2009年5月以来となる5年ぶりの富士山での滑走をしてきました。これまで毎年のように富士山滑走の計画はしてきたのですが、悪天や他の用事が入ったりで実現できずにいたのでした。今回、ようやく行くことができました。
雪はよかったのですが、寒気の通過により、急な天候悪化があったりで、まあ、そう簡単には滑走をさせてくれないのが富士山ですね。以下、報告です。
【日程】2014年5月31日(土)
【山域】富士山
【場所】富士山
【メンバー】マメゾウムシ
【天候】晴れのち曇り
【装備】テレマーク
【コー スタイム】須走口新5合目5:42〜シール登行開始2470m地点6:51-7:09〜須走口・吉田口山頂11:45-12:06〜滑走終了2310m地点〜須走口新5合目13:29
富士山滑走は2度目ですが、実に5年ぶり。5年前も須走口からの往復でしたが、その時は体力不足で、2400m地点で終了。テレマークの技術もまだ未熟だったので、腐れ雪に苦労して下った記憶が。
今回は体調万全と行きたいところですが、いまだ風邪の症状が抜けず、咳き込む状況。それでも行ってしまうのはやはり変態です。気管支系が駄目だと、高所では著しくパフォーマンスが低下することが、今回よくわかりました。
今回の計画については、前日に静岡県警にオンラインで登山届を提出していました。その日の夕方にいきなり静岡県警から携帯に電話が。今シーズンは富士山では事故が多かったので、それについての注意喚起という内容の電話でした。そのような配慮をして下さる静岡県警には実に感心します。
加えて、1つ気になることも言われました。計画にはお釜内部の滑走についても書いていたのですが、そのことについて再検討してほしいとのこと。静岡県警によると、富士山の神社側から、「富士山はご神体であり、お釜内部は聖域なので、滑走は自粛してほしい」という要望があるそうです。
富士山滑走についてはいろいろとマスコミ等で問題にされていますが、今後も我々が滑走を続けられるためには、安全対策はもちろんのこと、神社側と軋轢が生じるようなことも避けるべきではないかと思います。富士山での滑走を行うにあたって、世界遺産にもなった富士山の伝統や文化を尊重することも大切なことです。そんなこともあり、今回はお釜内部の滑走は自粛することにしました。
さて、報告に入りましょう。前夜に出発し、道の駅須走で2時間ほど仮眠して朝を迎えました。ここまでの道中、富士市あたりで小雨が降っていたのが心配でしたが、富士山の姿が見えていて一安心です。ただし、山の天気予報では、日中に寒気が通過するので、急なガスと雷に要注意となっていました。まあ、ここまで来たら行ってみるしかないでしょう。

須走口新5合目に上がりましたが、富士山の山頂部に雲がかかっていました。ひょっとしたら山頂まで行けないかもしれません。それでもスキーヤー・ボーダーは続々と出発していました。私も準備をして出発です。

駐車場の脇からすぐにブル道に入り、雪の無い道をスキーを担いで登っていきます。1時間ほどの歩きが予想されたので、足下はトレランシューズで、テレブーツもビンディングに固定して担いでいます。

途中で道が分岐するところがあり、私は右側に進んでしまいました。右側は登山道と合流しますが、ほとんどの人たち左側に進んだようです。後で、左側に進んだ方が早く雪道になることがわかりました。まあ、そんなに楽さは変わらないとは思いますが。
雪がつながり出した標高2470m地点から、シール登行を開始。

標高2800mあたりで、尾根を挟んだ左側(スキーヤーズライト側)の雪渓と合流して、先行していた人たちとも一緒になりました。この間にだいぶ追い抜いた感じです。
この先、単調な登りが続きます。山頂の雲は取れていました。

雪上には上昇気流で上がってきた昆虫たちが落下していました。

カメムシ

ハムシ

テントウムシ


寄生バチ
ひょっとしたらこの時期の雪渓は鳥たちにとってよい餌場だったりするかもしれません。ただしカメムシとテントウムシは鳥にとって味は不味いようです。
雪は十分に緩んでいたので、滑落の心配はありませんでしたが、標高3000mあたりで、後方へのスリップ防止のため、念のためクトーを装着しました。このあたりから、体調不良によるパフォーマンスの低下が著しくなり、少し進んだら、止まって息を整える、あるいは咳き込むという繰り返しで、やはり体調が悪いと高所では駄目ですね。
10時を過ぎたあたりから再び雲が出てきて、次第に積乱雲が発達してきました。

山頂が近づいた頃には視界も悪くなってきました。

出発してから6時間ほどで、須走・吉田口山頂に到着。体調が悪かったため、ちょっと時間がかかりすぎです。吉田側から登ってくる人たちはさすがに多いですね。

山頂の天候はさらに悪くなる傾向で、雷がいつ鳴りだしてもおかしくない状況でした。お釜滑走はもう頭にはありませんでした。腹ごしらえを済ませたら、早速、滑走準備です。視界が悪いので、往路に沿って滑ることにしました。

ホワイトアウト状態ではありましたが、少し待てば視界が出てきたりします。そういう時を見計らって滑ります。再び視界が悪くなったら、立ち止まって視界がよくなるまで待つ。そんな滑りを繰り返しましたが、結構豪快に滑れました。雪は山頂から快適ザラメでした。

あっという間に高度が下がっていきます。

標高3000m以下となったところで、ついに雷が鳴り出し、雹が降り出しましたが、滑走終了まですぐでした。下の写真では、登りは左側の雪渓から上がってきましたが、帰りは、ほとんどの人たちが登りに使った右側の雪渓に滑り込みました。しかし、山の天気予報はあたりますね。さすがは猪熊さんですね。

下部の雪は砂が混じった状態でしたので、湿雪とは違う変な重さを感じました。おまけに雪面には小石も多く、新しい板がガリッと悲鳴をあげまくりです。さらに進むと縦溝も出てくる。それでも標高2310mまで強引に滑ってしまいました。この時期に標高差で1400mも滑れるのは素晴らしい!

スキーとブーツを担いだら、左方向にトラバースして沢を2回渡ったら、ブル道に出ました。そのまま下りていくと、無事、駐車場に着きました。

ようやく念願の富士山山頂からの滑走に成功しました!
登りに6時間かけても、下りは1時間ちょっとでした。スキーの機動力ですね。途中、視界不良になったりはしましたが、運よく視界が開けたりして、それなりに滑りも楽しめました。あとは風邪を早く治すことですかね。ごてんば市温泉会館で汗を流してから、帰路につきました。
最後は立山で今シーズンのスキーを締めくくりたいと思っていますが、はたして行けるだろうか?
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