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May 12, 2015

立山カルデラアドベンチャースキー:立山温泉新湯・吹雪・藪漕ぎ・地雷原・危ういスノーブリッジ・クマ遭遇

黒部源流周回スキーの詳細な報告を後回しにして、先週末に行った立山カルデラへのどM系バックカントリーツアーの報告を先にしておきます。

このツアーの目的地は立山カルデラ内にある立山温泉新湯。1973年に廃湯となった立山温泉の上流部に存在する温泉で、富山県郷土史会(1976)によると、安政の飛越地震(1856年)以来、冷泉から温泉に変わったようだ。ちなみにこの時に立山温泉は土石流によって壊滅したが、1869年に復興された。高橋・他(2007)(立山カルデラ研究紀要第8号,pp.1-4)によると、新湯の泉質は平均68℃、PH3.5で、湧泉は間欠泉である。

このツアーのリーダーであるA川さんが2010年にここをスキーで訪れており、その時は巨大な温泉の池から滝となって流れ落ちるお湯をためると、絶妙に適温となって入浴できたとのこと。この時の記録はソウルスライド2011とブログに掲載されています。それでまたぜひ行ってみようということになったのでした。さて、結果は...

【日程】2015年5月9日(土)〜10日(日)
【山域】北アルプス・立山
【場所】立山カルデラ
【メンバー】A川さん、Kさん、ケイさん、しんちゃん、Sayaちゃん、マメゾウムシ
【天候】5/9 雪のち雨、5/10 曇り時々晴れ
【装備】テレマーク4、ATスキー1、スプリットボード1
【コースタイム】
5/9 立山室堂9:07〜一ノ越9:58-10:22〜(滑走)〜雄山谷2500m10:32〜龍王岳と鬼岳の間のコル2660m11:09〜(徒歩)〜コル西側の谷2540m11:40-59〜(滑走)〜湯川1590m12:50-13:56〜新湯1610m幕営地14:21
5/10 新湯1610m幕営地8:22〜松尾谷9:18〜松尾峠への登り返し地点1520m9:55-10:26〜松尾峠1960m12:46-13:14〜大観台14:28〜滝見台15:39〜滑走終了地点1100m16:41〜美女平駅17:10

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1日目(5月9日):立山室堂から立山カルデラ内へ

今回のツアーメンバーは、黒部に一緒に行ったA川さんとSayaちゃんに、テレ仲間のしんちゃん、A川さんの友人のKさん、そしてネパール帰りのアルパインクライマーのケイさんが加わった。黒部メンバーは下山してから中2日での出発であった。

早朝に立山駅に集合した6人は、始発で室堂に上がった。室堂は、3月以来の久しぶりの雪でした。

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私がリーダーだったら、中止してしまうかもしれない悪天でしたが、とりあえず一ノ越へ上がってみる。

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一ノ越は見事な吹雪で、視界不良。ここまで来たら行くしかないでしょう!

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雄山谷を標高2500mまで滑走し、龍王岳と鬼岳の間のコルを目指して登り返します。ここまでは2年前に行ったオートルートで経験済み。

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コルから西側の谷を滑走して行く予定だったが、雪がついていない! ちなみにここが立山カルデラへ侵入する唯一のポイント。ザラ峠からという手もあるが距離が長くなる。

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スキーを担いで、新雪のうっすら積もったハイマツを漕ぎながら、雪がつながり出す所まで、高度を落とすことに。

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標高差120mを下った所で、スキーが履けました。

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それでは滑走!

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アレ! 新雪が悪雪と化していて、テクニカルな滑りが要求された。

高度を落としていくと、雪から雨に変わり、雪質も快適ザラメへと変わった。

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途中、落石がひどく、地雷原の中のスキーとなった。

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ザラ峠からの谷と合流したところで、ようやく地雷原を抜けたが、板が...

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標高差1000mほどを滑った所で、立山温泉新湯から上がる水蒸気を確認。

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新湯の手前で行く手を阻む沢割れ。危ういスノーブリッジ通過のためにルート工作をするケイさん。さすがにこういう作業には慣れていますね!

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ロープで確保して1人ずつスノーブリッジを通過。

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しっかり整地して、台地上に今宵の宿を確保。

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温泉湧出地の湯釜。

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あれ? 水位が低い! 湯は湯釜から溢れ出してないので、滝ができてないよ!

流れ込みの水を活用して、雨の中で試行錯誤してみたが、入浴できるようなものは作れず、かろうじて足湯ができる程度の水たまりをつくるのが精一杯だった。

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温泉卵はいい具合にできましたが...

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全身入浴はできなかったが、まあ呑みましょう!

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さすがに1泊程度だとお酒や食糧は贅沢にもって来られますね。黒部ではお酒が無くなりひもじかったが、この点では満足な宴となりました。

標高が低かった割には、夜は寒く、エアマットの空気が抜けていたこともあり、あまり眠れなかった...

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2日目(5月10日):立山カルデラ脱出と美女平までのフラットスキー

翌日は5時に起床。天気は回復していたが、雲が多い。この日は立山カルデラを脱出しなければならない。行く手には沢割れや激しい藪漕ぎなどの困難が待っているに違いない。

テン場からのカルデラ内の風景。

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沢筋は進めないので、まずはスキーを背負ってテン場の対岸にある台地に上がることに。

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テン場のすぐ近くにクマの新鮮な糞を発見。こんな状態のものを5回以上も見かけたが、ついに...

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対岸をトラバース気味に進み。

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ちょっと藪漕ぎして。

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台地に上がりました。

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上がりきったら、松尾峠への登り返し地点まで滑走。

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この先のブナの木の上にクマがいた! ブナの新芽を食べていたようだ。クマは我々に気が付くと、素速く木から下りて、一目散に逃げていった。あの図体で上部の細い枝の部分まで登るとは。クマの木登りの上手さを目のアタリにしました。残念ながら写真を撮るほどの余裕はなかった。

松尾峠への登りの準備。ここがカルデラからの唯一の脱出口であり、本日の核心部である。

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もちろん急登のため、スキーを担いでピッケル・アイゼン装備。

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雪はつながっていなかった!  スキー板が木の枝に引っかかって大変! きつい藪漕ぎに!

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スキーを背負っての急登もつらい!

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立山カルデラ内を振り返る。

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2時間半ほどをかけて、標高差440mをようやく登り切りました! これで帰れます!

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あとは滑走のみ!

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アルペンルート沿いに滑るのだが、傾斜が弱いので、スプリットボードのKさんが苦労する。ボードでは滑らないので、スキーモードで滑るのだが、慣れていないため、時間がかかる。それでもKさん、頑張りました!

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立山杉の中を滑る!

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滝見台への降り口は雪壁となっていたので、スコップでステップを切って下りる。

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称名の滝!

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ブナの新緑が見事!

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なんとか雪を繋いで、標高1100mまで滑れました。

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30分ほど道路を歩いて、17時をまわった時刻に美女平駅に無事到着。弥陀ヶ原から結構、時間がかかってしまった。普通は美女平まで滑りませんよね!

ケーブルカーで立山駅に下山後は、亀谷温泉で汗を流してから解散となりました。

今回はかなりどMでアドベンチャー的要素の強いツアーでしたが、実に楽しかった。これも全員がどM、もとい、力が揃っていたからですね。このメンバーでまたバックカントリーに行きたくなりました!

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