黒部川東沢谷:増水により上の廊下から転進
お盆休みは上の廊下の遡行のはずが、雪融けの遅さと直前の台風と大雨で増水のため遡行を断念。すぐ隣の東沢谷に転進しました。
遅くなってしまいましたが、以下、報告です。
【日程】2014年8月13日(水)〜16日(土)
【山域】北ア・南部
【渓谷名】黒部川 東沢谷
【メンバー】ヒラベさん、ツボ姉さん、マメゾウムシ
【天候】8/13 晴れ時々曇り 8/14 曇り時々雨 8/15 曇りのち雨 8/16 雨
【コー スタイム】
8/13 平の渡し下船地点12:16〜奥黒部ヒュッテ14:00
8/14 奥黒部ヒュッテ6:30〜一ノ沢出合9:25〜二ノ沢出合10:27〜三ノ沢出合10:52〜赤牛岳からの谷出合12:44〜2060m付近15:30
8/15 2060m付近6:20〜東沢乗越10:15〜野口五郎小屋12:47
8/16 野口五郎小屋5:55〜野口五郎岳6:09〜湯俣分岐6:35〜湯俣岳8:57〜湯俣晴嵐荘11:01〜高瀬ダム13:50〜七倉15:23
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1日目(扇沢〜奥黒部ヒュッテ)
入山日の扇沢の天気は良好。無料駐車場はすでに満車だったため、やむなく有料駐車場に駐める。
平の小屋までは、荷物の運搬などの手伝いもあり、特別ルートで。
立山の雄山!
去年の小屋開けを手伝った平の小屋でモモの歓迎を受ける。
少々、荷物のボッカをして休んだら、他の登山者達と一緒に船で対岸に渡る。
奥黒部ヒュッテまでは結構アップダウンがあった。
ヒラベさん、早速、東沢で竿を出すが、釣れず。
今宵は普通にテントサイト泊まりだが、沢屋たちのテントは見てすぐわかります。情報によると上の廊下には数パーティーが入るようだが、水量が多いのが...
東沢谷に転進決定!
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2日目(奥黒部ヒュッテ〜東沢谷2060m付近)
読売新道を少し行ったところから取水ホースに従って東進み、いきなりのゴルジュの高巻きでスタート。ウェットスーツを着て出発したので、汗だくになる。途中、壁にぶち当たり、沢へ下りる。
見るからに水量の多さを感じる。いきなり徒渉だが、結構厳しい。トップが何度も流されてしまう。別パーティーの1人がうまく渡れたので、そのラインで我々も成功。
その後のゴルジュは高巻く。
水量が多いときにはここまで水位が上がる。
あとは普通の河原歩きとなる。
ちょっと雲行きがよくない。
それでも黒部源流域。竿を出せば。
しっかりイワナが釣れます。これで、おかずがふりかけだけという事態は免れました。
2060m地点でビバークに。同じ場所で幕営していた神奈川の沢屋さん達のおかげで、焚き火も無事できました。濡れた木を燃やす技術、どうもありがとうございました。
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3日目(東沢谷2060m付近〜野口五郎小屋)
風のある朝を迎え、これからの天候悪化をなんとなく感じる。稜線の雲の動きは速い。
本日は稜線までの標高差900mほどを登り切らないといけない。
途中から雨が降り出す。標高2300m付近には雪渓が残っていたが、通行に支障はなかった。
やがて傾斜が増してきて、稜線が近いことを感じる。
最後は水がなくなり、踏み跡を辿るようになる。
多少の藪漕ぎとガレ歩きで登山道に出ました。
出発してから4時間かかりました。稜線は風雨が強く、体温が奪われます。
2時間半風雨に耐え、低体温症のリスクの中、なんとか野口五郎小屋に着きました。今晩は2食付き小屋泊となりました。外は荒れていても、小屋は天国です。
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4日目(野口五郎小屋〜七倉)
翌朝の天気も前日の到着時とさほど変わらず。湯俣経由で下山することにしました。
前日に踏めなかった野口五郎岳に立つ。
お疲れのツボ姉さんを励ましながら、長い下山。高山植物はきれいでしたが、天気が...
野口五郎小屋から6時間で湯俣に着きました。あとはひたすら林道を歩くだけです。小屋で出していただいた生姜湯は体が温まります。
高瀬川は濁流と化していました。岩がぶつかる音がゴツゴツ鳴っていました。
林道は途中、何回か沢を横切るのだが、どの沢も濁流と化していた。1日沢を抜けるのが遅かったらヤバかったかもしれない。
高瀬ダムまで来ると雨が止んでいました。
本当は高瀬ダムからタクシーの予定が、豪雨のため車両は七倉までしか入れないとのことで、もう1時間歩く羽目に。
七倉まで実に長かった。七倉からはタクシーで扇沢へ戻り、大町の薬師の湯で4日間の汗を流す。
上の廊下は来年への宿題となりましたが、東沢谷を遡行できただけでも良しとしましょう!
Comments
無事遡行でき戻れてよかったですね。私の知り合いは上の廊下に強硬突入し、下山が3日遅れヘリも出て、いろいろ大変だったようです。
Posted by: Repu | September 01, 2014 06:30 PM
Repuさん、どうもです。
沢は慎重すぎぐらいな方がよいですね。
天気が味方してくれないとどうしようもないですね。
来年は渇水した上の廊下をルンルン沢歩きと行きたいところです。
Posted by: マメゾウムシ | September 09, 2014 04:33 PM