鳥海山で野鳥が大量死
鳥海山の山行記録に書き忘れたことですが、滝ノ小屋から行者岳までのオープンバーンで大量の野鳥が死んでいるのを目撃しました。
これまでにこのような野鳥の大量死はみたことがなく、生態学者としても黙っているわけにはいきません。
調べてみたところ、すーさんの山日記でも鳥海山での野鳥の大量死について報告されていました。
また、以下の記事も見つけました。
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5月12日14時48分配信 毎日新聞
◇渡りの途中か
山形・秋田県境の鳥海山(2236メートル)に登山中、雪面で野鳥の死骸(しがい)が転々と転がっているのを見つけた。確認しただけでも30羽近くで、
ほとんどが夏鳥だった。写真を専門家に見てもらったところ、4月下旬から5月上旬にかけての寒暖差に、渡りの季節を迎えた夏鳥たちが対応できず死んだのではとの推測が示された。【佐藤伸】
死骸は5日、山頂から西側の日本海側に派生する尾根筋の斜面で見つけた。山形側の大平登山口と秋田側の鉾立登山口が交差するあたりの愛宕坂から7合目の
御浜にかけての範囲。ルート沿いのあちこちに落ちていた。コマドリ、アオジ、ヤブサメ、ノゴマ、ウグイスの仲間といった夏鳥がほとんどで、冬鳥のアトリも数羽交じっていた。
写真を鑑定した酒田市の環境省・猛禽類(もうきんるい)保護センターの村田野人・自然保護専門員は「陸鳥が鳥インフルエンザにかかるとは考えづらい。例えばノゴマは北海道に渡る途中だったのではないか」。酒田市のNPO猛禽類保護ネットワークの伊藤智樹事務局長や八幡山岳会の佐藤巧朗会員も「上昇気流で
上空に運ばれ激しい温度差に耐えられなかったのだろう」と推測。日本海から突き上げる独立峰の鳥海山は気象変化が激しく、野鳥の死骸が落ちていることはこれまでもあった。伊藤事務局長も山頂付近で10年以上前に20羽ほどカモの死骸を見たというが、やはり大量の死骸は珍しいと驚く。
山形地方気象台は4月下旬から5月上旬にかけての庄内地方は「寒暖の変動が顕著だった」と説明しており、小さな夏鳥には厳しい季節だったようだ。
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原因については必ずしもこの通りとは限らないが、異常なあるいは急激な気候変動は生物にとって大きな試練となることは確かである。
地球温暖化は山地や高地に生息する生物だけでなく、スキーヤーにとっても大きな試練となる。
我々はバックカントリースキーの聖地を守るためにも、地球温暖化をくい止める努力をする必要があるだろう。
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