« 西栂コースで筋トレ! | Main | 小日向山での雪崩の詳細について »

March 12, 2014

風雪の小日向山で雪崩にヒヤリ!

西栂コースに行った翌日は休暇を取っていました。ただし、前夜からこの冬一番の強い冬型になり、朝には風雪となっていました。

栂池上部は立ってられないぐらいの風だろうから、この日の行き先は樹林帯の低めの山しか考えられませんでした。候補に挙がったのは、大渚山か小日向山。選んだのは小日向山でした。その日の栂池高原スキー場のゴンドラと上部リフトは全て運休したそうです。

樹林の山といっても、標高は1906mで、過去に雪崩事故もあった山。前日に天狗原から白馬乗鞍岳の斜面が大きく雪崩れたそうですから、積雪は不安定に違いありません。細心の注意を払って、行けるところまで行って引き返す。それでも、今シーズン最後と思われるパウダーは味わえるだろうということで、同じく休暇を取得していた愛弟子のSAYAちゃんと行ってきました。

【日程】2014年3月10日(月)
【山域】白馬
【場所】小日向山 東面
【メンバー】マメゾウムシ、SAYAちゃん
【天候】風雪
【装備】テレマーク2
【コー スタイム】二股9:15〜林道分岐10:12〜1263の尾根取付き10:43〜尾根の南側の緩斜面へ11:09〜1608の尾根取付き12:14〜1263尾根との合流点12:59〜小日向山13:35-52〜林道14:35〜林道分岐14:50〜二股15:16

猿倉への林道の二股までは車で入れるので、そこからシール登行開始です。小日向山へは二股から南股入の林道を進んで南の尾根から取り付くことが多いようですが、最初の取付が急そうなので、我々は東側から取り付くことにしました。

P3101251

猿倉への林道を進みます。前日のものと思われるトレースの上には雪が積もっていましたが、消えてはいませんでした。視界も十分にあり、林道上ではそれほど風はつよくありませんでした。それでも強い冬型だけあり、気温は低く、雪はシンシンと降っていました。この程度ならば、厳冬期によく行く白川郷あたりの山と同じ感じです。十分に行けそうな気がします。1時間ほど歩くと林道の分岐があるので、左に進みます。

P3101252

左の林道を30分ほど歩いたところから、1263の数値のある尾根に取り付きます。ここからが本格的なラッセルになります。この尾根をそのまま進んでもよいのですが、途中で尾根が細くなり、斜度も増すので、尾根から南側に外れて、等高線の間隔が開いた斜面を進みます。そして1608の小ピークのある尾根に乗ります。

P3101254

この尾根に取り付くところで、標高差50mほどなのですが、急なところがありました。あとで地図を見ると、この尾根の1608小ピークから北へ延びる支尾根の末端から行けば、楽に取り付けたかもしれませんが、我々が取り付いたのはそこよりも西寄りです。

正面に無木立の急斜面があり、風の影響を強く受けていたため、先頭を進んだ私は雪崩のリスクが高いと判断し、その右側の木の生えている尾根状地形をルートに取りました。私のトレースを後からSAYAちゃんも登ったのですが、SAYAちゃんの足下から突然に雪面が破断しました。SAYAちゃんの声で振り返ると、スラブが落ちていくところでした。破断面はSAYAちゃんの足下から(上から見て)右側の無木立の斜面へ幅20mほど続いていました。尾根状地形では木の密度が高かったため、雪の流下は数メートル程度でおさまりましたが、無木立斜面では数十メートルは流下したようでした。雪崩のサイズは1.5程度でしょうか。SAYAちゃんは破断面の一番端にいたことと、尾根状の地形上にいたこともあり、雪崩には巻き込まれずに済みました。本当にヒヤリでした。雪山では100%の完全なリスクマネージメントが難しいことを実感しました。ただし、それでも無木立斜面を避けて尾根状地形を行くというルート取りをしっかりしていたことが、最悪の事態を避けたことも事実と思います。【小日向山での雪崩の詳細について

悪天でいい写真が撮れなかったのですが、雪崩跡とデブリの写真です。

P31012551982198_432362973565476_1038621032_ 999811_432362856898821_444597070_n

肝を冷やしましたが、もう少し行けるところまで進むことにしました。標高1650mを越えると、尾根状の木が少なくなり、風をまともに受けるようになります。風はそれなりに強風なのですが、耐えられないほどではない。また常に吹いているわけでもない。風が止んでいるうちに進み、風が吹いたら止まって耐風姿勢をとってやり過ごすという感じで、ジリジリと進んでいきます。クマ棚のある木にクマの爪痕を見つけるぐらいの余裕はありました。

その時に若いときの厳冬期の山行をつい思い出してしまった。20代の時はスキーでの山行はまだしていなかったので、冬はバリエーション、主に岩稜をピッケルとアイゼンで登るというスタイルでした。冬山で風が強いのは当然のこととその時は思っていたので、悪天でも耐風姿勢を取りながら登ったことも結構ありました。今回は久しぶりにその感覚を思い出し、つい強風を楽しんでしまいました。やはり変態ですかね。

Kuma P3101257

ただし頬を出しっ放しにしていたのは失敗でした。顔の感覚が無くなっていて、慌ててバラクラバを被りましたが、ちょっと遅かったようです。あとでみると、頬は黒くなっていて、ヒリヒリしていました。どうやら軽い凍傷になってしまったようです。気温的には−15℃程度だったと思いますが、風で-20℃以下ぐらいの体感でした。

途中で引き返してもよかったはずが、ついそんなことは忘れて、強風を味わいながら山頂に着いちゃいました。

1797508_432362966898810_1198389812_

吹きっ曝しの山頂に長居はできません。当初は北東面を滑走する予定でしたが、それなりに斜度のあるところですので、雪崩に肝を冷やした我々には飛び込む勇気はありませんでした。そこで、安全そうな1263の東の尾根を滑走することに。途中まで往路を戻ったところからその尾根に乗ろうとしたのですが、雪庇が邪魔してエントリーできない。ジャンプするにはちょっと壁が高すぎ。仕方なく、往路を滑ることにしました。まあ、往路は状況がわかっているので、安全と言えば安全です。

雪は気温が低かったこともあり、上等なパウダーでした。今シーズン最後と思われるパウダーを味わいながら滑る。雪崩が起きた箇所に近い急斜面では、なるべく木の生えているところを滑走ラインに取り、念のため1人ずつ滑った。緩斜面では、下りラッセルに。それでも山頂から1時間ほどで、無事林道に出ました。林道上にはスノーモービルの轍の跡が。こんな天気の時によく来ますね。人のこと言えないか。あとは林道上を滑ったり、漕いだりして、二股に戻りました。

1972469_432362983565475_950758959_2

悪天の中、今回登頂できたのは、視界があったこと、耐えられない風ではなかったこと、そしてファットスキーのラッセル力だと思います。もちろん、行けると思って行動を決めた判断には、過去の経験、および自分とパートナーの技術と体力にある程度の自信があったことも確かです。このような判断はあくまで自己責任で行うべきことですが、けっして経験・技術・体力のない人は真似しないで下さいね。

みみずくの湯で汗を流し、白馬のおおしも食堂で夕食を食べてから、帰路につきました。

Dsc_0021 冬季限定の山賊揚げ定食

|

« 西栂コースで筋トレ! | Main | 小日向山での雪崩の詳細について »

Comments

越前甲のときと違って、今回は雪崩の後でも前進したんですね。
SAYAちゃんもひるまず登頂ですか。肝っ玉あるなぁ。

Posted by: CIMA | March 13, 2014 at 05:10 PM

今回は尾根上にルートが取れたからです。
越前甲の時は無木立斜面をトラバースしないと進めないという状況で、安全なルートが確保できなかったからです。

SAYAちゃんは凄いですよ。
悪天を一緒に楽しんでいましたから。
私などすぐに滑りも体力も抜かされます。

Posted by: マメゾウムシ | March 13, 2014 at 05:29 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 西栂コースで筋トレ! | Main | 小日向山での雪崩の詳細について »