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March 04, 2008

セイフティキャンプ参加

週末にJAN(日本雪崩ネットワーク)のセイフティキャンプに参加してきました。
1泊2日という短い期間でありながら、ひじょうに深い内容で、雪崩の危険性と予防およびセルフレスキューの重要さについてしっかり再認識することができました。
参加費は2万円で決して安くはありませんが、その価格以上に満足のいく内容でした。

実はこのような講習を受けるのは初めてで、今回教わった内容を知らずにこれまで雪山に入っていたことを実に反省しております。
一応ツアーに行くときには雪崩3点セットは携帯していたのですが、やはりこれらは事前によく使い方を練習しておこないと使い物にならないと思います。

1日目は白馬村のウイング21で、座学とビーコン捜索を行いました。

座学は『Free Riding in Avalanche Terrain日本語版』にそった以下の内容でした。

雪崩現象
雪崩地形
積雪安定性に影響を与える要因
山岳の積雪
バックカントリーでの行動
雪崩危険度の推定
セルフレスキュー

一方的に説明を受けるだけでなく。どんな斜面が雪崩が起きやすいか、ルートをどう取ればよいかなどのシミュレーションなども行い、実によく理解できました。

ビーコン捜索はウイング21の前の畑で行いました。
機種ごとにグループに分かれて行いました。
他の機種に比べると、私が持っているオルトボックスX1は実にクセのある機種であることがよくわかりました。
目標に近づいたときに早く動きすぎるとX1はちょっと迷うようです。
いずれにしてもどんなビーコンでも持っているだけでは駄目で、使いこなせないといけないことを痛感しました。
本番では掘り出す時間を考えると5分以内でビーコン捜索を終わらせないといけないわけですから。
それでもなんとかそれぐらいの時間で雪に埋められた目標を見つけることができました。
一方でビーコンを持っていない時の捜索が実に絶望的なものであることもよくわかりました。
雪崩3点セットを持っていない人とは一緒に行きたくないですね。

2日目は実際にツアーに出ての実習でした。
8時に栂池高原スキー場のゴンドラ乗り場に集合し、早大小屋からヒヨドリ尾根に取り付き、雪崩地形、ルートファインディング、グループマネージメント、積雪の安定性などについての実習を行いました。
積雪の安定性はコンプレッションテスト、バーブテスト、ルッチブロックテストを行い評価しました。
この日は晴れて気温は高めでしたが、おおむね安定している感じで、goodの評価でした。
雪柱の切り出し方など実に勉強になりました。
これらも一度はやっておかないといけませんね。

帰りはそれぞれの滑走具を使っての滑り、この日は湿雪重雪で私のテレマーク技術では転倒しまくりでした。
途中の林道下の斜面で突然の埋没者捜索訓練。
4人埋まったとの想定で、3人は5分以内に見つかったのですが、最後の1人はビーコン反応なし。
どうやら1人はビーコンを持っていないとの想定でした。
プローブで見つけ出した時には15分オーバーになってしまいました。
どこに埋められていたかというと、遺留品であるストックが置かれていた場所のすぐ下の木の前で、実際には遺留品の近くや、木などの障害物の前あたりに埋まっている可能性が高いというものでした。
いずれにしてもビーコンを持っていない場合には、プローブだけでの捜索となるため途方もない時間がかかる可能性が高く、実に絶望的な状況となることがよくわかりました。

栂池高原スキー場は長い滑りになるのですが、ゴンドラ乗り場までほとんど休まずに一気に滑りました。
到着したときにはもうヘロヘロでした。
その後、ウイング21に再集合し、本日の積雪安定性の評価と最後のまとめを行って、2日間の密な講習が終了しました。

雪崩講習は雪山に入る人は全員義務として受けるべきと思いました。
ビーコンやプローブもしっかり練習しておかないと本番で混乱を招きます。
実に満足な内容でした。

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