川浦(かおれ)谷本流廊下:泳ぎ尽くしの谷
岐阜県の北部県境の左門岳に源を発する川浦谷は、「奥美濃の黒部」と呼ばれている。今回、遡行した流域は物凄い廊下を形成しており、お盆休みに予定している黒部川上の廊下のための練習場としては申し分のない谷であった。むしろ泳ぎという点では上の廊下を上まわっているかもしれない。
【日程】2014年7月27日(日)
【山域】奥美濃
【渓谷名】木曽川水系 川浦(カオレ)本流廊下
【メンバー】ニシ、ヒラベさん、ツボ姉さん、マメゾウムシ
【天候】曇り後晴れ
【コー スタイム】板取キャンプ場6:58〜海ノ溝谷出合8:05〜70m廊下出口10:12〜西ヶ洞谷出合12:22〜林道12:36〜板取キャンプ場13:20
明け方近くに板取キャンプ場に到着し、そのままキャンプ場内の駐車場で仮眠。朝、支度をしていると、キャンプ場の管理人がやって来て、「今日は混む」ということで、路駐を指示される。その代わり、入場料を無料にしてもらった。
入渓はキャンプ場の前から。今回は泳ぎと徒渉がメインとなるので、全員がウェットスーツ装着。さらに登攀具をジャラジャラさせていたのは、夏休みで賑わうキャンプ場では場違いな感じであった。
すぐの瀞場を泳ぎでスタート。
結構、水が冷たかったので、ウェットスーツを着ていなければ、ブルブルと震えっぱなしだったに違いない。林道の橋が前方に見える。
上方にある橋を越えて、泳ぎ進むと、垂直なイカツイ壁に囲まれた海ノ溝谷との出合が見えた。
流れの強い出合では、パワフルな若いニシが泳ぎで突破し、後続をロープで引っ張り上げた。
すぐに幅広3m滝。
右岸を巻こうとして行き詰まったが、下部に通れそうなバンドを発見。確保されながらクライムダウンし、バンド上をヘツリながらスリルのあるトラバース。
左岸側に穴がある。穴があったら入りたい気持ちになったが、今回は止めておくことにする。
次はすぐに50mの廊下で、ニシが先頭で泳いで進み、後続はロープを引っ張りながら泳いで突破。
谷は左折してさらに幅が狭まり、今度は70mの廊下だ。流れがあるので、負けると流されてしまう。ここも若いニシに頼り切りの年寄り3人であった。本当にニシには感謝である。
70m廊下は途中に2回休憩を入れて、なんとか全員クリア。廊下の出口にある5m滝は左岸を巻けた。
これで核心部は抜けた。まだ瀞場は続くが、泳ぎを楽しみましょう!
美しいナメもありました。
泳ぎ疲れて休憩中!
あえて流れの中を行くニシ!
上部に吊り橋を通過。西ヶ洞谷との出合は近い。
まだ泳ぎとヘツリは続く。
西ヶ洞谷との出合に到着。
しばらく進んだ所に吊り橋跡の残骸があり、この辺りの踏み跡を登って林道に出た。途中、フィックスロープがあったので、釣り人が使っている道だろうか?
あとは林道を歩いてキャンプ場に戻るだけ。
途中にある展望台からは、我々が泳いで突破した70m廊下が眼下に見えた。よくこんな所を遡行したものだ。
時間はかかったが、水平距離も垂直距離も実はわずかだったが、泳ぎという全身運動をしたためか、結構疲れていた。夏の暑い日には、こういう沢登りもよいでしょう。
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