自然選択による進化
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朝から生物学IIの試験の採点をしているが、ようやく半分の採点が終わったところである。比較的点数はよいのであるが、自然選択による進化を説明させる問題のみ出来が悪い。今までの経験からして、自然選択と進化の概念を学生に正確に理解させるのは結構大変なことのように思う。これは京大の先生でさえ同じことを言っていた。いくら口を酸っぱくして説明しても、いざ試験となると見事な模範解答というのはなかなかお目にかかれない。なかには進化の総合説はいまだ不十分な理論と思っているものまでいる始末である。
ちなみに自然選択による進化(適応進化)を説明するとすれば以下のようになる。
ある環境条件のもとで、その環境に最も適した表現型を持つ生物個体がより多くの子孫を残すことにより、その表現型を支配する遺伝子の頻度が世代を通してその生物集団中に増加すること。このような適応進化が起こるためには、集団中の個体の表現型間に変異があること、その変異の間に適応度の差があること、その表現型が次世代に遺伝することが必要である。この3つの条件が揃えば、自然選択は自動的に働き出すのである。
結構、論理的な説明であるが、このようにうまく答えられないのは、論理的な思考能力がやはり今の学生には欠けているためだろうか? 論理的思考ができるかどうかは研究者を目指すには不可欠な能力であるが、これをいかにして鍛えることができるかである。理想はセミナー形式であるが、通常の学部の講義でそれを行うのは難しい。やはり4年生になって研究室に配属されてからしか、そのような指導はできないのだろうか。
本日の主な仕事内容
・生物学IIの試験採点
・4年生への説教:卒論作成が遅い! 集中せよ!
・4年生への統計的検定法の指導
・生物科学科の臨海実習についての問い合わせ:青木さん有り難うございます。
・生態学会誌特集論文執筆依頼への承諾:表現型可塑性についての特集を計画中。
・Scienceに掲載された「Evolution of a Polyphenism by Genetic Accommodation」という論文への別刷り請求:Dr. Suzukiさん、すぐにpdfファイルを送っていただき、どうも有り難うございました。
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