、無事対岸に。葛川本流での泳ぎ練習が活きます。

P8120048

右岸に桶状の滝を見る。

P8120053

こんな美しい流れも。

P8120057

基本的に水線突破です。ヤツメウナギ泳法も多用。高巻きはほとんどしませんでした。

P8120058

赤牛沢出合。

P8120059

岩苔小谷出合で釣りタイム。私は本流を釣ってみたが駄目。岩苔小谷に入ったメンバーはイワナが釣れました。これだけ大人数が入ると、上ノ廊下と言えど、イワナは釣れなくなりますね。支谷は穴場でした。

P8120060

まだゴルジュが続きます。

P8120062

ナメ滝。

P8120063

最後の難所と思われた淵ですが、ここもニシが泳ぎで突破!

P8120067

立石寄岩を通過。これで上ノ廊下部分は終了です。ほぼ1日で抜けちゃいました。このまま薬師沢小屋まで行けそうですが、幕営地に困るので、このあたりでよい場所を探すことに。

P8120069

この後は平凡な川原と化す。

P8120070_2

適当な平坦地に幕営。

P8120072

釣ったイワナを焚き火で焼く。ここまで来れば翌日の下山は確実。酒をすべて飲み干す宴となったのであった。

**************************************
3日目(8月13日)

P8130074

翌朝もいい天気で、6時過ぎには出発。

P8130077

ゴルジュはまだあるようなので、ウェットスーツは着用。泳ぐほどの淵はありませんでした。

P8130078

1時間ほどで右岸に高天原からの登山道が合流。いきなりの登山者出現に驚く。

P8130081

登山道を1時間ほど歩いたら薬師沢小屋に到着。

P8130082

薬師沢小屋で沢装備を解除し、ビールで乾杯! 3年越しの上ノ廊下挑戦はようやく成功しました。

P8130083

太郎平小屋を経由して。

P8130084

折立に下山しました。

亀谷温泉で汗を流してから、車の回収のために扇沢へ。渋滞を避けるために夜間に帰路につきました。

3回目にしてようやく上ノ廊下の突破に成功。緊張する場面はほとんどありませんでした。ロープを出したのも数回程度。この成功は天気と水量そして仲間に恵まれたおかげです。

YouTube版としてまとめてみました。泳ぎの動画が少しあります。

|

« 神童子谷・犬取谷をまったり遡行! | Main | 信濃俣河内:入渓で滑落負傷して敗退! »

Comments

文字通り3度めの正直になりましたね。
上ノ廊下の印象は、想像通りでしたか?

Posted by: しま | August 21, 2016 07:27 PM

いろいろあって、コメントが遅くなってしまいました。
渇水の上ノ廊下は癒やし系でした!

Posted by: マメゾウムシ | September 09, 2016 05:52 PM

偶然、拝見致しました。昨年、突破に成功されたのですね。今更ですが、おめでとうございます。

Posted by: 労山 N | June 06, 2017 01:41 PM

労山Nさんありがとうございます。
一昨年に奥黒部まで一緒だったパーティーの方でしょうか?
渇水の上ノ廊下は癒やし系の沢でした。

Posted by: マメゾウムシ | June 06, 2017 05:56 PM

そうです2015年に行ったパーティーの者です。これほどに違うのかと驚きです。僕らが行った時は厳しかったですからね~

Posted by: 労山 N | June 07, 2017 12:47 PM

労山Nさん、厳しい状況での突破は凄いと思います。
沢は水量次第でだいぶレベルが変わりますね。
またどこかでお会いできればと思います。

Posted by: マメゾウムシ | June 07, 2017 05:16 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 神童子谷・犬取谷をまったり遡行! | Main | 信濃俣河内:入渓で滑落負傷して敗退! »