種と種分化
進化は個体群(集団)が単位、自然選択は個体に作用する。つまり「種」という単位には生物学的な意味がない。おまけに「種に」は決まった定義はなく、分類学者が自分勝手に判断しているだけ。今日の1限に中百舌鳥キャンパスで行われた「生物学2」の講義では、「種と」いうものはどういうものかを説明をし、種分化の説明もした。前回は「種族繁栄論」が誤りであることを、ライオンの子殺しを例に説明した。おそらく一般の世の中では未だに生物には種族維持の本能があり、人間のような同種殺しはしないと考えられている。生物の高校教師にもそう信じている人はけっして少なくない。そのような生物教育を受けて洗脳されている受講生のうち、果たしてどれだけがきちんと理解しただろうか。学期末試験の結果でそれは明らかになるだろうが、ボーッとした学生の顔を見ると少々不安である。
大仙キャンパス(旧 大阪女子大学)に戻ってきてからは、生態学会大会企画委員会関係のメールにレスポンスした。これだけでほとんどの時間が奪われる。やはり大会企画委員会は増員すべきだ。学会の役員などはボランティアでするものであるが、この負担の大きさは問題である。難波委員長にはそれに賛同していただいた。午後は今年最後のセミナーを私が担当した。発表内容は最近の忙しさで手抜きとなってしまい、先月末にあった動物行動学会の参加報告を行った。学会では夜の部(飲み会)はがんばった(笑)のだが、肝心の講演内容は結構忘れていた。これはむしろ一緒に参加したマリリンさんにでも報告してもらうべきだったか。
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